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ノルアドリナリン注1mg

ノルアドレナリン

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

*アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤投与中の患者

効能・効果

各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療(心筋梗塞によるショック、敗血症によるショック、アナフィラキシー性ショック、循環血液量低下を伴う急性低血圧ないしショック、全身麻酔時の急性低血圧など)

用法・用量

  • 〈点滴静脈内注射〉

ノルアドレナリンとして、通常、成人1回1mgを250mLの生理食塩液、5%ブドウ糖液、血漿または全血などに溶解して点滴静注する。一般に点滴の速度は1分間につき0.5~1.0mLであるが、血圧を絶えず観察して適宜調節する。

  • 〈皮下注射〉

ノルアドレナリンとして、通常、成人1回0.1~1mgを皮下注射する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等があらわれることがあるので、過量投与にならないよう注意すること。特に感受性の高い患者には過量投与にならないように注意すること。過度の血圧上昇を生じた場合には、α-遮断薬(フェントラミンメシル酸塩等)を使用すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1コカイン中毒の患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。コカインは中枢作用、交感神経刺激作用を有するので、本剤の使用によりその作用が増強し、症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2心室性頻拍のある患者

治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。心拍出量・脳血流等が減少するため症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3高血圧の患者

高血圧を悪化させる。

  1. 9.1.4動脈硬化症の患者

血圧を上げ、末梢血流量を減少させる。

  1. 9.1.5甲状腺機能亢進症の患者

はげしい頭痛、羞明等を伴う著明な血圧上昇がおこることがある。

  1. 9.1.6心疾患のある患者

心機能に影響を及ぼすおそれがある。

  1. 9.1.7徐脈のある患者

不整脈を起こすことがある。

  1. 9.1.8本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者**

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。子宮血管の収縮により、胎児が仮死状態となることがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

交感神経作用薬に高い感受性を示し、過度の昇圧反応を起こす可能性がある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
他のカテコールアミン製剤
• アドレナリン
(ボスミン、エピペン等)
イソプレナリン塩酸塩等
(プロタノール等)*
不整脈、場合により心停止をおこすおそれがある。 両剤とも心臓を刺激するため。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*ハロゲン含有吸入麻酔剤
• セボフルラン等
頻脈、心室細動をおこすおそれがある。 ハロゲン含有吸入麻酔剤が心筋のカテコールアミン感受性を増大させるためと考えられている。
MAO阻害剤
• セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩等
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 これらの薬剤による代謝阻害により、本剤の濃度が上昇するためと考えられる。
三環系抗うつ剤
• イミプラミン、アミトリプチリン等セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
• ミルナシプラン等その他の抗うつ剤
• マプロチリン等
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 これらの薬剤がアドレナリン作動性神経終末でのノルアドレナリン再取り込みを遮断し、シナプスでのカテコールアミン濃度を上昇させるためと考えられている。
メチルフェニデート 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 これらの薬剤がアドレナリン作動性神経終末でのノルアドレナリン再取り込みを遮断し、シナプスでのカテコールアミン濃度を上昇させるためと考えられている。
分娩促進剤
• オキシトシン等エルゴタミン製剤
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用が増強すると考えられる。
*抗ヒスタミン剤
• クロルフェニラミン等
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 抗ヒスタミン剤によりヒスタミンの毛細血管拡張が抑制されるため、血圧上昇作用が増強すると考えられる。
甲状腺製剤
• チロキシン等
冠不全発作が起こることがあるので慎重に投与すること。 甲状腺ホルモンは、心筋のβ-受容体数を増加させるため、カテコールアミン感受性が増大すると考えられている。
利尿剤
• チアジド系利尿剤• トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
• チアジド系類似剤• インダパミド等
• ループ利尿剤• フロセミド等
• カリウム保持性利尿剤• スピロノラクトン
本剤の作用が減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。
併用により本剤の血管反応性を低下させることがある。
アメジニウムメチル硫酸塩 血圧の異常上昇をきたすことがあるので、慎重に投与すること。 ノルアドレナリンの末梢神経終末における再取り込みと不活性化が抑制されるためと考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 頻度不明
不安 頻度不明
呼吸困難 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪寒 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
振戦 頻度不明
羞明 頻度不明
胸内苦悶 頻度不明
血圧異常上昇 頻度不明
頭痛 頻度不明
鳥肌 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は主としてα-受容体に作用し、心臓を除いてβ-受容体に対する作用は弱い。α効果においても本剤はほとんどの臓器でアドレナリンより弱い。1),2)

18.2 ノルアドレナリンとアドレナリンによる薬理効果の差異

ノルアドレナリンとアドレナリンは類似の化学構造を有するが、両者の薬理作用の差を表示すれば次の通りである2)。

作用 ノルアドレナリン アドレナリン
心臓
• 心拍数
1回拍出量
拍出量
不整脈
冠血流量
-b
++
0,-
++++
++

++
+++
++++
++
血圧
• 収縮期動脈
平均動脈
弛緩期動脈
平均肺
+++
++
++
++
+++

+,0,-
++
末梢循環
• 全末梢抵抗
脳血流量
筋血流量
皮膚血流量
腎血流量
臓器血流量
++
0,-
0,-


0,+


+++


+++
代謝への作用
• 酸素消費量
血中グルコース
血中乳酸
好酸球減少反応
0,+
0,+
0,+
0
++
+++
+++
中枢神経系
• 呼吸
内因感覚


a 毎分0.1~0.4μg/kg b アトロピン処置後、Goldenberg, M. et al. : AMA Arch Intern Med. 1950 ; 86 : 823-836に従った。 +:増大、0:変化なし、-:減少

18.3 作用時間

本剤の作用は一過性で、血圧上昇作用は注入中止1~2分以内に消失するので、注入速度を調節して適当な血圧上昇が得られる。