Clinical snapshot

プラミペキソール塩酸塩LA錠1.5mgMI「トーワ」

プラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠

添付文書改訂 2024年06月01日

【警告】

前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  2. 2.2透析患者を含む高度な腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者

  3. 2.3本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

パーキンソン病

用法・用量

通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.375mg1日1回食後経口投与からはじめ、2週目に1日量を0.75mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.75mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg1日1回食後経口投与)を定める。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。

使用上の注意

  1. 8.1突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2特に投与初期には、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがある。また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

  3. 8.3本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。

  4. 8.4レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

  5. 8.5本剤の有効成分は、速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。また、「プラミペキソール塩酸塩錠」から本剤へ切り替える場合には、翌日から切り替え可能であるが、十分に患者の状態を観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者

症状が増悪又は発現しやすくなることがある。

  1. 9.1.2重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者

起立性低血圧等の副作用が発現しやすくなるおそれがある。

  1. 9.1.3低血圧症の患者

症状が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害のある患者

副作用が発現しやすくなるおそれがある。

  1. 9.2.2透析患者を含む高度な腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)

投与しないこと。プラミペキソール塩酸塩水和物を投与する場合は、状態を観察しながら速放錠である「プラミペキソール塩酸塩錠」を慎重に投与すること。副作用が発現しやすくなるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、以下のことが認められている。

  • 受胎能及び一般生殖能試験(Seg.Ⅰ)(2.5mg/kg/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく妊娠率の低下

  • 器官形成期投与試験(Seg.Ⅱ)(1.5mg/kg/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく生存胎児数の減少

  • 周産期及び授乳期投与試験(Seg.Ⅲ)(0.5mg/kg以上/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく出生児体重の低下

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてプロラクチン分泌を抑制することが報告されており、乳汁分泌を抑制する可能性がある。なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。幻覚等の精神症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。65歳以上の高齢者で非高齢者に比し、幻覚等の精神症状の発現率が高くなることがある。

  2. 9.8.2患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤
• シメチジン、アマンタジン塩酸塩
ジスキネジア、幻覚等の副作用が増強することがある。このような場合には、本剤を減量すること。 カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある1),2)。
鎮静剤
アルコール
作用が増強するおそれがある。 機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる。
ドパミン拮抗剤
• フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン
本剤の作用が減弱するおそれがある。 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
抗パーキンソン剤
• レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ、エンタカポン、セレギリン塩酸塩、ゾニサミド
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。 相互に作用が増強することがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
CK上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 1〜5%未満
アレルギー性皮膚炎 1〜5%未満
イレウス 頻度不明
うつ 頻度不明
おくび 1〜5%未満
オンオフ現象 1〜5%未満
ジスキネジア 1〜5%未満
ジストニア 1〜5%未満
しゃっくり 1〜5%未満
そう痒症 1〜5%未満
ねぼけ様症状 頻度不明
パーキンソニズムの増悪 1〜5%未満
パニック発作 1〜5%未満
プロラクチン低下 頻度不明
ほてり 1〜5%未満
ミオクローヌス 頻度不明
めまい 頻度不明
上腹部痛 1〜5%未満
不安 1〜5%未満
不安 頻度不明
不快感 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
不穏 頻度不明
低血圧 1〜5%未満
体位性めまい 1〜5%未満
体重減少 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
健忘 頻度不明
傾眠(27.2%) 5%以上
勃起不全 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
口内乾燥 1〜5%未満
口内炎 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
味覚消失 1〜5%未満
呼吸困難 1%未満
唾液増加 頻度不明
嗜眠 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
回転性めまい 1〜5%未満
声が出にくい 頻度不明
多汗 1〜5%未満
失神 1〜5%未満
失見当識 頻度不明
尿蛋白陽性 頻度不明
尿閉 1〜5%未満
平衡障害 1〜5%未満
強迫性購買 1〜5%未満
徘徊 頻度不明
心室性期外収縮 1〜5%未満
心拍不整 頻度不明
性欲減退 頻度不明
悪夢 1〜5%未満
悪心(13.7%) 5%以上
成長ホルモン上昇 頻度不明
房室性期外収縮 頻度不明
手がピリピリする 頻度不明
抑うつ気分 頻度不明
振戦 1〜5%未満
排尿頻回 頻度不明
攻撃性 1〜5%未満
早朝覚醒 1〜5%未満
易刺激性 1〜5%未満
暴食 頻度不明
末梢性浮腫(6.0%) 5%以上
気分変動 頻度不明
気分高揚感 頻度不明
注意力障害 1〜5%未満
浮動性めまい(6.4%) 5%以上
消化不良 1〜5%未満
異夢 頻度不明
異常感覚 1〜5%未満
疲労感 頻度不明
疲労感 頻度不明
疼痛等) 頻度不明
病的性欲亢進 頻度不明
病的賭博 1〜5%未満
発汗 頻度不明
発疹 1〜5%未満
眼のちらつき 頻度不明
眼精疲労 1〜5%未満
知覚減退 頻度不明
神経過敏 頻度不明
筋力低下 1〜5%未満
筋痙縮 1〜5%未満
筋肉疲労 1〜5%未満
筋骨格硬直 1〜5%未満
網状皮斑 頻度不明
緊張亢進 頻度不明
羞明 1〜5%未満
肺炎 頻度不明
胃潰瘍 頻度不明
胃炎 1〜5%未満
背部痛 1〜5%未満
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛症 1〜5%未満
脱水 1〜5%未満
腰痛 頻度不明
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
腹部膨満 1〜5%未満
自殺念慮 1〜5%未満
自発陰茎勃起 頻度不明
舌麻痺 頻度不明
苦味 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
薬剤離脱症候群注)(無感情 頻度不明
血糖値上昇 頻度不明
複視 1〜5%未満
視力低下 頻度不明
視覚障害 1〜5%未満
記憶障害 1〜5%未満
起立性低血圧 1〜5%未満
転倒 1〜5%未満
運動過多 頻度不明
過敏症状 頻度不明
過眠症 1〜5%未満
過食(体重増加) 1〜5%未満
錯感覚 1〜5%未満
錯覚 1〜5%未満
鎮静 1〜5%未満
霧視 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満
食欲亢進 1〜5%未満
高血圧 1〜5%未満
鼓腸放屁 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1ドパミンD2受容体に対する親和性(in vitro

プラミペキソール塩酸塩水和物はドパミンD2受容体ファミリー(D2、D3、D4)に対し強い親和性を示した。D1及びD5受容体に対する親和性は示さなかった。13),14)

  1. 18.1.2ドパミンD2受容体刺激作用

MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)誘発ヘミパーキンソン病モデル動物において、線条体シナプス後膜ドパミンD2受容体刺激作用により障害側とは反対側への回転行動を誘発した(アカゲザル)。また、ハロペリドール誘発カタレプシー症状の改善作用を示した(ラット)。15),16)

18.2 パーキンソン病様症状改善作用

  1. 18.2.1MPTP誘発症状改善作用

MPTP誘発パーキンソン病様症状をブロモクリプチンメシル酸塩より低用量で改善した(アカゲザル)。17)

  1. 18.2.2無動・固縮に対する改善作用

レセルピン誘発無動・固縮症状の改善作用を示した。これらの改善作用はレボドパとの併用により増強することが認められた(マウス)。17)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1血漿中未変化体濃度推移

健康成人にプラミペキソール塩酸塩水和物徐放錠(LA錠)0.375mg、0.75mg、1.5mgを1日1回又は速放錠(IR錠)0.125mg、0.5mgを1日3回(8-8-8時間間隔)5日間食後反復経口投与したとき、用量依存的な曝露の増加が認められた。同一の1日用量のIR錠投与後の結果と比較すると、LA錠投与後のtmax,ssは遅く、Cmax,ssはやや高く、Cmin,ssはやや低かった。定常状態のAUC0-24及びAe0-24の統計的評価において両製剤の曝露量は生物学的に同等であると判断された。3)

レボドパ併用パーキンソン病患者にLA錠0.375mg~4.5mg/日又はIR錠0.25mg~4.5mg/日を食後反復経口投与したとき、LA錠投与後の血漿中濃度は用量依存的に上昇した。同一の1日用量のLA錠又はIR錠を投与したとき(1.5mg、3.0mg、4.5mg/日)の定常状態におけるトラフ時の血漿中濃度は、ほぼ同程度であった。4)

  1. 16.1.2母集団薬物動態解析

日本人を含む早期パーキンソン病患者を対象とした国際共同試験から得られたデータ(146例)を用いて母集団薬物動態解析を行った。この結果から、クレアチニンクリアランス及び体重が薬物動態に影響を与える因子であることが示された。クレアチニンクリアランスが80mL/minから30mL/minに低下すると経口クリアランスは低下し、AUCとCmaxがほぼ100%増加するという結果が得られた。5)

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈プラミペキソール塩酸塩LA錠0.375mgMI「トーワ」〉

プラミペキソール塩酸塩LA錠0.375mgMI「トーワ」とミラペックスLA錠0.375mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(プラミペキソール塩酸塩水和物として0.375mg)健康成人男子に絶食及び食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。6)

  • (1)絶食投与
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-72
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
プラミペキソール塩酸塩
LA錠0.375mgMI「トーワ」
5.719±1.385 0.284±0.065 4.9±1.4 11.6±2.6
ミラペックスLA錠0.375mg 6.295±1.449 0.293±0.058 5.2±2.0 12.2±3.3

(平均値±S.D.,n=23)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

  • (2)食後投与
判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-72
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
プラミペキソール塩酸塩
LA錠0.375mgMI「トーワ」
6.098±1.354 0.302±0.075 6.5±3.3 12.2±6.8
ミラペックスLA錠0.375mg 6.324±1.381 0.321±0.075 5.8±2.8 10.6±2.9

(平均値±S.D.,n=35)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

日本人健康成人を対象として実施したLA錠0.375mgとLA錠1.5mgの生物学的同等性試験において、定常状態におけるLA錠1.5mgに対する食事の影響を検討した。その結果、AUC及びCmaxに関して、食事の影響は認められなかった。tmaxは食後投与で6時間、空腹時投与後で4時間であった。7)

16.3 分布

ヒト血清蛋白結合率は17~26%であった(in vitro)。8)

16.5 排泄

健康成人に14C-プラミペキソール塩酸塩水和物0.3mgを経口投与したとき、血漿中及び尿中には大部分が未変化体として存在する。また、投与後96時間までに87.6%が尿中に、1.6%が糞中に排泄された。プラミペキソール塩酸塩水和物は尿中排泄が主排泄経路と考えられた(外国人のデータ)。9)

16.8 その他

  • 〈プラミペキソール塩酸塩LA錠1.5mgMI「トーワ」〉

プラミペキソール塩酸塩LA錠1.5mgMI「トーワ」は、プラミペキソール塩酸塩LA錠0.375mgMI「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。10)