Clinical snapshot

レベトールカプセル200mg

リバビリン

添付文書改訂 2023年06月01日

【警告】

  1. 1.1本剤では催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。

  2. 1.2*本剤では催奇形性及び遺伝毒性が報告されているので、妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤投与中及び最終投与後9ヵ月間において避妊するよう指導すること。

  3. 1.3*本剤では催奇形性及び遺伝毒性が報告されており、本剤の精液中への移行が否定できないことから、パートナーが妊婦、妊娠している可能性又は妊娠する可能性のある男性に投与する場合には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊するよう指導すること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳中の女性[動物実験で催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が報告されている。]

  2. 2.2本剤の成分又は他のヌクレオシドアナログ(アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン等)に対し過敏症の既往歴のある患者

  3. 2.3コントロールの困難な心疾患(心筋梗塞、心不全、不整脈等)のある患者[貧血が原因で心疾患が悪化することがある。]

  4. 2.4異常ヘモグロビン症(サラセミア、鎌状赤血球性貧血等)の患者[貧血が原因で異常ヘモグロビン症が悪化することがある。]

  5. 2.5慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。]

  6. 2.6重度のうつ病、自殺念慮又は自殺企図等の重度の精神病状態にある患者又はその既往歴のある患者[うつ病が悪化又は再燃することがある。]

  7. 2.7重篤な肝機能障害患者

  8. 2.8自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある。]

効能・効果

  • インターフェロン ベータとの併用による次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善

  • (1)血中HCV RNA量が高値の患者

  • (2)インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者

  • ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用による、前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

用法・用量

通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。 本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。

  • 〈インターフェロン ベータ又はソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合〉

  • 患者の体重 リバビリンの投与量
    1日の投与量 朝食後 夕食後
    60kg以下 600mg 200mg 400mg
    60kgを超え80kg以下 800mg 400mg 400mg
    80kgを超える 1,000mg 400mg 600mg

使用上の注意

  • 〈併用薬剤共通〉
  1. 8.1本剤の投与により、貧血(溶血性貧血等)を起こす可能性があることから、患者に対し貧血に関連する副作用(めまい等)の発現の可能性について十分説明すること。
  • 〈インターフェロン ベータとの併用の場合〉
  1. 8.2ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は、投与開始後1週間は2~3日に1回、以後投与開始後4週間までは毎週、その後は4週間に1回程度実施すること。

  2. 8.3甲状腺機能異常があらわれることがあるので甲状腺機能検査は12週間に1度実施すること。

  3. 8.4抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。

  4. 8.5重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  5. 8.6間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。

  6. 8.7糖尿病が増悪又は発症することがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行うこと。

  7. 8.8ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うなど観察を十分に行うこと。

  8. 8.9網膜症があらわれることがあるので、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。

  9. 8.10自己免疫現象によると思われる症状・徴候があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  10. 8.11溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。

  • 〈ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合〉
  1. 8.12貧血があらわれることがあるので、ヘモグロビン量を定期的に測定するなど観察を十分に行うこと。

  2. 8.13高血圧があらわれることがあるので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈インターフェロン ベータとの併用の場合〉
  1. 9.1.1投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満あるいは好中球数が2,000/mm3未満の患者
  • 〈併用薬剤共通〉
  1. 9.1.2心疾患(ただしコントロールの困難な心疾患(心筋梗塞、心不全、不整脈等)を除く)又はその既往歴のある患者

貧血により心機能の異常、冠状動脈疾患が悪化又は再燃する可能性がある。

  1. 9.1.3痛風又はその既往歴のある患者

血清尿酸濃度の上昇が報告されている。

  1. 9.1.4アレルギー素因のある患者

  2. 9.1.5高度の白血球減少又は血小板減少のある患者

白血球減少又は血小板減少が更に悪化することがあり、感染症又は出血傾向を来しやすい。

  1. 9.1.6中枢・精神神経障害又はその既往歴のある患者

中枢・精神神経症状が悪化又は再燃することがある。

  1. 9.1.7自己免疫疾患(ただし自己免疫性肝炎を除く)の患者又はその素因のある患者

疾患が悪化又は顕性化することがある。

  1. 9.1.8高血圧症の患者

脳出血を含む脳血管障害が生じたとの報告がある。なお、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。

  1. 9.1.9糖尿病又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者

糖尿病が増悪又は発症しやすい。また、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者

投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。

  1. 9.2.2軽度又は中等度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者を除く)

本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝機能障害のある患者

投与しないこと。肝予備能が低下している可能性があり、重大な副作用が生じることがある。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1*妊娠する可能性のある女性

本剤投与中及び最終投与後9ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明し、避妊するよう指導すること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること。

  1. 9.4.2*パートナーが妊婦、妊娠している可能性又は妊娠する可能性のある男性

本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊するよう指導すること。精液中への本剤の移行が否定できないことから、その危険性を患者に十分理解させること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

小児等に対する臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。国内で実施した臨床試験において、高齢者では、高度の臨床検査値異常等の発現頻度及び減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている。

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ヌクレオシドアナログ
(ジダノシン、アバカビル硫酸塩等)
併用により乳酸アシドーシス、肝不全が報告されていることから、本剤は乳酸アシドーシス、肝不全を増強する可能性がある。また、本剤投与終了後2ヵ月間はヌクレオシドアナログとの相互作用の可能性があるので注意すること。 本剤はin vitroにおいてプリンヌクレオシドのリン酸化を促進する。また、ジダノシンとの併用により、乳酸アシドーシス、膵炎など死亡例を含むミトコンドリア毒性の発現が報告されている。
ジドブジン 本剤はジドブジンの効果を減弱するおそれがある。併用する場合は、血漿中HIV RNAレベルを観察することが望ましい。HIV RNAレベルが上昇した場合には、本剤の中止等の適切な処置を行うこと。 本剤はin vitroにおいてジドブジンのリン酸化を阻害する。
アザチオプリン
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。併用する場合には、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤の減量、中止については、「7.用法及び用量に関連する注意」の項を参照すること。 本剤がアザチオプリンの代謝酵素であるイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)を阻害することにより、代謝産物のメチルチオイノシン一リン酸(meTIMP)が蓄積すると考えられる。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 5%以上
ALT上昇 5%以上
AST上昇 5%以上
BUN上昇 5%以上
CK上昇 頻度不明
CRP上昇 5%以上
LDH上昇 5%以上
γ-GTP上昇 5%以上
インフルエンザ様症状 頻度不明
おくび 頻度不明
かぜ症候群 5%以上
クレアチニン上昇 頻度不明
サルコイドーシス 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
そう痒 頻度不明
そう痒感 5%以上
トリグリセライド上昇 頻度不明
ヘマトクリット減少(71.3%) 5%以上
ヘモグロビンA1C上昇 頻度不明
ヘモグロビン減少(76.4%) 5%以上
めまい 5%以上
上気道炎 5%以上
下痢 5%以上
不安 5%以上
不整脈 頻度不明
不正出血 頻度不明
不眠 5%以上
丘疹 頻度不明
中耳炎 頻度不明
体重減少 5%以上
便秘 5%以上
健忘 頻度不明
傾眠 頻度不明
全身倦怠感(88.5%) 5%以上
冷汗 頻度不明
出血 頻度不明
出血傾向 頻度不明
前立腺炎 頻度不明
動悸 5%以上
単純疱疹 頻度不明
口内・口唇炎 5%以上
口渇 頻度不明
味覚異常 5%以上
呼吸困難 5%以上
咳嗽 5%以上
咽頭炎 5%以上
嗄声 頻度不明
嗅覚異常 頻度不明
四肢不快感 頻度不明
四肢冷感 5%以上
外耳炎 頻度不明
好中球数増多 5%以上
好酸球数増多 5%以上
妄想 頻度不明
尿糖 5%以上
帯状疱疹 頻度不明
怒り 頻度不明
悪寒(82.2%) 5%以上
悪心・嘔吐 5%以上
意識障害 頻度不明
感情不安定 頻度不明
手指関節拘縮 頻度不明
手足のしびれ 5%以上
抑うつ 5%以上
振戦 頻度不明
排便障害 頻度不明
排尿障害 頻度不明
易感染性 頻度不明
歩行困難 頻度不明
歯の異常 頻度不明
歯周・歯髄・歯肉炎 頻度不明
歯痛 頻度不明
毛質異常 頻度不明
気管支炎 頻度不明
注意力障害 頻度不明
浮腫 5%以上
消化不良 5%以上
湿疹 5%以上
潮紅 5%以上
無気力 頻度不明
焦燥 5%以上
熱感 頻度不明
爪の異常 頻度不明
異常感 頻度不明
疲労 頻度不明
疼痛 5%以上
疼痛 頻度不明
痔核 頻度不明
発汗 頻度不明
発熱注1) 5%以上
発疹 5%以上
発赤 5%以上
白癬 頻度不明
白血球分画異常(96.6%) 5%以上
白血球数増多 頻度不明
白血球数減少(75.3%) 5%以上
皮膚乾燥 頻度不明
皮膚潰瘍 頻度不明
眼そう痒症 頻度不明
眼の異和感 頻度不明
眼底出血等の網膜の微小循環障害注2) 5%以上
眼球充血 頻度不明
眼痛 頻度不明
眼精疲労 頻度不明
知覚異常 頻度不明
硝子体浮遊物 頻度不明
神経痛 頻度不明
筋痙直 頻度不明
筋肉痛 5%以上
紅斑 頻度不明
紫斑 頻度不明
結膜下出血 頻度不明
結膜炎 頻度不明
網状赤血球数増多(75.9%) 5%以上
網状赤血球数減少 5%以上
総ビリルビン上昇 5%以上
羞明 頻度不明
耳痛 頻度不明
耳閉 頻度不明
耳鳴 頻度不明
肩こり等の緊張亢進 5%以上
肺炎 頻度不明
胃炎 頻度不明
背部・腰部痛 5%以上
胸部圧迫感 5%以上
脂漏 頻度不明
脱力感 頻度不明
脱毛 5%以上
腫脹 頻度不明
腸炎 頻度不明
腸管機能異常 頻度不明
腹痛 5%以上
腹部膨満感 頻度不明
膀胱炎 頻度不明
膵炎 頻度不明
舌炎 頻度不明
色素沈着 頻度不明
花粉症 頻度不明
落屑 頻度不明
蕁麻疹 頻度不明
蛋白尿(50.6%) 5%以上
蜂窩織炎 頻度不明
血中コレステロール低下 5%以上
血中尿酸上昇 5%以上
血圧上昇 5%以上
血圧低下 頻度不明
血小板数増多 5%以上
血小板数減少(62.1%) 5%以上
血尿 5%以上
血清アミラーゼ上昇 頻度不明
血清アルブミン低下(54.0%) 5%以上
血清カリウム上昇 頻度不明
血清カルシウム低下 5%以上
血清コレステロール上昇 5%以上
血清無機リン低下 5%以上
血清総蛋白減少 5%以上
血痰 頻度不明
血糖上昇 頻度不明
視力異常 頻度不明
視覚異常 頻度不明
視野欠損 頻度不明
赤血球数減少(70.7%) 5%以上
過角化 頻度不明
関節痛(58.0%) 5%以上
難聴 頻度不明
頚部痛 頻度不明
頭痛・頭重(80.5%) 5%以上
頻尿 頻度不明
顆粒球数減少(81.6%) 5%以上
食欲不振(59.2%) 5%以上
麦粒腫 頻度不明
鼓腸放屁 頻度不明
鼻出血 5%以上
鼻漏 頻度不明
鼻炎 頻度不明
鼻閉 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

  1. 18.1.1抗HCV作用

野性型HCVジェノタイプ1a、1b、2a、2b、3a、4a、5a及び6aの一過性発現レプリコン細胞に対するリバビリンのEC50値はそれぞれ26.1、6.6、8.3、2.6、6.7、6.2、1.5及び7.1μmol/Lであった。 HCVの近縁ウイルスであるウシウイルス性下痢症ウイルスに対して、リバビリンは抗ウイルス作用を示した(in vitro)19),20),21)。

  1. 18.1.2抗ウイルス作用機序

リバビリンの詳細な作用機序は明らかでない。リバビリンは細胞内でリン酸化され、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼによるグアノシン三リン酸のRNAへの取込みを抑制した(in vitro)。また、HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼによるRNA生成過程でリバビリン三リン酸がRNAに取り込まれ、このことがウイルスのゲノムを不安定にすると考えられた(in vitro)20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人男性(6名)に本剤200、400、600、800、1,000及び1,200mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度のCmaxについては200~800mg、AUC0-tについては200~1,000mgの用量範囲でそれぞれ線形性が認められ、それ以上の投与量では吸収の頭打ちが示唆された1)。

  1. 16.1.2反復投与

C型慢性肝炎患者(15名)に本剤400mg(800mg/日)を朝夕食後に1日2回48週間、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(以下:PEG-IFNα-2b)の1.5μg/kg週1回皮下投与との併用により、反復経口投与したときの血清中未変化体濃度を以下の図表に示した。血清中未変化体濃度は投与開始後8週目までに定常状態に到達し、Cmax、Cmin及びAUC0-12hrに基づく累積係数はそれぞれ6.53、12.2及び9.42であった。定常状態に到達後の消失半減期は286時間であった2)。

図1 C型慢性肝炎患者における血清中濃度 (平均値±標準偏差)

tmax
(hr)
Cmax
(μg/mL)
Cmin
(μg/mL)
AUC0-12hr注3)
(μg・hr/mL)
t1/2
(hr)
CL/F
(L/hr)
Vd/F
(L)
定常状態
(N=14)注4)
3.00 3.33 2.42 32.5 286 12.7注5) 5374注5)
初回投与
(N=15)
3.33 0.604 0.221 4.02 27.1 37.8 1472
累積係数 6.53注5) 12.2注5) 9.42注5)

注3)投与間隔間のAUC

注4)投与期間の途中から朝食後服用量のみ400mg→200mgに変更し、1日投与量を800mg→600mgに減量した症例(3例)を含む。

注5)上記減量症例を含まない11例の平均

  1. 16.1.3静脈内投与時

健康成人男性(6名)にリバビリン溶液150mgを急速静脈内投与したとき、血漿中未変化体の全身クリアランス(CL)は40.5L/hr、定常状態における見かけの分布容積(Vss)は241Lであった。同一被験者に本剤400mgを空腹時に経口投与したときのAUCとの比較によって算出した絶対バイオアベイラビリティ(経口投与時のAUC/静脈内投与時のAUC)は64%であった4)(外国人データ)。

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人男女(17名)に本剤600mgを食後又は空腹時に単回経口投与したとき、食後投与時ではCmax及びAUCが約70%上昇し、tmaxの遅延が認められた3)(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1血漿蛋白結合

ヒト血漿蛋白と本薬との結合は全く認められず、非結合率はほぼ100%であった7)(in vitro)。

  1. 16.3.2血球移行

健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、赤血球中放射能濃度は血液(全血)中放射能濃度の約2倍の値を示したことから、血中放射性成分の大部分は赤血球中に存在しているものと推察された8)(外国人データ)。

  1. 16.3.3組織内分布

ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを1日1回21日間反復経口投与したとき、組織中放射能濃度は血球を除く殆どの組織で投与7日目までに定常状態に到達し、全身組織への広範な放射能分布が認められた。組織中放射能濃度は肝臓で最も高く、次いで腎臓、心臓、筋肉、肺、脾臓、膵臓、腸間膜リンパ節、前立腺、膀胱、骨髄に高濃度に分布した9)。

  1. 16.3.4胎盤・胎児移行

妊娠ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、胎児組織中への放射能の移行が認められた10)。

16.4 代謝

本剤の体内からの消失に関わる主要な代謝経路は、ribofuranosyl基の脱離及び3位側鎖(carboxamide)の加水分解であり、代謝物として1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide(TCONH2)、1-β-D-ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(RTCOOH)及び1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(TCOOH)が確認されている。本剤の薬効に関与しているもう一つの代謝経路は、ribofuranosyl基5'位のリン酸化であり、代謝物としてリバビリン一リン酸(RMP)、リバビリン二リン酸(RDP)及びリバビリン三リン酸(RTP)が確認されている。これらのリン酸化体は組織細胞中にのみ存在し、細胞外(血漿、尿)には認められない。 ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝実験の結果、上記のいずれの代謝経路についても、チトクロムP450系の介在は否定されている8),11),12),13)。

16.5 排泄

  1. 16.5.1尿・糞中排泄

健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後14日目までの尿及び糞中放射能排泄率はそれぞれ61%及び12%であった。同時点までの尿中未変化体排泄率は投与量の17%であり、尿中放射能に占める割合は約27%であった8)(外国人データ)。

  1. 16.5.2胆汁中排泄

ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの胆汁中放射能排泄率は投与量の0.8%未満であった14)。

  1. 16.5.3乳汁中への移行

授乳中のラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、放射能濃度の母乳/血漿比は0.6~1.3であり、本薬又は代謝物の乳汁中への移行性が認められた15)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

腎機能障害患者(18名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。腎機能障害患者では、クレアチニンクリアランスに応じた全身クリアランス(CL/F)の低下が認められている6)(外国人データ)。

CLcr
(mL/分)
患者数 Cmax
(μg/mL)
AUC0-t
(μg・hr/mL)
CL/F
(L/hr)
CLr
(L/hr)
≧90 6名 0.630 9.65 53.2 7.74
61~90 6名 0.821 17.5 29.8 4.31
31~60 6名 0.732 20.4 24.2 2.15
10~30 6名 1.16 31.7 13.0 0.696

CLcr:クレアチニンクリアランス CL/F:全身クリアランス CLr:腎クリアランス

人工透析依存の腎不全患者(6名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したとき、人工透析クリアランス(CLhd=4.04L/hr)はクレアチニンクリアランスが61~90(mL/分)の腎機能障害患者の腎クリアランス(4.31L/hr)にほぼ相当する値であったが、血漿中未変化体濃度について人工透析による明らかな変化は認められなかった(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

肝機能障害患者(17名)に本剤600mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。肝機能障害患者では肝機能障害の重症度に応じたCmaxの上昇が認められたが、Tmax及びAUC0-tに明らかな変化は認められなかった5)(外国人データ)。

肝機能 患者数 Tmax(hr) Cmax
(μg/mL)
AUC0-t
(μg・hr/mL)
正常 6名 1.33 0.643 15.2
軽度 5名 1.60 0.886 13.0
中等度 7名 1.29 1.05 14.2
重度 5名 1.60 1.27 18.4

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1チトクロムP450系への影響

ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro阻害実験の結果、CYP3A4、2D6、1A2、2E1、2C9/10の各P450分子種についてリバビリン添加による阻害作用は認められなかった13)。 ラットにリバビリン溶液を1日1回7日間反復経口投与したとき、120mg/kgまでの投与量では肝薬物代謝酵素系への誘導作用は認められなかった16)。

  1. 16.7.2PEG-IFNα-2bの影響

C型慢性肝炎患者(12~17名)を対象とした本剤600~1,200mg/日の1日2回経口投与とPEG-IFNα-2b 0.35、0.7又は1.4μg/kg週1回皮下投与との併用による4週間反復投与試験において、薬物動態学的相互作用を示唆する所見は認められなかった17)(外国人データ)。

  1. 16.7.3水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム併用の影響

健康成人男女(12名)に本剤600mgを空腹時に単独又は水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム含有製剤と併用したとき、併用時ではCmax、AUC0-tがそれぞれ3.3%、13.7%減少したが、Tmaxに影響は認められなかった18)(外国人データ)。

(注)本剤の承認された1日投与量は600~1,000mgである。 PEG-IFNα-2b製剤は承認整理済である。