レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
本剤投与前の経口レボドパ量に応じて初回投与量を決定し、朝の投与及び持続投与に分けて胃瘻を通じて空腸に直接投与する。その後は患者の症状により、以下の用量範囲で投与量を調整する。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。
通常、成人には、朝の投与として5~10mL(レボドパ/カルビドパ水和物として100/25~200/50mg)を10~30分かけて投与した後、2~6mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として40/10~120/30mg/時間)で持続投与する。なお、1日の最大投与時間は16時間とする。1回あたりの追加投与は0.5~2.0mL(レボドパ/カルビドパ水和物として10/2.5~40/10mg)とする。
本剤の投与量は症状により適宜増減するが、朝の投与は15mL(レボドパ/カルビドパ水和物として300/75mg)、持続投与は10mL/時間(レボドパ/カルビドパ水和物として200/50mg/時間)を超えないこととする。また、1日総投与量は100mL(レボドパ/カルビドパ水和物として2000/500mg)を超えないこととする。
使用上の注意
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8.1本剤の投与にあたっては、パーキンソン病治療に精通し、本剤の治療システムについて十分な知識のある医師又はその指導の下で、本治療システムの使用が適切と判断される症例においてのみ使用すること。
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8.2ニューロパチーがあらわれることがあるため、本剤投与中は、関連症状(感覚障害等)に注意し、必要に応じて神経伝導検査の実施や必要なビタミン等の補充を考慮すること。
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8.3溶血性貧血、血小板減少症があらわれることがあるため、定期的に血液検査を実施すること。
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8.4本剤の急激な減量又は中止により悪性症候群があらわれることがあるため、本剤の減量、中止が必要な場合は、患者の状態を注意深く観察しながら用量を漸減すること。
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8.5医療機器(チューブ等)関連消化管事象及び胃瘻造設関連合併症として胃石、イレウス(腸閉塞)、胃瘻部位びらん・潰瘍、術後創傷感染、腸出血、腸管虚血、腸管穿孔、腸重積、膵炎、腹膜炎、気腹、膿瘍、敗血症、肺炎(誤嚥性肺炎を含む)が発現するおそれがあり、これらは重篤な転帰(死亡等)に至るおそれがあるため、十分注意すること。また、腹痛、悪心、嘔吐等の上記に関連する症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
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8.6閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。
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8.7前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
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8.8レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
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8.9セレギリン塩酸塩等(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ずセレギリン塩酸塩等の電子添文を参照すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2重篤な心疾患のある患者又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.3肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.4慢性開放隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。
- 9.1.5自殺傾向など精神症状のある患者又はその既往歴のある患者
精神症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.6糖尿病の患者
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
9.2 腎機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。レボドパはヒト乳汁中に分泌される。また、動物実験(ラット)でカルビドパの乳汁移行が報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 血圧降下剤 • メチルドパ水和物 レセルピン 節遮断剤 等 |
起立性低血圧等の症候性低血圧が発現するおそれがある。本剤開始時や増量時には血圧降下剤の減量を考慮すること。 | レボドパの血圧降下作用により、相加的に血圧降下作用が増強すると考えられている。 |
| レセルピン製剤 テトラベナジン |
本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 | 左記薬剤の脳内ドパミン減少作用により、パーキンソン症状が悪化する。 |
| ドパミンD2受容体遮断作用を有する薬剤(抗精神病薬等) • フェノチアジン系薬剤 ブチロフェノン系薬剤 リスペリドン ペロスピロン塩酸塩 等 |
本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 | ドパミン作動性神経において本剤と作用が拮抗するため。 |
| 鉄剤 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 | キレートを形成し、本剤の吸収が減少する。 |
| イソニアジド | 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 | 機序不明であるが、イソニアジドによるドパ脱炭酸酵素阻害により脳内でのドパミンへの変換が抑制されるためと考えられている。 |
| パパベリン塩酸塩 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。 | 機序不明 |
| スピラマイシン | レボドパの血中濃度が低下し、本剤の作用が減弱するおそれがある。 | カルビドパの吸収が阻害されることにより、レボドパの血中濃度が低下したとの報告がある。 |
| NMDA受容体拮抗剤 メマンチン塩酸塩 等 |
本剤の作用を増強するおそれがある。 | 左記薬剤がドパミン遊離を促進する可能性がある。 |
| 他の抗パーキンソン剤 • 抗コリン剤 アマンタジン塩酸塩 ブロモクリプチンメシル酸塩 |
精神神経系等の副作用が増強することがある。 | 併用によりレボドパの効果増強につながるが、同時に精神神経系等の副作用が増強する可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ― | 5%以上 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 頻度不明 |
| ― | 頻度不明 |
| ー | 頻度不明 |
| ー | 5%以上 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 頻度不明 |
| ジスキネジア | 5%以上 |
| しびれ感 | 頻度不明 |
| ストーマ部感染 | 5%以上 |
| ストーマ部紅斑 | 頻度不明 |
| ストーマ部蜂巣炎 | 頻度不明 |
| チューブ位置異常 | 頻度不明 |
| チューブ屈曲 | 頻度不明 |
| チューブ留置部位そう痒感 | 頻度不明 |
| チューブ留置部位感染 | 頻度不明 |
| チューブ留置部位疼痛 | 頻度不明 |
| ドパミン調節障害症候群 | 頻度不明 |
| のぼせ感 | 頻度不明 |
| ビタミンB12欠乏 | 頻度不明 |
| ビタミンB12減少 | 頻度不明 |
| ビタミンB6欠乏 | 頻度不明 |
| ビタミンB6減少 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 上腹部痛 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安・焦燥感 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 不随意運動 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 倦怠・脱力感 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 切開部位感染 | 頻度不明 |
| 切開部位痛 | 5%以上 |
| 切開部位発疹 | 5%以上 |
| 切開部位皮膚炎 | 頻度不明 |
| 切開部位紅斑 | 5%以上 |
| 切開部位蜂巣炎 | 頻度不明 |
| 創合併症 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 医療機器挿入合併症(腹痛 | 5%以上 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭痛 | 5%以上 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 唾液・痰・口腔内粘膜・汗・便・尿の変色(黒色等) | 頻度不明 |
| 嗄声 | 頻度不明 |
| 嚥下障害 | 頻度不明 |
| 多発ニューロパチー | 頻度不明 |
| 失見当識 | 頻度不明 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 心拍数不整 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 抗DNA抗体・クームス試験の陽性例 | 頻度不明 |
| 振戦の増強 | 頻度不明 |
| 排尿異常 | 頻度不明 |
| 放屁 | 頻度不明 |
| 歩行障害 | 頻度不明 |
| 気腹 | 頻度不明 |
| 気腹等) | 5%以上 |
| 流涎過多 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化管穿孔 | 頻度不明 |
| 激越 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 異常高熱 | 5%以上 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 病的性欲亢進 | 頻度不明 |
| 病的賭博 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 皮膚潰瘍 | 頻度不明 |
| 睡眠発作 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 頻度不明 |
| 筋痙縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 筋骨格痛 | 頻度不明 |
| 筋骨格系胸痛 | 頻度不明 |
| 精神病性障害 | 頻度不明 |
| 縫合関連合併症 | 5%以上 |
| 胃腸出血 | 頻度不明 |
| 胸やけ | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 脱毛症 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 5%以上 |
| 腹部不快感 | 頻度不明 |
| 腹部不快感 | 5%以上 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 5%以上 |
| 自殺企図 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 虚血性大腸炎 | 頻度不明 |
| 血中アルカリホスファターゼ増加 | 頻度不明 |
| 血中ホモシステイン増加 | 頻度不明 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 血圧低下 | 頻度不明 |
| 術後イレウス | 頻度不明 |
| 術後疼痛 | 5%以上 |
| 視覚異常 | 頻度不明 |
| 誤嚥性肺炎 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 起立性低血圧 | 頻度不明 |
| 転倒 | 頻度不明 |
| 過剰肉芽組織 | 5%以上 |
| 頭痛 | 5%以上 |
| 顆粒球減少 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 頻度不明 |
| 高ホモシステイン血症 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 5%以上 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 18.1.1レボドパ
ドパミンの前駆体であるレボドパは、血液脳関門を通過し、脳内でドパミンに変換され、レボドパがパーキンソン病の症状を軽減すると考えられる。レボドパは末梢でDDC及びCOMTにより大部分が代謝されるため、代謝酵素阻害剤を併用しない場合、脳内に取り込まれるレボドパ量はごくわずかである。
- 18.1.2カルビドパ水和物
カルビドパは末梢性ドパ脱炭酸阻害薬である。カルビドパの脱炭酸酵素阻害活性は脳外組織に限定されるため、カルビドパとレボドパとの併用投与によって、カルビドパは末梢におけるレボドパの脱炭酸化を阻害し、脳内に移行するレボドパ量を増加させ、また、レボドパの脱炭酸反応に起因する末梢作用(悪心、嘔吐など)を軽減する。
薬物動態
16.1 血中濃度
日本人の進行期パーキンソン病患者による第Ⅱ相臨床試験において本剤を空腸内投与したところ、レボドパは迅速に治療血漿中濃度に達し、投与時間を通して安定した濃度を維持した(下図)。本剤投与後の血漿中レボドパ濃度の被験者内変動は、レボドパ・カルビドパ水和物錠投与時に比べ約1/4に低下した(それぞれ10%及び38%)1)。
図1 日本人進行期パーキンソン病患者に本剤を16時間空腸内投与したときの血漿中レボドパ濃度推移
(n= 5、用量:レボドパ1370±353mg、カルビドパ342±88mg)
16.2 吸収
本剤は空腸に直接投与される。レボドパは高分子量の中性アミノ酸(LNAA)輸送体を介し、腸管より速やかにかつ効率的に吸収される2),3)(外国人データ及びin vitro)。
16.3 分布
赤血球及び血漿間のレボドパの分配比は約1である4)。レボドパの血漿蛋白結合率はごくわずかである(約10~30%)5)。カルビドパは血漿蛋白に約36%結合する6)(in vitro)。 ラットにおいてレボドパはLNAA輸送体により脳内に移行し、カルビドパは脳血液関門を透過しなかった。
16.4 代謝
カルビドパとの併用時、レボドパの消失半減期は約1.5時間であった7)。レボドパは代謝によって完全に消失し、生成した代謝物は主として尿中に排泄された。レボドパは主として芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AAAD)及びカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)による代謝を介して消失する。その他の代謝経路としてアミノ基転移及び酸化がある8)。酵素阻害剤を併用投与しないとき、AAADを介するレボドパからドパミンへの脱炭酸が主代謝経路になる。COMTを介するレボドパのO-メチル化により3-O-メチルドパが生成する。 カルビドパは2種類の主代謝物(α-メチル-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸及びα-メチル-3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸)に代謝される。これら2種類の代謝物は未変化体又はグルクロン酸抱合体として主として尿中に排泄される9)。カルビドパの消失半減期は約2時間であった7)(外国人データ)。
16.5 排泄
パーキンソン病患者に放射能標識したレボドパを経口投与したところ、24時間までに投与量の約85%の放射能及び0.8%の未変化体が尿中に排泄された。糞中の放射能排泄率は2%未満であった10)。 パーキンソン病患者に放射能標識したカルビドパを経口投与したところ、投与量の約50%及び35%の放射能がそれぞれ尿中及び糞中に排泄された。尿中の標識物質の32%が未変化体であった6)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
レボドパは、LNAA輸送体の基質の一種であり、この輸送体が腸における吸収及び脳への輸送を促進している11)。COMT阻害剤であるエンタカポンとの併用経口投与は血漿中濃度を増加させなかった12)(外国人データ)。