パーキンソン病・パーキンソン症候群
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
効能・効果
用法・用量
- 〈マドパー配合錠L50〉
レボドパ未投与例の場合: 通常成人は初回1日量2~6錠を1~3回に分けて、食後に経口投与し、2~3日毎に1日量2~4錠ずつ漸増し、維持量として1日6~12錠を経口投与する。 レボドパ投与例の場合: 通常成人初回1日量は投与中のレボドパ量の約1/5に相当するレボドパ量(本剤2錠中レボドパ100mg含有)に切り換え、1~3回に分けて、食後に経口投与し、漸増もしくは漸減し、維持量として1日量6~12錠を経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 〈マドパー配合錠L100〉
レボドパ未投与例の場合: 通常成人は初回1日量1~3錠を1~3回に分けて、食後に経口投与し、2~3日毎に1日量1~2錠ずつ漸増し、維持量として1日3~6錠を経口投与する。 レボドパ投与例の場合: 通常成人初回1日量は投与中のレボドパ量の約1/5に相当するレボドパ量(本剤1錠中レボドパ100mg含有)に切り換え、1~3回に分けて、食後に経口投与し、漸増もしくは漸減し、維持量として1日量3~6錠を経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
-
8.1閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。
-
8.2レボドパ製剤の長期投与により、次のような現象があらわれることがあるので、適切な処置を行うこと。
-
Wearing-off(up and down現象)があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投与回数を増すなどの処置を行うこと。
-
on and off現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
-
8.3前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
-
8.4セレギリン塩酸塩等(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ずセレギリン塩酸塩等の電子添文を参照すること。
-
8.5レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
-
8.6溶血性貧血、血小板減少があらわれることがある。定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2糖尿病の患者
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
- 9.1.3重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.4慢性開放隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.5自殺傾向など精神症状のある患者
精神症状が悪化するおそれがある。
-
9.1.6骨軟化症の患者
-
9.1.725歳以下の患者
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)で、胸骨核の癒合、過剰頸椎骨(120mg/kg/日)が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパ及びベンセラジドの乳汁移行が知られている。
9.8 高齢者
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| レセルピン製剤 テトラベナジン |
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。 |
| 抗精神病薬 • フェノチアジン系薬剤• クロルプロマジン 等 • ブチロフェノン系薬剤• ハロペリドール 等 • その他• ペロスピロン 等 |
本剤の作用が減弱することがある。 | これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。 |
| パパベリン塩酸塩 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 明確な機序は不明であるが、以下のような説がある。 a. パパベリン塩酸塩が線条体でのドパミン受容体を遮断する。 b. パパベリン塩酸塩がアドレナリン作動性神経小胞でレセルピン様作用を示す。 |
| 鉄剤 | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。 |
| イソニアジド | 本剤の作用が減弱するおそれがある。 | 機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。 |
| 血圧降下剤 • メチルドパ水和物 レセルピン 節遮断剤 等 |
血圧降下剤の作用を増強することがある。 | レボドパに降圧作用があるため、相加作用により血圧降下剤の作用を増強する。 |
| 他の抗パーキンソン剤 • 抗コリン剤 アマンタジン ブロモクリプチン タリペキソール ドロキシドパ 等 |
精神神経系及び循環器系の副作用が増強することがある。 | 長期投与により、大脳皮質におけるアセチルコリン系感受性が亢進し、精神症状や心血管系の症状を呈しやすくなる。 |
| NMDA受容体拮抗剤 • メマンチン塩酸塩 等 |
本剤の作用を増強するおそれがある。 | これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。 |
| 全身麻酔剤 • ハロタン 等 |
不整脈を起こすおそれがある。 | 末梢でドパミンはβ1アドレナリン受容体に作用し強心作用を示し、ハロタンは心筋の被刺激性亢進作用を示す。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| AST・ALT・Al-Pの上昇 | 頻度不明 |
| せん妄 | 頻度不明 |
| たちくらみ | 頻度不明 |
| ドパミン調節障害症候群 | 頻度不明 |
| のぼせ感 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 不随意運動(顔面 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口唇の水ぶくれ | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色(黒色等) | 頻度不明 |
| 唾液分泌過多 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 頻度不明 |
| 四肢等) | 頻度不明 |
| 四肢色素沈着 | 頻度不明 |
| 排尿異常 | 頻度不明 |
| 構音障害 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 焦燥感 | 頻度不明 |
| 病的性欲亢進 | 頻度不明 |
| 病的賭博 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球減少 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 突発性硬直 | 頻度不明 |
| 筋緊張低下 | 頻度不明 |
| 精神高揚 | 頻度不明 |
| 胃部不快感 | 頻度不明 |
| 胸やけ | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 脱力・倦怠感 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満感 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹様湿疹 | 頻度不明 |
| 血圧低下 | 頻度不明 |
| 視覚異常 | 頻度不明 |
| 頭痛・頭重 | 頻度不明 |
| 頸部 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
レボドパは、血液脳関門を通過して脳内に入り、ドパ脱炭酸酵素により脱炭酸されてドパミンとなり、パーキンソニズムに対する治療効果を発揮する。 脱炭酸酵素阻害作用をもつベンセラジド塩酸塩は、通常用量において脳内へ移行しない。 このため脳内におけるレボドパのドパミンへの代謝は抑制されず、選択的に脳外においてドパ脱炭酸酵素の作用を阻害する。 したがってレボドパにベンセラジド塩酸塩を配合することにより、血液中のカテコールアミン(ドパミン、ノルアドレナリン等)は減少し、レボドパ濃度は上昇するため、脳内へのレボドパ移行量が高まり、脳内ドパミン量は増大する5),6)。
薬物動態
16.1 血中濃度
パーキンソン病患者9例にレボドパ200mgとベンセラジド50mgを単回経口投与したとき、血漿中レボドパ濃度は、ほぼ1時間後に最高約1μg/mLに達し、レボドパ1gを単回経口投与したパーキンソン病患者5例と比較して、レボドパ投与量が1/5であるにも拘わらず、約2倍の値を示した1)。
単回経口投与時の血漿中レボドパ濃度推移
16.4 代謝
ラット(Wistar系)に、14C-レボドパ50mg/kgとベンセラジド12.5mg/kgを単回経口投与したとき、14C-レボドパの血漿中濃度は1時間後に最高17.7μg/mLに達し、14C-レボドパ50mg/kg単回経口投与時の約3~5倍、また脳内濃度は約10倍の値を示した2)。
16.5 排泄
パーキンソン病患者7例にレボドパ200mgとベンセラジド50mgを単回経口投与したとき、投与後3時間までのレボドパ及び代謝物の尿中総排泄率は9.5~16.1%で、レボドパ1gを単回経口投与したパーキンソン病患者3例に比べてレボドパ排泄量が4~10倍に増加し、脱炭酸代謝物はいずれも減少し、血漿中濃度を反映した排泄パターンが認められた。 尿中主代謝物は、脱炭酸代謝物としてドパミン、3, 4-ジヒドロキシフェニル酢酸、ホモバニリン酸が認められた1)。 また、ラット(Wistar系)に、14C-レボドパ50mg/kgとベンセラジド12.5mg/kgを単回経口投与したとき、放射性物質の総排泄率は、投与後8時間で尿中32%、糞中約1%、投与後48時間では尿中72%、糞中約10%であった2)。
16.8 その他
マドパー配合錠L50は、溶出挙動に基づき、マドパー配合錠L100と生物学的に同等とみなされた。