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ジアゼパム注射液5mg「NIG」

ジアゼパム注射液

添付文書改訂 2026年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  2. 2.2重症筋無力症の患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

  3. 2.3ショック、昏睡、バイタルサインの悪い急性アルコール中毒の患者[ときに頻脈、徐脈、血圧低下、循環性ショックがあらわれることがある。]

  4. 2.4リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)、ニルマトレルビル・リトナビルを投与中の患者

効能・効果

  • 神経症における不安・緊張・抑うつ

  • 下記疾患及び状態における不安・興奮・抑うつの軽減

  • 麻酔前、麻酔導入時、麻酔中、術後、アルコール依存症の禁断(離脱)症状、分娩時

  • てんかん様重積状態におけるけいれんの抑制

用法・用量

本剤は、疾患の種類、症状の程度、年齢および体重などを考慮して用いる。 一般に成人には、初回10mgを筋肉内または静脈内に、できるだけ緩徐に注射する。以後、必要に応じて3~4時間ごとに注射する。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心障害のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.3衰弱患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.4高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者

静脈内注射時、無呼吸、心停止が起こり易い。

9.2 腎機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。また、分娩時に静脈内注射した例にSleeping babyが報告されている。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

  1. 9.7.1低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。

  2. 9.7.2乳児、幼児では作用が強くあらわれる。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リトナビル
• ノービアⓇニルマトレルビル・リトナビル
• パキロビッドⓇ
過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある。 チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤
オピオイド鎮痛剤
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
アルコール(飲酒) 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
シメチジン
オメプラゾール
エソメプラゾール
ランソプラゾール
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 本剤のクリアランスがシメチジンとの併用により27~51%、オメプラゾールとの併用により27~55%減少することが報告されている。
本剤の代謝、排泄を遷延させるおそれがある。
シプロフロキサシン 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 本剤のクリアランスが37%減少することが報告されている。
フルボキサミンマレイン酸塩 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 本剤のクリアランスが65%減少することが報告されている。
強いCYP3Aを阻害する薬剤
• コビシスタットを含有する製剤
ボリコナゾール等
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため。
CYP3A4で代謝される薬剤
• アゼルニジピン
ホスアンプレナビル等
本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。 本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
エトラビリン 本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
マプロチリン塩酸塩 1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作がおこる可能性がある。
1)相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることが考えられている。
ミルタザピン 鎮静作用が増強されるおそれがある。
また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。
相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。
バルプロ酸ナトリウム 本剤の作用が増強することがある。 本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる。
ダントロレンナトリウム水和物
ボツリヌス毒素製剤
筋弛緩作用が増強する可能性がある。 相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている。
リファンピシン 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
アパルタミド 本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
シナカルセト
エボカルセト
これら薬剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。 血漿蛋白結合率が高いことによる。
無水カフェイン 本剤の血中濃度が減少することがある。 不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ふらつき 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
多幸症 頻度不明
失神 頻度不明
失禁 頻度不明
徐脈 頻度不明
悪心 1〜5%未満
振戦 頻度不明
歩行失調 頻度不明
浮腫 頻度不明
発疹 頻度不明
白血球減少 頻度不明
眠気 5%以上
眩暈 1%未満
眼振 頻度不明
脱力感 1〜5%未満
血圧低下 1〜5%未満
複視 頻度不明
言語障害 頻度不明
霧視 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
頻脈 1%未満
顆粒球減少 頻度不明
食欲不振 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

中枢における抑制性伝達物質GABAの受容体には、GABAA受容体とGABAB受容体があるが、GABAA受容体は、GABA結合部位、ベンゾジアゼピン結合部位、バルビツール酸誘導体結合部位などからなる複合体を形成し、中央にCl-を通す陰イオンチャネル(Cl-チャネル)が存在する。GABAがその結合部位に結合するとCl-チャネルが開口し、それにより神経細胞は過分極し、神経機能の全般的な抑制がもたらされる。ベンゾジアゼピン系薬物がこの複合体の結合部位に結合すると、GABAによる過分極誘起作用すなわち神経機能抑制作用を促進する2)。

18.2 馴化、鎮静作用

大脳辺縁系に特異的に作用し3)、馴化、鎮静作用をあらわす。

  • 粗暴猿、闘争マウスに対する馴化作用4)

  • ラット4)、ウサギ5)における条件刺激に対する回避行動の抑制作用

  • 中隔野損傷ラットの興奮に対する鎮静作用4)

18.3 筋弛緩作用

主として脊髄反射を抑制することにより6)筋の過緊張を緩解する。

  • マウス傾斜板法、除脳硬直ネコ4)

18.4 抗痙攣作用

ストリキニーネ痙攣、メトラゾール痙攣、電気ショック痙攣に対して抗痙攣作用を示す4)(マウス)。

18.5 子宮筋弛緩作用

子宮筋に作用して、子宮筋の異常緊張を除去する7)(ラット摘出子宮、ヒト子宮)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1生物学的同等性試験

ジアゼパム注射液5mg「NIG」とセルシン注射液5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1mL(ジアゼパムとして5mg)健康成人男子に絶食単回筋肉内投与し血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1)。

投与量
(mg)
AUC0-168
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
ジアゼパム注射液
5mg「NIG」
5 4026.6
±991.7
137.4
±33.5
1.90±2.15 36.9±12.9
セルシン注射液5mg 5 4071.7
±989.8
153.9
±36.2
0.95±0.15 38.9±15.6

(平均±標準偏差、n=20)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。