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マラロン小児用配合錠

アトバコン・プログアニル塩酸塩

添付文書改訂 2024年08月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 〈予防〉
  1. 2.2重度の腎障害のある患者

効能・効果

マラリア

用法・用量

  • 治療:

  • 成人

通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として1000mg/400mgを3日間、食後に経口投与する。

  • 小児

通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として下記の投与量を1日1回3日間、食後に経口投与する。

  • 5~8kg:125mg/50mg 9~10kg:187.5mg/75mg 11~20kg:250mg/100mg 21~30kg:500mg/200mg 31~40kg:750mg/300mg >40kg:1000mg/400mg

  • 予防:

  • 成人

通常、1日1回アトバコン/プログアニル塩酸塩として250mg/100mgを、マラリア流行地域到着24~48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。

  • 小児

通常、体重に応じアトバコン/プログアニル塩酸塩として下記の投与量を1日1回、マラリア流行地域到着24~48時間前より開始し、流行地域滞在中及び流行地域を離れた後7日間、毎日食後に経口投与する。

  • 11~20kg:62.5mg/25mg 21~30kg:125mg/50mg 31~40kg:187.5mg/75mg >40kg:250mg/100mg

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の使用に際しては、マラリアに関して十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。

  2. 8.2本剤の投与後にマラリアが再燃した場合、又は予防的化学療法が失敗した場合には、マラリアの赤血球期に有効な別の薬剤の投与を考慮すること。

  3. 8.3重度の肝機能障害、肝炎、胆汁うっ滞があらわれることがあるので、必要に応じ肝機能検査を行うこと。

  • 〈予防〉
  1. 8.4マラリア流行地域への渡航者が本剤を予防に使用する際には、予防の基本はマラリア媒介蚊による刺咬を防ぐことであるため、他の予防手段(防虫スプレー、蚊帳の使用など)も必要であることを説明し、注意を促すこと。

9.2 腎機能障害患者

  • 〈治療〉
  1. 9.2.1重度の腎障害のある患者

他剤の投与を考慮するなど投与の可否を慎重に判断し、治療による有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高い。

  • 〈予防〉
  1. 9.2.2重度の腎障害のある患者

投与しないこと。本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇することで副作用が発現する危険性が高い。

  • 〈効能共通〉
  1. 9.2.3腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)

本剤の配合成分であるプログアニルの排泄が遅延し、血中濃度が上昇する可能性がある。

9.4 生殖能を有する者

出産可能年齢の女性は、本剤投与中も神経管欠損の予防のために葉酸サプリメントを継続して良い。本剤の配合成分であるプログアニルは、マラリア原虫のジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を阻害することにより効果を発現する。葉酸サプリメントにより本剤の効果が減弱することを示すデータはない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1アトバコン

ラットに投与したところ、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度の約6.5倍の曝露量において生殖発生毒性はみられなかったが、ウサギでは、ヒトでの血漿中濃度の約1.4倍の曝露量において母動物毒性(体重及び摂餌量の低値)に関連すると考えられる流産及び胎児体長・体重の軽度な低値がみられた。また、ラット及びウサギでは単回経口投与により胎盤を通過して胎児に分布することが報告されている。

  1. 9.5.2プログアニル

ラット及びウサギの胚・胎児発生に関する試験では、最高用量のそれぞれ20及び40mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/25及び1倍に相当)の投与によっても悪影響は認められなかった。ラットの出生前・後の発生及び母体機能に関する試験では、最高16mg/kg/日(ヒト全身曝露量の約1/50に相当)の投与により悪影響は認められなかった。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

  1. 9.6.1アトバコン

動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

  1. 9.6.2プログアニル

わずかにヒト乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児又は体重5kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、肝・腎機能等の生理機能が低下している。本剤の薬物動態試験において、高齢者の全身曝露量が増加した。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クマリン系抗凝固剤
• ワルファリンカリウム等
プログアニルはこれらの薬剤の抗凝固作用を増強する可能性がある。これらの薬剤を継続している患者においてマラリアの予防及び治療に対し本剤を開始又は中止する場合には、注意すること。 機序は不明である。
リファンピシン
リファブチン
リファンピシンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した。また、リファブチンとの併用によりアトバコンの血漿中濃度が約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した。併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。 機序は不明である。
テトラサイクリン塩酸塩
メトクロプラミド
アトバコンの血漿中濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した。また、メトクロプラミドの併用でアトバコンの血漿中濃度は約58%低下した。併用する場合には、血液中のマラリア原虫数を慎重にモニターすること。 機序は不明である。
ジドブジン ジドブジンのみかけの経口クリアランスはアトバコンとの併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
アミラーゼ上昇 頻度不明
下痢 頻度不明
不眠症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
口内炎 頻度不明
口腔内潰瘍形成 頻度不明
咳嗽 頻度不明
嘔吐 頻度不明
幻覚 頻度不明
悪心 頻度不明
浮動性めまい 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
肝酵素上昇 頻度不明
胃障害 頻度不明
脱毛 頻度不明
腹痛 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
血管性浮腫 頻度不明
血管炎 頻度不明
貧血 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アトバコンの作用機序はマラリア原虫ミトコンドリアの電子伝達系複合体Ⅲ(チトクロームbc1、complexⅢ)の選択的阻害であり、熱帯熱マラリア原虫から分離したミトコンドリアのチトクロームcレダクターゼ活性を約1nMのEC50で阻害した10)。この阻害作用を介してミトコンドリア電子伝達系とリンクしたジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼを阻害し、ピリミジンのde novo合成を阻害することにより抗マラリア原虫活性を示す11)。プログアニルの作用機序はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)阻害であり、活性代謝物であるcycloguanilは0.78nMのKiで阻害作用を示した12)。プログアニルはDHFR阻害作用によりdTMP合成などに必要な補酵素であるテトラヒドロ葉酸の産生を低下させ、DNA合成を阻害することで抗マラリア原虫活性を示す。このように、本剤は2種類の異なる作用機序に基づき抗マラリア原虫活性を示す。

18.2 抗マラリア原虫活性

アトバコン及びcycloguanilはマラリア患者の血液から分離された熱帯熱マラリア原虫株に対して、in vitroでそれぞれ約1~2及び約18~36nMのIC50で抗マラリア原虫活性を示した13),14),15)。種々の薬剤耐性熱帯熱マラリア原虫株に対するアトバコン及びプログアニルのin vitroでの抗マラリア原虫活性は、併用により相乗的に増大した16)。

18.3 薬剤耐性

本剤の治療後にマラリアが再燃した2名の患者から本剤に対する耐性熱帯熱マラリア原虫株が分離されており、いずれの原虫株もチトクロームb遺伝子にアトバコン耐性変異(Y268N及びY268S)が検出され、1株ではさらにcycloguanil耐性のDHFR遺伝子変異も検出された17),18)。 アトバコンの単独治療後の再燃患者からアトバコンに対する感受性が顕著に低下し、チトクロームb遺伝子のアトバコン結合領域に単一の変異(Y268S)を持つアトバコン耐性熱帯熱マラリア原虫株が検出された19),20)。プログアニルに関しては、DHFR遺伝子にcycloguanil耐性の遺伝子変異を持つ臨床分離熱帯熱マラリア原虫株が増加しており、S108Nの単一変異を持つ株は中等度耐性を示し、その変異にN51I、C59R又はI164Lの変異が1種類以上加わると高度耐性の傾向を示した21),22)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

  2. (1)健康成人10例を対象に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中アトバコン、プログアニル及びcycloguanil濃度推移を図1に、薬物動態パラメータを表1に示す1)。図1 健康成人に本剤4錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mg)を食後に単回経口投与した時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、10例)

測定対象 薬物動態パラメータ
アトバコン Cmax(μg/mL) 7.3±2.9
tmax(hr)注) 3(2, 4)
AUC0-∞(μg・hr/mL) 466.7±200.6
t1/2(hr) 69.5±19.6
プログアニル Cmax(ng/mL) 364.5±93.1
tmax(hr)注) 3(2, 6)
AUC0-∞(ng・hr/mL) 4837.2±1573.8
t1/2(hr) 18.0±3.4
Cycloguanil Cmax(ng/mL) 86.0±52.1
tmax(hr)注) 6(4, 8)
AUC0-∞(ng・hr/mL) 1396.8±603.7
t1/2(hr) 18.6±4.8

平均値±標準偏差(10例)、注)中央値(範囲)

  1. (2)健康成人5例にアトバコン錠25~450mgをそれぞれ絶食下に単回経口投与した時の血漿中アトバコンのCmax及びAUCは投与量増加に比例して増加したが、750mgでは投与量増加の割合を下回って増加した(外国人データ)。

  2. (3)健康成人9例にプログアニル塩酸塩200mgを単回経口投与した時の血漿中プログアニルのtmaxは2~4時間であり、吸収は速やかであった2)(外国人データ)。

  3. (4)健康成人3例にプログアニル塩酸塩50~500mgを単回経口投与した時の曝露量は投与量の範囲で比例性を示した3)(外国人データ)。

  4. (5)アトバコン及びプログアニルを併用投与した際のアトバコン、プログアニル及びcycloguanilの薬物動態は単独投与と比べて明らかな変化はみられていない。

  5. 16.1.2生物学的同等性

健康成人43例に、マラロン配合錠2錠及びマラロン小児用配合錠8錠をそれぞれ食後に単回経口投与した結果を表2に示す(外国人データ)。

測定対象 薬物動態
パラメータ
マラロン
配合錠
(41例)
マラロン
小児用配合錠
(41例)
幾何平均比
(90%信頼区間)注)
アトバコン Cmax
(μg/mL)
3.40 4.23 1.25
(1.14, 1.36)
AUC0-t
(μg・hr/mL)
265.3 353.1 1.33
(1.25, 1.42)
プログアニル Cmax
(ng/mL)
177.2 167.2 0.94
(0.89, 1.00)
AUC0-t
(ng・hr/mL)
1811 1923 1.06
(1.00, 1.12)

最小二乗幾何平均値 注)マラロン配合錠に対するマラロン小児用配合錠の幾何平均比

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

  2. (1)健康成人16例にアトバコン内用懸濁液750mgを単回経口投与した時のCmax及びAUC0-∞は摂食で約2.5~3.5倍に増加した(表3)。また、血漿中アトバコンのt1/2は約69~75時間であった(外国人データ)。

Cmax
(μg/mL)
tmax
(hr)
AUC0-∞
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
絶食下 3.34±0.85 9.6±16.0 324.3±115.0 75.2±22.5
食後 11.61±3.00 4.9±1.7 800.6±319.8 69.1±19.8

平均値±標準偏差(16例)

  1. (2)プログアニルの吸収に食事の影響はないと考えられた4)(外国人データ)。

  2. 16.2.2バイオアベイラビリティ

HIV患者9例にアトバコン錠750mgを食後に単回経口投与した時の絶対的バイオアベイラビリティは23±11%であった(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

HIV患者9例にアトバコンの約37mgを単回静脈内投与した時の分布容積は0.62±0.19L/kgであった(外国人データ)。

  1. 16.3.2血漿蛋白結合率

  2. (1) In vitroで、アトバコンのヒト血漿蛋白結合率は99%超であり、約1~90μg/mLの範囲で一定であった。

  3. (2)プログアニルのヒト血漿蛋白結合率は75%である。

  4. (3)ヒト血漿において、アトバコン及びプログアニルはそれぞれの結合に影響を及ぼさなかった。

  5. 16.3.3血球移行

健康成人9例にプログアニル塩酸塩200mgを単回経口投与した時、プログアニルは血球と結合し、血液中濃度は血漿中濃度の約5倍となった2)(外国人データ)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1代謝酵素

In vitroで、プログアニルは肝臓でcycloguanilに代謝され、代謝には主にCYP2C19が関与する5)。

  1. 16.4.2遺伝子多型

  2. (1)健康成人でのCYP2C19のpoor metabolizer(4例)に本剤1錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として250mg・100mg)を1日1回13日間経口投与した時の血漿中cycloguanil濃度はextensive metabolizer(9例)よりも低く、プログアニル濃度はわずかに高かった6)(外国人データ)。

  3. (2) In vitroにおいて、プログアニル代謝の遺伝子多型はプログアニルとアトバコンの併用投与による抗マラリア効果に影響を及ぼさないことが確認されている7)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1HIV患者9例にアトバコンの約37mgを単回静脈内投与した時のCLは10.4±5.5mL/min、t1/2は62.5±35.3時間であった(外国人データ)。

  2. 16.5.2健康成人4例に[14C]標識体750mgを単回経口投与した試験において、ほとんどの被験者で投与21日間以内に投与量の94%以上が糞中に未変化体として排泄されており、尿中にはほとんど排泄されなかった(0.6%未満)(外国人データ)。

  3. 16.5.3健康成人6例にプログアニル塩酸塩200mgを1日1回7日間経口投与した時、最終投与後24時間までにプログアニルは投与量の24.4±7.5%、cycloguanilは11.2±4.2%が尿中に排泄された8)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1小児

  2. (1)急性熱帯熱マラリアの小児患者(5~12歳)9例を対象にアトバコン(約17mg/kg)及びプログアニル塩酸塩(約7mg/kg)注)を食後に1日1回3日間併用投与した時の血漿中には、アトバコン、プログアニル及びcycloguanilが検出された(表4)(外国人データ)。

測定対象 薬物動態パラメータ
アトバコン Cmax(μg/mL) 2.81±1.44
tmax(hr) 11.4±7.6
AUC0-∞(μg・hr/mL) 161.8±126.9
t1/2(hr) 31.8±8.9
プログアニル Cmax(ng/mL) 244±92
tmax(hr) 8.0±3.0
AUC0-∞(ng・hr/mL) 4646±1226
t1/2(hr) 14.9±3.3
Cycloguanil Cmax(ng/mL) 35.6±23.3
tmax(hr) 7.5±2.8
AUC0-∞(ng・hr/mL) 787±397
t1/2(hr) 14.6±2.6

平均値±標準偏差(9例)

  1. (2)熱帯熱マラリアの高流行地域に在住する小児にアトバコンとプログアニル塩酸塩を含有する錠剤を6又は12週経口投与した時の血漿中にも、アトバコン、プログアニル及びcycloguanilが検出された(表5)(外国人データ)。
投与期間 体重 アトバコン
(μg/mL)
プログアニル
(ng/mL)
Cycloguanil
(ng/mL)
6週 10~20kg 2.8±1.4 12.8±8.8 9.2±3.9
21~30kg 3.3±2.0 16.1±8.5 7.9±2.3
31~40kg 4.9±1.9 24.1±12.8 9.8±6.5
41kg以上 3.6±1.8 22.0±9.0 9.6±2.8
12週 10~20kg 2.2±1.1 13.3±7.6 6.7±1.8
21~30kg 3.2±1.7 16.2±7.2 8.3±4.4
31~40kg 3.0±1.6 37.2±37.1 11.0±5.7
41kg以上 2.2±1.3 21.3±12.3 9.0±2.4

平均値±標準偏差(6~36例)

  1. (3)急性熱帯熱マラリアの治療又は熱帯熱マラリアの予防における成人及び小児の血漿中アトバコン及びプログアニルの母集団薬物動態解析の結果から、体重がアトバコン及びプログアニルの経口クリアランス(CL/F)に大きく影響を及ぼした。アトバコンのCL/Fに対しては体重、人種、性別及びテトラサイクリンとの併用、アトバコンの分布容積(V/F)に対しては体重、プログアニルのCL/Fに対しては体重及び人種、プログアニルのV/Fに対しては体重及び年齢(15歳超及び15歳以下)が、それぞれ共変量として選択された(外国人データ)。
アトバコン注1) プログアニル注2)
投与量
(mg)
Cmax
(μg/mL)
AUC注3)
(μg・hr/mL)
投与量
(mg)
Cmax
(ng/mL)
AUC注3)
(ng・hr/mL)
治療注4)
小児
(5~40kg)
125~750 2.47~4.29 52.2~86.7 50~300 169.6~328.7 2611~4706
成人
(40~80kg)
1000 2.78~5.26 60.5~112.8 400 212.0~313.8 3642~5826
予防注5)
小児
(20~40kg)
62.5~187.5 0.81~1.39 17.1~29.8 25~75 42.8~82.4 659~1180
成人
(40~80kg)
250 1.06~1.85 23.1~39.8 100 54.7~84.8 940~1574

注1)東洋人及びマレー人の男性患者(テトラサイクリン非併用時)における予測値 注2)東洋人の患者における予測値(小児では15歳以下、成人では15歳超) 注3)治療:初回投与48~72時間後のAUC、予防:定常状態時のAUC 注4)アトバコン・プログアニル塩酸塩を1日1回3日間投与した時の3日目の予測PKパラメータ 注5)アトバコン・プログアニル塩酸塩を1日1回21日間投与した時の21日目の予測PKパラメータ

  1. 16.6.2高齢者

健康高齢者(65~79歳)13例及び健康若年者(30~45歳)13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した際に高齢者での血漿中アトバコンのAUC0-∞は若年者と比べて約29%高く、t1/2は約1.8倍となった。高齢者での血漿中プログアニルのAUC0-∞は若年者と比べ約23%、Cmaxは若年者と比べ約31%増加し、血漿中cycloguanilのCmax及びAUC0-∞はそれぞれ約83及び136%増加した(外国人データ)。

  1. 16.6.3腎機能低下者

重度の腎機能低下者(CLcr:<30mL/分)13例及び健康成人13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した際に、腎機能低下者では健康成人と比べてアトバコンの曝露量は有意に低下した。また、重度の腎機能低下者での血漿中プログアニル及びcycloguanilのAUC0-∞は有意に増加し、t1/2も延長した(外国人データ)。

  1. 16.6.4肝機能低下者

軽度(Child Pugh分類:5~6)~中等度(Child Pugh分類:7~9)の肝機能低下者13例及び健康成人13例を対象に本剤2錠(アトバコン・プログアニル塩酸塩として500mg・200mg)注)をそれぞれ食後に単回経口投与した時の血漿中アトバコンの曝露量に明らかな変化は認められなかった。また、肝機能低下者での血漿中プログアニルのAUC0-∞は健康成人に比べて約85%増加したが、Cmax及びt1/2に明らかな変化は認められなかった。なお、重度の肝機能低下者のデータは得られていない(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1フェニトイン

健康成人12例にアトバコン懸濁液1000mgをフェニトイン600mgと単回併用投与した時のフェニトインの薬物動態にアトバコンは影響を及ぼさなかった(外国人データ)。

  1. 16.7.2リファンピシン

HIV患者13例にアトバコン懸濁液750mgを12時間ごと、リファンピシン600mgを24時間ごとに併用経口投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは併用で約53%低下し、t1/2は約33時間短縮した(外国人データ)。

  1. 16.7.3リファブチン

健康成人24例にアトバコン懸濁液750mgを1日2回及びリファブチン300mgを食後に1日1回14日間併用経口投与した時の血漿中アトバコンのAUCssは併用で約34%低下し、t1/2は約14時間短縮した(外国人データ)。

  1. 16.7.4スルファメトキサゾール・トリメトプリム

軽度~中等度のニューモシスチス肺炎を発症したAIDS患者19例にアトバコン懸濁液1000mgを1日1回、スルファメトキサゾール・トリメトプリム(1600mg・320mg)を1日3回併用投与した時の血漿中アトバコンのCavg,ssは単独群では10.7±5.9μg/mL、併用群では10.6±7.7μg/mLであった(外国人データ)。

  1. 16.7.5ジドブジン

HIV患者14例にアトバコン錠750mgを12時間ごと、ジドブジン200mgを8時間ごとに併用投与した時のアトバコンのCmax,ss、Cmin,ss及びCavg,ssはいずれも併用による影響はみられなかった。一方、ジドブジンのみかけの経口クリアランスは併用により約25%低下し、AUCは約33%増加した(外国人データ)。

  1. 16.7.6テトラサイクリン及びメトクロプラミド

血漿中アトバコン濃度はテトラサイクリンの併用で約40%低下した9)。また、血漿中アトバコンのCssは、メトクロプラミドの併用で約58%低下した(外国人データ)。

  1. 16.7.7その他の薬剤(血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い薬剤)

アトバコンは、高い血漿蛋白結合率(99%超)を示すことから、血漿蛋白結合率が高く治療域の狭い他の薬剤と併用する場合には慎重に行うこと。なお、アトバコンはキニーネ、フェニトイン、ワルファリン、スルファメトキサゾール、インドメタシン、ジアゼパムのin vitro血漿蛋白結合に影響を及ぼさないことから、蛋白結合の結合置換により著しい薬物相互作用が発現する可能性は低いと考えられる。 注)本剤を治療に用いる場合の承認用量は、成人には1日1回アトバコン・プログアニル塩酸塩として1000mg・400mgである。本剤を予防に用いる場合の承認用量は、成人には1日1回アトバコン・プログアニル塩酸塩として250mg・100mgである。