Clinical snapshot

サイレース静注2mg

フルニトラゼパム

添付文書改訂 2023年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性閉塞隅角緑内障の患者 [抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  3. 2.3重症筋無力症の患者 [重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]

効能・効果

全身麻酔の導入 局所麻酔時の鎮静

用法・用量

本剤は用時注射用蒸留水にて2倍以上に希釈調製し、できるだけ緩徐に(フルニトラゼパムとして1mgを1分以上かけて)静脈内に注射する。 用量は通常成人に対し全身麻酔の導入としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.02~0.03mg、局所麻酔時の鎮静としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.01~0.03mgとし、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。 なお、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法などに応じて適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食をさせておくこと。

  2. 8.2麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。

  3. 8.3麻酔・鎮静の深度は、手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。

  4. 8.4本剤投与前に、酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備しておくこと。また、必要に応じてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を手もとに準備しておくこと。

  5. 8.5本剤投与中は、気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。観察を行う際には、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて、継続的に患者の呼吸及び循環動態を観察すること。

  6. 8.6術後引き続き鎮静及び前向性健忘が認められることがあるので注射後24時間は観察下におくこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心障害のある患者

呼吸抑制があらわれやすい。

  1. 9.1.2脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれやすい。

  1. 9.1.3衰弱患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.4高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者

無呼吸、心停止がおこりやすい。

9.2 腎機能障害患者

本剤の排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

本剤の排泄が遅延するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1妊娠動物(ラット)に経口投与した実験で、50mg/kgの用量で催奇形作用が認められる。

  2. 9.5.2妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。

  3. 9.5.3ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  4. 9.5.4分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。

  1. 9.6.1ヒト母乳中へ移行することが報告されており、また、新生児の黄疸を増強する可能性がある。

  2. 9.6.2ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)で報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  2. 9.7.2低出生体重児、新生児に投与する場合には十分注意すること。 本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。

9.8 高齢者

運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アルコール
(飲酒)
中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。
アルコールとの併用は避けることが望ましい。
ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体
鎮痛薬
麻酔薬 等
中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。
アルコールとの併用は避けることが望ましい。
ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。
モノアミン酸化酵素阻害剤 クロルジアゼポキシドで舞踏病が発現したとの報告がある。 機序は不明である。
シメチジン 本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。 シメチジンが肝薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害するため本剤の血中濃度が上昇する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALT上昇 頻度不明
AST上昇 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
乏尿 頻度不明
体動 頻度不明
咳 頻度不明
嘔吐 頻度不明
多弁 頻度不明
尿閉 頻度不明
徐脈 頻度不明
発疹 頻度不明
興奮 頻度不明
血圧低下 頻度不明
覚醒困難 頻度不明
頻脈 頻度不明
麻酔後睡眠 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

抑制性のGABAニューロンのシナプス後膜に存在するベンゾジアゼピン受容体にアゴニストとして高い親和性で結合し、GABA親和性を増大させることにより、GABAニューロンの作用を特異的に増強すると考えられている4)。

18.2 睡眠作用、麻酔・鎮痛増強作用

本薬は各種動物試験(マウス、ラット、ネコ、カニクイザル)において、他のベンゾジアゼピン系化合物と同様の薬理学的スペクトラム(静穏・馴化、睡眠誘起・睡眠増強、抗痙攣、筋弛緩作用等)を示したが、特にネコに静脈内投与したとき、脳波は睡眠パターンを示し、各種刺激による脳波覚醒反応の著明な抑制が認められた。またマウス、ラットにおいて麻酔剤、鎮痛剤の作用を増強することが認められた5),6)。

18.3 ヒト臨床脳波試験

手術患者に本剤0.02~0.04注)mg/kgを静脈内投与し、脳波、呼吸曲線、心電図等を測定したところ、著明な入眠作用が認められたが、血圧、脈拍、呼吸にはほとんど変化が認められなかった7)。 注)本剤の承認された用量は「通常成人に対し全身麻酔の導入としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.02~0.03mg、局所麻酔時の鎮静としてはフルニトラゼパムとして体重1kgあたり0.01~0.03mgとし、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。なお、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法などに応じて適宜増減する。」である。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人男子5名にフルニトラゼパム2mg静脈内投与したとき、未変化体の血中濃度は3相性の減少を示し、各相の平均半減期はそれぞれ8分、2時間及び24時間であった。また、投与後4時間以降は緩徐な消失を示した1)。

健康成人におけるフルニトラゼパム2mg静脈内投与時の血中未変化体濃度推移 Mean±S.E.M., n=5

Cmax
(ng/mL)
t1/2π
(min)
t1/2α
(hr)
t1/2β
(hr)
AUC0-24h
(ng・hr/mL)
47.5±5.3 8 2 24 232.8±28.3

Mean±S.E.M., n=5

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最新薬価: ¥121.00
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社 出典
2026年度
サイレース静注2mg 本剤
1124400A1058
2mg1管 2mg1管 ¥121.00 — — — —