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アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

アドレナリン注射液

添付文書改訂 2026年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬を投与中の患者(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りでない。)

  2. 2.2イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない。)

効能・効果

  • 下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解

気管支喘息、百日咳

  • 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療

  • 心停止の補助治療

用法・用量

  • 〈気管支喘息および百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療、心停止の補助治療〉

アドレナリンとして、通常成人1回0.2~1mg(0.2~1mL)を皮下注射または筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、通常成人1回0.25mg(0.25mL)を超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば、5~15分ごとにくりかえす。

使用上の注意

  • 〈用法共通〉
  1. 8.1本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。

  2. 8.2過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること。

  • 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉
  1. **8.3アドレナリンはアナフィラキシーショックの救急治療の第一選択薬であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること。

  2. 8.4本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  2. (1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  3. (2)交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者

アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。

  1. (3)動脈硬化症の患者

本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈や脳血管等の攣縮及び基質的閉塞があらわれるおそれがある。

  1. (4)甲状腺機能亢進症の患者

頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。

  1. (5)糖尿病の患者

肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。

  1. (6)心室性頻拍等の重症不整脈のある患者

本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。

  1. (7)精神神経症の患者

一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。

  1. (8)コカイン中毒の患者

コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。

  1. 9.1.2高血圧の患者

本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。

  1. 9.1.3肺気腫のある患者

肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。

  1. 9.1.4心疾患のある患者

本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の作用に対する感受性が高いことがある。

相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 抗精神病薬• ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)
• フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)
• イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)
• ゾテピン(ロドピン)
• セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)
• 多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)
• ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ)
• α遮断薬
本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。アナフィラキシーショックの救急治療時以外には併用しないこと。 これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。
• カテコールアミン製剤• イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)
• ノルアドレナリン(ノルアドリナリン)等
• アドレナリン作動薬• β刺激薬(ベネトリン等)
• エフェドリン(エフェドリン)
• メチルエフェドリン(メチエフ等) 等
不整脈、場合により心停止があらわれることがある。
蘇生等の緊急時以外には併用しないこと。
これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ハロゲン含有吸入麻酔薬• ハロタン注1)
• イソフルラン注2)
• セボフルラン注3)
• デスフルラン注4)
頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。 これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
• モノアミン酸化酵素阻害薬 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
• 三環系抗うつ薬• イミプラミン
• アミトリプチリン等
• セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)• ミルナシプラン等
• その他の抗うつ薬• マプロチリン等
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
• メチルフェニデート 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
• 分娩促進薬• オキシトシン等
• バッカクアルカロイド類• エルゴタミン等
本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。
• ジギタリス製剤 異所性不整脈があらわれることがある。 ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。
• キニジン 心室細動があらわれることがある。 相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。
• 甲状腺製剤• チロキシン等 冠不全発作があらわれることがある。 甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
• 非選択性β遮断薬• プロプラノロール
• カルベジロール等
(1)相互の薬剤の効果が減弱する。
(2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。
(1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。
(2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。
• 血糖降下薬• インスリン等 血糖降下薬の作用を減弱させることがある。 本剤の血糖上昇作用によると考えられている。
• ブロモクリプチン 血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。 機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。
• 利尿剤
• チアジド系利尿剤• トリクロルメチアジド
• ヒドロクロロチアジド等
• チアジド系類似剤• インダパミド等
• ループ利尿剤• フロセミド等
• カリウム保持性利尿剤• スピロノラクトン
本剤の作用が減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。
本剤の血管反応性を低下させることがある。

注1)ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている1)。 この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。

注2)イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている1)。 この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。

注3)セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された2)。 アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。

注4)デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された3)。 アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
めまい 頻度不明
不安 頻度不明
不整脈 頻度不明
心悸亢進 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
振戦 頻度不明
熱感 頻度不明
発汗 頻度不明
胸内苦悶 頻度不明
血圧異常上昇 頻度不明
過敏症状等 頻度不明
頭痛 頻度不明
顔面潮紅・蒼白 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

アドレナリンはノルアドレナリンのN‐メチル化体であり、生体内では副腎髄質ホルモンとして働いている。アドレナリン受容体に結合して薬理作用を現し、全ての受容体(α1、α2、β1、 β2)に対して刺激作用を示す4)。

18.2 循環器系に対する作用

心臓に対しては、洞房結節の刺激発生のペースをはやめて心拍数を増加させ、心筋の収縮力を強め、心拍出量を増大するので強心作用(β1作用)を現す。血管に対しては、収縮作用と拡張作用の両方を現し、心臓の冠動脈を拡張し(β2作用)、皮膚毛細血管を収縮させ(α1作用)末梢抵抗を増加させて血圧を上昇させる5),6)。

18.3 血管以外の平滑筋に対する作用

気管支筋に対して弛緩作用(β2作用)を現し、気管支を拡張させて呼吸量を増加させる5),6)。

薬物動態

16.4 代謝

アドレナリンは血中では安定だが、速やかに交感神経細胞内に取り込まれるか、あるいは組織内で主にモノアミンオキシダーゼ(MAO)、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)により代謝、不活性化される。静注した場合の代謝物は、投与量の50%がO-メチル化物であるメタネフリンとその硫酸抱合体であり、残りの大部分は脱アミノ化物である3-メトキシ-4-ヒドロキシマンデル酸である4)。

16.5 排泄

代謝物は主にグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として尿中に排泄されるが、このなかには未変化体も含まれる4)。

薬価情報

YJコードに紐付く薬価基準収載データを年度別に表示します。

最新薬価: ¥354.00
年度 品名 規格 単位 薬価 後発品 適用日 製造販売会社
2026年度
アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」 本剤
2451402G1040
0.1%1mL1筒 0.1%1mL1筒 ¥354.00