Clinical snapshot

サノレックス錠0.5mg

マジンドール

添付文書改訂 2024年08月01日

【警告】

  1. 1.1本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。また、海外においては食欲抑制剤の多くで数週間以内に薬物耐性がみられるとの報告がある。

  2. 1.2本剤の適用にあたっては、使用上の注意に留意し、用法及び用量、効能又は効果を厳守すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2閉塞隅角緑内障の患者[眼圧が上昇するおそれがある。]

  3. 2.3重症の心障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

  4. 2.4重症の膵障害のある患者[インスリン分泌抑制作用を有する。]

  5. 2.5重症の腎・肝障害のある患者

  6. 2.6重症高血圧症の患者[カテコラミンの昇圧作用を増強する。]

  7. 2.7脳血管障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

  8. 2.8不安・抑うつ・異常興奮状態の患者及び統合失調症等の精神障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

  9. 2.9薬物・アルコール乱用歴のある患者[一般に依存性、乱用が起こりやすいと考えられる。]

  10. 2.10*MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩及びサフィナミドメシル酸塩)投与中又は投与中止後2週間以内の患者

  11. 2.11妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  12. 2.12小児

効能・効果

あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助

用法・用量

本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症患者に対して、食事療法及び運動療法の補助療法として用いる。 通常、成人には、マジンドールとして0.5mg(1錠)を1日1回昼食前に経口投与する。1日最高投与量はマジンドールとして1.5mg(3錠)までとし、2~3回に分けて食前に経口投与するが、できる限り最小有効量を用いること。 投与期間はできる限り短期間とし、3ヵ月を限度とする。なお、1ヵ月以内に効果のみられない場合は投与を中止すること。

使用上の注意

  1. 8.1急激な減量による心血管系の合併症のリスクを避けるため本剤投与中は体重の推移に注意すること。

  2. 8.2食事量、体重の推移、食生活等に留意の上、常に投与継続の可否、投与量について注意すること。

  3. 8.3本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1糖尿病の患者

インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化することがある。

  1. 9.1.2精神病の既往歴のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3てんかん又はその既往歴のある患者

本剤の副作用で痙攣が報告されており、発作を誘発するおそれがある。

  1. 9.1.4開放隅角緑内障の患者

眼圧が上昇するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重症の腎障害のある患者

投与しないこと。排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重症の肝障害のある患者

投与しないこと。代謝又は排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で母獣に毒性のあらわれる大量投与により胎児毒性(体重増加の抑制、出生率の低下等)が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

市販後調査で収集した安全性解析対象症例において、高齢者における副作用発現症例率は、65歳未満の症例に比べて高い傾向が認められている。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*MAO阻害剤
• セレギリン塩酸塩(エフピー)
• ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
• サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
高血圧クリーゼを起こすことがあるので、MAO阻害剤投与中又はMAO阻害剤投与中止後2週間は、本剤を投与しないこと。 本剤は、交感神経刺激作用を有し、MAO阻害剤の作用を増強すると考えられる。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
昇圧アミン
• アドレナリン
ノルアドレナリン等
昇圧アミンの作用を増強することがあるので、観察を十分に行うこと。 本剤は神経終末におけるカテコラミンの再吸収を抑制するため、昇圧アミンの作用を増強する。
グアネチジン系薬剤
• グアネチジン
ベタニジンラウオルフィア製剤
• レセルピン等クロニジン
メチルドパ
降圧効果を減弱することがある。 本剤は、交感神経刺激作用を有するため、グアネチジン系薬剤、ラウオルフィア製剤、クロニジン、メチルドパの交感神経遮断作用に拮抗する。
インスリン
経口糖尿病剤
インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化することがある。 インスリン分泌抑制作用が認められること、また肥満の改善により、インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化するため。
アルコール(飲酒) めまい、眠気等の副作用が増強されるおそれがある。 併用により、中枢神経系の刺激が増強されるため。
ハロゲン系吸入麻酔剤
• ハロタン等
不整脈等を引き起こすおそれがある。 本剤の交感神経刺激の効果により、ハロゲン系吸入麻酔剤の心筋の感受性を高めるため。
中枢神経刺激剤
• アマンタジン等
幻覚、睡眠障害等の副作用が増強されるおそれがあるので、用量に注意すること。 いずれも中枢神経刺激作用を有するため。
甲状腺ホルモン 本剤の中枢神経刺激作用を増強するおそれがある。 甲状腺ホルモンが、カテコラミンのレセプターの感受性を増大すると考えられているため。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
5%以上
頻度不明
1%未満
5%以上
1%未満
頻度不明
5%以上
頻度不明
1%未満
1%未満
5%以上
頻度不明
1%未満
5%以上
ALTの上昇 頻度不明
AST 頻度不明
いらいら感 頻度不明
けん怠感 頻度不明
さむけ 頻度不明
そう痒感 頻度不明
ふらつき 頻度不明
めまい 頻度不明
下痢 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
便秘 5%以上
動悸 頻度不明
口中苦味感 頻度不明
口渇感 5%以上
咽頭不快感 1%未満
幻覚 頻度不明
心不全 頻度不明
心停止 頻度不明
心筋梗塞 頻度不明
性欲減退 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
抑うつ 頻度不明
振戦 頻度不明
排尿困難 頻度不明
月経異常 1%未満
激越 頻度不明
狭心症 頻度不明
痙攣 頻度不明
発汗 頻度不明
発疹 頻度不明
眠気 頻度不明
睡眠障害 頻度不明
知覚異常 頻度不明
神経過敏 頻度不明
精神障害 頻度不明
胃部不快感 頻度不明
胸痛 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛 頻度不明
脳卒中 頻度不明
腹痛 頻度不明
腹部膨満感 頻度不明
血圧上昇 頻度不明
頭痛 頻度不明
頻尿 1%未満
頻脈 頻度不明
顔面潮紅 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤は、主として視床下部にある食欲中枢に作用し、摂食行動を抑制する。マジンドールは摂食調節中枢であるVMH及び視床下部外側野(LHA)への直接作用9),10)及び神経終末におけるモノアミン(ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン)の再吸収抑制11),12),13)を介した機序により、摂取エネルギー抑制(摂食抑制、消化吸収抑制)14),15),16),17),18),19)及び消費エネルギー促進(グルコース利用、熱産生促進)20),21),22)をもたらし、更に肥満時にみられる代謝変動を改善16),17),19)することにより肥満症を是正するものと考えられる。

18.2 摂食行動に対する作用

1回及び1日摂餌量の減少、食事後食事間間隔の延長及び体重減少が認められる(ラット)14),15)。また、肥満動物モデルである視床下部腹内側核(VMH)破壊ラットにおいて正常ラットに対して影響を及ぼさない用量で摂餌量及び体重減少が認められる16),17)。

18.3 消化吸収に対する作用

唾液(イヌ)及び胃酸分泌(ラット)の抑制が認められる18)。また、肥満動物モデルであるgoldthioglucose(GTG)投与マウスにおいて増大した小腸の絨毛表面積縮小及び消化酵素(スクラーゼ、エステラーゼ)活性の低下が認められる19)。

18.4 グルコース利用促進

骨格筋等へのグルコースの取り込み促進が認められ、組織におけるグルコース利用の増加が示唆されている(ラット)20)。

18.5 熱産生促進

ラット及び肥満型糖尿病モデルであるYellow KKマウスにおいて褐色脂肪組織(BAT)のミトコンドリア蛋白含量及びBAT熱産生能の指標であるguanosine 5’-diphosphate(GDP)結合能の増加等、BATの活性化が示唆されている21),22)。

18.6 肥満時の代謝変動に対する作用

肥満時に認められる肝及び血中の脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸等)、血中インスリン、脂肪組織重量、脂肪細胞容積等の増加を抑制する(VMH破壊ラット16),17)、GTG投与マウス19))。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人にマジンドール2mgを1回経口投与注)し、マジンドール未変化体の血漿中濃度を検討した。最高血漿中濃度は投与2時間後に得られ、その値は約2.81ng/mLであった。また、血漿中半減期は約9時間であった。

健康成人にマジンドール2mgを経口投与注)後の平均血漿中濃度の推移(n=12、mean±S.E.)

16.5 排泄

健康成人にマジンドール2mgを1回経口投与注)し、マジンドール未変化体の尿中排泄量を検討した。尿中排泄は投与後72時間でほぼ終了し、未変化体の総排泄量は投与量の約4.5%であった。 注)本剤の用法及び用量は、通常、1日1回0.5mgで、1日最高投与量は1.5mgである。