- 〈皮下及び静脈内投与の場合〉
○ 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
○ 激しい咳嗽発作における鎮咳
○ 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
○ 麻酔前投薬、麻酔の補助
○ 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
- 〈硬膜外及びくも膜下投与の場合〉
○ 激しい疼痛時における鎮痛
○ 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
2.1重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する。]
2.2気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる。]
2.3重篤な肝機能障害のある患者
2.4慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する。]
2.5痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄の刺激効果があらわれる。]
2.6急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する。]
2.7本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
2.8出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある。]
2.9ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者
2.10注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
2.11敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
2.12注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
2.13敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
2.14中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
2.15脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
○ 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
○ 激しい咳嗽発作における鎮咳
○ 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
○ 麻酔前投薬、麻酔の補助
○ 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
○ 激しい疼痛時における鎮痛
○ 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回5~10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回50~200mgを投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回2~6mgを硬膜外腔に注入する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
硬膜外腔に持続注入する場合は、通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物の1日量として2~10mgを投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回0.1~0.5mgをくも膜下腔に注入する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
8.2眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
8.3本剤の使用に際しては、初回投与あるいは導入時から、鎮痛状態が安定し、安全性上問題ないと判断できるまでは、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
8.4重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
8.5硬膜外腔内留置カテーテルを介した投与により肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること。
8.6本剤の使用に際しては、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
8.7重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
8.8くも膜下腔内留置カテーテルを介した投与により肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長を来すおそれがある。
循環不全を増強するおそれがある。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
依存性を生じやすい。
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
排尿障害を増悪することがある。
消化管運動を抑制する。
痙攣を誘発するおそれがある。
胆道痙攣を起こすことがある。
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。
硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。
出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
脊髄や神経根の損傷のおそれがある。
出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
脊髄や神経根の損傷のおそれがある。
排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
投与しないこと。昏睡に陥ることがある。
代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用(マウスでは脳脱、軸骨格癒合)が報告されている1),2)。
9.5.2分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
9.5.3分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することがある。
新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • ナルメフェン塩酸塩水和物• セリンクロ | 本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 中枢神経抑制剤• フェノチアジン系薬剤 バルビツール酸系薬剤等 • 吸入麻酔剤 • モノアミン酸化酵素阻害剤 • 三環系抗うつ剤 • β-遮断剤 • アルコール |
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強される。 |
| • クマリン系抗凝血剤• ワルファリン | クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。 | 機序は不明である。 |
| • 抗コリン作動性薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。 | 相加的に抗コリン作用が増強される。 |
| • ジドブジン(アジドチミジン) | ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。 | ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害され、ジドブジンの代謝が阻害される。 |
| • ブプレノルフィン | ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。 | μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
| • クロピドグレル硫酸塩 • チカグレロル • プラスグレル塩酸塩 |
左記の薬剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある。 | 本剤の消化管運動抑制作用に関連すると考えられる。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アロディニア | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 不穏 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 尿閉 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 排尿障害 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 痛覚過敏注1) | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 発赤 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 硬結 | 頻度不明 |
| 肉芽腫等の腫瘤注2) | 頻度不明 |
| 脱力 | 頻度不明 |
| 腫脹 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 血圧変動 | 頻度不明 |
| 視調節障害 | 頻度不明 |
| 頭蓋内圧の亢進 | 頻度不明 |
| 顔面潮紅 | 頻度不明 |
オピオイド受容体のうち、主としてμ受容体に作用して、中枢神経及び消化器系に対する作用をあらわすが、δ及びκ受容体に対する親和性も有する。
モルヒネ塩酸塩水和物の中枢神経抑制作用は、大脳皮質に始まり、順次下降して延髄・脊髄に及ぶ。 ヒトでは、5~10mgで運動中枢、意識、知覚に影響することなく痛覚の感受性を減じ、鎮痛の目的に用いられる。 また、呼吸・咳嗽中枢を抑制し、呼吸鎮静作用、鎮咳作用をあらわす。増量に従い、発揚状態から催眠作用があらわれ、もうろう状態に至り、1回30mgで深い睡眠に陥る。この経過中に延髄の嘔吐中枢を刺激して嘔気、嘔吐を起こすことがある。
胃腸管の運動を低下させ、止瀉作用をあらわす。また、膵液や腸液等消化液の分泌を減少させる。
薬用量では心拍数、血圧にほとんど影響がないか、あっても軽度である。大量では血圧下降があらわれる。
体温調節中枢の抑制作用、瞳孔縮小作用、汗腺を除く外分泌腺の分泌抑制作用等を示す。
モルヒネ塩酸塩注射液10mg・50mgの持続点滴静注及び持続皮下注の定常状態における血漿中モルヒネ濃度とモルヒネ塩酸塩注射液投与量の関係を図16-1及び図16-2に示す5)。 対象:各種がん患者 測定法:HPLC
r=0.745(p<0.01)(26例) y=0.41x+15.66
r=0.724(p<0.01)(18例) y=0.54x+33.61
16.3.1モルヒネは骨格筋、腎臓、肝臓、小腸、肺、脾臓、脳に分布する6)。また胎盤を通過し、乳汁中にも検出される(外国人データ)。
16.3.2血漿蛋白結合率:約35%7)(外国人データ)
モルヒネは主としてグルクロン酸抱合を受け、モルヒネ-3-グルクロナイド及び薬理活性を持つモルヒネ-6-グルクロナイドに代謝される。
モルヒネは大部分が抱合体として、24時間までの尿中に約90%、糞中に7~10%が排泄される。