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ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」

ブロモクリプチンメシル酸塩錠

添付文書改訂 2025年11月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は麦角アルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2妊娠高血圧症候群の患者[産褥期における痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するリスクが高い。]

  3. 2.3産褥期高血圧の患者

  4. 2.4心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

  • 末端肥大症

  • 下垂体性巨人症

  • 乳汁漏出症

  • 産褥性乳汁分泌抑制

  • 高プロラクチン血性排卵障害

  • 高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)

  • パーキンソン症候群

用法・用量

  • 〈末端肥大症、下垂体性巨人症〉

通常、ブロモクリプチンとして1日2.5~7.5mgを2~3回に分けて食直後に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈乳汁漏出症、産褥性乳汁分泌抑制、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)〉

通常、ブロモクリプチンとして1日1回2.5mgを夕食直後に経口投与し、効果をみながら1日5.0~7.5mgまで漸増し、2~3回に分けて食直後に経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

  • 〈パーキンソン症候群〉

通常、ブロモクリプチンとして1日1回1.25又は2.5mgを朝食直後に経口投与から始め、1又は2週毎に1日量として2.5mgずつ増量し、維持量(標準1日15.0~22.5mg)を定める。1日量はブロモクリプチンとして5.0mgの場合は朝食及び夕食直後に、7.5mg以上の場合は毎食直後に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1著しい血圧下降、前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

  2. 8.2本剤投与は、少量から開始し、血圧、血液学的検査等の観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。

  3. 8.3レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。

  4. 8.4本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛などの症状を特徴とする)があらわれることがある。

  • 〈乳汁漏出症、高プロラクチン血性排卵障害〉
  1. 8.5投与開始前に、トルコ鞍の検査を行うこと。
  • 〈高プロラクチン産生下垂体腺腫〉
  1. 8.6トルコ鞍外に進展する高プロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の著明な縮小がみられた場合、それに伴い髄液鼻漏があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

  2. 8.7視野障害のみられる高プロラクチン産生下垂体腺腫の患者において、本剤投与により腺腫の縮小がみられ、一旦、視野障害が改善した後、トルコ鞍の空洞化により視交叉部が鞍内に陥入することによって、再び視野障害があらわれることがあらわれたとの報告がある。異常が認められた場合には、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。

  • 〈産褥性乳汁分泌抑制〉
  1. 8.8死産や母親のHTLV-1又はHIV感染等の医学的に必要な患者にのみ投与すること。氷罨法等により乳汁分泌抑制が可能である場合には投与しないこと。

  2. 8.9場合により氷罨法等の補助的方法を併用すること。

  3. 8.10分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与すること。また、投与中(特に投与初日)は観察を十分に行い、血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等があらわれた場合には、直ちに投与を中止すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な末端肥大症(先端巨大症)及び下垂体性巨人症の患者

この様な患者では手術療法が第一選択となる。

  1. 9.1.2下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害等の著明な高プロラクチン血性下垂体腺腫の患者

長期投与により腺腫の線維化が起こることがある。また、腫瘍の縮小にともない、髄液鼻漏があらわれたり視野障害が再発することが報告されている。

  1. 9.1.3消化性潰瘍、又はその既往歴のある患者

胃・十二指腸潰瘍の悪化がみられたとの報告がある。

  1. 9.1.4レイノー病の患者

レイノー症状の悪化がみられたとの報告がある。

  1. 9.1.5精神病、又はその既往歴のある患者

精神症状の悪化がみられたとの報告がある。

  1. 9.1.6重篤な心血管障害、又はその既往歴のある患者

外国において心臓発作、脳血管障害等があらわれたとの報告がある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎疾患、又はその既往歴のある患者

急激な血圧低下があらわれた場合、腎血流量が低下するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1肝障害、又はその既往歴のある患者

本剤は主として肝臓で代謝される。また、肝機能障害が報告されている。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施すること。

  2. 9.4.2妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導すること。

  3. 9.4.3妊娠希望の患者に本剤投与中は、妊娠を早期に発見するため定期的に妊娠反応等の検査を実施すること。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  2. 9.5.2高プロラクチン血性排卵障害で本剤の投与中に妊娠が確認された場合は、直ちに投与を中止すること。なお、下垂体腺腫のある患者では妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、本剤中止後も観察を十分に行い、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄等)に注意すること。

9.6 授乳婦

授乳を望む母親には本剤を投与しないこと。本剤は乳汁分泌を抑制する。乳汁過多症の褥婦14例に本剤2.5mg/日を分娩後5日目より3日間連続投与した結果、投与後6、7、8日目に採取した乳汁中ブロモクリプチン濃度は検出限界(0.2ng/mL)以下であった1)。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

本剤は、肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、またこれを阻害するので、本酵素の活性に影響を及ぼす薬剤と併用する場合には注意して投与すること。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
交感神経刺激剤
• アドレナリン等麦角アルカロイド
• エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
エルゴタミン
ジヒドロエルゴタミン
血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれるおそれがある。特に産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には分娩後、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、用量に注意して投与すること。 機序は明確ではないが、本剤はこれらの薬剤の血管収縮作用、血圧上昇作用等に影響を及ぼすと考えられる。
降圧作用を有する薬剤 降圧作用が強くあらわれることがある。服用開始初期には特に注意すること。 本剤は末梢交感神経終末のノルアドレナリン遊離を抑制する。
アルコール 胃腸系の副作用やアルコール不耐性を起こすことがある。 相互に作用が増強されるため。
フェノチアジン系薬剤
• クロルプロマジン等ブチロフェノン系薬剤
• ハロペリドール
スピペロン等イミノジベンジル系薬剤
• カルピプラミン等非定型抗精神病剤
• ペロスピロン
ブロナンセリン等メトクロプラミド
ドンペリドン
相互に作用を減弱することがある。 本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。
抗パーキンソン剤
• レボドパ
チオキサンテン系薬剤等
精神神経系の副作用が増強されることがある。 相互に作用が増強されるため。
シクロスポリン
タクロリムス
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。 CYP3Aに対する競合的阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される。
マクロライド系抗生物質
• エリスロマイシン
ジョサマイシン等HIVプロテアーゼ阻害剤
• リトナビル
サキナビル等アゾール系抗真菌剤
• イトラコナゾール等
本剤の作用が増強されるおそれがある。 CYP3Aに対する競合的阻害により本剤の代謝が阻害される。
オクトレオチド 本剤のAUCが上昇したとの報告がある。 機序は不明である。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALPの上昇 1%未満
ALTの上昇 頻度不明
AST 頻度不明
うつ 頻度不明
けん怠感 頻度不明
ジスキネジア 頻度不明
しびれ感 1%未満
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不安感 頻度不明
不整脈 頻度不明
不眠 頻度不明
便秘 頻度不明
傾眠 頻度不明
動悸 頻度不明
口内乾燥 1%未満
口渇 頻度不明
呼吸困難 1%未満
嘔吐 頻度不明
夜間に脚の痙攣及び寒冷による可逆性の指趾の蒼白 頻度不明
尿失禁 1%未満
帯下の増加 1%未満
徐脈 頻度不明
悪心 5%以上
気力低下状態 1%未満
浮腫 頻度不明
疲労 1%未満
疲労感 頻度不明
疼痛など) 頻度不明
病的性欲亢進) 1%未満
発汗 頻度不明
発疹 頻度不明
立ちくらみ 頻度不明
耳鳴 1%未満
胃痛・腹痛 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
胸やけ 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
興奮 頻度不明
薬剤離脱症候群注)(無感情 頻度不明
血圧低下 頻度不明
衝動制御障害(病的賭博 1%未満
視覚異常 頻度不明
貧血 頻度不明
起立性低血圧 頻度不明
錯感覚 頻度不明
霧視 1%未満
頭痛 頻度不明
頭髪の脱毛 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面潮紅 1%未満
食欲不振 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

*ブロモクリプチンメシル酸塩は持続的なドパミン受容体作動効果を有し、内分泌系に対しては下垂体前葉からのプロラクチン分泌を特異的に抑制し、末端肥大症(先端巨大症)患者において異常に上昇した成長ホルモン分泌を抑制する。また、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミン受容体に作用して抗パーキンソン作用を示す。11)

18.2 *内分泌系に対する作用

  1. 18.2.1プロラクチン分泌抑制作用動物(ラット、マウス、ウサギ、ブタほか)及びヒトにおいて持続的に血中プロラクチン値を低下させる。プロラクチンの基礎分泌のみでなく、生理的あるいは外的刺激による分泌増加をも抑制する。11)

  2. 18.2.2乳汁分泌抑制作用プロラクチン分泌を抑制することにより、産褥時の生理的な乳汁分泌あるいは種々の病態における乳汁漏出を抑制する。5),6),12)

  3. 18.2.3ゴナドトロピン分泌に及ぼす影響高プロラクチン血性排卵障害女性において、ブロモクリプチンメシル酸塩の投与により血中プロラクチン値の低下に伴って、エストロゲンによるLH放出の回復がみられる。13)

  4. 18.2.4成長ホルモン分泌抑制作用健康成人では成長ホルモン分泌を促進するが、末端肥大症(先端巨大症)患者にみられる過剰分泌は抑制する。8),14)

18.3 *中枢神経系に対する作用

  1. 18.3.1常同行動の誘発作用ラットにおいて嗅ぎ込み及びなめ等の常同行動を誘発するが、この作用はレボドパに比して持続する。15)

  2. 18.3.2回旋運動誘発作用黒質線条体片側破壊ラット(Ungerstedtモデル)において破壊側とは反対側への回旋運動を誘発する。15)

  3. 18.3.3レセルピンに対する拮抗作用レセルピンにより誘発されるカタレプシーを抑制する(マウス)。15)

  4. 18.3.4抗振戦作用片側性脳損傷サルにみられる振戦を抑制する。16)

  5. 18.3.5ドパミン代謝回転率に及ぼす影響脳内DOPAC含量を減少し、ドパミン代謝回転率を減少させる(ラット)。17)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験

ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」とパーロデル錠2.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ブロモクリプチンとして2.5mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。3)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-24
(ng・h/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(h)
ブロモクリプチン錠2.5mg「トーワ」 3.48±1.31 0.33±0.12 3.69±1.40
パーロデル錠2.5mg 3.47±1.21 0.34±0.10 2.56±0.96

(平均±S.D.,n=16)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

ブロモクリプチンは肝臓で代謝され、主代謝経路はペプチド部分のプロリン部位の酸化である。4)