Clinical snapshot

アルプラゾラム錠0.8mg「アメル」

アルプラゾラム

添付文書改訂 2024年06月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

  3. 2.3重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

効能・効果

心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候ならびに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害

用法・用量

通常、成人にはアルプラゾラムとして1日1.2mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 増量する場合には最高用量を1日2.4mgとして漸次増量し、3~4回に分けて経口投与する。 高齢者では、1回0.4mgの1日1~2回投与から開始し、増量する場合でも1日1.2mgを超えないものとする。

使用上の注意

  1. 8.1眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1心障害のある患者

症状が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.2脳に器質的障害のある患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.3衰弱患者

作用が強くあらわれる。

  1. 9.1.4中等度呼吸障害又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者

症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

肝臓で代謝されるため、クリアランスが低下するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤を動物(ラット、ウサギ)に大量投与したとき、骨格異常、胎児の死亡、出産児の発育遅延の増加が報告されている。

  2. 9.5.2ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

9.6 授乳婦

*授乳を避けさせること。ヒト母乳中への移行が報告されている1),2),3),4),5)。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

  • 本剤は肝薬物代謝酵素チトクロームP450 3Aで代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
中枢神経抑制剤
• フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体等モノアミン酸化酵素阻害剤
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
アルコール(飲酒) 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。 相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
リトナビル含有製剤 リトナビルとの併用により、本剤のAUC、クリアランス、半減期がそれぞれ2.5倍、0.41倍、2.2倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。 本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられている。
*エンシトレルビル フマル酸 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 エンシトレルビル フマル酸のCYP3Aに対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害されることが考えられる。
イトラコナゾール 本剤のAUC、クリアランス、半減期がそれぞれ2.8倍、0.41倍、2.7倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。 イトラコナゾールが本剤の肝薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害することが考えられている。
ポサコナゾール 鎮静の延長や呼吸抑制のおそれがあるため、ポサコナゾールとの併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き避けること。併用する場合には、本剤の用量を調節すること。 ポサコナゾールが本剤の肝薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇すると予測される。
フルボキサミンマレイン酸塩 本剤のAUC、クリアランス、最高血中濃度がそれぞれ2.0倍、0.51倍、1.9倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。 本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられている。
シメチジン 本剤の最高血中濃度、クリアランス、半減期がそれぞれ1.9倍、0.58倍、1.2倍になるとの報告があるので、本剤を減量するか、又は他の抗潰瘍剤を用いるなど注意すること。 本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられる。
イミプラミン
デシプラミン
左記の薬剤の血中濃度が1.2~1.3倍に上昇することが報告されている。 本剤により左記の薬剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられる。
カルバマゼピン 本剤の血中濃度が0.5倍以下に低下し、原疾患の悪化が認められた例が報告されている。 本剤の肝臓での代謝が促進することが考えられる。
ジゴキシン 本剤との併用においてジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告がある6)。特に高齢者では注意すること。 機序不明

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
ALTの上昇 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
γ-GTPの上昇 頻度不明
そう痒 1%未満
めまい・ふらつき 1〜5%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1〜5%未満
便秘 1〜5%未満
健忘 1%未満
光線過敏症 頻度不明
動悸 1〜5%未満
口渇 1〜5%未満
嘔吐 1〜5%未満
尿失禁 頻度不明
悪心 1〜5%未満
振戦 1%未満
構音障害 1〜5%未満
焦躁感 1〜5%未満
発汗 1〜5%未満
発疹 1%未満
眠気 5%以上
眼症状(霧視 1〜5%未満
神経過敏 1〜5%未満
筋弛緩等の筋緊張低下症状 1〜5%未満
脱力感・倦怠感 1〜5%未満
腹痛 1〜5%未満
腹部不快感 1〜5%未満
血圧低下 頻度不明
複視) 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

既存のベンゾジアゼピン系化合物と類似した薬理学的スペクトラムを有するが葛藤行動緩解作用、馴化作用、鎮静作用に比べ筋弛緩作用は比較的弱い。葛藤行動緩解作用、馴化作用、鎮静作用の作用機序は視床下部並びに扁桃核を含む大脳辺縁系に対する抑制と考えられる10) (マウス、ラット)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1健康成人に1回0.4mgを経口投与した場合の血中濃度は、投与約2時間後に最高値6.8ng/mLに達し、半減期は約14時間である7) 。

  2. 16.1.2生物学的同等性試験

アルプラゾラム錠0.4mg「アメル」とコンスタン0.4mg錠を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アルプラゾラムとして0.4mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された8)。

AUC(0→48)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
アルプラゾラム錠0.4mg「アメル」 169.75±41.57 9.33±1.58 1.33±0.42 16.91±3.32
コンスタン0.4mg錠 165.55±42.81 8.97±1.90 1.46±0.40 17.89±3.71

(Mean±S.D.,n=12)

血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.8 その他

アルプラゾラム錠0.8mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、アルプラゾラム錠0.4mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた9)。