- 〇 下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解
肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫、再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性リンパ腫
- 〇 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
悪性骨・軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)
1.1本剤とペントスタチンを併用しないこと。外国において類縁薬であるシクロホスファミドとペントスタチンとの併用により、心毒性が発現し死亡した症例が報告されている1)。
1.2本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.1ペントスタチンを投与中の患者1)
2.2本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.3腎又は膀胱に重篤な障害のある患者[腎障害又は出血性膀胱炎を増悪する。]
肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫、再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性リンパ腫
悪性骨・軟部腫瘍、小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)
通常、成人にはイホスファミドとして1日1.5~3g(30~60mg/kg)を3~5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3~4週間ごとに反復投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を行い、通常、成人にはイホスファミドとして1日1.2g/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3~4週間ごとに反復投与する。 なお、患者の状態により適宜減量する。
1)他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、イホスファミドとして1日0.8~3g/m2(体表面積)を3~5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3~4週間ごとに反復投与する。 なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する。
2)総投与量はイホスファミドとして1コース10g/m2以下、小児では全治療コース80g/m2以下とする。
1)ドキソルビシン塩酸塩との併用において、成人には、通常1コースは、イホスファミドとして1日1.5~3g/m2(体表面積)を3~5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する。末梢白血球の回復を待って3~4週間ごとに反復投与する。 総投与量は、イホスファミドとして1コース10g/m2以下とする。 なお、年齢、患者の状態により適宜減量する。
2)本剤の単独投与において、成人には、1コースは、イホスファミドとして総投与量14g/m2までを点滴静注又は静脈内に注射する。末梢白血球の回復を待って反復投与する。
1)他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、イホスファミドとして1日1.5~3g/m2(体表面積)を3~5日間連日点滴静注する。これを1コースとし、末梢白血球の回復を待って3~4週間ごとに反復投与する。 なお、年齢、併用薬、患者の状態により適宜減量する。
2)総投与量はイホスファミドとして1コース10g/m2以下、全治療コース80g/m2以下とする。
8.1 骨髄抑制、出血性膀胱炎等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、尿検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。本剤の投与にあたってはG-CSF製剤等の適切な使用に関しても考慮すること。
8.2 感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
8.3 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、副作用の発現頻度が高くなり、程度も重くなるおそれがあるため、十分に患者の状態を観察しながら投与すること。
8.4 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、特に放射線照射を施行するときには、肝中心静脈閉塞症(hepatic veno-occlusive disease:VOD)の発現に注意すること。
腎障害又は出血性膀胱炎が増悪するおそれがある。
骨髄抑制が増強するおそれがある。
骨髄抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
致命的な全身障害があらわれることがある。
ファンコニー症候群等の腎障害があらわれることがある。
投与しないこと。
腎障害又は出血性膀胱炎が増悪するおそれがある。
ファンコニー症候群等の腎障害があらわれることがある。
肝障害が増悪するおそれがある。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている。
授乳を避けさせること。動物試験(ラット)で乳汁中に分泌されることが報告されている。
9.7.1 副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
9.7.23歳以下の乳幼児では特に注意すること。高用量投与や累積投与量が高くなった場合、ファンコニー症候群等の腎障害があらわれることがある。
用量並びに投与間隔に留意すること。生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • ペントスタチン• コホリン | 骨髄移植の患者で、類縁薬であるシクロホスファミド投与中にペントスタチンを単回投与したところ、錯乱、呼吸困難、低血圧、肺水腫等が認められ、心毒性により死亡したとの報告がある。また、動物試験(マウス)においてペントスタチン(臨床用量の10倍相当量)とイホスファミド(LD50前後)又はその類縁薬であるシクロホスファミド(LD50前後)を同時期に単回投与したとき、それぞれを単独投与したときに比べて死亡率の増加が認められた1)。 | 明らかな機序は不明である。本剤は用量依存性の心毒性があり、ペントスタチンは心筋細胞に影響を及ぼすATPの代謝を阻害する。両剤の併用により心毒性が増強すると考えられている1)。 |
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • 他の抗悪性腫瘍剤 • アロプリノール • 放射線照射 |
骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。 | 共に骨髄抑制作用を有する。 |
| • フェノバルビタール | 本剤の作用が増強することがある。 | フェノバルビタールの酵素誘導により本剤の活性型への変換が促進され、作用が増強される。 |
| • インスリン • スルフォニル尿素系製剤 |
これらの薬剤の血糖降下作用が増強されることがある。 | 本剤がインスリン抗体の生成を阻害するため、遊離のインスリン量が多くなり、血糖降下作用が増強される。 |
| • メスナ | 脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。 | 機序は不明である。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇等 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| クレアチニンクリアランス低下 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| クロール等の一過性の変動) | 頻度不明 |
| ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| 下痢等 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 頻度不明 |
| 不眠 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 5%以上 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 卵巣機能不全 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口渇 | 頻度不明 |
| 多尿 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐 | 5%以上 |
| 抑うつ | 頻度不明 |
| 月経異常 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 無精子症 | 頻度不明 |
| 焦燥感 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 知覚異常 | 頻度不明 |
| 精神活動低下 | 頻度不明 |
| 胸内苦悶 | 頻度不明 |
| 脱力感 | 頻度不明 |
| 脱毛 | 5%以上 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 舌の振戦 | 頻度不明 |
| 色素沈着 | 頻度不明 |
| 蛋白尿 | 5%以上 |
| 血清電解質の異常(カリウム | 頻度不明 |
| 血管痛 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頭重感 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 5%以上 |
イホスファミドは生体内で活性化された後、腫瘍細胞のDNA合成を阻害し、抗腫瘍作用をあらわすことが認められている19)。
18.2.1動物移植性腫瘍に対する抗腫瘍効果
(1)腹水型腫瘍のうち、マウスL1210白血病、ラット吉田肉腫に対して、シクロホスファミドよりすぐれ、かつ、カルボコンより明らかにすぐれた延命効果を示した20),21)(in vivo)。
(2)ラット腹水肝癌に対して、静脈内投与では他の抗悪性腫瘍剤(カルボコン等)より広いスペクトラムを示した21)(in vivo)。
(3)固形型腫瘍においても、マウスメラノーマB16及びラット吉田肉腫に対して、シクロホスファミド及びカルボコンよりすぐれた腫瘍増殖抑制効果を示した20)(in vivo)。
(4)化学療法剤耐性のラット腫瘍(DS癌肉腫及びTA腎芽細胞腫)に対して、シクロホスファミドよりも著明にすぐれた抗腫瘍効果を示した22)。しかし、マウスのシクロホスファミド獲得耐性腫瘍〔L1210(100mg/kg耐性株)〕に対しては、400mg/kg投与群において対照群に比し25%の生存日数の延長を認めたにすぎず、シクロホスファミドと不完全交差耐性を示すものと考えられた23)(in vivo)。
各種の悪性腫瘍患者8例に注射用イホスファミド20mg/kg注1)を静脈内投与し、血漿中の活性代謝物(4-ヒドロキシイホスファミド+アルドイホスファミド)濃度を測定した10)(外国人データ)。
| 投与量 (mg/kg) |
例数 | Cmax (μg/mL) |
AUC0-12 (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|
| 20注1) | 8 | 0.39±0.31 | 1.51±0.89 |
(測定法:蛍光法)(平均値±標準偏差)
注1)本剤の承認された用法・用量は、肺小細胞癌、前立腺癌、子宮頸癌、骨肉腫の場合、「通常、成人にはイホスファミドとして1日1.5~3g(30~60mg/kg)を3~5日間連日点滴静注又は静脈内に注射する。」
ラットにおけるイホスファミドの血清蛋白結合率は17~24%であった11)。
本剤は、主に肝代謝酵素CYP3A4で代謝され、活性化される12),13),14)(in vitro)。
ウサギにおける主な代謝物は4-ヒドロキシイホスファミド注2)、アルドイホスファミド注2)、イホスファミドマスタード注2)、アクロレイン、4-ケトイホスファミド、カルボキシイホスファミドであった15)。
注2)活性代謝物
16.5.1未変化イホスファミドの尿中排泄率は24時間で投与量の約6%であった10)(外国人データ)。
16.5.2 活性代謝物(4-ヒドロキシイホスファミド+アルドイホスファミド)の尿中排泄率は12時間で投与量の約0.3%であった10)(外国人データ)。
16.5.3ラットにおける尿中排泄は大部分が不活性代謝物(カルボキシイホスファミド、4-ケトイホスファミド)であった15)。