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ドネペジル塩酸塩内用液3mg「トーワ」

ドネペジル塩酸塩内用液

添付文書改訂 2024年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はピペリジン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制

用法・用量

  • 〈アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制〉

通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、 1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。

  • 〈レビー小体型認知症における認知症症状の進行抑制〉

通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、 1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により5mgまで減量できる。 投与開始12週間後までを目安に、認知機能検査、患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、認知機能、精神症状・行動障害、日常生活動作等を総合的に評価してベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は、投与を中止すること。投与開始12週間後までの有効性評価の結果に基づき投与継続を判断した場合であっても、定期的に有効性評価を行い、投与継続の可否を判断すること。

使用上の注意

  1. 8.1レビー小体型認知症では、日常生活動作が制限される、あるいは薬物治療を要する程度の錐体外路障害を有する場合、本剤の投与により、錐体外路障害悪化の発現率が高まる傾向がみられていることから、重篤な症状に移行しないよう観察を十分に行い、症状に応じて減量又は中止など適切な処置を行うこと。

  2. 8.2定期的に認知機能検査を行う等患者の状態を確認し、本剤投与で効果が認められない場合、漫然と投与しないこと。

  3. 8.3他のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する同効薬(ガランタミン等)と併用しないこと。

  4. 8.4アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症では、自動車の運転等の機械操作能力が低下する可能性がある。また、本剤により、意識障害、めまい、眠気等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう患者等に十分に説明すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者、電解質異常(低カリウム血症等)のある患者

QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心ブロック(洞房ブロック、房室ブロック)等があらわれることがある。

  1. 9.1.2洞不全症候群、心房内及び房室接合部伝導障害等の心疾患のある患者

迷走神経刺激作用により徐脈あるいは不整脈を起こす可能性がある。

  1. 9.1.3消化性潰瘍の既往歴のある患者

胃酸分泌の促進及び消化管運動の促進により消化性潰瘍を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.4気管支喘息又は閉塞性肺疾患の既往歴のある患者

気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状が悪化する可能性がある。

  1. 9.1.5錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者

線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を誘発又は増悪する可能性がある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療での有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 動物実験(ラット経口10mg/kg)で出生率の減少、死産児頻度の増加及び生後体重の増加抑制が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。 ラットに14C-ドネペジル塩酸塩を経口投与したとき、乳汁中へ移行することが認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • ***本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3A4及び一部CYP2D6で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
スキサメトニウム塩化物水和物 筋弛緩作用を増強する可能性がある。 併用薬剤の脱分極性筋弛緩作用を増強する可能性がある。
コリン賦活剤
• アセチルコリン塩化物
カルプロニウム塩化物
ベタネコール塩化物コリンエステラーゼ阻害剤
• アンベノニウム塩化物
ジスチグミン臭化物
ピリドスチグミン臭化物
ネオスチグミン等
迷走神経刺激作用などコリン刺激作用が増強される可能性がある。 本剤とともにコリン作動性の作用メカニズムを有している。
CYP3A阻害剤
• イトラコナゾール
エリスロマイシン等
本剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある。 併用薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)阻害作用による。
ブロモクリプチンメシル酸塩
イストラデフィリン
本剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある。 併用薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)阻害作用による。
キニジン硫酸塩水和物等 本剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある。 併用薬剤のチトクロームP450(CYP2D6)阻害作用による。
カルバマゼピン
デキサメタゾン
フェニトイン
フェノバルビタール
リファンピシン等
本剤の代謝を促進し、作用を減弱させる可能性がある。 併用薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の誘導による。
*中枢性抗コリン剤
• トリヘキシフェニジル塩酸塩
ピロヘプチン塩酸塩
ビペリデン塩酸塩等アトロピン系抗コリン剤
• ブチルスコポラミン臭化物
アトロピン硫酸塩水和物等
本剤と抗コリン剤は互いに干渉し、それぞれの効果を減弱させる可能性がある。 本剤と抗コリン剤の作用が、相互に拮抗する。
非ステロイド性消炎鎮痛剤 消化性潰瘍を起こす可能性がある。 コリン系の賦活により胃酸分泌が促進される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-Pの上昇 1%未満
ALT 1%未満
AST 1%未満
BUNの上昇 1%未満
CK 1%未満
LDH 1%未満
γ-GTP 1%未満
アミラーゼ 1%未満
せん妄 1%未満
トリグリセライド 1%未満
ヘマトクリット値減少 1%未満
むくみ 1%未満
めまい 1%未満
リビドー亢進 1%未満
上室性期外収縮 1%未満
下痢 頻度不明
不眠 1%未満
不穏 1%未満
体重減少 1%未満
便失禁 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
動悸 1%未満
嘔吐 頻度不明
嘔気 頻度不明
嚥下障害 1%未満
多動 1%未満
多弁 1%未満
妄想 1%未満
尿アミラーゼの上昇 1%未満
尿失禁 1%未満
尿閉 頻度不明
幻覚 1%未満
徘徊 1%未満
心室性期外収縮 1%未満
心房細動 頻度不明
悪夢 頻度不明
抑うつ 1%未満
振戦 1%未満
攻撃性 1%未満
昏迷 1%未満
易怒性 1%未満
流涎 1%未満
無感情 1%未満
瘙痒感 1%未満
発汗 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
白血球減少 1%未満
眠気 1%未満
筋痛 1%未満
総コレステロール 1%未満
縮瞳 頻度不明
胸痛 1%未満
脱力感 1%未満
腹痛 1%未満
興奮 1%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
貧血 1%未満
躁状態 1%未満
転倒 1%未満
錯乱 1%未満
頭痛 1%未満
頻尿 1%未満
顔面浮腫 頻度不明
顔面紅潮 1%未満
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症では、脳内コリン作動性神経系の顕著な障害が認められている。本薬は、アセチルコリン(ACh)を分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を可逆的に阻害することにより脳内ACh量を増加させ、脳内コリン作動性神経系を賦活する。18),19),20),21),22)

18.2 AChE阻害作用及びAChEに対する選択性

In vitroでのAChE阻害作用のIC50値は6.7nmol/Lであり、ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用のIC50値は7,400nmol/Lであった。AChEに対し選択的な阻害作用を示した。19)

18.3 脳内AChE阻害作用及びACh増加作用

経口投与により、ラット脳のAChEを阻害し、また脳内AChを増加させた。20),21)

18.4 学習障害改善作用

脳内コリン作動性神経機能低下モデル(内側中隔野の破壊により学習機能が障害されたラット)において、経口投与により学習障害改善作用を示した。22)

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男子を対象に、錠剤を絶食下単回経口投与したときの最高血漿中濃度(Cmax)及び血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は投与量の増加に依存して高くなった。5mg又は10mg単回投与時における薬物動態パラメータを表に示した。1)

投与量 Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
AUC
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(L/hr/kg)
5mg 9.97±2.08 3.00±1.10 591.72±155.87 89.3±36.0 0.141±0.040
10mg 28.09±9.81 2.42±1.24 1098.40±304.63 75.7±17.3 0.153±0.043

CL/F:総クリアランス                (Mean±S.D., n=6)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男子を対象に、錠剤5mg又は8mg注1)を1日1回14日間反復経口投与した。反復投与後の血漿中濃度は投与後約2週間で定常状態に達し、蓄積性あるいは体内動態に変化はないと考えられた。2)

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈ドネペジル塩酸塩内用液5mg「トーワ」〉

ドネペジル塩酸塩内用液5mg「トーワ」1包(2.5mL)とアリセプト錠5mg1錠(ドネペジル塩酸塩として5mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。3)

判定パラメータ 参考パラメータ
AUC0-144
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
tmax
(hr)
t1/2
(hr)
ドネペジル塩酸塩
内用液5mg「トーワ」
308.8±63.7 7.581±1.515 3.1±0.7 64.17±15.07
アリセプト錠5mg 286.5±53.8 7.478±1.383 2.7±0.7 59.77±9.82

(Mean±S.D.,n=15)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男子を対象に吸収に及ぼす食事の影響を錠2mg注1)で検討した結果、摂食時投与の血漿中濃度は絶食時とほぼ同様な推移を示し、食事による影響は認められなかった。4)

16.3 分布

In vitro試験において、ヒト血漿蛋白結合率は88.9%であり、in vivoでの血清蛋白結合率は92.6%であった。5),6)

16.4 代謝

主代謝経路はN-脱アルキル化反応であり、それに次いでO-脱メチル化反応とそれに続くグルクロン酸抱合反応であると考えられた。 N-脱アルキル化反応には主としてCYP3A4が、またO-脱メチル化反応には主としてCYP2D6が関与していることが示唆された。7)

16.5 排泄

健康成人男子を対象に錠2mg注1)を単回経口投与したとき、投与後7日目までに尿中に排泄された未変化体は投与量の9.4%であり、代謝物を含めると29.6%であった。また、10mgの単回経口投与後、11日目までに排泄された未変化体は尿中で10.6%、糞中で1.7%であった。未変化体及び代謝物を合計した尿中排泄率は35.9%であり、糞中排泄率は8.4%であった。8)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害患者を対象に錠5mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータには、健康成人のそれと有意差は認められなかった(外国人データ)。9)

  1. 16.6.2肝機能障害患者

アルコール性肝硬変患者を対象に錠5mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは健康成人と比較して肝疾患患者のCmaxが1.4倍高く有意差が認められたが、他のパラメータに有意差は認められなかった(外国人データ)。10)

  1. 16.6.3高齢者

高齢者を対象に錠2mg注1)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータは健康成人と比較して、消失半減期が1.5倍有意に延長したが、Cmax、tmax及びAUCに有意な差は認められなかった。11)

16.8 その他

  • 〈ドネペジル塩酸塩内用液3mg「トーワ」、ドネペジル塩酸塩内用液10mg「トーワ」〉

ドネペジル塩酸塩内用液5mg「トーワ」とアリセプト錠5mgの生物学的同等性が確認されたことから、容れ目違いであるドネペジル塩酸塩内用液3mg「トーワ」及びドネペジル塩酸塩内用液10mg「トーワ」と標準製剤についても生物学的に同等であると判断された。3)

注1)承認用法及び用量は、アルツハイマー型認知症では「通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。高度のアルツハイマー型認知症患者には、5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により適宜減量する。」、レビー小体型認知症では「通常、成人にはドネペジル塩酸塩として1日1回3mgから開始し、1~2週間後に5mgに増量し、経口投与する。5mgで4週間以上経過後、10mgに増量する。なお、症状により5mgまで減量できる。」である。