Clinical snapshot

オステラック錠200

エトドラク

添付文書改訂 2024年10月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍を悪化させることがある。]

  2. 2.2重篤な血液の異常のある患者

  3. 2.3重篤な肝障害のある患者

  4. 2.4重篤な腎障害のある患者

  5. 2.5重篤な心機能不全のある患者

  6. 2.6重篤な高血圧症のある患者

  7. 2.7本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  8. 2.8アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[シクロオキシゲナーゼの活性を阻害するので、喘息を誘発することがある。]

  9. 2.9妊娠後期の女性

効能・効果

  • 下記の疾患並びに症状の消炎・鎮痛 関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸腕症候群、腱鞘炎

  • 手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛

用法・用量

通常、成人にはエトドラクとして1日量400mgを朝・夕食後の2回に分けて経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

  1. 8.1消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

  2. 8.2慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。

  • 長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

  • 薬物療法以外の療法も考慮すること。

  1. 8.3急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
  • 急性炎症及び疼痛の程度を考慮し、投与すること。

  • 原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。

  • 原因療法があればこれを行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1消化性潰瘍の既往歴のある患者

プロスタグランジン生合成阻害作用に基づき胃の血流量が減少するため、消化性潰瘍を再発させることがある。

  1. 9.1.2非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者

本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能又は効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もある。

  1. 9.1.3血液の異常又はその既往歴のある患者(重篤な血液の異常のある患者を除く)

白血球・赤血球・血小板減少が報告されているため、血液の異常を悪化あるいは再発させることがある。

  1. 9.1.4心機能障害のある患者(重篤な心機能不全のある患者を除く)

プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため、心機能障害を悪化させることがある。

  1. 9.1.5高血圧症のある患者(重篤な高血圧症のある患者を除く)

プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため、血圧を上昇させることがある。

  1. 9.1.6気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)

病態を悪化させることがある。

  1. 9.1.7SLE(全身性エリテマトーデス)の患者

SLE症状(腎障害等)を悪化させることがある。

  1. 9.1.8潰瘍性大腸炎の患者

病態を悪化させることがある。

  1. 9.1.9クローン病の患者

病態を悪化させることがある。

  1. 9.1.10感染症を合併している患者

必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1重篤な腎障害のある患者

投与しないこと。プロスタグランジン生合成阻害作用に基づく腎血流量低下作用があるため、腎障害を悪化させることがある。

  1. 9.2.2腎障害又はその既往歴のある患者(重篤な腎障害のある患者を除く)

プロスタグランジン生合成阻害作用に基づく腎血流量低下作用があるため、腎障害を悪化あるいは再発させることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

投与しないこと。副作用として肝障害が報告されており、悪化するおそれがある。

  1. 9.3.2肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

副作用として肝障害が報告されており、悪化あるいは再発させることがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊娠後期の女性

投与しないこと。動物実験(ラット)で分娩障害が報告されている。また、妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。

  1. 9.5.2*妊婦(妊娠後期を除く)又は妊娠している可能性のある女性

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、羊水量、胎児の動脈管収縮を疑う所見を妊娠週数や投与日数を考慮して適宜確認するなど慎重に投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(全身作用を期待する製剤)を妊娠中期の妊婦に使用し、胎児の動脈管収縮が起きたとの報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

本剤は、主として腎臓から排泄され、また、血漿アルブミンとの結合性が強い薬物であるので、腎機能の低下により高い血中濃度が持続したり、血漿アルブミンの減少により、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
クマリン系抗凝血剤
• ワルファリン等
プロトロンビン時間の延長(出血を伴うことがある)があらわれたとの報告がある。抗凝血作用を増強することがあるので、必要があれば減量すること。 本剤のヒトでの蛋白結合率は、99%と高く、蛋白結合率の高い薬剤と併用すると血中に活性型の併用薬が増加し、その薬剤の作用が増強されるためと考えられている。
チアジド系利尿降圧剤
• ヒドロフルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
利尿降圧作用を減弱するおそれがある。 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、水、Naの排泄を減少させるためと考えられている。
リチウム製剤
• 炭酸リチウム
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒をおこすおそれがあるので、血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、炭酸リチウムの腎排泄を減少させるためと考えられている。
メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度を高めるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。 本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、メトトレキサートの腎排泄を減少させるためと考えられている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALPの上昇等) 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
BUNの上昇等) 1〜5%未満
しびれ 1%未満
しゃっくり 頻度不明
そう痒感 1〜5%未満
ほてり 1%未満
めまい 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
光線過敏症 頻度不明
動悸 頻度不明
口内炎 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 頻度不明
喘息 頻度不明
好酸球増多 1%未満
悪心・嘔吐 1〜5%未満
振戦 頻度不明
排尿困難 頻度不明
斑状出血 頻度不明
浮腫 1%未満
消化不良 1〜5%未満
発熱 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
発赤 頻度不明
白血球減少 頻度不明
皮膚血管炎(白血球破砕性血管炎を含む) 頻度不明
眠気 1%未満
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
肝機能異常(AST 1〜5%未満
胃炎 1%未満
胸痛 1〜5%未満
腎機能異常(蛋白尿 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌炎 1〜5%未満
蕁麻疹 1%未満
視覚異常(かすみ目等) 頻度不明
貧血 1〜5%未満
頭痛 1%未満
顕微鏡的血尿 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エトドラクはプロスタグランジンE2生合成阻害作用(シクロオキシゲナーゼ-2選択的阻害作用)、多形核白血球機能抑制作用(ライソゾーム酵素遊離抑制作用、活性酸素産生抑制作用、遊走抑制作用)及びブラジキニン産生抑制作用を有することが明らかにされている18),19),20),21),22),23)。

18.2 急性炎症モデル動物における作用

エトドラクはカラゲニン浮腫(ラット)及びコンカナバリンA浮腫(ラット)に対し5mg/kg(p.o.)以上で抑制作用を示し、紫外線紅斑(モルモット)におけるED50値は8.98mg/kg(p.o.)である。コンカナバリンA浮腫に対する抑制作用はインドメタシン及びジクロフェナクNaより強い18),19),24)。

18.3 慢性炎症モデル動物における作用

エトドラクは肉芽腫形成(ラット)に対し1mg/kg(p.o.)以上でインドメタシンと同程度の抑制作用を示し、アジュバント関節炎(ラット)に対し0.5mg/kg(p.o.)以上、MRL/lprマウスの関節炎に対し1mg/kg(p.o.)以上及びコラーゲン関節炎(マウス)に対し10mg/kg(p.o.)で抑制作用を示す。MRL/lprマウスでの関節軟骨・骨組織の障害に対する抑制作用はインドメタシンより強い18),24),25),26)。

18.4 鎮痛作用

酢酸ライシング法(マウス)におけるエトドラクのED50値は3.67mg/kg(p.o.)であり、ビール酵母注射足及びコンカナバリンA注射足の圧刺激疼痛(ラット)に対するエトドラクのED50値はそれぞれ9.24mg/kg(p.o.)及び3.88mg/kg(p.o.)である18),24)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性5例にエトドラク200mgを単回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は投与後1.4時間で最高値に達し、その後、6時間の半減期で消失した2)。 血漿中未変化体濃度推移曲線は一次吸収を伴うtwo compartment model式に基づく理論曲線を示す。

薬物動態パラメータ値は次のとおりである。

投与量
(mg/body)
AUC0─48hr
(μg・hr/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
オステラック錠200 200 61.1±8.3 12.2±0.8 1.4±0.2 6.03

(mean±S.E., n=5)

  1. 16.1.2反復投与

健康成人男性6例にエトドラク200mgを1日2回5日間反復経口投与した場合、血漿中未変化体濃度推移は、単回投与時と大差なかった2)。

16.3 分布

ヒト血清中でのin vitro蛋白結合率は0.5~50μg/mLの濃度範囲で98.6~98.9%であった3)。

16.5 排泄

健康成人男性5例にエトドラク200mgを単回経口投与した場合、エトドラク、6-OH体及び7-OH体が投与量のそれぞれ15.8、3.6及び16.8%尿中に排泄された。これらの大部分はいずれもグルクロン酸抱合体として存在していた。 健康成人男性6例にエトドラク200mgを1日2回5日間反復経口投与した場合、尿中排泄は、単回投与時と大差なく、蓄積性は認められなかった。