高血圧症
テラムロ配合錠AP「ニプロ」
テルミサルタン・アムロジピンベシル酸塩配合錠
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
-
2.1本剤の成分及びジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
-
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
-
2.3胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者
-
2.4アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
効能・効果
用法・用量
成人には1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
使用上の注意
-
8.1本剤は、テルミサルタン40mg又は80mgとアムロジピン5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとアムロジピン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
-
8.2降圧作用に基づく失神、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
-
8.3手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
-
8.4本剤の成分であるテルミサルタンを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。
-
8.5本剤の成分であるアムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
- 9.1.2高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。 また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
- 9.1.3脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.4厳重な減塩療法中の患者
低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。急激な血圧低下を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重篤な腎障害(血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の場合)のある患者
腎機能を悪化させるおそれがある。
- 9.2.2血液透析中の患者
低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。急激な血圧低下を起こすおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。
- 9.3.2肝機能障害患者
テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者で本剤の血中濃度が約3~4.5倍上昇することが報告されている。
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1妊娠する可能性のある女性
妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1),2)。
本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
-
(1)本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
-
(2)次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
-
妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
-
妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
-
妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。 妊娠中期及び末期に本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。 アムロジピンでは、動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。テルミサルタンの動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。また、テルミサルタンの動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。 アムロジピンはヒト母乳中へ移行することが報告されている3)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
相互作用
- テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。 アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| アリスキレンフマル酸塩 • ラジレス (糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。) |
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。 | テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ジゴキシン | テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告がある4)。 | テルミサルタン:機序不明 |
| カリウム保持性利尿剤 • スピロノラクトン トリアムテレン等カリウム補給剤 |
血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。 | テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 危険因子:特に腎機能障害のある患者 |
| リチウム製剤 • 炭酸リチウム |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。 | テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
| 利尿降圧剤 • フロセミド、トリクロルメチアジド等 |
急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。 | テルミサルタン:利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。 |
| 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) | 糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。 | テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
| 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) | 降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。 | テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。 |
| アンジオテンシン変換酵素阻害剤 | 急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある5)。 | テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| アリスキレンフマル酸塩 | 腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 | テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
| 降圧作用を有する薬剤 | 降圧作用が増強されるおそれがある。 | アムロジピン:相互に作用を増強するおそれがある。 |
| CYP3A4阻害剤 • エリスロマイシン ジルチアゼム リトナビル イトラコナゾール等 |
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。 | アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
| CYP3A4誘導剤 • リファンピシン等 |
アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。 | アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。 |
| グレープフルーツジュース | アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。 | グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
| シンバスタチン | アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 | 機序は不明である。 |
| タクロリムス | アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 | アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| (連用により)歯肉肥厚 | 頻度不明 |
| Al-P | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| AST | 頻度不明 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| CK上昇 | 頻度不明 |
| CRP陽性 | 頻度不明 |
| LDH | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇等の肝機能異常 | 頻度不明 |
| インフルエンザ様症状 | 頻度不明 |
| しびれ | 頻度不明 |
| じん麻疹 | 頻度不明 |
| そう痒 | 頻度不明 |
| ふらつき | 頻度不明 |
| ヘモグロビン減少 | 頻度不明 |
| ほてり | 頻度不明 |
| 上室性期外収縮 | 頻度不明 |
| 上室性頻脈 | 頻度不明 |
| 上気道感染 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 下肢痙攣 | 頻度不明 |
| 下肢痛 | 頻度不明 |
| 不安感 | 頻度不明 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 低ナトリウム血症 | 頻度不明 |
| 低血圧 | 頻度不明 |
| 体位性めまい | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 体重減少 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 光線過敏症 | 頻度不明 |
| 勃起障害 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 味覚異常 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳 | 頻度不明 |
| 咽頭炎 | 頻度不明 |
| 喀痰増加 | 頻度不明 |
| 喘息 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気 | 頻度不明 |
| 多形紅斑 | 頻度不明 |
| 多汗 | 頻度不明 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 好酸球上昇 | 頻度不明 |
| 尿中ブドウ糖陽性 | 頻度不明 |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 |
| 尿潜血陽性 | 頻度不明 |
| 尿管結石 | 頻度不明 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 心悸亢進 | 頻度不明 |
| 心房細動 | 頻度不明 |
| 心窩部不快感 | 頻度不明 |
| 心窩部痛 | 頻度不明 |
| 抑うつ状態 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 排便回数増加 | 頻度不明 |
| 排尿障害 | 頻度不明 |
| 敗血症 | 頻度不明 |
| 期外収縮 | 頻度不明 |
| 末梢神経障害 | 頻度不明 |
| 気分動揺 | 頻度不明 |
| 洞停止 | 頻度不明 |
| 洞房ブロック | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 片頭痛 | 頻度不明 |
| 異常感覚 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 疼痛 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球増加 | 頻度不明 |
| 皮膚変色 | 頻度不明 |
| 目のチカチカ感 | 頻度不明 |
| 眠気 | 頻度不明 |
| 眼痛 | 頻度不明 |
| 筋痙攣 | 頻度不明 |
| 筋緊張亢進 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 糖尿病 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 紫斑 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 頻度不明 |
| 羞明 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 頻度不明 |
| 胃腸炎 | 頻度不明 |
| 背部痛 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 頻度不明 |
| 腱炎 | 頻度不明 |
| 腹水 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 頻度不明 |
| 膀胱炎 | 頻度不明 |
| 膵炎 | 頻度不明 |
| 血中尿酸値上昇 | 頻度不明 |
| 血清カリウム上昇 | 頻度不明 |
| 血清カリウム減少 | 頻度不明 |
| 血清クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| 血清コレステロール上昇 | 頻度不明 |
| 血管炎 | 頻度不明 |
| 視力異常 | 頻度不明 |
| 視覚異常 | 頻度不明 |
| 貧血 | 頻度不明 |
| 赤血球減少 | 頻度不明 |
| 起立性低血圧 | 頻度不明 |
| 軟便 | 頻度不明 |
| 逆流性食道炎 | 頻度不明 |
| 錐体外路症状 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 頭のぼんやり感 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頭重 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 高血糖 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
| 鼻炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
- 18.1.1テルミサルタン
テルミサルタンは主に血管平滑筋のアンジオテンシンⅡ(A-Ⅱ)タイプ1(AT1)受容体において、生理的昇圧物質であるA-Ⅱと特異的に拮抗し、その血管収縮作用を抑制することにより降圧作用を発現する。テルミサルタンのAT1受容体親和性は高く(Ki=3.7nM)、AT1受容体から容易に解離しない。テルミサルタンは10~1000nMの濃度範囲で、A-Ⅱによる摘出ウサギ大動脈標本の血管収縮反応曲線を、濃度依存的に右方に移動させると共に最大収縮を40~50%抑制する。また標本洗浄120分後においても有意な血管収縮抑制を示し、作用は持続的である。また、ブラジキニン分解酵素であるACE(キニナーゼⅡ)に対しては直接影響を及ぼさない30),31)。
- 18.1.2アムロジピンベシル酸塩
細胞膜の膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、細胞内へのCa2+の流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。カルシウム拮抗作用の発現は緩徐であり、持続的である。また、心抑制作用は弱く、血管選択性が認められている32),33),34)。
18.2 降圧作用
テルミサルタンあるいはアムロジピン単独あるいは併用による作用について、以下の報告がある。 覚醒下の雄性高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、1mg/kgテルミサルタン及び5mg/kgアムロジピンを1日1回経口投与し、5日間経時的に血圧を測定したところ、1mg/kgテルミサルタン及び5mg/kgアムロジピンは、それぞれ単独投与により平均血圧が約25mmHg低下し、ほぼ同様の血圧低下作用を示した。次に、1mg/kgテルミサルタン、5mg/kgアムロジピン併用で1日1回5日間経口投与を行い、経時的に血圧を測定した。テルミサルタンとアムロジピンの併用投与による血圧に対する作用は、単独投与による血圧低下作用(約25mmHgの低下)に比べ、有意な血圧低下作用(約50mmHgの低下)がみられた35)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男子にテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した7),8)。
| 単回投与 | テルミサルタン | アムロジピン | ||
|---|---|---|---|---|
| 40mg/5mg 配合剤 |
80mg/5mg 配合剤 |
40mg/5mg 配合剤 |
80mg/5mg 配合剤 |
|
| 例数 | 30 | 29 | 30 | 29 |
| Cmax(ng/mL) | 87.0(77.3) | 466(75.7) | 3.39(19.7) | 3.00(21.3) |
| AUC0-∞(ng・hr/mL) | 808(62.8) | 2330(70.8) | 156(27.8) | 137(29.8) |
| t1/2(hr) | 20.1(35.9) | 20.5(29.2) | 38.4(18.9) | 40.0(13.8) |
| tmax(hr)a) | 1.50 (0.500–4.00) |
0.750 (0.500–3.00) |
6.00 (4.00–12.0) |
6.00 (6.00–10.0) |
幾何平均値(幾何変動係数[%]) a)中央値(最小値–最大値)
健康成人男子を対象としたテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験、並びにテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験において、テルミサルタン/アムロジピン配合剤及び単剤併用を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった7),8)。
| 単回投与 | テルミサルタン | アムロジピン | ||
|---|---|---|---|---|
| 配合剤 | 単剤併用 | 配合剤 | 単剤併用 | |
| 40mg/5mg | ||||
| 例数 | 30 | 30 | 30 | 30 |
| Cmax(ng/mL) | 87.0(77.3) | 85.4(52.3) | 3.39(19.7) | 3.21(23.6) |
| AUC0-tz(ng・hr/mL)a) | 752(56.0) | 791(57.4) | 145(26.7) | 138(26.7) |
| AUC0-∞(ng・hr/mL) | 808(62.8) | 837(60.1) | 156(27.8) | 150(27.3) |
| t1/2(hr) | 20.1(35.9) | 20.8(39.8) | 38.4(18.9) | 38.6(18.5) |
| tmax(hr)b) | 1.50 (0.500-4.00) |
1.75 (0.250-4.00) |
6.00 (4.00-12.0) |
6.00 (6.00-12.0) |
| 80mg/5mg | ||||
| 例数 | 29 | 29 | 29 | 29 |
| Cmax(ng/mL) | 466(75.7) | 399(63.3) | 3.00(21.3) | 2.94(20.2) |
| AUC0-tz(ng・hr/mL) | 2310(71.2) | 2250(69.8) | 127(27.7) | 122(29.4) |
| AUC0-∞(ng・hr/mL) | 2330(70.8) | 2270(69.9) | 137(29.8) | 132(32.3) |
| t1/2(hr) | 20.5(29.2) | 20.5(25.9) | 40.0(13.8) | 39.0(13.9) |
| tmax(hr)b) | 0.750 (0.500-3.00) |
0.750 (0.500-4.00) |
6.00 (6.00-10.0) |
8.00 (3.00-12.0) |
幾何平均値(幾何変動係数[%]) a)n=29 b)中央値(最小値-最大値)
健康成人男子を対象とした相対バイオアベイラビリティ試験及び生物学的同等性試験において、テルミサルタン/アムロジピン配合剤の薬物動態パラメータは単剤併用時と類似しており、生物学的同等性の基準を満たす製剤であることが確認されている7),8),9)。
- 16.1.2反復投与
健康成人男子24例にテルミサルタン40mg錠とアムロジピン5mg錠、又はテルミサルタン80mg(テルミサルタン40mg錠×2錠)とアムロジピン5mg錠を1日1回10日間空腹時反復併用投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。テルミサルタンの血漿中濃度は、両投与群ともに単回投与後に比べてやや高く、累積係数は1.4~2.0であった。また、テルミサルタンのtmax及び半減期は、両投与群ともに初回投与後と反復投与後とで類似していた。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した。一方、アムロジピンの血漿中濃度推移は、両投与群ともに初回投与後に比べて高く、累積係数は3.0~3.5であった。また、アムロジピンのtmax及び半減期は、両投与群ともに単回投与後と反復投与後とで類似していた10)。
| 反復投与 | テルミサルタン | アムロジピン | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 投与量 | T40mg+A5mg | T80mg+A5mg | T40mg+A5mg | T80mg+A5mg | |
| 1日目 | 例数 | 12 | 12 | 12 | 12 |
| Cmax(ng/mL) | 62.3(56.1) | 334(83.5) | 2.89(22.6) | 3.29(27.1) | |
| AUCτ(ng・hr/mL) | 460(44.0) | 1090(72.3) | 48.5(22.5) | 55.6(31.0) | |
| t1/2(hr) | 20.1(43.0) | 18.4(28.9) | 40.8(14.1) | 41.1(20.2) | |
| tmax(hr)a) | 1.50 (0.750–3.00) |
0.875 (0.500–1.00) |
4.00 (3.00–8.00) |
5.00 (3.00–8.00) |
|
| 10日目 | 例数 | 12 | 11 | 12 | 11 |
| Cmax,ss(ng/mL) | 116(51.2) | 398(95.1) | 8.98(26.6) | 9.69(35.6) | |
| AUCτ,ss(ng・hr/mL) | 766(45.1) | 1370(72.1) | 168(26.9) | 190(35.5) | |
| t1/2,ss(hr) | 19.0(32.5) | 18.8(28.2) | 40.5(12.4) | 40.7(16.2) | |
| tmax,ss(hr)a) | 1.50 (0.500–3.00) |
0.750 (0.500–2.00) |
6.00 (3.00–8.00) |
6.00 (3.00–8.00) |
幾何平均値(幾何変動係数[%]) a)中央値(最小値–最大値)
- 16.1.3テルミサルタンとアムロジピンの相互作用
健康成人男子12例にテルミサルタン120mg注)とアムロジピン10mg注)を併用投与したときとアムロジピン10mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、アムロジピンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、テルミサルタン併用投与によるアムロジピンの体内動態への影響は認められなかった11)(外国人データ)。 健康成人男女36名にテルミサルタン80mgとアムロジピン10mg注)を併用投与したときとテルミサルタン80mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、テルミサルタンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、アムロジピン併用投与によるテルミサルタンの体内動態への影響は認められなかった12)(外国人データ)。 注)本剤の承認用量はテルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mgである。
- 16.1.4生物学的同等性試験
- 〈テラムロ配合錠AP「ニプロ」〉
テラムロ配合錠AP「ニプロ」とミカムロ配合錠APのそれぞれ1錠(テルミサルタンとして40mg、アムロジピンとして5mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中テルミサルタン濃度及び血漿中アムロジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→72hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された13)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→72hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| テラムロ配合錠AP「ニプロ」 | 1703±946 | 172.5±77.9 | 1.96±0.91 | 24.6±11.3 |
| ミカムロ配合錠AP | 1672±932 | 161.5±90.5 | 2.12±1.28 | 26.6±16.7 |
(Mean±S.D., n=29)
血漿中テルミサルタン濃度推移
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→72hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| テラムロ配合錠AP「ニプロ」 | 82±26 | 2.41±0.77 | 6.62±0.94 | 36.6±6.0 |
| ミカムロ配合錠AP | 87±28 | 2.56±0.72 | 6.10±1.14 | 38.4±10.6 |
(Mean±S.D., n=29)
血漿中アムロジピン濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
- 〈テラムロ配合錠BP「ニプロ」〉
テラムロ配合錠BP「ニプロ」とミカムロ配合錠BPのそれぞれ1錠(テルミサルタンとして80mg、アムロジピンとして5mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中テルミサルタン濃度及び血漿中アムロジピン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→72hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された14)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→72hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| テラムロ配合錠BP「ニプロ」 | 3438±1884 | 869.5±576.6 | 1.27±0.79 | 18.5±6.0 |
| ミカムロ配合錠BP | 3401±1927 | 802.1±510.7 | 1.41±0.83 | 18.7±7.6 |
(Mean±S.D., n=48)
血漿中テルミサルタン濃度推移
| 判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
|---|---|---|---|---|
| AUC0→72hr (ng・hr/mL) |
Cmax (ng/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
|
| テラムロ配合錠BP「ニプロ」 | 113±34 | 3.14±0.69 | 6.44±1.54 | 38.8±8.7 |
| ミカムロ配合錠BP | 107±30 | 3.02±0.73 | 6.56±1.53 | 39.6±9.0 |
(Mean±S.D., n=48)
血漿中アムロジピン濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
健康成人男子32例(各用量16例)に、テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を単回経口投与したとき、テルミサルタンは食後投与で空腹時投与に比べtmaxの中央値が遅延(食後:4.00及び3.00時間、空腹時:1.50及び1.00時間)し、Cmax及びAUCはそれぞれ63~71%及び32~37%低下した。 一方、アムロジピンのCmax、AUC及びtmaxは空腹時投与と食後投与時とで類似しており、食事の影響は受けなかった15)。
16.3 分布
テルミサルタンのラット及びヒトの血漿蛋白結合率は、in vitro及びin vivoともに99%以上であった16)。 アムロジピンとヒト血漿蛋白との結合率は97.1%(in vitro 平衡透析法)であった17)。
16.4 代謝
テルミサルタンは主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される18)。 アムロジピンの主たる尿中代謝体はジヒドロピリジン環の酸化したピリジン環体及びその酸化的脱アミノ体である19)。
16.5 排泄
テルミサルタンとして、以下の報告がある。 健康成人男子にテルミサルタン20、40、80mgを空腹時に単回経口投与(各群6例)したとき、未変化体はほとんど尿中に排出されず、投与後24時間までの平均累積尿中排泄率は、いずれの投与量においても0.02%以下であった20)。 健康成人男子5例に14C-テルミサルタン40mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後144時間までの放射能の尿中及び糞中総排泄率はそれぞれ約0.5%及び102%であり、吸収されたテルミサルタンの大部分が胆汁を介して糞中に排泄された21)(外国人データ)。 アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。 健康成人6例にアムロジピンとして2.5mg注)又は5mgを単回経口投与した場合、尿中に未変化体として排泄される割合は小さく、いずれの投与量においても尿中未変化体排泄率は投与後24時間までに投与量の約3%、144時間までに約8%であった。また2.5mg注)を1日1回14日間連続投与した場合の尿中排泄率は投与開始6日目でほぼ定常状態に達し、6日目以降の1日当たりの未変化体の尿中排泄率は6.3~7.4%であった22)。 健康成人2例に14C-標識アムロジピン15mg注)を単回経口投与した場合、投与12日目までに投与放射能の59.3%は尿中、23.4%は糞中に排泄され、投与後72時間までの尿中放射能の9%は未変化体であった。その他に9種の代謝物が認められた(外国人データ)。 なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認められていない19)。 注)本剤の承認用量はテルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mgである。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
テルミサルタンとして、以下の報告がある。 肝障害患者12例(Child-Pugh分類A(軽症):8例、B(中等症):4例)にテルミサルタン20mg及び120mg注)を経口投与したとき、健康成人に比較しCmaxは4.5倍及び3倍高く、AUCは2.5倍及び2.7倍高かった23)(外国人データ)。 注)肝障害のある患者に投与する場合の最大投与量は1日40mgである。 アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。 成人肝硬変患者(Child分類A,B)5例にアムロジピンとして2.5mgを単回投与した場合、健康成人に比し、投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、t1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった24)。
- 16.6.2高齢者
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。 老年高血圧患者6例(男2例、女4例、平均年齢79.7歳)にアムロジピンとして5mgを単回、及び8日間反復投与した場合、単回投与時に若年健康者(男6例、平均年齢22.3歳)に比べ、Cmax及びAUCは有意に高値を示したが、t1/2に有意差は認められなかった。反復投与時には老年者の血漿中アムロジピン濃度は若年者よりも高く推移したが、そのパターンは若年者に類似しており、老年者でその蓄積が増大する傾向は認められなかった25)。