Clinical snapshot

プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」

プラミペキソール塩酸塩水和物

添付文書改訂 2024年05月01日

【警告】

前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  2. 2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

○パーキンソン病 ○中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)

用法・用量

  • 〈パーキンソン病〉

通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.25mgからはじめ、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定める。1日量がプラミペキソール塩酸塩水和物として1.5mg未満の場合は2回に分割して朝夕食後に、1.5mg以上の場合は3回に分割して毎食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。

  • 〈中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)〉

通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として0.25mgを1日1回就寝2~3時間前に経口投与する。投与は1日0.125mgより開始し、症状に応じて1日0.75mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。

  2. 8.2特に投与初期には、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがある。また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

  3. 8.3レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

  4. 8.4パーキンソン病患者において、本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。なお、特発性レストレスレッグス症候群患者においては、パーキンソン病患者よりも用量が低いため、漸減しなくてもよい。

  • 〈中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)〉
  1. 8.5本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与によりAugmentation(夜間の症状発現が2時間以上早まる、症状の増悪、他の四肢への症状拡大)が認められることがあるため、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な措置を講じること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者

症状が増悪又は発現しやすくなることがある。

  1. 9.1.2重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者

起立性低血圧等の副作用が発現しやすくなるおそれがある。

  1. 9.1.3低血圧症の患者

症状が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎機能障害のある患者

副作用が発現しやすくなるおそれがある。

  1. 9.2.2腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/min未満)

腎クリアランスの低下により本剤の消失半減期が延長するため、投与回数を調節し腎機能に注意しながら慎重に漸増すること。本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄される。また、透析患者あるいは非常に高度な腎機能障害患者での十分な使用経験はないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、以下のことが認められている。

  • 受胎能及び一般生殖能試験(Seg.Ⅰ)(2.5mg/kg/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく妊娠率の低下

  • 器官形成期投与試験(Seg.Ⅱ)(1.5mg/kg/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく生存胎児数の減少

  • 周産期及び授乳期投与試験(Seg.Ⅲ)(0.5mg/kg以上/日投与群)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく出生児体重の低下

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいてプロラクチン分泌を抑制することが報告されており、乳汁分泌を抑制する可能性がある。なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。幻覚等の精神症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。パーキンソン病患者を対象とした臨床試験において65歳以上の高齢者で非高齢者に比し、幻覚等の精神症状の発現率が高い傾向が認められている。

  2. 9.8.2少量(1日1回0.125mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤
• シメチジン、アマンタジン塩酸塩
ジスキネジア、幻覚等の副作用が増強することがある。このような場合には、本剤を減量すること。 カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある。
鎮静剤
アルコール
作用が増強するおそれがある。 機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる。
ドパミン拮抗剤
• フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン
本剤の作用が減弱するおそれがある。 本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
抗パーキンソン剤
• レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。 相互に作用が増強することがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 1〜5%未満
CK上昇(7.5%) 5%以上
LDH上昇等) 1〜5%未満
γ-GTP上昇 頻度不明
イレウス 1〜5%未満
うつ 頻度不明
ジスキネジア(17.5%) 5%以上
ジストニア 1〜5%未満
しゃっくり 1%未満
そう痒症 頻度不明
ねぼけ様症状 1〜5%未満
パーキンソニズムの増悪 1〜5%未満
プロラクチン低下 1〜5%未満
ミオクローヌス 1〜5%未満
めまい(12.5%) 5%以上
上腹部痛 1〜5%未満
不安 1〜5%未満
不安 頻度不明
不眠(6.5%) 5%以上
不穏 頻度不明
低血圧 1〜5%未満
体重減少 頻度不明
便秘(9.0%) 5%以上
倦怠感 1〜5%未満
健忘 頻度不明
傾眠(16.8%) 5%以上
動悸 1〜5%未満
口内乾燥(8.3%) 5%以上
口内炎 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
呼吸困難 1〜5%未満
唾液増加 1〜5%未満
嘔吐(5.9%) 5%以上
声が出にくい 1〜5%未満
多汗 1〜5%未満
失神 1%未満
尿蛋白陽性 1〜5%未満
尿閉 頻度不明
強迫性購買 頻度不明
徘徊 1〜5%未満
性欲減退 頻度不明
悪夢 1〜5%未満
悪心(29.9%) 5%以上
成長ホルモン上昇 1〜5%未満
手がピリピリする 1〜5%未満
排尿頻回 1〜5%未満
早朝覚醒 1〜5%未満
暴食 頻度不明
末梢性浮腫 1〜5%未満
気分高揚感 1〜5%未満
消化不良(11.9%) 5%以上
異夢 1〜5%未満
異常感覚 1〜5%未満
疲労感 頻度不明
疲労感 1〜5%未満
疼痛等) 頻度不明
病的性欲亢進 頻度不明
病的賭博 頻度不明
発汗 頻度不明
発疹 頻度不明
眼のちらつき 1〜5%未満
知覚減退 1〜5%未満
神経過敏 1〜5%未満
網状皮斑 1〜5%未満
緊張亢進 1〜5%未満
羞明 1〜5%未満
肝機能異常(AST上昇 1〜5%未満
肺炎 1%未満
胃不快感(6.9%) 5%以上
胃潰瘍 1〜5%未満
胃炎 1〜5%未満
背部痛 1〜5%未満
胸痛 1〜5%未満
脱力感 1〜5%未満
腰痛 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
自発陰茎勃起 頻度不明
舌麻痺 1〜5%未満
苦味 1〜5%未満
蕁麻疹 1〜5%未満
薬剤離脱症候群注)(無感情 頻度不明
血糖値上昇 1〜5%未満
複視 1〜5%未満
視力低下 頻度不明
起立性低血圧 1〜5%未満
転倒 1〜5%未満
運動過多 1〜5%未満
過敏症状 頻度不明
過食(体重増加) 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛(5.5%) 5%以上
食欲不振(12.2%) 5%以上
高血圧 1〜5%未満
鼓腸放屁 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

プラミペキソールはドパミン受容体作動薬である。ドパミン受容体作動薬は、内在性のドパミンの放出と、外来性のレボドパの必要性をともに減少させることによりフリーラジカルの生成を抑制し、パーキンソン病の進行に影響を与える可能性があることが示唆されている。プラミペキソールの活性は、D2クラス部位(D2およびD3受容体に特異的)に選択性を持ち、D1クラス部位にはほとんど作用しない7) 。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験
  • 〈プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」〉

プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」とビ・シフロール錠0.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(プラミペキソール塩酸塩水和物として0.5mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された1) 。

  • 判定パラメータ 参考パラメータ
    AUC0-24
    (pg・hr/mL)
    Cmax
    (pg/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」 11866±1451 1020±178 2.8±2.6 6.5±1.0
    ビ・シフロール錠0.5mg 12057±1382 1011±169 2.7±2.3 6.6±1.0

(Mean±S.D., n=16)

  • 血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

健康成人、軽度(50≦クレアチニンクリアランス<80mL/min)、中等度(30≦クレアチニンクリアランス<50mL/min)及び高度(5≦クレアチニンクリアランス<30mL/min)の腎機能障害患者並びに透析患者計26例を対象にプラミペキソール塩酸塩水和物錠0.25mgを投与し、薬物動態を検討した。その結果、Cmax、tmax及びVd/Fに有意な差は認められなかったが、次表に示すとおりt1/2は中等度及び高度の腎機能障害患者において、健康成人の約3倍に延長した。なお、透析されたプラミペキソール塩酸塩水和物は投与量の約9%であった2) (外国人のデータ)。

  • 投与対象 クレアチニンクリアランス(mL/min) 例数 AUC0-∞
    (ng・h/mL)
    t1/2
    (h)
    CLtot/F
    (mL/min)
    CLr
    (mL/min)
    健康成人 >80 6 7.33±
    1.49
    11.3±
    2.72
    411±
    85.9
    277±
    59.0
    軽度腎機能
    障害患者
    50~79 6 10.2±
    2.29
    15.3±
    3.82
    297±
    57.2
    206±
    79.0注1)
    中等度腎機能障害患者 30~49 5 16.4±
    5.45
    36.3±
    18.8
    192±
    52.5
    105±
    43.9注2)
    高度腎機能
    障害患者
    5~29 3 22.6±
    3.48
    38.4±
    12.7
    131±
    22.2
    32.8±
    15.6

(注1)n=5、注2)n=4、平均値±S.D.)

  • また、日本人を含む早期パーキンソン病患者にプラミペキソール塩酸塩水和物錠及びプラミペキソール塩酸塩水和物の徐放錠を投与して得られた血漿中濃度データを用いた母集団薬物動態解析の結果、クレアチニンクリアランスが80mL/minから30mL/minに低下すると経口クリアランスは約53%低下した3) 。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1シメチジン、アマンタジン塩酸塩

健康成人12例を対象にプラミペキソール塩酸塩水和物錠0.25mg及びシメチジン300mgを併用経口投与し、プラミペキソール塩酸塩水和物錠の薬物動態に及ぼすシメチジンの影響を検討した。その結果、プラミペキソール塩酸塩水和物錠単独投与に比し併用投与ではプラミペキソール塩酸塩水和物錠の尿中未変化体総排泄量に有意な変化は認めなかったが、腎クリアランス(CLr)は30~39%有意に低下し、t1/2は延長した4) 。このことから、プラミペキソール塩酸塩水和物錠も腎臓の有機カチオン輸送系を介して尿細管分泌されることが示唆された(外国人のデータ)。 また、パーキンソン病患者にプラミペキソール塩酸塩水和物錠1.0~4.5mgを反復経口投与し、定常状態(維持量投与開始後4日目以降)における血漿中濃度(52例)から、探索的にポピュレーションファーマコキネティクス解析によりアマンタジン塩酸塩との併用(28例)による影響を検討した結果、プラミペキソール塩酸塩水和物錠のクリアランスが低下することが確認された5) 。

16.8 その他

  • 〈プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「日新」〉

プラミペキソール塩酸塩錠0.125mg「日新」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、プラミペキソール塩酸塩錠0.5mg「日新」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた6) 。