レボドパ含有製剤で治療中のパーキンソン病におけるウェアリングオフ現象の改善
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.3重度の肝障害のある患者
効能・効果
用法・用量
本剤は、レボドパ含有製剤と併用する。通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、症状により40mgを1日1回経口投与できる。
使用上の注意
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8.1前兆のない突発的睡眠、睡眠発作、起立性低血圧、傾眠、めまい、意識消失、失神等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転、機械の操作、高所作業等、危険を伴う作業に従事させないように注意すること。
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8.2非臨床試験においてマクロファージを主体とする肺の炎症性変化が認められている。本剤投与開始後は十分に観察し、息切れ・呼吸困難、乾性咳嗽が発現した場合には、胸部X線検査をはじめとする画像検査や適切な精密検査等を行い、必要に応じて減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1虚血性心疾患のある患者
不整脈が悪化する可能性がある。
- 9.1.2ジスキネジーのある患者
患者の状態を注意深く観察しながら投与すること。ジスキネジーを悪化させることがある。ジスキネジーが悪化した場合には必要に応じ、本剤の減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度の肝障害のある患者
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。また、これらの患者での使用経験はない。
- 9.3.2肝障害のある患者(重度の肝障害のある患者を除く)
本剤は主に肝臓で代謝されるため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット又はウサギ)で受胎率及び着床率の低下、全児死亡した母動物の増加、催奇形性(骨格変異、骨格異常、小眼球及び欠指)並びに哺乳期の出生児の生存率低値等が認められている。また、本剤とレボドパ・カルビドパを併用した動物実験(ウサギ)では、胎児生存率の低値が認められ、催奇形性(内臓異常、骨格異常、無指、短指又は欠指)を含む胎児への影響が、本剤単独投与と比較して、併用投与ではより低用量から認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されており、また、出生児の生存率低下及び体重増加量低値が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。
相互作用
- 本剤は、主としてCYP1A1及びCYP3A(CYP3A4及びCYP3A5)で代謝される。また、CYP3A及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| CYP3Aを強く阻害する薬剤 • イトラコナゾール クラリスロマイシン 等 |
本剤の作用が増強される可能性がある。 | CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 ケトコナゾールと本剤を併用した際に、本剤のAUC0-∞は増加し、t1/2は延長した。 |
| CYP3Aを阻害する薬剤 • エリスロマイシン フルコナゾール 等 |
本剤の作用が増強される可能性がある。 | CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 |
| CYP3Aを誘導する薬剤 • リファンピシン カルバマゼピン 等 セイヨウオトギリソウ (St. John’s Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の作用が減弱する可能性がある。 | CYP3A誘導剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。 |
| CYP3Aの基質となる薬剤 • ミダゾラム アトルバスタチン ロミタピドメシル酸塩 等 |
左記薬剤の作用が増強される可能性がある。 | 本剤との併用により、CYP3Aの基質となる薬剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 |
| P糖蛋白の基質となる薬剤 • ジゴキシン アトルバスタチン 等 |
左記薬剤の作用が増強される可能性がある。 | 本剤との併用により、P糖蛋白が阻害され、P糖蛋白の基質となる薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。 |
| タバコ(喫煙) | 本剤の作用が減弱する可能性がある。 | 喫煙によるCYP1A1及びCYP1A2の誘導により、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。 |
| エンタカポン | エンタカポンとの併用によりジスキネジーの発現頻度の上昇が認められた。 | 機序は不明である。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT増加 | 1%未満 |
| AST増加 | 1%未満 |
| LDH増加 | 頻度不明 |
| γ-GTP増加 | 1%未満 |
| ジスキネジー(16.9%) | 5%以上 |
| ジストニー | 頻度不明 |
| じん麻疹 | 1%未満 |
| パーキンソン病増悪 | 1〜5%未満 |
| リパーゼ増加 | 1〜5%未満 |
| 上室性期外収縮 | 1%未満 |
| 上腹部痛 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 1〜5%未満 |
| 体位性めまい | 1%未満 |
| 体重減少 | 1〜5%未満 |
| 便秘(5.1%) | 5%以上 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 1〜5%未満 |
| 動悸 | 1%未満 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 咳嗽 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 四肢痛 | 1%未満 |
| 変形性脊椎症 | 頻度不明 |
| 失神 | 1%未満 |
| 姿勢異常 | 頻度不明 |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 1%未満 |
| 尿中蛋白陽性 | 1〜5%未満 |
| 尿中血陽性 | 1〜5%未満 |
| 心室性期外収縮 | 頻度不明 |
| 心房細動 | 1%未満 |
| 心筋梗塞 | 頻度不明 |
| 心電図T波逆転 | 頻度不明 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 挫傷 | 1%未満 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 末梢性浮腫 | 頻度不明 |
| 歩行障害 | 頻度不明 |
| 気管支炎 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 1%未満 |
| 消化不良 | 1%未満 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 睡眠障害 | 1%未満 |
| 神経因性膀胱 | 頻度不明 |
| 肝機能異常 | 1%未満 |
| 胃潰瘍 | 1%未満 |
| 胃炎 | 1%未満 |
| 胃食道逆流性疾患 | 1〜5%未満 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 胸部不快感 | 1%未満 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 血中Al-P増加 | 1%未満 |
| 血中CK増加 | 1〜5%未満 |
| 血中アミラーゼ増加 | 1%未満 |
| 血中トリプシン増加 | 1〜5%未満 |
| 血中ビリルビン増加 | 頻度不明 |
| 血中ブドウ糖増加 | 1%未満 |
| 血中尿素増加 | 1%未満 |
| 血圧上昇 | 頻度不明 |
| 起立性低血圧 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 1〜5%未満 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
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18.1.1本剤はアデノシンA2A受容体拮抗薬であり、線条体及び淡蒼球において当該受容体を遮断することによりパーキンソン病に対する治療効果を発現する。
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18.1.2本剤はヒト組換えアデノシンA2A受容体に対し、高い親和性を示すが、ヒト組換えアデノシンA1, A3受容体への親和性は低い17)(in vitro)。
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18.1.3本剤はPC-12細胞においてアデノシンA2A作動薬CGS21680によるcAMP蓄積増加作用を阻害する18)(in vitro)。
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18.1.4ラットのパーキンソン病モデルである黒質線条体片側破壊ラットにおいて、増加している淡蒼球ガンマアミノ酪酸(GABA)細胞外濃度を減少させる19)。
18.2 薬理作用
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18.2.1本剤はレセルピン処置マウスの運動障害であるカタレプシー反応を改善した。本剤をレボドパと併用すると、カタレプシー改善作用は増強された20)。
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18.2.2本剤はパーキンソン病モデルである1-Methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine(MPTP)処置マーモセットの自発運動量を増加させ、運動機能障害を改善した。本剤をレボドパと併用すると、レボドパの作用は増強され、レボドパの作用持続時間が延長された21),22)。
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18.2.3本剤はMPTP処置マーモセットのレボドパによる不随意運動の強度に影響しなかった23)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男性に本剤20mgを絶食下又は食後に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった(クロスオーバー試験)。 本剤を食後投与したときのCmax及びAUC0-∞は、いずれも絶食下投与に比べ増加したが、臨床的には大きな影響は認められなかった5)。
健康成人男性に単回経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
| 投与量 20mg |
tmaxa) (h) |
Cmax (ng/mL) |
AUC0-∞ (ng・h/mL) |
t1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|
| 絶食下投与 (n=20) |
2.00 0.50~4.00 |
112.9 ±24.1 |
4323b) ±1991 |
57.09b) ±31.51 |
| 食後投与 (n=20) |
3.00 0.50~8.00 |
136.4 ±36.0 |
4591 ±1997 |
53.56 ±22.33 |
平均値±標準偏差 a)中央値、最小値~最大値 b)n=19
- 16.1.2反復投与
健康成人男性に本剤20、40又は80mg/日注1)を1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。 本剤を反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、いずれも20~80mg/日の投与量範囲で投与量に比例して増加した。14日間の反復投与により、トラフ濃度(Ctrough)はおおむね定常状態に到達した6)。
注1)本剤の承認用量は、1日40mgまでである。
| 投与量 | Day | tmaxa) (h) |
Cmax (ng/mL) |
Ctrough (ng/mL) |
AUC0-24 (ng・h/mL) |
t1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20mg (n=9) |
1 | 2.00 1.00~6.00 |
149.2 ±25.3 |
33.4 ±11.5 |
1319 ±335 |
─ |
| 14 | 4.00 2.00~4.00 |
257.5 ±88.0 |
154.6 ±59.4 |
4406 ±1598 |
75.0b) ±32.0 |
|
| 40mg (n=9) |
1 | 2.00 1.00~4.00 |
257.3 ±38.7 |
67.2 ±20.3 |
2638 ±616 |
─ |
| 14 | 2.00 0.50~4.00 |
458.7 ±117.4 |
284.7 ±66.6 |
7925 ±2047 |
59.1c) ±27.0 |
|
| 80mg (n=9) |
1 | 2.00 2.00~4.00 |
391.2 ±120.0 |
105.2 ±38.0 |
3966 ±1264 |
─ |
| 14 | 2.00 2.00~4.00 |
857.3 ±180.5 |
502.1 ±136.2 |
14318 ±3023 |
51.1b) ±25.0 |
平均値±標準偏差 a)中央値、最小値~最大値 b)n=7 c)n=8
16.3 分布
- 16.3.1蛋白結合率
In vitroでの血清中蛋白結合率は95~97%であり、血漿中の主結合蛋白はアルブミンであった。健康成人、肝機能低下患者及び腎機能低下患者での血漿中蛋白結合率は同等であり97~98%であった(外国人データ)。
- 16.3.2受容体占有率
本剤の脳内結合部位は大脳基底核を中心にアデノシンA2A受容体の分布によく一致し、本剤20及び40mg/日の反復投与によるアデノシンA2A受容体占有率は90%以上を示した7)(外国人データ)。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソーム及びCYP発現ミクロソームを用いた試験から、本剤の代謝には、主にCYP1A1、CYP3A4及びCYP3A5が関与し、わずかながらCYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C18及びCYP2D6*1の関与が示唆された。また、本剤はCYP3A4/5に対して不可逆阻害作用を示した。 健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後2時間の血漿中には総放射能の約80%が未変化体として存在した。尿中には未変化体は認められず、本剤の主消失経路は代謝と推定された8)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C-イストラデフィリン40mgを単回経口投与したとき、投与後18日までに、尿中及び糞中にそれぞれ投与放射能の38.9%及び48.0%が排泄された8)(外国人データ)。また、Caco-2細胞単層膜を用いた試験で、本剤はP糖蛋白に対して阻害作用を示した。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
腎機能障害患者6例(Cockroft-Gault換算式によるクレアチニンクリアランス:30mL/min未満)及び健康成人6例に本剤40mgを単回経口投与したとき、血漿中曝露に大きな違いは認められなかった9)(外国人データ)。
- 16.6.2肝機能障害患者
肝機能障害患者7例(Child-Pugh分類による中等度の肝障害)及び健康成人7例に本剤40mg/日を反復経口投与したとき、定常状態での肝機能障害患者のCmax及びAUC0-24は、いずれも健康成人の約3倍と推定された10)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ケトコナゾール
健康成人において、CYP3A4の阻害剤であるケトコナゾール(200mg/回、1日2回4日間、以降、1日1回7日間反復投与)との併用により、本剤(40mg単回投与)のCmaxは影響を受けなかったが、AUC0-∞は2.47倍に増加し、t1/2は1.87倍に延長した11)(外国人データ)。
- 16.7.2リファンピシン
健康成人において、CYP3A4の誘導剤であるリファンピシン(600mg/日、20日間反復投与)との併用により、本剤(40mg単回投与)のCmaxは55.5%、AUC0-∞は19.2%に低下した12)(外国人データ)。
- 16.7.3ミダゾラム
健康成人において、本剤(80mg/日注2)、15日間反復投与)との併用により、CYP3A4の基質であるミダゾラム(10mg単回投与)のCmaxは1.61倍、AUC0-∞は2.41倍に増加した11)(外国人データ)。
- 16.7.4アトルバスタチン
健康成人において、本剤(40mg/日、17日間反復投与)との併用により、CYP3A4及びP糖蛋白の基質であるアトルバスタチン(40mg単回投与)のCmaxは1.53倍、AUC0-∞は1.54倍に増加した13)(外国人データ)。
- 16.7.5ジゴキシン
健康成人において、本剤(40mg/日、21日間反復投与)との併用により、P糖蛋白の基質であるジゴキシン(0.4mg単回投与)のCmaxは1.33倍、AUC0-∞は1.21倍に増加した14)(外国人データ)。
- 16.7.6喫煙
喫煙健康成人での本剤(40mg/日、14日間反復投与)のCmax及びAUC0-24は、非喫煙健康成人のそれぞれ79.3%及び58.4%であった15)(外国人データ)。
注2)本剤の承認用量は、1日40mgまでである。