Clinical snapshot

レボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」

レボブノロール塩酸塩点眼液

添付文書改訂 2022年04月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]

  3. 2.3コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(第Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者[これらの症状を増悪させるおそれがある。]

効能・効果

緑内障、高眼圧症

用法・用量

通常、1回1滴を1日1回点眼する。十分な眼圧下降効果が持続しない場合は1回1滴、1日2回まで点眼可能である。

使用上の注意

全身的に吸収される可能性があり、β-遮断剤全身投与時と同様の副作用があらわれるおそれがあるので、留意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1うっ血性心不全のある患者

うっ血性心不全の症状を増悪させるおそれがある。

  1. 9.1.2コントロール不十分な糖尿病患者

低血糖症の徴候や症状をマスクするおそれがある。

  1. 9.1.3糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者

アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。

  1. 9.1.4甲状腺中毒症の疑いのある患者

ある種の甲状腺機能亢進症の臨床的徴候(例えば頻脈)をマスクするおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン
ジピベフリン塩酸塩
散瞳が起こる可能性がある。 機序不明
カテコールアミン枯渇剤
• レセルピン等
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。 カテコールアミンの枯渇を起こす薬剤は、β-遮断作用を相加的に増強する可能性がある。
β-遮断剤(全身投与)
• アテノロール
• プロプラノロール塩酸塩
• メトプロロール等
眼内圧あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがある。 作用が相加的にあらわれることがある。
ジギタリス製剤
• ジゴキシン
• ジギトキシン等
房室伝導時間を更に延長することがある。 相加的に作用を増強する可能性がある。
カルシウム拮抗剤
• ベラパミル塩酸塩
• ジルチアゼム塩酸塩等
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。 相互に作用が増強される。
フェノチアジン関連化合物
• クロルプロマジン等
血圧降下を引き起こす可能性がある。 代謝を阻害する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
しみる 1〜5%未満
そう痒感 1〜5%未満
めまい 1〜5%未満
右脚ブロック 1〜5%未満
徐脈 1〜5%未満
眼痛 1〜5%未満
眼瞼炎 1〜5%未満
眼瞼発赤 1〜5%未満
結膜充血 1〜5%未満
角膜炎 1〜5%未満
霧視 1〜5%未満
頭痛 1〜5%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

高眼圧症患者におけるトノグラフィー試験において、レボブノロール塩酸塩の眼圧下降作用は主に房水産生の抑制によることが示唆された6)。

18.2 眼圧下降作用

  1. 18.2.1ウサギの水負荷高眼圧7)、α-キモトリプシン誘発高眼圧7)、フェニレフリン誘発高眼圧8)及びサルの線維柱帯障害高眼圧モデルにおいて、レボブノロール塩酸塩の点眼は眼圧を有意に下降させた。

  2. 18.2.2原発開放隅角緑内障・高眼圧症患者にレボブノロール塩酸塩を単回点眼した場合、瞳孔径にほとんど影響を及ぼすことなく眼圧下降作用を24時間まで持続させた9)。

18.3 眼組織血流量増加作用

健康成人にレボブノロール塩酸塩を単回点眼した場合、視神経乳頭血流量等の有意な増加がみられた10)。

18.4 β-受容体遮断作用

マウス、イヌにレボブノロール塩酸塩を経口又は静脈内投与した場合、イソプロテレノールにより惹起された心拍数の増加は用量依存的に抑制され、レボブノロール塩酸塩のβ-受容体遮断作用はプロプラノロールより数倍強力であった11)。またモルモットの摘出気管及び心房を用いたβ1、β2受容体に対する選択性を検討したところ、レボブノロール塩酸塩は両受容体に対し選択性を示さなかった7)。

18.5 α1-受容体遮断作用

レボブノロール塩酸塩はα1作動薬フェニレフリンによるウサギの摘出毛様体筋の収縮を濃度依存的かつ競合的に抑制した8)。

18.6 生物学的同等性試験

  1. 18.6.1家兎眼房水移行性試験

家兎の結膜嚢内にレボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」とミロル点眼液0.5%をそれぞれ100μL点眼投与して、家兎眼房水中のレボブノロール(未変化体)濃度及びジヒドロレボブノロール(代謝物)濃度を測定した結果、いずれもすべての測定時点において両剤に有意差は認められず、生物学的に同等であると判断された12)。

AUC(μg/mL・hr)
レボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」 3.740
ミロル点眼液0.5% 3.547
AUC(μg/mL・hr)
レボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」 9.802
ミロル点眼液0.5% 10.612
  1. 18.6.2家兎実験的高眼圧モデルに対する効果

家兎の水負荷による実験的高眼圧モデルを用いて、レボブノロール塩酸塩点眼液0.5%「ニッテン」とミロル点眼液0.5%の眼圧上昇抑制・下降作用を比較した結果、両剤に有意差は認められず、生物学的に同等であると判断された(Tukeyの多重比較)13)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

0.5%レボブノロール塩酸塩を健康成人(n=6)の片眼に1滴単回点眼した結果、1及び2時間後の採血ポイントにおいて、血漿中濃度は検出限界(1.0ng/mL)未満であった1)。

  1. 16.1.2反復投与

0.5%レボブノロール塩酸塩を健康成人(n=6)の両眼に1日1滴ずつ6日間点眼した結果、全ての採血ポイントにおいて、血漿中濃度は検出限界(0.5ng/mL)未満であった2)。

16.2 吸収

0.5%14C-レボブノロール塩酸塩点眼液を白色ウサギに単回点眼したところ、速やかに眼内に移行した。放射能濃度は外眼部組織である結膜、瞬膜及び角膜で点眼後10分に、前眼部組織である房水及び虹彩・毛様体で点眼後30分に最高に達した3)。

16.3 分布

0.5%14C-レボブノロール塩酸塩点眼液を白色ウサギに単回点眼した後に前眼部組織で確認された放射能は、点眼後4時間には最高値の10%以下まで減少した。視神経及び硝子体への分布は少なかった。一方、有色ウサギは白色ウサギに比べメラニン含有組織である虹彩・毛様体及び網膜・脈絡膜に高い放射能濃度が認められ、その消失は遅かった3)。

16.5 排泄

健康成人の両眼に0.5%レボブノロール塩酸塩を1日1滴ずつ6日間点眼し、初回点眼以降最終点眼後48時間までの総点眼量に対する累積尿中排泄率は5.5%であった2)。