〈適応菌種〉 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌 〈適応症〉 眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1本剤の成分、オフロキサシン及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。
使用上の注意
- 8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| そう痒 | 頻度不明 |
| びまん性表層角膜炎等の角膜障害 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 眼のそう痒感 | 1%未満 |
| 眼刺激 | 1%未満 |
| 眼痛 | 頻度不明 |
| 眼瞼炎 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 1%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
主な作用機序はDNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性及びトポイソメラーゼⅣ活性の阻害による細菌のDNA合成阻害である。DNAジャイレース(トポイソメラーゼⅡ)活性とトポイソメラーゼⅣ活性のどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる9)~14)。
18.2 抗菌作用
レボフロキサシン水和物の抗菌スペクトラムは広範囲に及び、レボフロキサシン点眼液はブドウ球菌属、肺炎球菌を含むレンサ球菌属、ミクロコッカス属、腸球菌属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌及び緑膿菌を含むシュードモナス属、インフルエンザ菌、モラクセラ属、セラチア属、クレブシエラ属、プロテウス属、アシネトバクター属、エンテロバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起炎菌に対し、強い抗菌力を示す15)(in vitro)。 レボフロキサシン水和物は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体(左旋体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有する16)。
18.3 角膜感染予防作用
緑膿菌性角膜潰瘍のウサギ感染症モデルを用い、菌接種30分後から0.5%レボフロキサシン点眼液を1回約50μL、2時間間隔で1日6回、3日間点眼した結果、角膜混濁は認められず、0.5%レボフロキサシン点眼液は有意な予防効果を示した17)。
18.4 生物学的同等性試験
- 18.4.1ウサギにおける眼組織内薬物動態
レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」及びクラビット点眼液0.5%各50μL(レボフロキサシン水和物として0.25mg)をウサギに単回点眼し、眼房水中及び角膜中のレボフロキサシン濃度の統計解析を行った結果、すべての採取時間における眼組織中レボフロキサシン濃度について、両製剤間では有意差が認められなかった(Studentのt検定、有意水準は両側5%)18)。
図18-1 眼房水中のレボフロキサシン濃度推移図18-2 角膜中のレボフロキサシン濃度推移
- 18.4.2ウサギにおける角膜中の濃度の分散分析
レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」及びクラビット点眼液0.5%50μLをそれぞれウサギに片眼ずつ点眼し、最高角膜中濃度を示す15分後の角膜を採取した。採取した角膜のレボフロキサシン濃度について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された18)。
| 角膜中濃度(ng/g) | |
|---|---|
| レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」 | 15551±6020 |
| クラビット点眼液0.5% | 13933±4643 |
(Mean±S.D. , n=49)
- 18.4.3実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果
緑膿菌を接種したウサギに対して、レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」、クラビット点眼液0.5%及び生理食塩液(対照群)を菌接種後6時間後から2時間ごとに1日6回、3日間点眼し、緑膿菌接種後7日目までの角膜混濁の度合い(スコア)の観察、並びに7日目の角膜より緑膿菌を分離培養した(各群10例)。対照群では、緑膿菌接種後からスコアが徐々に増加し、2日目以降観察終了時まで全例で角膜混濁が確認された。一方、レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」群及びクラビット点眼液0.5%群では、2日目以降スコアが低下し、点眼を中止した3日目以降もスコアの増加はみられず、1日目以降観察終了まで対照群と比較して有意な低値を示した。レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」群とクラビット点眼液0.5%群のスコアには、観察期間を通じて有意差が認められなかった。また対照群では全眼で緑膿菌の陽性を示したのに対して、レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」群及びクラビット点眼液0.5%群では全眼陰性を示した。 レボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」及びクラビット点眼液0.5%はいずれも緑膿菌による角膜混濁の増加を著明に抑制し、その治療効果に有意な差が認められなかったことからレボフロキサシン点眼液0.5%「杏林」はクラビット点眼液0.5%と生物学的に同等と判断された18)。
図18-3 緑膿菌による角膜混濁の度合い(スコア)の推移
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人男性(10例)の片眼に0.5%レボフロキサシン点眼液を1回2滴、1日4回、2週間連続点眼したとき、最終日の点眼1時間後の血中濃度は定量下限値(0.01μg/mL)未満であった1)。
16.3 分布
-
有色ウサギに0.5% 14C-標識レボフロキサシン点眼液を1回50μL点眼したとき、眼球結膜及び眼瞼結膜では点眼後15分で各々最高濃度(Cmax)1433.8、1058.8ng eq./gを示し、角膜及び房水では点眼後30分で各々Cmax 6839.5ng eq./g、842.8ng eq./mLを示した後、経時的に減少した。メラニン含有組織である虹彩・毛様体及び網膜色素上皮・脈絡膜では点眼後2時間で各々Cmax 11514.4、3269.6ng eq./gを示し、その後緩慢に消失した2)。
-
有色ラットに0.5% 14C-標識レボフロキサシン点眼液1回1μLを、1日3回、1週間点眼したとき、最終点眼1時間後の角膜、房水及び硝子体における眼組織中濃度はそれぞれ2270.8、267.1、372.0ng eq./gを示し、その後経時的に減少した。一方、虹彩・毛様体及び網膜色素上皮・脈絡膜では最終点眼1時間後でそれぞれ185047.6、36549.6ng eq./gを示し、その後緩慢に消失した3)。
-
ビーグル犬に0.3%レボフロキサシン点眼液を1回1滴、1日4回、2週間連続点眼したとき、最終点眼24時間後の眼組織内濃度は、虹彩・毛様体で39.4μg/g、脈絡膜・網膜色素上皮で12.3μg/gであり、眼組織のうちメラニン色素を含む組織には高度に分布することが認められた。一方、色素上皮を除く網膜への移行はわずかであった4)。