Clinical snapshot

ジスバルカプセル40mg

バルベナジントシル酸塩カプセル

添付文書改訂 2026年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2先天性QT延長症候群又はTorsade de pointesの既往のある患者[QT間隔の過度な延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。]

効能・効果

遅発性ジスキネジア

用法・用量

通常、成人にはバルベナジンとして1日1回40mgを経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回80mgを超えないこととする。

使用上の注意

  1. 8.1遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬の長期使用に関連して発現するとされているため、原因薬剤の減量又は中止を検討すること。ただし、原因薬剤を減量又は中止した場合に、精神症状の増悪や再発に繋がるおそれがあるため、慎重に判断すること。

  2. 8.2傾眠、鎮静等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

  3. 8.3活性代謝物の血漿中濃度が上昇した際に、QT延長があらわれるおそれがあるので、以下の患者では、本剤の投与前及び投与中は定期的に心電図検査を行う等、患者の状態を慎重に観察すること。

  • 遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者

  • QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈等の不整脈又はその既往のある患者、うっ血性心不全の患者、低カリウム血症又は低マグネシウム血症のある患者)

  • 中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラス:B又はC)

  • 強いCYP2D6阻害剤(パロキセチン、キニジン等)を使用中の患者

  • 強いCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)を使用中の患者

  • CYP2D6阻害剤と中程度以上のCYP3A阻害剤の両方を使用中の患者

  • QT延長を起こすことが知られている薬剤を使用中の患者

  1. 8.4患者及びその家族等にうつ病や不安等の精神症状の可能性について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うように指導すること。

  2. 8.5うつ病や不安等の精神症状があらわれることがあるので、本剤投与中及び投与終了後一定期間は患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。関連する症状があらわれた場合には、本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

  3. 8.6うつ症状を呈する患者は、希死念慮、自殺企図のおそれがあるので、投与開始早期及び投与量を変更する際には、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者

活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。

  1. 9.1.2QT延長を起こしやすい患者(著明な徐脈等の不整脈又はその既往のある患者、うっ血性心不全の患者、低カリウム血症又は低マグネシウム血症のある患者)

QT延長があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.3自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

自殺念慮、自殺企図があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.4脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者

悪性症候群が起こりやすい。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラス:B又はC)

バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットにおいてバルベナジン及びその代謝物の胎盤通過性が認められている。また、ラットにおいて、臨床曝露量を下回る用量で母動物の体重増加抑制及び摂餌量の減少、並びに生存出生児数の減少が認められている。加えて、ウサギにおいて、臨床曝露量を下回る用量で母動物の体重増加抑制及び摂餌量の減少に伴う、胎児の骨化遅延及び胎児体重の減少が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて、バルベナジン及びその代謝物の乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

  • 本剤の未変化体(バルベナジン)はCYP3Aで主に代謝され、活性代謝物は主にCYP2D6及びCYP3Aで代謝される。バルベナジンはP-gpを阻害する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
モノアミン酸化酵素阻害剤(MAO阻害剤)
• セレギリン、ラサギリン、サフィナミド
本剤の作用が減弱する可能性がある。 本剤とMAO阻害剤を併用すると、シナプス中のモノアミン神経伝達物質の濃度が上昇する可能性がある。
テトラベナジン 相互に作用を増強することがあるため併用は推奨されない。併用する場合は観察を十分に行い、副作用の発現に注意すること。 本剤と類似した作用機序を有する。
中程度以上のCYP3A阻害剤
• イトラコナゾール、クラリスロマイシン、エリスロマイシン等
併用により、本剤の作用が増強することで副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。強いCYP3A阻害剤を併用する場合には本剤の用量を調節すること。 左記薬剤のCYP3A阻害作用により、バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2D6阻害剤
• パロキセチン、キニジン、ダコミチニブ等
併用により、本剤の作用が増強することで副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行うこと。強いCYP2D6阻害剤を併用する場合には本剤の用量を調節すること。 左記薬剤のCYP2D6阻害作用により、活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
中程度以上のCYP3A誘導剤
• リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等
併用により、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 左記薬剤のCYP3A誘導作用により、バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が低下するおそれがある。
P-gpの基質薬剤
• ジゴキシン、アリスキレン、ダビガトラン等
本剤との併用により、副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、副作用の発現に注意すること。 本剤のP-gp阻害作用により、左記薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
QT延長を起こすおそれがあるため、本剤の投与前及び投与中は定期的に心電図検査を行う等、患者の状態を慎重に観察すること。 併用によりQT延長作用が増強するおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
うつ病の悪化 頻度不明
下痢 1%未満
不安 頻度不明
不快感 1%未満
不眠症 頻度不明
不規則月経 1%未満
中毒性皮疹 1%未満
乳汁漏出症 1%未満
乳腺炎 1%未満
低血圧 1%未満
体重増加 頻度不明
体重減少 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感(7.2%) 5%以上
動悸 1%未満
協調運動異常 1%未満
双極性障害の悪化 1%未満
口の感覚鈍麻 1%未満
口内乾燥 1%未満
口渇 頻度不明
口腔咽頭痛 1%未満
呼吸困難 1%未満
咳払い 1%未満
嚥下障害 頻度不明
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
大うつ病の悪化 1%未満
尿中ブドウ糖陽性 1%未満
徐脈 1%未満
心室性期外収縮 1%未満
悪心 頻度不明
意識消失 1%未満
感情の平板化 1%未満
感覚鈍麻 1%未満
感音性難聴 1%未満
扁桃炎 1%未満
抑うつ状態 頻度不明
挫傷 1%未満
排尿困難 1%未満
昏迷 1%未満
末梢性浮腫 1%未満
構語障害 1%未満
歯ぎしり 1%未満
水疱 1%未満
注意力障害 1%未満
活動性低下 1%未満
浮動性めまい 頻度不明
湿疹 1%未満
激越 1%未満
無力症 1%未満
無為 1%未満
異常感 1%未満
異常行動 1%未満
疲労 頻度不明
痙攣発作 1%未満
発疹 頻度不明
皮膚擦過傷 1%未満
眼瞼下垂 1%未満
筋力低下 1%未満
糖尿病 1%未満
紅斑性皮疹 1%未満
統合失調症の悪化 頻度不明
耳鳴 1%未満
肝機能検査値上昇 頻度不明
肝機能異常 1%未満
胃炎 1%未満
背部痛 1%未満
脂質異常症 1%未満
脱抑制 1%未満
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 1%未満
自殺企図 1%未満
自殺念慮 1%未満
蕁麻疹 1%未満
薬物離脱症候群 1%未満
血中クレアチンホスホキナーゼ増加 1%未満
血中プロラクチン増加 頻度不明
認知障害 1%未満
転倒 1%未満
軽躁 1%未満
遅発性ジスキネジアの悪化 頻度不明
頭痛 1%未満
食欲亢進 1%未満
食欲減退 頻度不明
高尿酸血症 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

遅発性ジスキネジアの病態生理に関する詳細は不明であるが、脳内線条体におけるシナプス後のドパミン(DA)過感受性等が考えられている。バルベナジン及びその活性代謝物である[+]-α-ジヒドロテトラベナジン([+]-α-DHTBZ)は、中枢神経系の前シナプスにおいて、モノアミン(DA等)の貯蔵及び遊離のために、細胞質からシナプス小胞へのモノアミンの取込みを制御している小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)を選択的に阻害する。その結果、遅発性ジスキネジアに対する治療効果を発揮すると考えられる。

18.2 VMAT2阻害作用

バルベナジン及びその活性代謝物である[+]-α-DHTBZは、ヒトVMAT2を阻害し、その作用は[+]-α-DHTBZの方が約45倍強かった(in vitro)14)。また、ラットにおいて、バルベナジン及び[+]-α-DHTBZは、神経終末におけるDA及び/又はノルエピネフリンの遊離量減少によって生じる眼瞼下垂、自発運動量減少及び血中プロラクチン値上昇を引き起こした15)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人に、バルベナジン40mg、80mg及び160mgを絶食下で単回経口投与したときのバルベナジン及び活性代謝物の平均血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである1)。 注)本剤の承認最大用量は80mgである。

図 健康成人にバルベナジンを絶食下で単回経口投与したときの血漿中バルベナジン濃度推移(投与量40mg及び80mg、n=8、平均値±標準偏差)図 健康成人にバルベナジンを絶食下で単回経口投与したときの血漿中バルベナジン濃度推移(投与量160mg、n=8、平均値±標準偏差)図 健康成人にバルベナジンを絶食下で単回経口投与したときの血漿中活性代謝物濃度推移(投与量40mg及び80mg、n=8、平均値±標準偏差)図 健康成人にバルベナジンを絶食下で単回経口投与したときの血漿中活性代謝物濃度推移(投与量160mg、n=8、平均値±標準偏差)

投与量 Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng·h/mL)
tmax
(h)
バルベナジン 40mg 542±164 3625±846.4 0.75
(0.50–2.00)
80mg 1260±344 8535±1797 0.50
(0.50–1.00)
160mg 3010±837 18051±4225 0.75
(0.50–1.00)
活性代謝物 40mg 9.89±2.94 349.3±99.6 6.00
(4.00–12.00)
80mg 24.6±5.88 773.1±217.0 4.00
(4.00–8.00)
160mg 55.4±15.8 1675±372 4.00
(4.00–8.00)

n=8、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人に、バルベナジン40mgを1日1回8日間絶食下で反復経口投与したときの投与8日目の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度は反復投与8日以内に定常状態に到達すると推定された1)。

投与量 Cmax
(ng/mL)
AUC0-24
(ng·h/mL)
tmax
(h)
バルベナジン 40mg 465±120 3832±807.3 0.75
(0.50–3.00)
活性代謝物 40mg 29.0±10.9 520.6±216.2 4.00
(3.00–4.00)

n=10、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)

母集団薬物動態解析(日本人及び外国人データ)に基づくシミュレーションから、バルベナジン80mgを1日1回反復経口投与したとき日本人における薬物動態パラメータは下表のとおりであった2)。

Cmax
(ng/mL)
AUC0-24h
(ng·h/mL)
バルベナジン 695 6475
活性代謝物 53.1 1076

中央値

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人に、バルベナジン80mgを空腹時又は高脂肪高カロリー食摂取後に単回投与したときのバルベナジンのCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(食後/空腹時、%)とその90%信頼区間は、それぞれ、54%[50%, 58%]及び87%[85%, 90%]であった。活性代謝物のCmaxは空腹時と比較して、食後投与で僅かに低下し、活性代謝物のAUC0-∞は空腹時と食後投与時で同程度であった。空腹時と比較して、バルベナジン及び活性代謝物のtmaxの中央値は食後投与で延長した(外国人データ)3)。

投与条件 Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng·h/mL)
tmax
(h)
バルベナジン 空腹時 769±230 6010±1530 0.63
(0.50–2.0)
食後 409±112 5200±1270 3.0
(1.3–4.0)
活性代謝物 空腹時 25.1±6.55 711±181 4.0
(3.0–8.0)
食後 20.5±5.35 666±165 8.0
(4.0–10)

空腹時n=24、食後n=22、平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値–最大値)

  1. 16.2.2絶対的バイオアベイラビリティ

健康成人男性(6名)にバルベナジン50mgを空腹時に経口投与し、さらに[14C]標識バルベナジンを単回静脈内投与したときの血漿中非標識バルベナジン及び[14C]標識バルベナジン濃度から算出したバルベナジンの経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティは48.6%であった4)。

16.3 分布

バルベナジン(1000ng/mL)及び活性代謝物(10ng/mL)のヒト血漿中タンパク結合率は、それぞれ99.9%及び62.9%であった(in vitro)5)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1健康成人男性(6名)に[14C]標識バルベナジン50mgを単回経口投与したとき、血漿中における総放射能曝露量の42%をバルベナジンが占めており、活性代謝物(バリンエステルの加水分解体)は10%、バルベナジンの水酸化体代謝物は13%、活性代謝物の水酸化代謝物は8%であった(外国人データ)4)。

  2. 16.4.2バルベナジンはバリンエステルの加水分解により活性代謝物へ代謝され、また、CYP3A4/5により酸化的代謝を受ける。活性代謝物は、CYP2D6及びCYP3A4/5により酸化代謝され、また、グルクロン酸抱合を受ける(in vitro)4),6)。

16.5 排泄

健康成人男性(6名)に[14C]標識バルベナジン50mgを単回投与したとき、投与9日後までに、投与された総放射能の約60%が尿中に、約30%が糞中に排泄された。バルベナジン及び活性代謝物の尿中排泄率は総放射能の1.8%及び1.6%であった(外国人データ)4)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1肝機能障害患者

軽度、中等度及び高度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスはA、B及びC)にバルベナジン50mgを単回経口投与したとき、バルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は肝機能障害の程度に伴い上昇した(外国人データ)7)。

肝機能障害の程度 Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng·h/mL)
バルベナジン 正常肝機能者 233±52.0 2680±246
軽度肝機能障害患者 384±285 3510±1530
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
1.4
[0.86, 2.4]
1.2
[0.88, 1.7]
中等度肝機能障害患者 556±448 5550±2840
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
2.0
[1.2, 3.3]
1.9
[1.3, 2.6]
高度肝機能障害患者 631±302 6430±1390
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
2.5
[1.5, 4.2]
2.4
[1.7, 3.3]
活性代謝物 正常肝機能者 8.61±0.95 335±26.8
軽度肝機能障害患者 10.6±2.76 430±145
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
1.2
[0.89, 1.7]
1.2
[0.83, 1.8]
中等度肝機能障害患者 20.0±10.7 1110±697
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
2.1
[1.5, 2.9]
2.8
[1.9, 4.1]
高度肝機能障害患者 19.2±5.58 1180±358
正常肝機能者との比
[90%信頼区間]
2.2
[1.6, 3.0]
3.4
[2.3, 5.1]

n=6、平均値±標準偏差

  1. 16.6.2腎機能障害患者

高度腎機能障害患者(eGFRが15~29mL/min/1.73m2)にバルベナジン40mgを単回経口投与したとき、腎機能正常者と比較してバルベナジンのCmax及びAUC0-∞は大きな違いはなく、活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は僅かに上昇した(外国人データ)8)。

腎機能障害の程度 Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng·h/mL)
バルベナジン 正常腎機能者 300±79.2 2350±472
高度腎機能障害患者 271±101 2300±482
正常腎機能者との比
[90%信頼区間]
0.87
[0.64, 1.2]
0.98
[0.81, 1.2]
活性代謝物 正常腎機能者 8.17±2.84 355±126
高度腎機能障害患者 9.90±2.17 435±144
正常腎機能者との比
[90%信頼区間]
1.3
[0.97, 1.6]
1.2
[0.91, 1.7]

n=8、平均値±標準偏差

  1. 16.6.3CYP2D6遺伝子多型の薬物動態に及ぼす影響

母集団薬物動態解析(外国人データ)に基づくシミュレーションから遺伝的にCYP2D6の活性が欠損しているPMは、PM以外の多型(non-PM)の患者と比較し、活性代謝物のCmax及びAUC0-24hが約2倍高くなると推定された9)。

Cmax
[90%信頼区間]
AUC0-24h
[90%信頼区間]
バルベナジン 0.98
[0.84, 1.26]
0.99
[0.80, 1.26]
活性代謝物 1.83
[1.45, 2.41]
2.03
[1.58, 2.79]

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1バルベナジンの薬物動態に及ぼす影響

  2. (1)ケトコナゾール10)

併用薬
用量
バルベナジン用量 n 薬物動態パラメータ
幾何平均値の比[90%信頼区間]
併用/単独
Cmax AUC0-∞
200mg 50mg 24 バルベナジン 1.5
[1.4, 1.6]
2.1
[2.0, 2.2]
活性代謝物 1.6
[1.5, 1.7]
2.1
[2.0, 2.2]
  1. (2)パロキセチン10)
併用薬
用量
バルベナジン用量 n 薬物動態パラメータ
幾何平均値の比[90%信頼区間]
併用/単独
Cmax AUC0-∞
20mg 40mg 24 バルベナジン 0.76
[0.62, 0.93]
0.91
[0.77, 1.1]
活性代謝物 1.4
[1.2, 1.7]
1.9
[1.6, 2.3]
  1. (3)リファンピシン10)
併用薬
用量
バルベナジン用量 n 薬物動態パラメータ
幾何平均値の比[90%信頼区間]
併用/単独
Cmax AUC0-∞
600mg 80mg 12 バルベナジン 0.68
[0.58, 0.80]
0.28
[0.26, 0.30]
活性代謝物 0.49
[0.41, 0.57]
0.23
[0.21, 0.25]
  1. (4)CYP2D6 PM,CYP2D6阻害剤併用又はCYP3A阻害剤併用の複数の曝露量上昇要因を持つ患者11)

生理学的薬物速度論モデルに基づいたシミュレーションから、バルベナジン40mgを中程度のCYP2D6阻害剤(ミラべグロン、100mg)又は強いCYP2D6阻害剤(パロキセチン、20mg)と中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、200mg)又は強いCYP3A阻害剤(ケトコナゾール、200mg)の両方と併用投与したときのバルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は、バルベナジンを単独投与したときと比較して高くなると推定された。また、CYP2D6 PMがバルベナジン40mgを中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、200mg)又は強いCYP3A阻害剤(ケトコナゾール、200mg)と併用投与したときのバルベナジン及び活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は、健康成人がバルベナジンを単独投与したときと比較して高くなると推定された。

組み合わせ Cmax
上昇比
AUC0-∞
上昇比
強いCYP2D6阻害剤及び
強いCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.25 2.12
活性代謝物 2.56 5.28
強いCYP2D6阻害剤及び
中程度のCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.19 1.65
活性代謝物 2.12 3.71
中程度のCYP2D6阻害剤及び
強いCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.25 2.12
活性代謝物 2.44 4.76
中程度のCYP2D6阻害剤及び
中程度のCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.17 1.63
活性代謝物 1.97 3.27
CYP2D6 PMかつ
強いCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.25 2.09
活性代謝物 2.69 5.80
CYP2D6 PMかつ
中程度のCYP3A阻害剤併用
バルベナジン 1.17 1.61
活性代謝物 2.16 3.98
  1. 16.7.2併用薬の薬物動態に及ぼす影響

  2. (1)ジゴキシン10)

併用薬
用量
バルベナジン用量 n ジゴキシンの薬物動態パラメータ
幾何平均値の比[90%信頼区間]
併用/単独
Cmax AUC0-∞
0.5mg 80mg 24 1.9 [1.7, 2.2] 1.4 [1.3, 1.5]
  1. (2)ミダゾラム10)

健康成人に本剤80mgとミダゾラム2mgを経口併用投与したとき、バルベナジンはCYP3Aの基質であるミダゾラムの曝露量に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。