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特発性肺線維症
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全身性強皮症に伴う間質性肺疾患
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**進行性肺線維症
【警告】
本剤の使用は、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで行うこと。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはニンテダニブとして1回150mgを1日2回、朝・夕食後に経口投与する。なお、患者の状態によりニンテダニブとして1回100mgの1日2回投与へ減量する。
使用上の注意
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8.1AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。
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8.2血小板減少があらわれ、出血に至った重篤な症例も報告されているため、本剤投与中は定期的に血液検査を行うなど、観察を十分に行うこと。
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8.3ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、投与期間中は尿蛋白を定期的に検査すること。
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8.4創傷治癒を遅らせる可能性があるので、手術時は投与を中断することが望ましい。手術後の投与再開は患者の状態に応じて判断すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1血栓塞栓症の既往歴及びその素因のある患者
血栓塞栓事象の発現を助長する可能性がある。
- 9.1.2出血性素因のある患者、抗凝固剤治療を行っている患者
出血リスクを助長する可能性がある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1中等度及び高度の肝機能障害(Child Pugh B、C)のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。使用する場合は、肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること。肝機能障害が悪化するおそれがある。また、中等度の肝機能障害(Child Pugh B)のある患者では血中濃度が上昇する。高度の肝機能障害(Child Pugh C)のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 9.3.2軽度の肝機能障害(Child Pugh A)のある患者
肝機能検査をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること。肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物(ラット、ウサギ)を用いた生殖発生毒性試験で催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
相互作用
- 本剤はP-糖蛋白の基質である。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| P-糖蛋白阻害剤 • エリスロマイシン シクロスポリン等 |
P-糖蛋白阻害剤との併用時は観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与の中断、減量又は中止等の適切な処置を行うこと。 | P-糖蛋白の阻害により本剤の曝露が上昇する可能性がある。 ケトコナゾールとの併用によりニンテダニブのAUCが約1.6倍、Cmaxが約1.8倍に上昇した。 |
| P-糖蛋白誘導剤 • リファンピシン カルバマゼピン フェニトイン セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、 セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 |
P-糖蛋白誘導剤との併用により、本剤の作用が減弱する可能性がある。P-糖蛋白誘導作用のない又は少ない薬剤の選択を検討すること。 | P-糖蛋白の誘導により本剤の曝露が低下する可能性がある。 リファンピシンとの併用によりニンテダニブのAUCが約50%、Cmaxが約60%まで減少した。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALP | 頻度不明 |
| ALT | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇等)(12.2%) | 頻度不明 |
| そう痒症 | 1%未満 |
| 下痢(56.1%) | 頻度不明 |
| 体重減少 | 5%以上 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 出血 | 頻度不明 |
| 嘔吐(11.0%) | 頻度不明 |
| 悪心(21.6%) | 頻度不明 |
| 発疹 | 1%未満 |
| 肝酵素上昇(AST | 頻度不明 |
| 脱毛症 | 1%未満 |
| 腹痛(10.9%) | 頻度不明 |
| 虚血性大腸炎 | 1%未満 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 5%以上 |
| 高ビリルビン血症 | 1%未満 |
| 高血圧 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
**ニンテダニブは、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)α、β及び線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)1、2、3及びVEGFRの各受容体においてアデノシン5'-三リン酸(ATP)結合ポケットを占拠する低分子チロシンキナーゼ阻害剤であり、特発性肺線維症、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患及び進行性肺線維症の発症に関与すると報告されているシグナル伝達を阻害する17),18)。
18.2 抗線維化作用
ニンテダニブは、ヒト末梢血単核球を用いたin vitro試験において、線維化の発症に関与すると考えられている線維化メディエーターの放出を抑制した19),20)。さらに、ニンテダニブはin vitro試験において、PDGF、FGF及びVEGF刺激によって誘導される特発性肺線維症患者由来肺線維芽細胞の増殖及び遊走、TGF-β2によって誘導される線維芽細胞の形質転換を抑制した21)。また、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患患者由来の肺線維芽細胞の増殖、遊走、筋線維芽細胞への形質転換及び細胞外マトリクスの発現を抑制した22)。マウス及びラットのブレオマイシン誘発肺線維症モデル、マウスのシリカ誘発肺線維症モデル、マウスの全身性強皮症に伴う間質性肺疾患モデル、及び慢性アレルゲン誘発性の肺炎症及び線維性の肺リモデリングに関するマウスモデルを用いたin vivo試験においてもニンテダニブは肺線維症に対する抗線維化効果を示した23),24),25)。
18.3 抗炎症作用
ニンテダニブは、肺線維症モデルマウス、慢性アレルゲン誘発性の肺炎症及び線維性の肺リモデリングに関するマウスモデルを用いたin vivo試験において、肺組織に対する抗炎症作用を示した24),25)。
薬物動態
16.1 血中濃度
日本人の特発性肺線維症患者に本剤150mg及び100mgを食後に1日2回経口投与(初回及び最終投与時は1日1回投与)した試験で得られたニンテダニブの血漿中濃度推移を図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。ニンテダニブの血漿中濃度は投与7日目までに定常状態に達した2)。
図1 日本人の特発性肺線維症患者に本剤150mg及び100mgを食後に経口投与した試験での血漿中濃度(算術平均+標準偏差)
| パラメータ名[単位] | ||
|---|---|---|
| 初回投与後 | 150mg 11例 | 100mg 4例 |
| AUC0-12[ng・h/mL] | 152(60.6) | 59.0(67.2) |
| Cmax[ng/mL] | 34.9(62.8) | 13.2(66.9) |
| tmax[h] | 3.90(1.00-6.00) | 4.48(1.97-12.0) |
| 最終投与時 | 150mg 9例 | 100mg 4例 |
| AUCτ,ss[ng・h/mL] | 218(58.3) | 115(32.4) |
| Cmax,ss[ng/mL] | 39.7(68.1) | 20.0(64.5) |
| tmax,ss[h] | 3.87(1.00-3.97) | 3.42(2.00-4.07) |
幾何平均(幾何変動係数%)、tmax(,ss)は中央値(最小値-最大値)
健康成人にニンテダニブ6mgを静脈内単回投与時注)の全身クリアランスは1390mL/min、定常状態での分布容積は1050Lであった3)(外国人データ)。
全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の患者に本剤150 mgを1日2回経口投与した試験で得られたニンテダニブの定常状態時の用量補正後のトラフ血漿中濃度を表2に示す4)。
| 用量補正後トラフ血漿中濃度 [ng/mL/mg] |
|
|---|---|
| 全体集団(258例) | 0.0555(65.4) |
| 日本人集団(30例) | 0.0763(63.0) |
幾何平均(幾何変動係数%)、用量補正後トラフ血漿中濃度は150mg及び100mg1日2回投与のデータを含む
**進行性肺線維症の患者に本剤150mgを1日2回経口投与した試験で得られたニンテダニブの定常状態時の用量補正後のトラフ血漿中濃度を表3に示す5)。
| 用量補正後トラフ血漿中濃度 [ng/mL/mg] |
|
|---|---|
| 全体集団(311例) | 0.0767(71.9) |
| 日本人集団(49例) | 0.107(60.5) |
幾何平均(幾何変動係数%)、用量補正後トラフ血漿中濃度は150mg及び100mg1日2回投与のデータを含む
16.2 吸収
- 16.2.1バイオアベイラビリティ
健康成人にニンテダニブ100mgを食後に単回経口投与及び6mgを静脈内単回投与注)した結果から、絶対バイオアベイラビリティは4.69%であった3)(外国人データ)。
- 16.2.2食事の影響
健康成人にニンテダニブ150mgを空腹時及び食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、表4のとおりであった6)(外国人データ)。
| パラメータ名[単位] | 空腹時 14例 | 食後 15例 |
|---|---|---|
| AUC0-∞[ng・h/mL] | 98.4(33.0)a) | 119(53.9) |
| Cmax[ng/mL] | 11.1(60.3) | 13.2(61.6) |
| tmax[h] | 2.00 (1.48-3.98) |
3.98 (1.50-6.05) |
幾何平均(幾何変動係数%)、tmaxは中央値(最小値-最大値) a)11例
16.3 分布
14C-ニンテダニブのヒト血漿蛋白結合率は97.8%であり、ヒト血液/血漿の濃度比は0.869であった7)(in vitroデータ)。
16.4 代謝
ヒト肝ミクロソームを用いてニンテダニブの代謝を評価した結果、主要な代謝反応はエステラーゼによる加水分解であった8)。加水分解産物であるBIBF 1202はさらにUGT1A1、1A7、1A8及び1A10によりBIBF 1202グルクロン酸抱合体に代謝された9),10)(in vitroデータ)。
16.5 排泄
健康成人にニンテダニブ6mgを静脈内単回投与時注)の未変化体の尿中排泄率は、100mg経口投与後及び6mg静脈内投与後でそれぞれ投与量の0.05%及び1.4%であった3)(外国人データ)。 健康成人に14C-ニンテダニブ100mg溶液を単回経口投与したとき、投与放射能の0.649%が尿中に、93.4%が糞中に排泄された11)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝障害患者
肝障害患者に本剤100mgを単回経口投与した場合、健康成人に比べて軽度肝障害(Child Pugh A)を有する群ではCmaxが2.2倍(90%信頼区間:1.3~3.7)、AUCが2.2倍(90%信頼区間:1.2~3.8)上昇し、また中等度肝障害(Child Pugh B)を有する群ではCmaxが7.6倍(90%信頼区間:4.4~13.2)、AUCが8.7倍(90%信頼区間:5.7~13.1)上昇した(外国人データ)。
- 16.6.2高齢者
特発性肺線維症患者での母集団薬物動態解析の結果、年齢が66歳(解析対象集団の中央値)の場合に比べてAUCτは79歳では13%高くなり、52歳では14%低くなると予測された12)(日本人及び外国人の併合データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1ケトコナゾールとの併用
健康成人(31例)にケトコナゾール(P-糖蛋白阻害剤)400mgを1日1回3日間反復投与し、ケトコナゾール投与開始後3日目にニンテダニブ50mgを単回併用投与注)した場合、ニンテダニブのAUC0-∞は60.5%、Cmaxは79.6%上昇した13)(外国人データ)。
- 16.7.2リファンピシンとの併用
健康成人(26例)にリファンピシン(P-糖蛋白誘導剤)600mgを1日1回7日間反復投与し、リファンピシン投与開始後8日目にニンテダニブ150mgを単回投与した場合、ニンテダニブのAUC0-∞は50.1%、Cmaxは59.8%まで低下した14)(外国人データ)。
- 16.7.3ピルフェニドンとの併用
日本人の特発性肺線維症患者20例にピルフェニドンの併用/非併用下で本剤150mgを1日2回、28日間投与し、本剤及びピルフェニドンの薬物動態への影響を、それぞれ並行群間及び個体内比較で検討した。本剤をピルフェニドンと併用した場合、非併用時に比べて本剤の曝露が低くなる傾向がみられた(並行群間比較)。一方でピルフェニドンの曝露に本剤による明らかな影響は認められなかった(個体内比較)2)。
注)本剤の承認された用法・用量は1回150mg、1日2回経口投与及び1回100mg、1日2回経口投与である。