全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
リスティーゴ皮下注280mg
ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)として下表に示す用量を1週間間隔で6回皮下注射する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
| 体重 | 投与量 |
|---|---|
| 50kg未満 | 280mg |
| 50kg以上70kg未満 | 420mg |
| 70kg以上100kg未満 | 560mg |
| 100kg以上 | 840mg |
使用上の注意
-
8.1本剤の投与により、血中IgG濃度が低下し、感染症が生じる又は悪化するおそれがある。本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、感染症の自他覚症状に注意し、異常が認められた場合には、速やかに医療機関に相談するよう患者に指導すること。
-
8.2本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。使用済みの注射針及び注射器を再使用しないよう患者に注意を促し、安全な廃棄方法に関する指導を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1感染症を合併している患者
感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること。感染症が増悪するおそれがある。
- 9.1.2肝炎ウイルスキャリアの患者
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られており、本剤は妊娠カニクイザルにおいて、胎児に移行することが確認されたが、新生児に有害な影響は認められなかった。また、本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgGが低下し、感染のリスクが高まる可能性がある1) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒト免疫グロブリンは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| モノクローナル抗体製剤(エクリズマブ(遺伝子組換え)、ラブリズマブ(遺伝子組換え)等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| Fc領域融合タンパク質製剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)等) | これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 | 本剤がこれらの薬剤の血清濃度を低下させる可能性がある。 |
| 血液浄化療法 | 本剤の治療効果が減弱する可能性があるため、併用を避けることが望ましい。 | 本剤による治療中に施行することにより本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。 |
| 生ワクチン及び弱毒生ワクチン | ワクチンの病原に基づく症状が発現する可能性があるため、本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。 本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい。 |
生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある。 |
| 生ワクチン及び弱毒生ワクチン以外のワクチン | ワクチンの効果が減弱する可能性がある。 ワクチンは本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましい。 本剤による治療中の場合、本剤のサイクル投与における最終投与から2週間後以降に接種することが望ましい。 |
本剤の作用機序により、ワクチンに対する免疫応答が得られない可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ヘルペスウイルス感染(単純ヘルペス | 頻度不明 |
| 上気道感染 | 頻度不明 |
| 下痢(20.7%) | 頻度不明 |
| 丘疹性皮疹) | 頻度不明 |
| 口腔ヘルペス | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 帯状疱疹) | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 注射/注入部位反応 | 頻度不明 |
| 片頭痛)(36.7%) | 頻度不明 |
| 発熱(12.8%) | 頻度不明 |
| 皮疹(皮疹 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 紅斑性皮疹 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭痛(頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
本剤は、IgGのFcRnへの結合阻害により、IgGのリサイクリング及びトランスサイトーシスを阻害し、血清総IgG濃度を低下させる7) 。
18.2 FcRnに対する結合親和性
本剤のヒトFcRnに対するKDはpH7.4の条件下で55pmol/L、pH6.0の条件下で44pmol/Lであった8) 。また、ヒトFcRn遺伝子導入細胞において、ヒトFcRnに対するKD値はpH7.4及びpH6.0の条件下でいずれも約0.4nmol/Lであった9) 。
18.3 In vivo IgG低下作用
ヒトFcRn遺伝子導入マウスにおいて、10~100mg/kgで用量依存的で有意なヒトIgGクリアランスの促進が認められた10) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人健康成人に、本剤7mg/kg及び10mg/kg注2) を単回皮下投与した時の血漿中ロザノリキシズマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す2) 。
図1 日本人健康成人に単回皮下投与時の血漿中ロザノリキシズマブ濃度推移(算術平均±標準偏差)(PK-PPS)
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
tmax (day) |
AUC0-t (μg・day/mL) |
|---|---|---|---|
| 7mg/kg | 7.077 (80.7%) |
1.5 (1.5, 3.0) |
16.79 (60.6%) |
| 10mg/kg | 13.88 (145.6%) |
3.0 (1.5, 4.0) |
44.78 (154.4%) |
Cmax、AUC0-t:幾何平均値(変動係数)、tmax:中央値(最小値, 最大値)
- 16.1.2反復投与
全身型重症筋無力症患者に本剤7mg/kg相当又は10mg/kg相当注2) (表2)を1週間隔で6回皮下投与した時(MG0003試験)の血漿中ロザノリキシズマブ濃度は表3のとおりであった3) 。
| 体重 | 体重層別投与量 | |
|---|---|---|
| 7mg/kg相当 | 10mg/kg相当 | |
| 35kg以上50kg未満 | 280mg | 420mg |
| 50kg以上70kg未満 | 420mg | 560mg |
| 70kg以上100kg未満 | 560mg | 840mg |
| 100kg以上 | 840mg | 1120mg |
| 投与量 | 統計量 | 第3日 | 第24日 |
|---|---|---|---|
| 7mg/kg相当 | 例数 中央値 (最小値, 最大値) |
58 8.185 (定量下限未満, 50.9) |
52 11.30 (定量下限未満, 62.1) |
| 10mg/kg相当 | 例数 中央値 (最小値, 最大値) |
62 18.20 (定量下限未満, 114) |
62 28.15 (定量下限未満, 113) |
16.2 吸収
ロザノリキシズマブ皮下投与の絶対的バイオアベイラビリティは、母集団薬物動態解析から約70%と推定された4) 。
16.3 分布
ロザノリキシズマブの見かけの分布容積は、母集団薬物動態解析から約7Lと推定された5) 。
16.4 代謝
ロザノリキシズマブは、内因性IgGと同様の異化経路によりペプチド及びアミノ酸に代謝されると予想される。
16.5 排泄
遊離型ロザノリキシズマブの見かけのクリアランスは、母集団薬物動態解析から約0.9L/日と推定された5) 。
16.8 その他
- 16.8.1薬力学
全身型重症筋無力症患者に本剤7mg/kg相当又は10mg/kg相当注2) を1週間隔で6回皮下投与した時の血清中総IgG濃度の推移は図2のとおりであった。総IgG濃度のベースラインからの平均最大減少率は、7mg/kg相当群で71.1%、10mg/kg相当群で77.7%であった。投与中止後、総IgG濃度は約9週間以内にベースラインレベルに回復した3) 。
図2 血清中総IgG濃度のベースラインからの平均変化率(±標準偏差)(MG0003試験:Safety Set)
注2)本剤の承認された用量は7mg/kg相当である。