Clinical snapshot

ヒダントール錠100mg

フェニトイン

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者

  2. *2.2タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、マシテンタン・タダラフィル、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、ルラシドン、イサブコナゾニウム、エンシトレルビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルを投与中の患者

効能・効果

  • てんかんのけいれん発作

  • 強直間代発作(全般けいれん発作、大発作) 焦点発作(ジャクソン型発作を含む)

  • 自律神経発作

  • 精神運動発作

用法・用量

  • フェニトインとして、通常成人1日200~300mg、小児には下記用量を毎食後3回に分割経口投与する。 症状、耐薬性に応じて適宜増減する。

  • 学童 100~300mg 幼児  50~200mg 乳児  20~100mg

使用上の注意

  1. 8.1混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。

  2. 8.2連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

  3. 8.3連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  4. 8.4眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  5. 8.5長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した本剤の血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  6. 8.6複視、視覚障害、眼振、白内障があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1血液障害のある患者

血液障害が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。

  1. 9.1.3糖尿病の患者

2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。

  1. 9.1.4虚弱者

連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害の悪化、また、血中濃度上昇のおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。

  3. 9.5.3妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。

  4. 9.5.4妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。

  5. 9.5.5妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒトで乳汁中への移行が報告されている1)。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い。

  2. 9.8.2投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝される。また、CYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)
• アドシルカマシテンタン
• オプスミットマシテンタン・タダラフィル
• ユバンシ配合錠チカグレロル
• ブリリンタアルテメテル・ルメファントリン
• リアメット配合錠ダルナビル・コビシスタット
• プレジコビックス配合錠ドラビリン
• ピフェルトロルラシドン
• ラツーダリルピビリン
• エジュラント
イサブコナゾニウム
• クレセンバ
エンシトレルビル
• ゾコーバ*ニルマトレルビル・リトナビル
• パキロビッド
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。
*ミフェプリストン・ミソプロストール
• メフィーゴ
ミフェプリストンの血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。本剤を中止してミフェプリストンを用いる場合は、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
• オデフシィ配合錠
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• ビクタルビ配合錠
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• シムツーザ配合錠
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
• ゲンボイヤ配合錠
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。
ソホスブビル・ベルパタスビル
• エプクルーサ配合錠
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。
レジパスビル・ソホスブビル
• ハーボニー配合錠
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。 本剤のP糖蛋白誘導による。
ドルテグラビル・リルピビリン
• ジャルカ配合錠
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
*カボテグラビル
• ボカブリア
カボテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤のUGT1A1誘導作用によると考えられている。
* レナカパビル
• シュンレンカ
レナカパビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用、P糖蛋白誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ゾニサミド
トピラマート
ボリコナゾール
スチリペントール
**ブリーバラセタム
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。
クロバザム
タクロリムス
テラプレビル
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)機序は不明である。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
ルフィナミド (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)、(2)機序は不明である。
カルバマゼピン (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。
(2)カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導による。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
ネルフィナビル (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)ネルフィナビルが肝代謝を抑制すると考えられている。
(2)機序は不明である。
(3)機序は不明であるが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導等が考えられている。
バルプロ酸 (1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。
(3)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある注2) 。
*(4)バルプロ酸による高アンモニア血症のリスクが増加するとの報告がある。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、遊離フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
*(4)機序は不明である。
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリン
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。
(2)クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある。
(3)クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがある。
通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること。
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。
(2)本剤による蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
*CYP2C9又はCYP2C19を阻害する薬剤
• アミオダロン
クロラムフェニコール
シメチジン
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
チクロピジン
フルコナゾール
フルボキサミン
ホスフルコナゾール
ミコナゾール
セリチニブ
• アシミニブ
• ニチシノン
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。 これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
アロプリノール
イソニアジド
エトスクシミド
オメプラゾール
ジスルフィラム
ジルチアゼム
スルチアム
パラアミノサリチル酸
メチルフェニデート
エソメプラゾール
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。 これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
フルオロウラシル系薬剤
• テガフール製剤
ドキシフルリジン 等三環系抗うつ剤
• イミプラミン等四環系抗うつ剤
• マプロチリン等トラゾドン
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1) 。 機序は不明である。
テオフィリン
アミノフィリン
(1)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。
(2)テオフィリンの血中濃度が低下することがある注2) 。
(1)機序は不明である。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
**ボラシデニブ (1)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)。
(2)ボラシデニブの血中濃度が低下することがある注2)。
(1)ボラシデニブのCYP2C9誘導作用によると考えられている。
(2)本剤のCYP1A2誘導作用によると考えられている。
リファンピシン
アパルタミド
レテルモビル
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。 これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
ジアゾキシド
シスプラチン
ビンカアルカロイド
• ビンクリスチン等シプロフロキサシン
ビガバトリン
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3) 。 機序は不明である。
イリノテカン イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
主にCYP3Aの基質となる薬剤
• アゼルニジピン
イトラコナゾール
イマチニブ
オンダンセトロン
キニジン
クエチアピン
ジソピラミド
ニソルジピン
ニフェジピン
フェロジピン
プラジカンテル
ベラパミル 等
副腎皮質ホルモン剤• デキサメタゾン等
• 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤• ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
• PDE5阻害剤• タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)
シルデナフィル
バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
パロキセチン
フレカイニド
メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤
• アピキサバン
ミラベグロン
レンバチニブ 等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤の肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による。
P糖蛋白の基質となる薬剤
• グレカプレビル・ピブレンタスビル
テノホビル アラフェナミド
ニンテダニブ 等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤のP糖蛋白誘導による。
ラモトリギン
デフェラシロクス
カナグリフロジン
ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
ポサコナゾール これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤のUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による。
シクロスポリン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。また、本剤が吸収を阻害する。
甲状腺ホルモン剤
• レボチロキシン等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 機序は不明である。
カスポファンギン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2) 。 本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。
ドルテグラビル
ドルテグラビル・ラミブジン
ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による。
ドキシサイクリン ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
アルベンダゾール アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 機序は不明である。
非脱分極性筋弛緩剤
• ベクロニウム等
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。 機序は不明である。
血糖降下剤
• インスリン
経口血糖降下剤
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。 本剤のインスリン分泌抑制作用による。
アセタゾラミド くる病、骨軟化症があらわれやすい。 本剤によるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている。
アセトアミノフェン 本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝機能障害を生じやすくなる。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 フェニトインの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。

注1)フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること。

注2)これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。

注3)本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意すること。また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、本剤の血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害 頻度不明
CK上昇 頻度不明
IgG等) 頻度不明
T4値等)の異常 頻度不明
アステリキシス(asterixis)等) 頻度不明
くる病注7) 頻度不明
けいれん・てんかん増悪 頻度不明
ニューロパシー 頻度不明
不眠 頻度不明
不随意運動(ジスキネジア 頻度不明
便秘 頻度不明
免疫グロブリン低下(IgA 頻度不明
多毛 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
歯牙の形成不全 頻度不明
歯肉増殖注5) 頻度不明
注意力・集中力・反射運動能力等の低下 頻度不明
猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹 頻度不明
甲状腺機能検査値(血清T3 頻度不明
発熱 頻度不明
白内障 頻度不明
眩暈 頻度不明
眼振 頻度不明
神経過敏 頻度不明
舞踏病アテトーゼ 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 頻度不明
血清葉酸値の低下 頻度不明
複視 頻度不明
視覚障害 頻度不明
運動失調 頻度不明
頭痛 頻度不明
骨軟化症注7) 頻度不明
高血糖 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

フェニトインはマウス、ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが、最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり、最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する13),14),15),16)。 また、本剤は神経膜を安定化し17)、シナプスにおけるpost-tetanic potentiation(PTP)を抑制する18)。 これらのことから、本剤の抗てんかん作用は、けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく、発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている16),19)。

薬物動態

16.1 血中濃度

ヒダントール錠25mg8錠、錠100mg2錠(フェニトインとして200mg)をそれぞれ健康成人男子6名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである2)。

AUC(0-48hr)
(hr・μg/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
錠25mg 143.0±35.3 6.0±1.3 4.2±1.0 16.8±2.3
錠100mg 137.8±29.6 6.3±0.9 3.2±1.0 15.2±2.2

(Mean±S.D., n=6)

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

約90%(in vitro、ヒト血漿、約20μg/mL、限外ろ過法)3)

16.4 代謝

  1. 16.4.1主な代謝産物及び代謝経路

主として肝臓でフェニル基の一つが水酸化され、5-(p-hydroxyphenyl)-5-phenylhydantoin(HPPH)が生成した後、大部分はグルクロン酸抱合される4),5)。

  1. 16.4.2代謝酵素

主としてCYP2C9及び一部CYP2C196)

16.5 排泄

  1. 16.5.1排泄経路

主として尿中7)

  1. 16.5.2排泄率

投与後6日間における排泄率は、尿中に総HPPHとして97.6~98.2%、フェニトインとして0.3~0.6%、糞中に総HPPHとしてtrace~1.6%、フェニトインとして0.7%であった。(健康成人、ヒダントール錠25mg4錠、1回経口投与)7)

16.7 薬物相互作用

フェニトインはCYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する8)。

16.8 その他

  1. 16.8.1有効血中濃度

てんかんの重症度や症例によって違いはあるが、一般に成人の強直間代発作に対しては10~20μg/mLが目安として示されている9),10)。

  1. 16.8.2投与量と血中濃度との関係

定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式(C=Km・D/(Dmax-D))を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい11)。また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる12)。このため、フェニトインの血中濃度測定が、至適投与量の検討ないしは中毒症状発現防止に役立てられている。