Clinical snapshot

ソセゴン錠25mg

塩酸ペンタゾシン錠

添付文書改訂 2024年03月01日

【警告】

本剤を注射しないこと。本剤にはナロキソンが添加されているため、水に溶解して注射投与しても効果なく、麻薬依存患者では禁断症状を誘発し、また肺塞栓、血管閉塞、潰瘍、膿瘍を引き起こすなど、重度で致死的な事態を生じることがある。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1ペンタゾシン又はナロキソンに対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2頭部傷害がある患者又は頭蓋内圧が上昇している患者[頭蓋内圧が上昇することがある。]

  3. 2.3重篤な呼吸抑制状態にある患者及び全身状態が著しく悪化している患者[呼吸抑制を増強することがある。]

  4. 2.4ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者[オピオイド離脱症状(又はその悪化)があらわれるおそれがある。]

効能・効果

各種癌における鎮痛

用法・用量

通常、成人には、1回ペンタゾシンとして25~50mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。必要に応じ追加投与する場合には、3~5時間の間隔をおく。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、めまい、ふらつき等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生ずることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。特に薬物依存の既往歴のある患者には注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物依存の既往歴のある患者

  2. 9.1.2麻薬依存患者

軽度の麻薬拮抗作用が認められているので、ときとして禁断症状を呈することがある。

  1. 9.1.3胆道疾患のある患者

大量投与した場合Oddi氏筋を収縮する。

  1. 9.1.4心筋梗塞患者

肺動脈圧及び血管抵抗を上昇させる。

9.3 肝機能障害患者

本剤の作用が増強するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するとともに、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続する傾向等が認められている。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ナルメフェン塩酸塩水和物
• セリンクロ
本剤の離脱症状を起こすおそれがある。また、本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがある。 μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
モルヒネ製剤 本剤の作用が増強されることがある。
併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
また、本剤は高用量において、モルヒネの作用に拮抗することがあるので、通常、モルヒネとの併用は避けること。
ペンタゾシンの作用は、脳内オピオイドレセプターの飽和濃度に左右される。
中枢性鎮痛剤
• ブプレノルフィン塩酸塩
• エプタゾシン臭化水素酸塩等ベンゾジアゼピン誘導体・その他の鎮静剤
• ジアゼパム
• ニトラゼパム
• メダゼパム等中枢性薬剤(睡眠剤等)
• バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール等)アルコール
本剤の作用が増強されることがある。
併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢神経系が抑制されることによると考えられる。
セロトニン神経系賦活作用を有する抗うつ剤
• アミトリプチリン塩酸塩等
抗うつ剤の作用が増強され不安感、悪心、発汗、潮紅等が起こるおそれがある。
併用が必要な場合には、一方又は両方の投与量を必要に応じて減らすこと。
中枢のセロトニン作動活性を増強すると考えられる。
外国において、セロトニン神経系賦活を作用機序とする抗うつ剤(フルオキセチン)投与患者でセロトニン神経系賦活作用の増強に由来すると考えられる症状(不安感、悪心、発汗、潮紅等)が認められたとの報告がある。
メサドン塩酸塩 メサドン塩酸塩の鎮痛作用を減弱させることがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。 本剤はメサドン塩酸塩の作用するμ受容体の部分アゴニストである。

動物実験(ウサギ)においてサリチルアミドとの併用によりペンタゾシンのCmaxが約2倍程度高くなり、サリチルアミドのCmaxは過剰のペンタゾシンを併用することにより約2.5倍となるとの報告があるので、併用しないことが望ましい。また、やむをえず併用する場合には本剤を減量するなど注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
もうろう状態 1%未満
不安 1%未満
不快感 1%未満
不眠 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 頻度不明
冷汗 1%未満
動悸 1%未満
口渇 1%未満
嘔吐 頻度不明
多形紅斑 頻度不明
尿閉 1%未満
幻覚 1%未満
悪寒 1%未満
悪心 5%以上
意識障害 1%未満
振戦 1%未満
排尿障害 1%未満
浮遊感 1%未満
熱感 1%未満
疲労感 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱 1%未満
発疹 1%未満
白血球減少 1%未満
肝機能異常 1%未満
胃部不快感 1%未満
脱力感 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1%未満
興奮 1%未満
血圧上昇 1%未満
血圧低下 1%未満
貧血 1%未満
赤血球減少 1%未満
酩酊感 1%未満
頭痛 1%未満
頭重 1%未満
顔面潮紅 1%未満
顔面蒼白 1%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

中枢神経における刺激伝導系を抑制することにより、鎮痛効果を発現する8)。

18.2 鎮痛効果

化学刺激(マウス酢酸writhing法9)、ラットアセチルコリン動注法10))及び電気刺激(ラット尾部電気刺激9)、ネコ屈曲反射10)、ウサギ歯髄刺激10))による疼痛反応に対する鎮痛効果試験において、ペンタゾシン(20~200mg/kg p.o.)の効力は、コデインリン酸塩水和物の約1/3~1倍、アスピリンの約3.5倍であった。経口投与した場合15分以内に鎮痛効果が発現し、その後約60分持続する(ラットアセチルコリン動注法10))。 本剤中に添加されているナロキソン量(1錠あたり0.25mg)では、経口投与により全量が肝初回通過効果による速やかな代謝を受け11),12)、作用を発現せず、ペンタゾシンの薬理作用を阻害することはない。しかし、本剤を注射投与した場合、ナロキソンはペンタゾシンの薬理作用に拮抗する。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男性6例に本剤(ペンタゾシンとして50mg含有)を経口投与した時、ペンタゾシンの最高血漿中濃度(Cmax)とその到達時間(Tmax)及び半減期は下記のとおりであった1)。

Tmax(h) Cmax(ng/mL) t1/2(min)
2 19~86 98~192

経口投与後のヒトにおける血漿中ペンタゾシン濃度

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合率

健康成人(20例)及び脳神経外科手術後の患者(22例)でのペンタゾシンの血漿蛋白結合率を検討した結果、それぞれ61.1%及び65.8%であった2)。

16.5 排泄

健康成人男性6例に本剤(ペンタゾシンとして50mg含有)を経口投与し、経時的に24時間、尿中のペンタゾシン及びその代謝物濃度を検討した。経口投与後の吸収は良く、尿中には主としてペンタゾシンと代謝物の抱合型として排泄され、投与後24時間までの総排泄率は投与量の70.4%であった1)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

肝硬変患者と健康成人において、ペンタゾシン0.4mg/kgを経口投与した結果、肝硬変患者では健康成人と比較してペンタゾシンの血中クリアランスは約1/2に低下して半減期は約1.7倍に延長し、生物学的利用率は約3.8倍に増加した3)。 肝障害患者に本剤を投与するときは、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。

  1. 16.6.2高齢者

若年(22~48歳)の健康成人(8例)、術後患者(1例)及び高齢(60~90歳)の術後患者(5例)、疼痛患者(3例)にペンタゾシンをそれぞれ30mg、80mg、30~60mgを静脈内投与注1)した結果、高齢層では若年層と比較して総クリアランスは約1/2に低下し、半減期は約1.6倍に延長した4)。 高齢者に本剤を投与するときは、投与量、投与間隔の適切な調節が必要である。

注1)本剤の承認された用量は、「1回ペンタゾシンとして25~50mgを経口投与する。」である。