下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1消化性潰瘍のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]
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2.2重篤な血液の異常のある患者
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2.3重篤な腎障害のある患者
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2.4重篤な肝障害のある患者
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2.5本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.6アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させるおそれがある。]
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2.7妊娠末期の女性
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはナブメトンとして800mgを1日1回食後に経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
使用上の注意
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8.1消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
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8.2慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
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長期投与する場合には定期的に尿検査、血液検査及び肝機能検査等を行うこと。
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薬物療法以外の療法も考慮すること。
- 8.3急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
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急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与すること。
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原則として長期投与を避けること。
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原因療法があればこれを行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1消化性潰瘍の既往歴のある患者
消化性潰瘍を再発させるおそれがある。
- 9.1.2非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者
本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。
- 9.1.3血液の異常又はその既往歴のある患者(重篤な血液の異常のある患者を除く)
血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
- 9.1.4心機能障害のある患者
プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため、症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.5高血圧症の患者
プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、血圧を上昇させるおそれがある。
- 9.1.6気管支喘息の患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)
喘息発作を悪化させるおそれがある。
- 9.1.7潰瘍性大腸炎の患者
症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.8クローン病の患者
症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.9感染症合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。プロスタグランジン生合成抑制作用による腎血流量の低下等により、腎障害を悪化させるおそれがある。
- 9.2.2腎障害又はその既往歴のある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
腎障害を悪化又は再発させることがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。副作用として肝障害が報告されており、肝障害を更に悪化させるおそれがある。
- 9.3.2肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。
9.5 妊婦
- 9.5.1妊娠末期の女性
投与しないこと。 動物実験(ラット)で分娩遅延が報告されている。また、妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。
- 9.5.2妊婦(妊娠末期を除く)又は妊娠している可能性のある女性*治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用の発現に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| クマリン系抗凝血剤 • ワルファリン等 |
抗凝血作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。 | 本剤の蛋白結合率は高いので、これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、それらの遊離型の血中濃度を増加し、作用が増強されるためと考えられている。 |
| スルホニル尿素系血糖降下剤 • トルブタミド等 |
血糖降下作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。 | 本剤の蛋白結合率は高いので、これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、それらの遊離型の血中濃度を増加し、作用が増強されるためと考えられている。 |
| チアジド系利尿剤 • ヒドロクロロチアジド等ループ利尿剤 • フロセミド等 |
利尿作用を減弱するおそれがある。 | 本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、水、ナトリウムの腎排泄を減少させるためと考えられる。 |
| メトトレキサート | 血中メトトレキサート濃度を上昇させ、作用を増強するおそれがあるので血中メトトレキサート濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。 | 本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。 |
| リチウム製剤 • 炭酸リチウム |
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがあるので血中リチウム濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。 | 本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 1〜5%未満 |
| ALT上昇 | 1〜5%未満 |
| AST上昇 | 1〜5%未満 |
| BUN上昇 | 1〜5%未満 |
| そう痒感 | 1〜5%未満 |
| めまい | 1〜5%未満 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1〜5%未満 |
| 口内炎 | 1〜5%未満 |
| 口渇 | 1〜5%未満 |
| 嘔吐 | 1%未満 |
| 嘔気 | 1〜5%未満 |
| 好酸球増多 | 1〜5%未満 |
| 心窩部不快感 | 1〜5%未満 |
| 心窩部痛 | 1〜5%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 消化不良 | 1〜5%未満 |
| 消化性潰瘍 | 頻度不明 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 眠気 | 1%未満 |
| 胃痛 | 1〜5%未満 |
| 胃腸出血 | 頻度不明 |
| 胃部不快感 | 1〜5%未満 |
| 胃重感 | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 蛋白尿 | 頻度不明 |
| 血清クレアチニン上昇 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ナブメトンは経口投与されたとき未変化体のまま吸収され、体内で速やかに活性代謝物に変換される。この活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸はシクロオキシゲナーゼ活性抑制作用を有し、プロスタグランジン生合成を阻害することによって、抗炎症、鎮痛作用を発揮する19),20)。
18.2 抗炎症作用
ラットのカラゲニン足浮腫、モルモットの紫外線紅斑及びラットのアジュバント関節炎における抗炎症作用はアスピリンの約2.5~6倍であった19),20)。
18.3 鎮痛作用
ラットの炎症性疼痛(Randall-Selitto法)及びマウスの化学物質(酢酸Writhing法)に対する鎮痛作用はアスピリンの約2倍であった19)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを食後単回経口投与したところ速やかに吸収され、血中には大部分が活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の形で存在し、未変化体はほとんど検出されなかった。6-メトキシ-2-ナフチル酢酸は約4時間で最高血中濃度に達し、約21時間の半減期で減少した2)。
| tmax | 4.0±1.8時間 |
|---|---|
| Cmax | 36.7±8.5μg/mL |
| t1/2 | 20.5±2.2時間 |
Mean±S.D., n=6
健康成人男性6例にナブメトン800mgを食後に経口投与した場合の血清中活性代謝物濃度
- 16.1.2反復投与
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の血中濃度は投与後4日目で定常状態に達した。7日目投与後の半減期は約19時間と単回投与時のそれと大きな差はなかった2)。 また、関節リウマチ患者(7例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し、血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。3日目の投与直前値は28.7μg/mL、42日目では31.8μg/mL、3日目の投与後4時間値は54.1μg/mL、42日目では57.6μg/mLであり、血清中濃度は3日目で定常状態となっていた3)。これらの値は健康成人男性にナブメトン800mgを1日1回7日間反復経口投与したときの4日目及び7日目の投与直前値と比べ1.2~1.4倍高かった。
16.3 分布
関節リウマチ患者(16例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し、血清中の蛋白結合率を測定したところ、投与後1日目から42日目まで成人及び高齢患者とも99%以上であった3)。
16.5 排泄
健康成人男性(6例)にナブメトン800mgを単回経口投与した後の尿中排泄は6-メトキシ-2-ナフチル酢酸が抱合体として25.6%排泄されたが、未変化体は検出されなかった2)。また、本剤の主要排泄経路は腎であった4)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1高齢者
高齢(69~75歳)の関節リウマチ患者(9例)にナブメトン800mgを1日1回42日間反復経口投与し血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。高齢患者群の血清中濃度は成人患者群とほぼ同じであり、両群間に有意差はなかった3)。