Clinical snapshot

メネシット配合錠250

レボドパ/カルビドパ水和物配合

添付文書改訂 2024年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の患者

効能・効果

パーキンソン病、パーキンソン症候群

用法・用量

レボドパ未服用患者: 通常成人に対し、レボドパ量として1回100~125mg、1日100~300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100~125mg宛増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とする。 なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1,500mgを超えないこととする。

レボドパ既服用患者: 通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200~250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1,500mgを超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。

  2. 8.2レボドパ製剤の長期投与により、下記のような現象があらわれることがあるので、適切な処置を行うこと。

  • wearing off(up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投与回数を増やす等の処置を行うこと。

  • on and off現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。

  1. 8.3前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

  2. **8.4セレギリン塩酸塩等(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ずセレギリン塩酸塩等の電子添文を参照すること。

  3. 8.5レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  4. 8.6溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2糖尿病の患者

血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。

  1. 9.1.3重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.4慢性開放隅角緑内障の患者

眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.5自殺傾向など精神症状のある患者

精神症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

9.2.1.腎機能障害患者

9.3 肝機能障害患者

9.3.1.肝機能障害患者

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験で催奇形性が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験でレボドパの乳汁移行が知られている。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
レセルピン製剤
テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。 脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
血圧降下剤:
• メチルドパ
• レセルピン等
血圧低下作用が増強されることがある。 作用機序は異なるが、本剤と血圧降下剤の併用により相加的血圧低下が起こる可能性がある。
抗精神病薬:
• フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)
• ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)
• その他(ペロスピロン等)
本剤の作用が減弱することがある。 これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
他の抗パーキンソン剤:
• 抗コリン剤
• アマンタジン塩酸塩
• ブロモクリプチンメシル酸塩
精神神経系の副作用が増強されることがある。 それぞれの薬剤で精神神経系の副作用が報告されていることから、併用により精神神経系の副作用が増強されることがある。
NMDA受容体拮抗剤:
• メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれがある。 これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
パパベリン塩酸塩 本剤の作用が減弱するおそれがある。 明確な機序は不明であるが、以下のような説がある。
a. パパベリン塩酸塩が線条体でのドパミン受容体を遮断する。
b. パパベリン塩酸塩がアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用を示す。
鉄剤 本剤の作用が減弱するおそれがある。 キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
イソニアジド 本剤の作用が減弱するおそれがある。 機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 1〜5%未満
AST上昇 1〜5%未満
BUN上昇 1%未満
LDH上昇 1%未満
しびれ感 1%未満
ドパミン調節障害症候群 頻度不明
のぼせ感 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不安・焦燥感 1〜5%未満
不整脈 1%未満
不眠 1〜5%未満
不随意運動 5%以上
体重減少 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠・脱力感 1〜5%未満
傾眠 1〜5%未満
口内炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 1〜5%未満
唾液・尿・汗の変色(黒色等) 1%未満
唾液分泌過多 1%未満
嗄声 1%未満
嘔吐 1〜5%未満
嚥下障害 1%未満
尿路感染 頻度不明
心悸亢進 1〜5%未満
悪心 5%以上
抗DNA抗体・クームス試験の陽性例 頻度不明
振戦の増強 1%未満
排尿異常 1〜5%未満
歩行障害 1〜5%未満
浮腫 1%未満
病的性欲亢進 頻度不明
病的賭博 頻度不明
痰・口腔内粘膜・便の変色(黒色等) 頻度不明
発汗 1〜5%未満
発疹 1%未満
筋肉痛 頻度不明
胸やけ 1%未満
脱毛 1%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
興奮 1%未満
血圧上昇 頻度不明
血圧低下 1%未満
見当識喪失 1%未満
視覚異常 1%未満
貧血 1%未満
起立性低血圧 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
顆粒球減少 1%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

投与されたレボドパは脳内で脱炭酸されてドパミンとなりパーキンソニズムの諸症状を緩解するといわれているが、経口投与されたレボドパは脳外組織においてドパ脱炭酸酵素により、血液脳関門を通過できないドパミンに急速に転換されるため、単独投与時においては脳内に取り込まれるレボドパ量はごくわずかである。カルビドパは血液脳関門を通過せず末梢組織においてのみレボドパの脱炭酸を阻害するため、レボドパと併用することにより脳内へ移行するレボドパ量を増し、脳内におけるドパミンへの転換量を増加させる。なお、カルビドパ単独では抗パーキンソン作用を示さない1),2),5)。

18.2 カルビドパの脱炭酸酵素阻害作用

ラット新線条体ホモジネート及びブタ腎臓より部分精製した酵素標品を用いたin vitroの実験においてカルビドパは強い脱炭酸酵素阻害作用を示す6)。

18.3 カルビドパ併用によるレボドパの血漿中、脳内濃度の変化

ネコにレボドパとカルビドパを10:1の割合で腹腔内投与した時の血漿中レボドパ及び脳内レボドパ、ドパミン濃度は同量のレボドパ単独投与時と比べて高値を示し、血漿中ドパミン濃度は低値を示す1)。

18.4 レボドパの作用に対するカルビドパの影響

マウスのレセルピンによる運動抑制、眼瞼下垂に対するレボドパの拮抗作用はカルビドパ前投与により増強する。また、レボドパによるイヌ、又はハトの嘔吐はカルビドパ前投与により抑制される7),8)。

18.5 レボドパのγ運動ニューロンに対する作用

実験的にペントバルビタール麻酔ネコを用い、尾状核、中脳網様体、大脳皮質、小脳前葉などを電気刺激することによって引き起こされるγ運動ニューロン放電の促進がレボドパの投与によって抑制される9)。

薬物動態

16.1 血中濃度

パーキンソン病患者にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを併用投与した場合の血漿中ドパ濃度はレボドパ250mg単独投与に比べて4~5倍に上昇し、投与5時間後においても高濃度に維持された。一方レボドパの主要代謝物であるドパミンの血漿中濃度及びホモバニリン酸の投与後5時間までの尿中排泄量は著しく減少した1),2)。

16.3 分布

  1. 16.3.1髄液中濃度

パーキンソン病患者にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを併用投与した場合の髄液中ドパミン濃度はレボドパ1,000mg単独投与と比べて投与2時間後までは明らかな差異は認められなかったが、カルビドパ併用投与の場合、投与4時間後においても高濃度に維持された1),3)。