Clinical snapshot

ワイパックス錠0.5

ロラゼパム

添付文書改訂 2023年05月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  2. 2.2重症筋無力症のある患者[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ

  • 心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ

用法・用量

通常、成人1日ロラゼパムとして1~3mgを2~3回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心障害のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.3衰弱患者

作用が強くあらわれるおそれがある。

  1. 9.1.4中等度又は重篤な呼吸不全のある患者

症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  1. 9.5.1妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物の投与をうけ、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。

  4. 9.5.4妊娠動物(マウス)にロラゼパムを大量投与した実験で、胎児に口蓋裂及び眼瞼裂を認めたとの報告がある1),2),3)。

9.6 授乳婦

*授乳を避けさせること。ロラゼパムの乳汁中への移行が報告されている4)。また、他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)でもヒト母乳中への移行と、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが報告されている。また、黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

作用が強くあらわれるおそれがある。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
• バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。
アルコール(飲酒) 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。
マプロチリン (1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下を増強することがある。
(2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こることがある。
(1)相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。
(2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることがある。
ダントロレンナトリウム 筋弛緩作用を増強することがある。 相互に筋弛緩作用を増強することがある。
プレガバリン 認知機能障害及び粗大運動機能障害に対して本剤が相加的に作用するおそれがある。 相加的な作用による。
クロザピン 循環虚脱を発現する危険性が高まり、重度の循環虚脱から心停止、呼吸停止に至るおそれがある。 心循環系の副作用が相互に増強されると考えられる。
プロベネシド ロラゼパムの消失半減期が延長することがあるので、プロベネシドと併用する際は適宜減量すること。 プロベネシドのグルクロン酸抱合阻害による。
バルプロ酸 ロラゼパムの消失半減期が延長することがある。 バルプロ酸のグルクロン酸抱合阻害による。
リファンピシン ロラゼパムの血中濃度が低下することがある。 リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導による。
経口避妊ステロイド ロラゼパムの血中濃度が低下することがある。 経口避妊ステロイドのUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)誘導作用によると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 1%未満
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
上腹部痛 1%未満
下痢 頻度不明
不眠 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 1%未満
動悸 頻度不明
口渇 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
嘔吐 1%未満
悪心 頻度不明
歩行失調 1%未満
浮腫・血管性浮腫 頻度不明
発疹 1%未満
眠気 頻度不明
立ちくらみ 頻度不明
耳鳴 1%未満
肝機能異常 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
胃部膨満感 1%未満
胸焼け等 1%未満
脱力感 1%未満
舌のもつれ等 1%未満
血圧低下 1%未満
複視 1%未満
霧視 1%未満
頭痛 頻度不明
頭部圧迫感 1%未満
頭重 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ロラゼパムは脳内に広く存在するγ-アミノ酪酸(GABA)/ベンゾジアゼピン受容体複合体と相互作用し、抑制性神経伝達物質であるGABAの同受容体複合体への親和性を亢進し、その作用を増強する。

18.2 抗不安作用

ラットでの条件反射抑制実験において、ロラゼパムはジアゼパム、オキサゾラム、クロキサゾラムより低用量で、明瞭な反応を示し、抗不安作用を有する11),12)。

18.3 馴化作用

一般行動を抑制しない用量で、マウス、ラットの実験的情動過多に対し、ロラゼパムはジアゼパムよりも強力な馴化作用を認める12)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健常成人にロラゼパム1.0mgを経口投与したとき、未変化体の血中濃度は約2時間で最高値を示し、24時間後に消失した。なお、本剤の半減期は約12時間である5),6)。

16.3 分布

ロラゼパムの血漿蛋白結合率は約87%である7)(外国人データ)。

16.4 代謝

本剤の主代謝経路は肝臓中のUGT2B7及びUGT2B15によるグルクロン酸抱合である。

16.5 排泄

グルクロン酸抱合されたロラゼパムの大部分は尿中に排泄されるが、一部は胆汁中に排泄され腸肝循環を受けることが報告されている8)。