Clinical snapshot

低分子デキストランL注(250mL)

血漿増量・体外循環灌流液10%デキストラン40加乳酸リンゲル液

添付文書改訂 2023年03月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1うっ血性心不全の患者[循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。]

  2. 2.2高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある。]

効能・効果

  • 体外循環灌流液として用い、灌流を容易にして手術中の併発症の危険を減少する

  • 代用血漿として急性出血の治療、特に急性大量出血の際の初期治療として有効

  • 外傷、熱傷、出血などに基づく外科的ショックの予防及び治療

  • 手術時における輸血量の節減

用法・用量

通常1回500mLを緩徐に静脈内に注射する。

なお、年齢、体重、症状に応じて適宜増減する。

体外循環灌流液として用いる場合は、体重kg当たりデキストラン40として2~3g(20~30mL)を注入する。

使用上の注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1脱水状態の患者

腎機能障害発現の誘因となるおそれがある。

  1. 9.1.2肺水腫の患者

水分、電解質が肺細胞間質に滞留し、肺水腫が悪化するおそれがある。

  1. 9.1.3低フィブリノーゲン血症、血小板減少症等の出血傾向のある患者

凝固系を抑制して出血傾向を促進するおそれがある。

  1. 9.1.4閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者

水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

腎障害が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害のある患者

水分、電解質代謝異常が悪化するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.8 高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
腎障害を起こすおそれのあるアミノ糖系抗生物質
• カナマイシン、ゲンタマイシン等
乏尿など腎に異常が認められた場合には、投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。 これら抗生物質の腎毒性を増強することがある。脱水条件が加わると腎毒性がより増強される。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
出血傾向 頻度不明
出血時間延長 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
末梢の浮腫 頻度不明
肺水腫 頻度不明
脳浮腫 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

本剤はデキストラン40の有する膠質浸透圧に基づく水分保持機能による血漿量の増加並びにコロイドによる血中滞留時間の持続により、血漿増量効果を持続させる。 晶質液成分である乳酸リンゲル液は、電解質を補給し、細胞外液の損失を補う。

18.2 血漿増量作用

成犬を用い、脱血及び等量の本剤注入操作を繰返して血液希釈を行った試験において、循環血漿量及び細胞外液量の増加が認められた5)。

18.3 酸塩基平衡、電解質バランスの維持

脱血成犬において、本剤は10%デキストラン40加5%ブドウ糖液に対し、酸塩基平衡障害及び血清電解質(Na+、Cl-)濃度の減少を抑制した6)。

薬物動態

16.1 血中濃度

健康成人に本剤250mLを肘静脈より1時間投与した結果、血液中デキストラン40の濃度は投与終了時に312.3mg/dLに達した後、3時間後に半減し、24時間後には28.7mg/dLまで減少した1)。