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トリクロリールシロップ10%

トリクロホスナトリウム

添付文書改訂 2023年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又は抱水クロラールに対して過敏症の既往歴のある患者[本剤は、抱水クロラールと同様に生体内でトリクロロエタノールとなる。]

  2. 2.2急性間けつ性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン症の症状を増悪させる。]

効能・効果

  • 脳波・心電図検査等における睡眠

  • 不眠症

用法・用量

トリクロホスナトリウムとして、通常成人1回1~2gを就寝前又は検査前に経口投与する。幼小児は年齢により適宜減量する。なお、患者の年齢及び状態、目的等を考慮して、20~80mg/kgを標準とし、総量2gを超えないようにする。

使用上の注意

  1. 8.1呼吸抑制等が起こることがあるので患者の状態を十分観察すること。特に小児では呼吸数、心拍数、経皮的動脈血酸素飽和度等をモニタリングするなど、十分に注意すること。

  2. 8.2抱水クロラールは、本剤と同様に生体内で活性代謝物であるトリクロロエタノールとなるため、併用により過量投与になるおそれがあるので注意すること。

  3. 8.3本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

  4. 8.4連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.2呼吸機能の低下している患者

呼吸抑制を起こすおそれがある。

  1. 9.1.3重篤な心疾患又は不整脈のある患者

心機能抑制により症状を増悪させるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

本剤は肝臓において加水分解され、トリクロロエタノールとなり、また腎臓より排泄されるため、血中濃度の持続・上昇により副作用を増強するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤は肝臓において加水分解され、トリクロロエタノールとなり、また腎臓より排泄されるため、血中濃度の持続・上昇により副作用を増強するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

  1. 9.7.1以下の点を考慮し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に成人に比し、薬物感受性が高い。
  • 無呼吸、呼吸抑制、痙攣は低出生体重児、新生児、乳幼児での報告が多い。

  • 無呼吸、呼吸抑制が起こり、心肺停止に至った症例も報告されている。

  • 痙攣(間代性痙攣、部分発作等)が起こることがある。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。高齢者では呼吸抑制を起こすおそれがある。また、一般に副作用があらわれやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤
これらの作用を増強することがあるので、やむを得ず投与する場合には減量するなど慎重に投与すること。 中枢抑制作用が増強する可能性がある。
アルコール これらの作用を増強することがあるので、やむを得ず投与する場合には減量するなど慎重に投与すること。 アルコール脱水素酵素を競合的に阻害し、アルコールの血中濃度が高くなる。
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリン等
これらの作用を増強することがあるので、併用する場合には通常より頻回にプロトロンビン値の測定を行うなど慎重に投与すること。 主代謝産物であるトリクロル酢酸は血漿蛋白結合部位からワルファリンを遊離置換し、遊離型ワルファリン濃度を増加させる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALTの上昇 頻度不明
AST 頻度不明
ケトン尿症 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
固定薬疹 頻度不明
好酸球増多 頻度不明
尿量減少 頻度不明
徐脈 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
抑うつ 頻度不明
構音障害 頻度不明
水疱 頻度不明
浮腫 頻度不明
発熱 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
紅斑 頻度不明
胃痛 頻度不明
興奮 頻度不明
覚醒遅延 頻度不明
運動失調 頻度不明
頭痛 頻度不明
鼓腸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

抱水クロラールと同様に、体内で活性代謝物のトリクロロエタノールとなり、鎮静・催眠作用を現す。消化管刺激性は抱水クロラールより低い3)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人(n=7)に22.5mg/kgを経口投与した場合の血中トリクロロエタノール濃度は投与1時間後に最高血中濃度8.2±0.6μg/mLに達し、半減期(T1/2β)は8.2時間であった(外国人のデータ)1)。

16.3 分布

血漿蛋白結合率(外国人のデータ):35%1)

16.5 排泄

代謝物のトリクロロエタノールは、投与後24時間で用量(15mg/kg)の4.6%(0.5~19%)が未変化体として、グルクロン酸抱合体と合わせて17~40%が尿中に排泄される。トリクロル酢酸の排泄は遅く、初めの2時間では10%以下、次の6時間で25%以下で、24時間で38%に達する(排泄が遅く、3日後でも血液中に残留)2)。