Clinical snapshot

ロピニロールOD錠1mg「アメル」

ロピニロール塩酸塩

添付文書改訂 2026年02月01日

【警告】

前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

パーキンソン病

用法・用量

通常、成人にはロピニロールとして1回0.25mg、1日3回(1日量0.75mg)から始め、1週毎に1日量として0.75mgずつ増量し、4週目に1日量を3mgとする。以後経過観察しながら、必要に応じ、1日量として1.5mgずつ1週間以上の間隔で増量し、維持量(標準1日量3~9mg)を定める。いずれの投与量の場合も1日3回に分け、経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量15mgを超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されていることから、患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。

  2. 8.2起立性低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から始め、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。

  3. 8.3本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。

  4. 8.4レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者

症状が増悪又は発現しやすくなることがある。

  1. 9.1.2重篤な心疾患又はその既往歴のある患者

本剤は薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。

  1. 9.1.3低血圧症の患者

症状が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者

本剤は主として腎臓で排泄される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害のある患者

本剤は主として肝臓で代謝される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

*本剤の投与に際し、妊娠する可能性のある女性には以下について説明すること。

  • *妊娠中に本剤を服用した場合の胎児に及ぼす危険性。

  • *本剤の投与中及び最終投与後2日間において避妊する必要性及び適切な避妊法。

9.5 妊婦

*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児毒性(体重減少、死亡数増加及び指の奇形)が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。臨床試験で本剤投与後に血漿中プロラクチン濃度の低下が認められたため、乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。臨床試験において幻覚等の精神症状が多くみられた。

相互作用

  • 本剤は主にCYP1A2により代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ドパミン拮抗剤
• 抗精神病薬
メトクロプラミド
スルピリド等
本剤の作用が減弱することがある。 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
CYP1A2阻害作用を有する薬剤
• シプロフロキサシン
フルボキサミン等
シプロフロキサシンとの併用によりCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されている。
本剤投与中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。
これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
エストロゲン含有製剤 高用量のエストロゲンを投与した患者で本剤の血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤投与中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。 機序不明
他の抗パーキンソン剤 ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
うつ 頻度不明
ジスキネジア(5.5%) 5%以上
めまい(8.7%) 5%以上
リビドー亢進 頻度不明
不安 頻度不明
低血圧 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠(6.2%) 5%以上
嘔吐 頻度不明
失神 頻度不明
強迫性購買 頻度不明
悪心(19.2%) 5%以上
攻撃性 頻度不明
暴食 頻度不明
末梢性浮腫 頻度不明
消化不良 頻度不明
疲労感 頻度不明
疼痛等) 頻度不明
病的賭博 頻度不明
瘙痒 頻度不明
発汗 頻度不明
発疹 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
薬剤離脱症候群注)(無感情 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
躁状態 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ロピニロール塩酸塩はドパミンD2受容体系作動薬であり、ドパミンD2受容体系を刺激することにより、抗パーキンソン病作用を発現すると考えられる11)。

18.2 抗パーキンソン病作用

MPTP処置マーモセットにおいて用量依存的に自発運動を増加させ、巧緻運動を改善した。更に、L-dopaと併用した場合には、L-dopa単独投与と比較して有意に自発運動を増加させた12)。 中脳腹側被蓋野破壊サルにおいて強い抗振戦作用を示し、その作用発現も速やかであった13)。

18.3 各種受容体に対する作用

  1. 18.3.1中枢性ドパミン受容体に対する作用

In vitro試験において中枢性ドパミンD2受容体系に高い親和性を示したが、D1受容体系には親和性を示さなかった11)。

  1. 18.3.2その他の中枢性受容体に対する作用

In vitro試験においてアドレナリン受容体(α1、α2、β)、セロトニン受容体(5-HT1、5-HT2)、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体及びアセチルコリン受容体(ムスカリン)のいずれにもほとんど親和性を示さなかった14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性9例にロピニロール塩酸塩(ロピニロールとして0.4mg)を空腹時単回経口投与した時のロピニロール及び主代謝物(脱プロピル体)の血漿中濃度推移と薬物動態を検討した。ロピニロールは投与後1.6時間にCmax(0.68±0.38ng/mL)に達した1)。

図1 健康成人男性にロピニロール0.4mgを単回経口投与した時の血漿中濃度推移と薬物動態(平均値±標準偏差、9例)

  1. 16.1.2反復投与

パーキンソン病患者に各患者の維持量であるロピニロール1~3.5mgを1日3回、食後に反復経口投与した時のトラフ濃度は、投与量に依存して上昇した。また、維持量において投与後8時間までの血漿中濃度推移を測定した患者(10例)での消失半減期は、約5時間であった2)。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験

ロピニロールOD錠0.25mg「アメル」とレキップ錠0.25mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ロピニロールとして0.25mg)健康成人男子に水なし又は水ありで絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→24)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロピニロールOD錠0.25mg「アメル」 4.79±1.57 0.86±0.20 1.55±0.76 4.98±0.98
レキップ錠0.25mg※ 4.54±1.82 0.88±0.28 1.01±0.26 4.89±1.00

※水で服用 (Mean±S.D.,n=24)

図2 血漿中未変化体濃度(生物学的同等性、水なし)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→24)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ロピニロールOD錠0.25mg「アメル」 5.23±1.75 0.91±0.27 1.15±0.40 5.22±0.80
レキップ錠0.25mg 4.85±1.43 0.92±0.29 1.12±0.41 5.13±0.55

(Mean±S.D.,n=24)

図3 血漿中未変化体濃度(生物学的同等性、水あり)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

パーキンソン病患者12例にロピニロール0.5mgを1日3回より投与開始し、1週毎に1mg、1.5mg、2mgと反復漸増投与し、2mg、1日3回投与時に、クロスオーバー法により、空腹時及び食後のロピニロールの薬物動態を検討した。食後投与では、空腹時投与に比べてTmaxが2.5時間遅延し、Cmaxが約25%低下したが、AUCにはほとんど差は認められず、食事の影響はないと考えられた4)(外国人データ)。

投与条件 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-8
(ng・hr/mL)
空腹時投与 6.53±2.10 1.27±0.36 29.1±9.6
食後投与 5.01±2.09 3.75±1.42 25.9±10.7

平均値±標準偏差、12例

16.3 分布

In vitroでの血漿蛋白結合率は35~42%であった5)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1健康成人男性9例にロピニロール0.1注)、0.2注)及び0.4mgを単回経口投与した時の投与後24時間までのロピニロール及び主代謝物(脱プロピル体)の尿中排泄率は以下のとおりであった1)。
投与量(mg) ロピニロール 主代謝物(脱プロピル体) 合計
0.1 6.4±2.9 35.3±11.2 41.7±12.1
0.2 9.7±5.8 40.3±13.9 50.0±13.2
0.4 3.3±0.9 39.3±6.4 42.6±6.5

平均値±標準偏差、9例

注) 本剤の承認用量は、「通常、成人にはロピニロールとして1回0.25mg、1日3回(1日量0.75mg)から始め、1週毎に1日量として0.75mgずつ増量し、4週目に1日量を3mgとする。以後経過観察しながら、必要に応じ、1日量として1.5mgずつ1週間以上の間隔で増量し、維持量(標準1日量3~9mg)を定める。いずれの投与量の場合も1日3回に分け、経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量15mgを超えないこととする。」である。

  1. 16.5.2健康成人男性4例に14C標識体0.6mgを単回経口投与した時の投与後48時間までの総放射能排泄率は、尿中に86.1±3.1%、糞中に0.6±0.5%であった6)(外国人データ)。

16.8 その他

ロピニロールOD錠1mg「アメル」及びロピニロールOD錠2mg「アメル」について、それぞれ「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、ロピニロールOD錠0.25mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた7)。