Clinical snapshot

フェンタニル3日用テープ12.6mg「トーワ」

フェンタニル経皮吸収型製剤

添付文書改訂 2024年12月01日

【警告】

本剤貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり、死に至るおそれがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症のある患者

  2. 2.2ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者

効能・効果

非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)

中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛

用法・用量

本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。 通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用する。 初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、2.1mg(12.5μg/hr)、4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)、12.6mg(75μg/hr)のいずれかの用量を選択する。 その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1本剤を中等度から高度のがん疼痛以外の管理に使用しないこと。

  2. 8.2本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること。また、本剤使用中に本剤が他者に付着しないよう患者等に指導すること。

  3. 8.3重篤な呼吸抑制が認められた場合には、本剤を剥離し、呼吸管理を行う。呼吸抑制に対しては麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が有効であるが、麻薬拮抗剤の作用持続時間は本剤より短いので、観察を十分に行い麻薬拮抗剤の繰り返し投与を考慮すること。

  4. 8.4他のオピオイド鎮痛剤から本剤への切り替え直後に、悪心、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等の副作用が多く認められることがあるため、切り替え時には観察を十分に行い、慎重に投与すること。なお、これらの副作用は経時的に減少する傾向がみられる。

  5. 8.5他のオピオイド鎮痛剤から本剤に切り替えた場合には、患者によっては、あくび、悪心、嘔吐、下痢、不安、振戦、悪寒等の退薬症候があらわれることがあるので、患者の状態を観察しながら必要に応じ適切な処置を行うこと。

  6. 8.6本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。

  7. 8.7連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分行うこと。

  8. 8.8連用中における投与量の急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。

  9. 8.9重篤な副作用が発現した患者については、本剤剥離後のフェンタニルの血中動態を考慮し、本剤剥離から最低でも24時間観察を継続すること。

  10. 8.10本剤貼付中に発熱又は激しい運動により体温が上昇した場合、本剤貼付部位の温度が上昇しフェンタニル吸収量が増加するため、過量投与になり、死に至るおそれがあるので、患者の状態に注意すること。また、本剤貼付後、貼付部位が電気パッド、電気毛布、加温ウォーターベッド、赤外線灯、集中的な日光浴、サウナ、湯たんぽ等の熱源に接しないようにすること。本剤を貼付中に入浴する場合は、熱い温度での入浴は避けさせるようにすること。

  11. 8.11眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者

呼吸抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.2喘息患者

気管支収縮を起こすおそれがある。

  1. 9.1.3徐脈性不整脈のある患者

徐脈を助長させるおそれがある。

  1. 9.1.4頭蓋内圧の亢進、意識障害・昏睡、脳腫瘍等の脳に器質的障害のある患者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.540℃以上の発熱が認められる患者

本剤からのフェンタニル放出量の増加により、薬理作用が増強するおそれがある。

  1. 9.1.6薬物依存の既往歴のある患者

依存性を生じやすい。

9.2 腎機能障害患者

代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。なお、腎機能障害患者を対象として有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれたとの報告がある。妊娠中の本剤投与により、新生児に退薬症候がみられることがある。動物実験(ラット静脈内投与試験)で胎児死亡が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒトで母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。フェンタニルのクリアランスが低下し、血中濃度消失半減期の延長がみられ、若年者に比べ感受性が高いことが示唆されている1)。

相互作用

  • 本剤は主にCYP3A4で代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ナルメフェン塩酸塩水和物
• セリンクロ
離脱症状を起こすおそれがある。また、鎮痛作用が減弱するおそれがある。
ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者には投与しないこと。
μオピオイド受容体への競合的阻害による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン系薬剤
• ベンゾジアゼピン系薬剤
• バルビツール酸系薬剤等全身麻酔剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
骨格筋弛緩剤
鎮静性抗ヒスタミン剤
アルコール
オピオイド系薬剤
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 相加的に中枢神経抑制作用が増強する。
セロトニン作用薬
• 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
• セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
• モノアミン酸化酵素阻害剤等
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。 相加的にセロトニン作用が増強するおそれがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
• リトナビル
• イトラコナゾール
• フルコナゾール
• ボリコナゾール
• アミオダロン
• クラリスロマイシン
• ジルチアゼム
• フルボキサミン等
本剤のAUCの増加、血中半減期の延長が認められたとの報告がある。呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。 肝CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
• リファンピシン
• カルバマゼピン
• フェノバルビタール
• フェニトイン等
本剤の血中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。必要に応じて本剤の用量調整を行うこと。CYP3A4誘導作用を有する薬剤の中止後、本剤の血中濃度が上昇し、重篤な呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。 肝CYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT増加 頻度不明
AST増加 頻度不明
LDH増加 1%未満
γ-GTP増加 1%未満
アレルギー性皮膚炎を含む) 1%未満
アロディニア 頻度不明
いらいら感 1%未満
イレウス 1%未満
インフルエンザ様疾患 頻度不明
うつ病 1%未満
しゃっくり 1%未満
せん妄 1%未満
そう痒 1%未満
チアノーゼ 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 1%未満
不安 1%未満
不正子宮出血 頻度不明
不眠 1%未満
不穏 1%未満
低血圧 1%未満
体温変動感 頻度不明
体熱感 頻度不明
体重減少 1%未満
便秘 頻度不明
倦怠感 1%未満
健忘 1%未満
傾眠 頻度不明
冷感 頻度不明
勃起不全 頻度不明
動悸 1%未満
口内炎 1%未満
口渇 1%未満
味覚異常 1%未満
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
四肢痛 頻度不明
回転性めまい 1%未満
多幸症 1%未満
尿糖陽性 頻度不明
尿閉 1%未満
帯状疱疹 頻度不明
幻覚 1%未満
徐脈 頻度不明
性機能不全 頻度不明
悪寒 頻度不明
感覚鈍麻 頻度不明
振戦 1%未満
排尿困難 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
汗疹 頻度不明
注意力障害 頻度不明
消化不良 頻度不明
湿疹 1%未満
激越 1%未満
無力症 1%未満
無感情 頻度不明
異常感 1%未満
疲労 頻度不明
痔核 頻度不明
痛覚過敏注4) 頻度不明
発汗 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白血球増加症 頻度不明
白血球数増加 1%未満
白血球数減少 頻度不明
皮膚炎(接触性皮膚炎 1%未満
皮膚炎) 1%未満
筋痙縮 1%未満
筋骨格痛 1%未満
紅斑 1%未満
結膜炎 頻度不明
総蛋白減少 1%未満
縮瞳 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肝機能異常 1%未満
胃部不快感 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸痛 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
腹痛 1%未満
膀胱炎 1%未満
薬剤離脱症候群 1%未満
蛋白尿 頻度不明
血中ALP増加 頻度不明
血中カリウム減少 1%未満
血中ビリルビン増加 1%未満
血中尿素窒素上昇 1%未満
血小板数減少 1%未満
複視 頻度不明
記憶障害 1%未満
貧血 1%未満
貼付部位の小水疱 頻度不明
貼付部位反応(そう痒感 1%未満
錐体外路障害 頻度不明
錯乱 1%未満
錯感覚 頻度不明
霧視 1%未満
頭痛 1%未満
頻脈 1%未満
食欲減退 1%未満
食道運動障害 頻度不明
高血圧 1%未満
鼻咽頭炎 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

受容体結合試験の結果、フェンタニルはヒト・クローン化μ(ミュー)オピオイド受容体に対してKi=1.02nmol/L、δ(デルタ)オピオイド受容体に対してKi=1530nmol/L及びκ(カッパ)オピオイド受容体に対してKi=1080nmol/Lの親和性を示した。また、モルモット全脳膜組織を用いた検討では、フェンタニルはμオピオイド受容体に対してKi=2.11nmol/L、δオピオイド受容体に対してKi=109nmol/L及びκオピオイド受容体に対してKi=308nmol/Lの親和性を示した(in vitro)。21),22) これらの結果から、フェンタニルはμオピオイド受容体に対して選択的に高い親和性を示した。したがって、フェンタニルはμオピオイド受容体を介してアゴニストとして作用し、強力な鎮痛作用を示すものと考えられている。

18.2 鎮痛作用

  1. 18.2.1機械的侵害刺激法の一つであるマウス尾根部のピンチによる発痛に対して、フェンタニル(皮下投与)は鎮痛作用を示し、ED50は0.07mg/kgであった。モルヒネ硫酸塩水和物(皮下投与)のED50は9mg/kgであった。23)

  2. 18.2.2化学的侵害刺激法の一つであるラットのブラジキニン発痛法において、フェンタニルは皮下投与15分後に最大作用を示し、そのED50は0.010mg/kgであった。フェンタニルの鎮痛活性は、モルヒネ硫酸塩水和物(皮下投与後30~60分にED50が2~3mg/kg)に比べて、約200倍強い効力比を示した。24)

  3. 18.2.3電気的侵害刺激法のウサギ歯髄刺激誘発脳波覚醒反応試験において、フェンタニル3日用テープ(旧製剤)(2.5mg(25μg/hr))は1回の貼付で3~72時間まで持続的な鎮痛作用を示した。25)

  4. 18.2.4神経障害性疼痛モデルの一つであるスナネズミの絞扼性神経損傷モデルにおいて、フェンタニルは0.04mg/kg以上の皮下投与で冷的アロディニアを有意に抑制した。26)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人にフェンタニル3日用テープ16.8mg(100μg/hr)1枚あるいは2.1mg(12.5μg/hr)8枚をクロスオーバー法にて72時間単回貼付した。血清中フェンタニル濃度はいずれも類似した推移を示した。2),3)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人にフェンタニル3日用テープ16.8mg(100μg/hr)を反復貼付(1回72時間×4回、合計288時間)したときの4回目貼付時におけるフェンタニルの曝露量は、1回目貼付時と同程度であり、フェンタニルの血中動態は反復貼付においても大きく変化しなかった(外国人データ)。2),4)

  1. 16.1.3用量と血中濃度との関係

健康成人にフェンタニル3日用テープ4.2mg(25μg/hr)、8.4mg(50μg/hr)、12.6mg(75μg/hr)及び16.8mg(100μg/hr)を単回貼付したときのCmaxと貼付用量は、正の相関を示した(外国人データ)。2),5)

なお、日本人がん疼痛患者にフェンタニル3日用テープ2.1mg(12.5μg/hr)を初回貼付用量とし、以後用量調整(最高8.4mg(50μg/hr))したときの血清中フェンタニル濃度は、用量依存的に増加した。6)

  1. 16.1.4高齢者における血中動態

健康な高齢者(65~81歳)にフェンタニル3日用テープ16.8mg(100μg/hr)1枚を72時間単回貼付したとき、健康成人(18~33歳)に比して、貼付期間(72時間)にわたって血清中フェンタニル濃度は若干低く推移し、Cmax、AUC(0→120)についても低値を示した。t1/2の約10時間の延長が認められた(外国人データ)。2),7)

t1/2
(hr)
高齢者(n=21) 34.4±14.1
成人(n=27) 23.9±9.8

平均±標準偏差

  1. 16.1.5肝障害患者における血中動態

肝硬変合併術後疼痛患者(39~66歳)にフェンタニル3日用テープ(旧製剤)5mg(50μg/hr)1枚を72時間単回貼付したとき、対照群(30~65歳)に比して、Cmaxは1.35倍、AUC(0→144)は1.73倍高く、Tmax及びt1/2にほとんど相違は認められなかった(外国人データ、フェンタニル3日用テープ(旧製剤)におけるデータ)。8)

Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
AUC(0→144)
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
肝硬変患者(n=9) 40±17 1.52±0.70 123.0±71.9 19.8±10.2
対照群(n=8) 33±5 1.13±0.51 71.0±28.7 20.6±5.7

平均±標準偏差

  1. 16.1.6血中動態に対する温度の影響

健康成人にフェンタニル3日用テープ4.2mg(25μg/hr)を36時間単回貼付したときの薬物動態に及ぼす皮膚温の影響を検討した。フェンタニル3日用テープ貼付後0~10時間に電気パッドにて皮膚を加温したとき、フェンタニルのAUC(0→10)は非加温群と比べて約2倍増加したが、貼付後26~36時間に加温したときのAUC(26→36)への影響は小さかった(外国人データ)。2),9)

C10注)
(ng/mL)
AUC(0→10)
(ng・hr/mL)
AUC(26→36)
(ng・hr/mL)
皮膚温(℃)
10(hr) 36(hr)
非加温群
(4.2mg(25μg/hr))
29.5~35.9 30.4~36.1
加温群
(4.2mg(25μg/hr)+
加温)
32.2~38.4 35.4~37.6
比(加温群/
非加温群、%)
161 220 115

最大~最小

注)フェンタニル3日用テープ貼付後10時間の血清中フェンタニル濃度

  1. 16.1.7生物学的同等性試験

フェンタニル3日用テープ2.1mg「トーワ」とデュロテップMTパッチ2.1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1枚(フェンタニルとして2.1mg)健康成人男子に絶食単回経皮投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。10)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC(0→120)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
t1/2
(hr)
フェンタニル3日用テープ
2.1mg「トーワ」
16.89±5.32 0.296±0.105 24.0±0.0 19.26±5.21
デュロテップMTパッチ2.1mg 18.46±4.79 0.318±0.085 23.6±1.9 19.58±4.66

平均±標準偏差、n=22

血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.3 分布

  1. 16.3.1組織への分布

ラットに3H-フェンタニルを皮下投与したとき、膀胱内尿及び小腸(十二指腸)内容物に高い放射能が認められた。肺、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、鼻粘膜、生殖器及び骨髄など多くの組織に放射能が認められた(ラット)。11)

  1. 16.3.2胎児移行性

妊娠ラットに3H-フェンタニルを皮下投与したとき、胎児内放射能濃度は母動物の血液中放射能濃度の約1.5~2倍高く推移した(ラット)。12)

  1. 16.3.3乳汁移行性

分娩時にフェンタニルクエン酸塩を静脈内投与したとき、フェンタニルの乳汁移行が確認された(外国人データ)。13)

  1. 16.3.4血漿蛋白結合率

84.4%(in vitro、平衡透析法、10ng/mL)14)

16.4 代謝

フェンタニルは肝臓で主に代謝され、その主代謝物の一つはピペリジン環の酸化的N-脱アルキル化により生じるノルフェンタニルである。ヒト肝ミクロソームを用いた検討により、ノルフェンタニルへの代謝にはCYP3A4が関与していることが報告されている。(ラット、in vitro)。12),15)

16.5 排泄

健康成人に3H-フェンタニルを静脈内投与したとき、72時間までに投与量の76±3%が尿中に排泄され、そのほとんどが代謝物であり、未変化体は投与量の6.4±1.2%であった。糞中には投与量の1.2±0.3%が未変化体として、7.8±1.0%が代謝物として排泄された(外国人データ)。16)