- 〈テガフール・ウラシル通常療法〉
次の疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解: 頭頸部癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌
- 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
結腸・直腸癌
1.3本療法は、テガフール・ウラシル配合剤の細胞毒性を増強する療法であり、本療法に関連したと考えられる死亡例が認められているので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を有する医師のもとで、「2.禁忌」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項を参照して適応患者の選択を慎重に行い実施すること。
1.4本療法において重篤な下痢が起こることがあり、その結果、致命的な経過をたどることがあるので、患者の状態を十分観察し、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと。
1.5本療法において劇症肝炎等の重篤な肝障害、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、その結果、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど患者の状態を十分観察し、副作用の早期発見に努めること。また、肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し、黄疸(眼球黄染)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.1重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発することがある。]
2.2重篤な下痢のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こすことがある。]
2.3重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪することがある。]
2.4本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.5テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者
2.6妊婦又は妊娠している可能性のある女性
次の疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解: 頭頸部癌、胃癌、結腸・直腸癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌
結腸・直腸癌
通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量を1日2~3回に分割経口投与する。 子宮頸癌については通常、1日量として、テガフール600mg相当量を1日2~3回に分割経口投与する。 他の抗悪性腫瘍剤との併用の場合は上記に準じて投与する。
| 販売名 | 1日量(通常) | ||
|---|---|---|---|
| テガフール 300~600mg 相当量 |
(子宮頸癌の場合) テガフール 600mg相当量 |
||
| ユーエフティ配合カプセルT100 | 3~6カプセル | 6カプセル | |
| ユーエフティE配合顆粒T100 | 0.5g分包 | 1.5~3.0g | 3.0g |
| ユーエフティE配合顆粒T150 | 0.75g分包 | ||
| ユーエフティE配合顆粒T200 | 1.0g分包 |
結腸・直腸癌に対して通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。 ホリナートの投与量は通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。 以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
8.3重篤な下痢・腸炎等が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.4劇症肝炎、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
骨髄抑制が増強するおそれがある。
骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
耐糖能異常が悪化するおそれがある1)。
致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
肝障害が悪化するおそれがある。
9.4.1小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
9.4.2*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.4.3*男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤を投与された女性において奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラットで胎児の骨格変異、化骨遅延等が認められている)がある2)。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている3)。
副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しているので、特に消化器障害(下痢、口内炎等)、骨髄抑制があらわれやすい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤 (ティーエスワン) |
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。 | ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| フェニトイン4) | フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがある。必要に応じてフェニトインの血中濃度を測定し、フェニトインの用量調節を行い、注意して投与すること。異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 | テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する。 |
| ワルファリンカリウム | テガフールがワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること。 | 機序は不明である。 |
| トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤 | 重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。 | 本剤との併用により、トリフルリジンのDNA取り込みが増加する可能性がある。チピラシル塩酸塩がチミジンホスホリラーゼを阻害することにより、本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある。 |
| 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射 | 血液障害、消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 | 副作用が相互に増強される。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 12) | 頻度不明 |
| Al-P上昇 | 1%未満 |
| ALTの上昇等) | 1〜5%未満 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| DLE様皮疹11) | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 1〜5%未満 |
| クレアチニンの上昇等) | 1〜5%未満 |
| しびれ | 1〜5%未満 |
| そう痒 | 1〜5%未満 |
| び爛・皮膚炎 | 1%未満 |
| ヘマトクリット値減少 | 頻度不明 |
| リンパ球減少 | 頻度不明 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 倦怠感 | 1〜5%未満 |
| 光線過敏症10) | 1%未満 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口内炎 | 1〜5%未満 |
| 口唇炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 1%未満 |
| 口角炎 | 1%未満 |
| 味覚異常 | 1〜5%未満 |
| 咳・痰 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 嚥下困難 | 1%未満 |
| 女性型乳房 | 1%未満 |
| 好中球減少 | 頻度不明 |
| 好塩基球増多 | 頻度不明 |
| 好酸球増多 | 頻度不明 |
| 平均赤血球容積(MCV)増加 | 頻度不明 |
| 心窩部痛 | 1〜5%未満 |
| 心電図異常(ST上昇等) | 1%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 手足症候群 | 頻度不明 |
| 末梢性ニューロパチー | 頻度不明 |
| 水疱 | 1%未満 |
| 浮腫 | 1〜5%未満 |
| 灼熱感 | 1%未満 |
| 無月経 | 頻度不明 |
| 爪の異常 | 1〜5%未満 |
| 発熱 | 1〜5%未満 |
| 発疹 | 1〜5%未満 |
| 発赤 | 頻度不明 |
| 皮膚の乾燥 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 1〜5%未満 |
| 筋肉痛 | 1%未満 |
| 糖尿 | 1%未満 |
| 紅潮 | 1%未満 |
| 結膜充血 | 1%未満 |
| 総ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| 総蛋白低下 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 1%未満 |
| 肝機能障害(AST | 1〜5%未満 |
| 胃不快感 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 胃重感 | 頻度不明 |
| 胸やけ | 1〜5%未満 |
| 胸内苦悶感 | 1%未満 |
| 胸痛 | 1%未満 |
| 脂肪肝 | 1%未満 |
| 脱毛 | 1〜5%未満 |
| 腎機能障害(BUN | 1〜5%未満 |
| 腹痛 | 1〜5%未満 |
| 腹部膨満感 | 1%未満 |
| 腹鳴 | 1%未満 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 舌炎 | 1%未満 |
| 色素沈着 | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 蛋白尿 | 1%未満 |
| 血尿 | 1%未満 |
| 血清カリウム上昇 | 頻度不明 |
| 血清カリウム低下 | 頻度不明 |
| 血清カルシウム上昇 | 頻度不明 |
| 血清カルシウム低下 | 頻度不明 |
| 血清クロール上昇 | 頻度不明 |
| 血清クロール低下 | 頻度不明 |
| 血清ナトリウム低下 | 頻度不明 |
| 血清尿酸値上昇 | 1%未満 |
| 血痰 | 頻度不明 |
| 血糖値上昇 | 1%未満 |
| 血色素減少 | 頻度不明 |
| 角化 | 1%未満 |
| 赤血球減少 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 頭重感 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 1〜5%未満 |
| 高コレステロール血症 | 頻度不明 |
| 高トリグリセリド血症 | 頻度不明 |
| 黄疸 | 1〜5%未満 |
ユーエフティの抗腫瘍効果は体内でテガフールから徐々に変換される5-FUに基づいている。 5-FUの作用機序は活性代謝物であるFdUMPがdUMPと拮抗し、thymidylate synthaseを抑制することによるDNAの合成阻害と、FUTPがRNAに取込まれることによるRNAの機能障害に起因するものと考えられている(in vitro)。 ユーエフティに含有されるウラシルによるテガフールの抗腫瘍効果の増強はリン酸化及び分解酵素に対する5-FUとウラシルの酵素親和性の差により5-FUの分解が抑制されることに起因し、特に腫瘍内において5-FUとそのリン酸化活性代謝物が高濃度に維持されることによるものと考えられている44),45),46),47),48),49),50),51)(in vitro)。
Walker-256、吉田肉腫、腹水肝癌(ラット)及びSarcoma-180、Ehrlich腫瘍、Lewis肺癌、B-16メラノーマ(マウス)等の各種皮下移植腫瘍、また、ヒト胃癌、乳癌、膵癌皮下移植腫瘍(ヌードマウス)に対して腫瘍増殖抑制効果を示し、さらにL-1210移植担癌動物(マウス)に対しても延命効果を示した52),53),54),55),56),57)。
癌患者12例にユーエフティ(テガフール300mg相当量)を単回経口投与し、血中テガフール、5-FU及びウラシル濃度を測定した結果、テガフール濃度は投与後2時間で最高値13.7±1.1μg/mLを示し、以後漸次減少し、24時間後では3.6±0.8μg/mLであった。5-FU及びウラシル濃度はいずれも投与後30分にそれぞれ0.21±0.094μg/mL、3.0±1.8μg/mLの最高値を示し、以後低下して5-FUは3時間後で0.05±0.019μg/mL、ウラシルは6時間後で0.30±0.23μg/mLの値を示した20)。 一方、ユーエフティ投与後における5-FUの血中、腫瘍周辺正常組織及び腫瘍内濃度を比較すると、腫瘍内濃度が高値を示した21),22),23),24),25),26),27)。
癌患者25例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食摂取後)にホリナート30mg及びテガフール・ウラシル配合剤(テガフール200mg相当量)を投与した場合、空腹時に比べて食後投与時のウラシルのAUC、テガフールから変換されたフルオロウラシルのAUCはそれぞれ66%、37%減少し、ホリナートのAUCは61%上昇した。一方、テガフールのAUCには著明な変化は認められなかった28)(外国人データ)。
テガフールから5-FUへの代謝に関与するヒト肝チトクロームP-450分子種としてCYP2A6が主であるとの報告がある29)(in vitro)。