Clinical snapshot

オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg

アバロパラチド酢酸塩

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1高カルシウム血症の患者

  2. 2.2次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者

  • 骨ページェット病の患者

  • 原因不明のアルカリホスファターゼ高値を示す患者

  • 小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者

  • 過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者

  1. 2.3原発性の悪性骨腫瘍若しくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

  2. 2.4骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある。]

  3. 2.5妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  4. 2.6本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

骨折の危険性の高い骨粗鬆症

用法・用量

通常、成人には1日1回アバロパラチドとして80μgを皮下に注射する。 なお、本剤の投与は18ヵ月間までとすること。

使用上の注意

  1. 8.1本剤投与直後から数時間後にかけて、一過性の急激な血圧低下に伴う起立性低血圧、めまい、動悸、頻脈、意識消失、転倒等があらわれることがある。投与開始後数ヵ月以上を経て初めて発現することもあるので、本剤投与時には以下の点に留意するよう患者に指導すること。
  • 投与後30分程度はできる限り安静にすること。

  • 投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、悪心、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になること。

  1. 8.2一過性の急激な血圧低下に伴う起立性低血圧、めまい、立ちくらみ、意識消失等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険が伴う作業に従事する場合には注意させること。

  2. 8.3本剤の薬理作用により、投与約4時間後を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる。本剤投与中に血清カルシウム値上昇が疑われる症状(便秘、悪心、嘔吐、腹痛、食欲減退等)が本剤投与翌日以降も継続して認められた場合は、速やかに診察を受けるよう患者に指導すること。また、血清カルシウム値の測定を行い、持続性高カルシウム血症と判断された場合には、本剤の投与を中止すること。

  3. 8.4本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。

  • 投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。

  • 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。

  • 専用の注入器の取扱説明書を必ず読むよう指導すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者

本剤は、一過性に血清カルシウム及び尿中カルシウムを変動させるため、症状を悪化させる可能性がある。

  1. 9.1.2心疾患のある患者

患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の拡張作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。

  1. 9.1.3閉経前の骨粗鬆症患者

閉経前の骨粗鬆症患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.2 腎機能障害患者

定期的に腎機能検査を行うこと。

  1. 9.2.1重度(Ccrが30mL/min未満)の腎機能障害患者

臨床薬理試験において、重度の腎機能障害患者では、血中からのアバロパラチドの消失に遅延が認められている。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重度の肝機能障害患者

重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うように指導すること。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。本剤を用いた雌の生殖発生毒性試験は実施されていないが、類薬[テリパラチド(遺伝子組換え)製剤又はテリパラチド酢酸塩製剤]ではウサギにおいて胎児毒性(胎児死亡等)、マウスにおいて胎児の骨格変異又は異常のわずかな増加、ラットにおいて出生児の体重増加抑制及び自発運動量の低下が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤がヒト乳汁中に移行するかどうかは不明である。

9.7 小児等

小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していないが、これらの患者では、一般に骨肉腫発生のリスクが高いと考えられている。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
活性型ビタミンD製剤
• アルファカルシドール
• カルシトリオール
• マキサカルシトール
• ファレカルシトリオール
• エルデカルシトール等
血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。 相加作用による。
ジギタリス製剤
• ジゴキシン等
高カルシウム血症に伴い不整脈があらわれることがある。 血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
そう痒感 1〜5%未満
そう痒症 1%未満
ほてり 1%未満
上腹部痛 1%未満
倦怠感 1%未満
傾眠 1%未満
内出血 1〜5%未満
出血 1〜5%未満
動悸 1〜5%未満
嘔吐 1%未満
四肢痛 1%未満
回転性めまい 1%未満
変色) 1〜5%未満
尿中カルシウム/クレアチニン比増加 1〜5%未満
尿路結石症 1%未満
心拍数増加 1%未満
悪心 5%以上
注射部位反応(紅斑 1〜5%未満
浮動性めまい 5%以上
浮腫 1〜5%未満
潮紅 1%未満
無力症 1〜5%未満
異常感(気分不良等) 頻度不明
疲労 1%未満
疼痛 1〜5%未満
発熱 頻度不明
発疹 1%未満
発赤 1〜5%未満
筋痙縮 1〜5%未満
紅斑 1%未満
背部痛 1%未満
胸やけ 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
腫脹 1〜5%未満
腹部不快感 1%未満
腹部膨満 頻度不明
蕁麻疹 1%未満
血圧上昇 1%未満
血清尿酸増加 1%未満
起立性低血圧 1%未満
頭痛 1〜5%未満
頭部不快感 1%未満
頻脈 1%未満
食欲減退 1%未満
高カルシウム尿症 5%以上
高カルシウム血症 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アバロパラチドはヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質のN末端から34個のアミノ酸配列の一部を改変したポリペプチドであり、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン1型受容体に選択的に作用する。本薬を1日1回の投与頻度で皮下投与すると、骨芽細胞が増加して骨形成が促進され、骨量が増加する12)。

18.2 骨密度及び骨強度に対する作用

卵巣摘除ラットに本薬を1日1回、12ヵ月間皮下投与した結果、1µg/kg/day以上の投与用量で腰椎の骨密度及び骨強度、大腿骨の骨密度及び骨強度が増加した12),13)。また、卵巣摘除サルに本薬を1日1回、16ヵ月間皮下投与した結果、0.2µg/kg/day以上の投与用量で大腿骨の骨密度、1µg/kg/day以上の投与用量で腰椎の骨密度、5µg/kg/dayの投与用量で腰椎の骨強度が増加した14)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人閉経後健康女性8例に本剤80μgを単回皮下投与したとき、血漿中アバロパラチド濃度は速やかにピークに達し、また消失も速やかであった2)。

Cmax
(pg/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUCt
(pg・h/mL)
431.61
±126.54
0.500
(0.25-1.07)
1.007
±0.254
666.67
±134.09

平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)

図1 単回投与したときの血漿中アバロパラチド濃度推移(平均値+標準偏差)

  1. 16.1.2反復投与

日本人閉経後健康女性8例に本剤80μgを1日1回、7日間反復皮下投与したとき、Cmax及びAUCtの反復投与による累積は認められなかった2)。 日本人閉経後骨粗鬆症患者に本剤80μgを1日1回、48週間反復皮下投与したときの薬物動態パラメータは下記のとおりであった3)。

PK評価
時期(n)
Cmax
(pg/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUCt
(pg・h/mL)
CL/F
(L/h)
9週(n=19) 523.57
±118.59
0.500
(0.22-1.50)
1.372
±0.618
921.81
±304.48
88.20
±44.41
36週(n=17) 264.00
±182.23
0.500
(0.25-0.63)
1.649
±1.385
407.38
±278.03
194.36
±122.06

平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)

CL/F:見かけの全身クリアランス

16.2 吸収

母集団薬物動態解析により外国人骨粗鬆症女性患者817例(第Ⅲ相試験)に本剤80μgを反復皮下投与したときのバイオアベイラビリティは約70%と推定された4)。

16.3 分布

ヒト血漿蛋白結合率は70~74%であった(in vitro)5)。

16.4 代謝

ヒト肝及び腎ホモジネートを用いた検討より、アバロパラチドはペプチド断片へ代謝されることが示された(in vitro)6)。

16.5 排泄

ラットに125I-アバロパラチドを単回皮下投与した結果、投与放射能の約80%以上が尿中へ排泄された7)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

外国人腎機能障害患者及び腎機能正常被験者に本剤80μgを単回皮下投与したとき、曝露量は腎機能障害の程度に応じて増加した。腎機能が正常な被験者に対し重度の腎機能障害患者ではCmaxの幾何平均値は1.4倍、AUCinfの幾何平均値は2.1倍に増加した。投与後24時間の血漿中薬物濃度はいずれの患者でも定量下限(20pg/mL)未満であり、血漿からの消失は十分に速やかであると考えられた8)。したがって、腎機能の程度によって、用法及び用量を変更する必要はないと考えられた。なお、透析患者を対象とした試験は実施していない。

Ccr
(mL/min)
n Cmax
(pg/mL)
tmax
(h)
t1/2
(h)
AUCinf
(pg・h/mL)
正常
(90以上)
8 431.0
±142.0
0.38
(0.25-0.50)
1.13
±0.35
576.4
±213.6
軽度
(60以上90未満)
8 444.0
±153.4
0.26
(0.25-0.55)
1.20
±0.77
652.1
±201.7
中等度
(30以上60未満)
7 574.9
±135.6
0.28
(0.25-1.02)
1.48
±0.43
955.6
±306.8
重度
(15以上30未満)
8 639.0
±270.6
0.25
(0.25-0.50)
1.85
±0.81
1240.5
±514.9

平均値±標準偏差、tmaxは中央値(最小値-最大値)

Ccr:クレアチニンクリアランス

図2 腎機能が正常又は腎機能障害患者の血漿中アバロパラチド濃度推移(平均値+標準偏差)