パーキンソン病
【警告】
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはロピニロールとして1日1回2mgから始め、2週目に4mg/日とする。以後経過観察しながら、必要に応じ、2mg/日ずつ1週間以上の間隔で増量する。いずれの投与量の場合も1日1回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量16mgを超えないこととする。
使用上の注意
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8.1突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されていることから、患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。
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8.2起立性低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から始め、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
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8.3本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。
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8.4レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
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8.5本剤は24時間かけて有効成分を放出し、溶解するよう設計されているので、腸切除の既往、人工肛門造設術、下痢等の影響で、本剤の消化管内滞留時間が短くなったと考えられる場合、又は糞便中に本剤の残留物が確認された場合には、本剤の効果が十分に得られないおそれがある。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者
症状が増悪又は発現しやすくなることがある。
- 9.1.2重篤な心疾患又はその既往歴のある患者
本剤は薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。
- 9.1.3低血圧症の患者
症状が悪化することがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者
本剤は主として腎臓で排泄される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1肝障害のある患者
本剤は主として肝臓で代謝される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
- 9.3.2重度の肝障害のある患者
維持用量が決定するまではより低用量の用量調節が可能な速放錠である「ロピニロール塩酸塩錠0.25mg、同1mg、同2mg」を用いることも考慮すること。
9.4 生殖能を有する者
**本剤の投与に際し、妊娠する可能性のある女性には以下について説明すること。
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妊娠中に本剤を服用した場合の胎児に及ぼす危険性。
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本剤の投与中及び最終投与後2日間において避妊する必要性及び適切な避妊法。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児毒性(体重減少、死亡数増加及び指の奇形)が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。臨床試験で本剤投与後に血漿中プロラクチン濃度の低下が認められたため、乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。臨床試験において幻覚等の精神症状が多くみられた。
相互作用
- 本剤は主にCYP1A2により代謝される。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ドパミン拮抗剤 • 抗精神病薬 メトクロプラミド スルピリド等 |
本剤の作用が減弱することがある。 | 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。 |
| CYP1A2阻害作用を有する薬剤 • シプロフロキサシン フルボキサミン等 |
ロピニロール速放錠とシプロフロキサシンとの併用によりロピニロールのCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されている。 本剤投与中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。 |
これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
| エストロゲン含有製剤 | 高用量のエストロゲンを投与した患者でロピニロールの血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤投与中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。 | 機序不明 |
| 他の抗パーキンソン剤 | ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。 | 機序不明 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| うつ | 頻度不明 |
| ジスキネジア | 5%以上 |
| めまい | 頻度不明 |
| リビドー亢進 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 便秘 | 5%以上 |
| 傾眠 | 5%以上 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 失神 | 頻度不明 |
| 強迫性購買 | 頻度不明 |
| 悪心 | 5%以上 |
| 攻撃性 | 頻度不明 |
| 暴食 | 頻度不明 |
| 末梢性浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 疲労感 | 頻度不明 |
| 疼痛等) | 頻度不明 |
| 病的賭博 | 頻度不明 |
| 瘙痒 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 薬剤離脱症候群注)(無感情 | 頻度不明 |
| 血管性浮腫等 | 頻度不明 |
| 起立性低血圧 | 頻度不明 |
| 躁状態 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ロピニロールはドパミンD2受容体系作動薬であり、ドパミンD2受容体系を刺激することにより、抗パーキンソン病作用を発現すると考えられる。
18.2 抗パーキンソン病作用
MPTP処置マーモセットにおいて用量依存的に自発運動を増加させ、巧緻運動を改善した11)。更に、L-dopaと併用した場合には、L-dopa単独投与と比較して有意に自発運動を増加させた11)。 中脳腹側被蓋野破壊サルにおいて強い抗振戦作用を示し、その作用発現も速やかであった12)。
18.3 各種受容体に対する作用
- 18.3.1中枢性ドパミン受容体に対する作用
In vitro試験において中枢性ドパミンD2受容体系に高い親和性を示したが、D1受容体系には親和性を示さなかった13)。
- 18.3.2その他の中枢性受容体に対する作用
In vitro試験においてアドレナリン受容体(α1、α2、β)、セロトニン受容体(5-HT1、5-HT2)、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体及びアセチルコリン受容体(ムスカリン)のいずれにもほとんど親和性を示さなかった13)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1L-dopa製剤非併用のパーキンソン病患者62例にロピニロール徐放錠2~16mgを反復経口投与した時の血漿中ロピニロールのトラフ濃度はほぼ用量比例的に増加した1)。
| 投与量(mg) | 例数(例) | トラフ濃度(ng/mL) |
|---|---|---|
| 2 | 61 | 1.81±1.76 |
| 4 | 58 | 3.53±1.75 |
| 6 | 1 | 3.82 |
| 8 | 61 | 7.60±5.51 |
| 10 | 17 | 9.77±3.24 |
| 12 | 12 | 11.97±7.21 |
| 14 | 9 | 12.58±5.59 |
| 16 | 12 | 15.47±8.29 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2生物学的同等性試験
- 〈ロピニロール徐放錠2mg「サワイ」〉
ロピニロール徐放錠2mg「サワイ」とレキップCR錠2mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(ロピニロールとして2mg)空腹時及び食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ロピニロール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)。
-
Cmax
(ng/mL)Tmax
(hr)T1/2
(hr)AUC0-72hr
(ng・hr/mL)空腹時 ロピニロール徐放錠2mg「サワイ」 1.09±0.52 8.7±5.0 7.3±1.3 26.48±11.27 レキップCR錠2mg 1.06±0.45 8.3±3.9 7.3±1.4 25.67±11.30 食後 ロピニロール徐放錠2mg「サワイ」 1.46±0.43 9.2±3.7 7.0±2.3 29.72±9.66 レキップCR錠2mg 1.38±0.48 10.0±3.5 7.6±2.3 28.76±11.00
(Mean±S.D.)
- 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
L-dopa製剤非併用のパーキンソン病患者11例を対象に、ロピニロール徐放錠8~16mgを食後に反復経口投与した時、空腹時と比べて血漿中ロピニロールの薬物動態に食事の影響はみられなかった。投与量で補正した血漿中ロピニロール濃度は投与後7時間にCmax(1.63±0.46ng/mL/mg)に達し、AUC0-24は28.28±7.88ng・hr/mL/mgであった3)。
| 投与条件 | Cmax(ng/mL/mg) | AUC0-24(ng・hr/mL/mg) |
|---|---|---|
| 摂食後 | 1.63±0.46 | 28.28±7.88 |
| 絶食下 | 1.64±0.61 | 28.91±10.37 |
平均値±標準偏差、10例
- 16.2.2バイオアベイラビリティ
早期パーキンソン病患者23例にロピニロール徐放錠の8mgを1日1回4~7日間経口投与した時の定常状態におけるTmaxの中央値は約6時間であり、ロピニロール速放錠の2.5mgを1日3回4~7日間経口投与した時の血漿中ロピニロールの曝露量に対するロピニロール徐放錠の相対的バイオアベイラビリティは88%以上であった4)(外国人データ)。
16.3 分布
In vitroでの血漿蛋白結合率は35~42%であった5)。
16.5 排泄
- 16.5.1健康成人男性9例にロピニロール0.1、0.2及び0.4mg注)を単回経口投与した時の投与後24時間までのロピニロール及び主代謝物(脱プロピル体)の尿中排泄率は以下のとおりであった6)。
| 投与量(mg) | ロピニロール | 主代謝物(脱プロピル体) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 0.1 | 6.4±2.9 | 35.3±11.2 | 41.7±12.1 |
| 0.2 | 9.7±5.8 | 40.3±13.9 | 50.0±13.2 |
| 0.4 | 3.3±0.9 | 39.3±6.4 | 42.6±6.5 |
平均値±標準偏差、9例
- 16.5.2健康成人男性4例に14C標識体0.6mg注)を単回経口投与した時の投与後48時間までの総放射能排泄率は、尿中に86.1±3.1%、糞中に0.6±0.5%であった(外国人データ)7)。 注)本剤の承認用量は、「通常、成人にはロピニロールとして1日1回2mgから始め、2週目に4mg/日とする。以後経過観察しながら、必要に応じ、2mg/日ずつ1週間以上の間隔で増量する。いずれの投与量の場合も1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量16mgを超えないこととする。」である。
16.8 その他
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〈ロピニロール徐放錠8mg「サワイ」〉
-
ロピニロール徐放錠8mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、ロピニロール徐放錠2mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた8)。