Clinical snapshot

注射用レザフィリン100mg

タラポルフィンナトリウム

添付文書改訂 2023年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2ポルフィリン症の患者[症状を増悪させるおそれがある。]

  • 〈早期肺癌〉
  1. 2.3腫瘍が気管支軟骨層より外側に浸潤している患者[レーザ光が十分到達しない可能性があり、気管支壁外に浸潤している患者では穿孔の危険性がある。]

  2. 2.4太い気管の広範な病巣又は気管狭窄を来している患者[呼吸困難、窒息を起こす危険性がある。]

  3. 2.5亜区域支より末梢側に腫瘍のある患者[一般にレーザ光照射が困難とされている。]

  • 〈化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌〉
  1. 2.6化学放射線療法又は放射線療法前のCT検査で腫瘍が大動脈に浸潤している(Aorta T4)と診断された患者[食道大動脈瘻を発現し、死亡に至る可能性がある。]

効能・効果

  • 外科的切除等の他の根治的治療が不可能な場合、あるいは、肺機能温存が必要な患者に他の治療法が使用できない場合で、かつ、内視鏡的に病巣全容が観察でき、レーザ光照射が可能な下記疾患。

  • 早期肺癌(病期0期又はⅠ期肺癌)

  • 原発性悪性脳腫瘍(腫瘍摘出手術を施行する場合に限る)

  • 化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌

用法・用量

  • 〈早期肺癌、化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌〉

通常、成人にはタラポルフィンナトリウムとして40mg/m2を1回静脈内注射する。静脈内注射4~6時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。

  • 〈原発性悪性脳腫瘍〉

通常、成人にはタラポルフィンナトリウムとして40mg/m2を1回静脈内注射する。静脈内注射22~26時間後にレーザ光を病巣部位に照射する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1本剤の投与により光感受性が高められた結果、光線過敏症を起こすことがあるので、本剤投与後2週間は、直射日光を避けさせ、遮光カーテン等を用いて照度500ルクス以下※に調整した室内で過ごさせること。また、投与後3日間はサングラスをかけさせること。

※日本産業規格の照明基準総則(JIS Z 9110)では、保健医療施設の照度範囲について、病室75~150ルクス、食堂200~500ルクス、一般検査室・診察室・薬局300~750ルクス、手術室750~1500ルクスと規定している。

  1. 8.2本剤投与2週間経過後に指、手掌背部を直射日光で5分間曝露させたとき、紅斑、水疱等の光線過敏反応を示した場合には、さらに1週間直射日光を避けさせるなどして、異常がみられなくなるまで同様の試験を繰り返すこと。なお、光線過敏反応が消失後も投与後4週間以内の外出に際しては帽子、手袋、長袖等の衣類やサングラスの使用により日光を避けることが望ましい。

  2. 8.3パルスオキシメータ等の光を測定原理とする検査測定機器を長時間継続的に装着した場合、装着部位に水疱等の反応が生じることがあるため、継続的装着を可能な限り避け、検査が必要な時点での一時的な使用に限ること。

  3. 8.4肝機能障害があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。

  4. 8.5手術中の患者の眼、皮膚が光に曝露されないようにカバーで覆うなどの保護手段を施すこと。

  5. 8.6無影灯等の手術用照明は必要最小限とすること。

  • 〈早期肺癌〉
  1. 8.7レーザ光照射部位の穿孔を避け、かつ腫瘍浸潤の深さがレーザ光が十分到達する深さであることを確認するため、気管支軟骨層までに腫瘍がとどまっていることをCT、気管支エコー、生検等により確認すること。

  2. 8.8本療法施行後は、定期的に内視鏡検査、細胞診、組織診等を行い、病巣の経過を観察すること。

  • 〈化学放射線療法又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌〉
  1. 8.9本療法施行当日朝から絶食とし、補液による管理を行うこと。食事摂取が強い炎症を惹起し組織を脆弱化させ、食道穿孔を生じる可能性があることから、レーザ光照射翌日まで絶食とし、補液による栄養管理を行うこと。翌日より内視鏡検査を行い、レーザ光照射部位に深掘潰瘍がある場合には引き続き絶食・補液管理を行うこと。

  2. 8.10レーザ光照射後は食道痛、嚥下障害、食道狭窄等の随伴症状があらわれることがあるので、このような場合には適切な処置を行うこと。

  3. 8.11本療法施行後は、定期的に内視鏡検査、組織診等を行い、病巣の経過を観察すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1肺癌における気管癌の患者

気管癌の患者へのレーザ光照射後に、肉芽形成に起因した気管狭窄による呼吸困難があらわれたとの報告がある。

9.3 肝機能障害患者

排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児の骨化遅延が報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 光線過敏症を発現することがある薬剤• テトラサイクリン系薬剤
スルホンアミド系薬剤
フェノチアジン系薬剤
スルホニルウレア系血糖降下剤
チアジド系利尿剤
ニューキノロン系抗菌剤
非ステロイド系消炎鎮痛剤
フルオロウラシル系抗悪性腫瘍剤
メトトレキサート
グリセオフルビン
メトキサレン
光線過敏症が発現するおそれがあるので、本剤と併用、又は本剤投与の前後にこれらの薬剤の投与又は食品を摂取する場合には、直射日光を避け薄暗い室内で過ごさせるなど十分な管理を行うこと。 本剤は光感受性を高める作用があるので、これらの薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。
• 光線過敏症を発現することがある食品• クロレラ加工品等 光線過敏症が発現するおそれがあるので、本剤と併用、又は本剤投与の前後にこれらの薬剤の投与又は食品を摂取する場合には、直射日光を避け薄暗い室内で過ごさせるなど十分な管理を行うこと。 本剤は光感受性を高める作用があるので、これらの薬剤との併用又は食品の摂取により光感受性が増強されるおそれがある。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
BUN上昇 頻度不明
CRP上昇 頻度不明
しゃっくり 頻度不明
ヘモグロビン増多 頻度不明
ヘモグロビン減少 頻度不明
リンパ球増多 頻度不明
リンパ球減少 頻度不明
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
乳状血清 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低酸素症 頻度不明
便秘 頻度不明
倦怠感 頻度不明
光線過敏症 頻度不明
単球増多 頻度不明
頻度不明
咽頭痛 頻度不明
喀痰 頻度不明
嘔吐 頻度不明
嚥下痛 頻度不明
嚥下障害注2) 頻度不明
好中球増多 頻度不明
好中球減少 頻度不明
心電図異常(房室ブロック 頻度不明
悪心 頻度不明
洞性頻脈) 頻度不明
瘙痒 頻度不明
発熱 頻度不明
白血球増多 頻度不明
白血球減少 頻度不明
背部痛 頻度不明
胸部不快感 頻度不明
蛋白尿 頻度不明
血中アルブミン減少 頻度不明
血中カリウム上昇 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血痰 頻度不明
食道炎 頻度不明
食道狭窄注2) 頻度不明
食道痛注2) 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

タラポルフィンナトリウムにレーザ光を照射することにより一重項酸素が生じる。この一重項酸素が腫瘍細胞に直接障害を与えること、あるいは腫瘍血管に障害を与えることにより、抗腫瘍効果を示すと考えられる7),8)。

18.2 薬理作用

本療法は、ヌードマウス移植ヒト肺癌9)(5、10mg/kg、静脈内投与)、ヒト膠芽腫由来細胞株10)(T98G、A172及びU251)及びヒト食道癌由来細胞株11)(TE-5及びTE-10)に対して抗腫瘍効果を示した。

薬物動態

16.1 血中濃度

早期肺癌患者(n=9)に本剤40mg/m2を静脈内投与したときの血漿中濃度は、4~6時間後に約20μg/mLであった。薬物動態パラメータは表のとおりであった。

T1/2α(hr) T1/2β(hr) CLtot(mL/hr/m2) Vdss(L/m2)
14.6±2.96 138±21.4 19.0±3.8 3.26±0.51

Mean±S.D.

16.3 分布

  1. 16.3.1蛋白結合

限外濾過法により測定したヒト血清蛋白結合率は、5、100μg/mLの濃度でほぼ100%であった(in vitro)。

16.4 代謝

ヒトではほとんど代謝されない(in vitro)。

16.5 排泄

早期肺癌患者(n=5)に本剤40mg/m2を静脈内投与したとき、投与7日後までの尿中排泄率は約3.4%であった。