大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除
ピコプレップ配合内用剤
ピコスルファートナトリウム水和物・酸化マグネシウム・無水クエン酸
【警告】
本剤の投与により、腸管内圧上昇による腸管穿孔を起こすおそれがあるので、排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与するとともに、腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について慎重に検討すること。特に、腸閉塞を疑う患者には問診、触診、直腸診、画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与するとともに、腸管狭窄、高度な便秘、腸管憩室のある患者では注意すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
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2.2胃腸管閉塞症又は腸閉塞の疑いのある患者[腸管内容物の増大や腸管蠕動運動の亢進により腸管内圧が上昇し、腸管粘膜の虚血、腸閉塞、腸管穿孔を引き起こすおそれがある。]
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2.3腸管穿孔のある患者[腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。]
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2.4中毒性巨大結腸症のある患者[穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。]
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2.5急性腹症が疑われる患者[腸管蠕動運動の亢進により、症状が悪化するおそれがある。]
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2.6重度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分未満)
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、1回1包を約150mLの水に溶解し、検査又は手術前に2回経口投与する。1回目の服用後は、1回250mLの透明な飲料を数時間かけて最低5回、2回目の服用後は1回250mLの透明な飲料を検査又は手術の2時間前までに最低3回飲用する。
- 〈検査又は手術の前日と当日に分けて2回投与する場合〉
検査又は手術の前日は低残渣食、当日は透明な飲料のみとし、検査又は手術前日の夜及び検査又は手術当日の朝(検査又は手術の4〜9時間前)の2回経口投与する。
- 〈検査又は手術の前日に2回投与する場合〉
検査又は手術の前日は低残渣食、当日は透明な飲料のみとし、検査又は手術前日の夕及び1回目の服用から約6時間後の夜の2回経口投与する。
使用上の注意
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8.1高齢者及び腎機能障害や心機能障害等の電解質異常のリスクのある患者に本剤を投与した場合には低ナトリウム血症又は低カリウム血症等が起こるおそれがある。電解質異常のリスクのある患者に投与する場合には、本剤の投与前に血清電解質の検査を実施することが望ましい。
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8.2まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及び高マグネシウム血症等を起こすことがある。腸管穿孔、腸閉塞及び虚血性大腸炎は腸管内容物の増大、蠕動運動の亢進による腸管内圧の上昇により発症し、高マグネシウム血症は、腸閉塞により本剤が腸管内に貯留しマグネシウムの吸収が亢進することにより発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。
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8.2.1患者の日常の排便状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
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8.2.2本剤の投与により排便があった後も腹痛、嘔吐が継続する場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。
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8.3自宅で本剤を服用させる場合には、患者及びその家族に次の点について十分説明・指導すること。
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8.3.1日常の排便状況を確認させるとともに、本剤服用前日、あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は服用前に医師に相談すること。
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8.3.2副作用があらわれた場合に、対応が困難になる場合があるので、一人での服用は避けること。
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8.3.3悪心・嘔吐、腹痛等の消化器症状やアナフィラキシー、過敏症、発疹等のアレルギー症状等の本剤の副作用について事前に説明し、このような症状があらわれた場合には、服用を中止し、直ちに受診すること。また、服用後についても同様の症状があらわれた場合には直ちに受診すること。
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8.3.4電解質異常を起こすおそれがあるため水のみを摂取しないこと。
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8.4薬剤の吸収に及ぼす影響:本剤による腸管洗浄が経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること。
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8.5排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1うっ血性心不全、心機能障害のある患者
電解質の変動により、心機能を抑制するおそれがある。
- 9.1.2高マグネシウム血症の患者
血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがある。
- 9.1.3腹部外科手術の既往歴のある患者
腸閉塞や腸管穿孔を起こすおそれがある。
- 9.1.4腸管狭窄及び高度な便秘のある患者
腸管内容物の増大や腸管蠕動運動の亢進により、腸閉塞や腸管穿孔を起こすおそれがある。
- 9.1.5腸管憩室のある患者
腸管穿孔を起こすおそれがある。
- 9.1.6重度の活動性の炎症性腸疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.7誤嚥を起こすおそれのある患者
誤嚥を起こすおそれのある患者(高齢者、嚥下が困難な患者等)に投与する際には注意すること。誤嚥により、呼吸困難、肺炎を起こすことがある。
- 9.1.8糖尿病用薬を投与中の患者
糖尿病用薬の投与は検査当日の食事摂取後より行うこと。食事制限により低血糖を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/分未満)
投与しないこと。吸収されたマグネシウムの排泄が遅延し、血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがある。また、多量の水分摂取は腎機能に負荷となり、症状が悪化するおそれがある。
- 9.2.2軽度又は中等度の腎機能障害のある患者
電解質異常を起こすおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠の可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
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9.8.1電解質異常が起こりやすいので慎重に投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多い。
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9.8.2腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合は、より重篤な転帰をたどることがある。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テトラサイクリン系抗生物質/フルオロキノロン系抗菌剤、鉄剤、ジゴキシン、クロルプロマジン、ペニシラミン等 | これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤投与の少なくとも2時間前又は投与後6時間以降に服用するなど、同時には服用しないこと。 | マグネシウムイオンがこれらの薬剤との間で難溶性キレートを形成することにより、もしくは本剤の投与により消化管内のpHが上昇することにより、各薬剤の吸収が阻害される。 |
| 利尿剤、副腎皮質ステロイド剤、強心配糖体を有する薬剤、リチウム | 低カリウム血症を引き起こすおそれがある。 | カリウムの排出が増加することによる。 |
| NSAID(非ステロイド性消炎鎮痛剤)又はSIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)を誘発することが知られている薬剤 • 三環系抗うつ薬 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 抗精神病薬 カルバマゼピン等 |
水分貯留や電解質異常を起こすおそれがあるため注意すること。 | 水分貯留及び/又は電解質バランス異常のリスクを増加させる。 |
| 酸性薬物 • サリチル酸等 |
酸性薬物の効果が減弱するおそれがある。 | 本剤が尿pHを上昇させることにより、排泄を促進する。 |
| 塩基性薬物 • メタンフェタミン等 |
塩基性薬物の効果が増強するおそれがある。 | 本剤が尿pHを上昇させることにより、排泄を阻害する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 1%未満 |
| APTT延長 | 1%未満 |
| AST上昇 | 1%未満 |
| アフタ性回腸潰瘍 | 頻度不明 |
| てんかん | 頻度不明 |
| リンパ球数減少 | 1%未満 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 便失禁 | 1%未満 |
| 右脚ブロック | 1%未満 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 大発作痙攣 | 頻度不明 |
| 大腸炎 | 1%未満 |
| 好中球数増加 | 1%未満 |
| 尿中蛋白陽性 | 1%未満 |
| 尿中血陽性 | 1%未満 |
| 悪寒 | 1%未満 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 異常感 | 1%未満 |
| 痙攣 | 頻度不明 |
| 発疹(紅斑性皮疹 | 頻度不明 |
| 白血球数増加 | 1%未満 |
| 白血球数減少 | 1%未満 |
| 直腸炎 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 頻度不明 |
| 紫斑を含む) | 頻度不明 |
| 肛門周囲痛 | 頻度不明 |
| 肝機能検査異常 | 1%未満 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 血中カリウム増加 | 1%未満 |
| 血中ビリルビン増加 | 1%未満 |
| 血中マグネシウム増加 | 頻度不明 |
| 血中リン減少 | 1%未満 |
| 血中尿素減少 | 1%未満 |
| 血小板数増加 | 1%未満 |
| 過敏症 | 頻度不明 |
| 錯乱状態 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ピコスルファートナトリウム水和物は、大腸内の細菌により、活性を有するBHPMに代謝される3),4),5)。BHPMは腸管蠕動運動の亢進作用及び水分吸収阻害作用によって瀉下作用を示す6)。 本剤を水に溶解した際に酸化マグネシウムと無水クエン酸が反応して生成するクエン酸マグネシウムは、腸管内への水分移行を促進するとともに水分の吸収を抑制して腸内容積を増大させることにより腸管の蠕動運動を亢進する7)。
薬物動態
16.1 血中濃度
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16.1.1外国人健康成人16例に本剤2包を、6時間を空けて分割投与した際の1回目投与後及び2回目投与後のピコスルファートのCmax(平均値±標準偏差)はそれぞれ2.3±1.4ng/mL、3.2±2.6ng/mLであり、Tmax(中央値(最小値, 最大値))はそれぞれ2(0.5, 4.0)時間、8(2.0, 10.0)時間であった。また、同様に本剤1回目投与後及び2回目投与後のマグネシウムのCmaxはそれぞれ0.88±0.07mmol/L、0.95±0.08mmol/Lであり、Tmaxはそれぞれ4(1.0, 4.0)時間、10(4.0, 16.1)時間であった。ピコスルファートのt1/2(平均値±標準偏差)は7.4±3.2時間であった1)。
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16.1.2国内臨床試験において、本剤を検査の前日と当日に分けて2回投与した患者213例、検査の前日に2回投与した患者211例の血中マグネシウムの濃度の推移は以下のとおりであった2)。
| 血中マグネシウム濃度 (mmol/L) |
スクリーニング時 | 大腸内視鏡 検査当日 |
試験終了時 |
|---|---|---|---|
| 前日及び当日投与群 (n=213) |
0.88±0.06 | 1.03±0.07 | 0.87±0.07 |
| 前日2回投与群 (n=211) |
0.89±0.07 | 1.03±0.08 | 0.86±0.07 |
(平均値±標準偏差)
16.2 吸収
外国人健康成人16例に本剤2包を、6時間を空けて分割投与したとき、ピコスルファートナトリウム水和物の活性代謝物であるビス-(p-ヒドロキシフェニル)-ピリジル-2-メタン(BHPM)の血漿中濃度は低く、16例中13例において検出限界以下であった1)。
16.5 排泄
外国人健康成人16例に本剤2包を、6時間空けて分割投与したとき、ピコスルファートは投与量の0.11%が未変化体として尿中に排泄された。吸収されたBHPMの多くはグルクロン酸抱合体として尿中に排泄された1)。