HIV感染症
レトロビルカプセル100mg
ジドブジン別名:アジドチミジン,AZT®
【警告】
本剤の投与により骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)
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2.2本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.3イブプロフェン投与中の患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。
使用上の注意
- 8.1*本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
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本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
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本剤は相互作用が多く知られていることから、他院で処方された薬剤又は市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告すること。
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8.2本剤の投与により骨髄抑制があらわれるので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも2週間毎に血液学的検査を行い、その後は最低1ヵ月毎の検査を行うこと。
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8.3重篤な血液障害、うっ血性心不全、乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)、てんかん様発作、膵炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
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8.4本剤の投与により、脂肪組織萎縮症があらわれることがあるので、脂肪組織萎縮症の徴候を判定するための検査を行うなど、脂肪組織萎縮症の徴候に十分注意するとともに、身体状態の変化について定期的に問診すること。
-
8.5本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)
投与しないこと。好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。
-
9.1.2好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いもの)
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9.1.3好中球数750/mm3以上1000/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL以上9.5g/dL未満の患者
好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。
- 9.1.4ビタミンB12欠乏患者
貧血が発現するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
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9.2.1血液透析又は腹膜透析で病状を維持している重度の腎疾患患者
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9.2.2腎機能障害のある患者(血液透析又は腹膜透析で病状を維持している重度の腎疾患患者を除く)
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1肝機能障害のある患者
高い血中濃度が持続するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 本剤はヒト胎盤を通過する。出生児の血漿中ジドブジン濃度は、分娩時の母親の血漿中濃度と同じであることが報告されている5)(外国人データ)。 本剤が胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたという報告がある6)(外国人データ)。 ラットの受胎能及び一般生殖能試験(50、150、450mg/kg/日、1日2回投与)では、中及び高用量群に胎児吸収率の増加、高用量群に胎児平均体重の減少がみられた。 サルを用いた試験で、胎児にミトコンドリア障害(心筋及び骨格筋におけるミトコンドリアミオパシー)が認められたとの報告がある7)。 ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。 非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。 本剤を投与された妊婦より出生した児に貧血があらわれることがある。定期的に検査を行うなど児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。 経口投与されたジドブジン(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。 ジドブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.4~3.2であることが報告されている(外国人データ)。 乳児の血清中のジドブジン濃度は24ng/mLであったとの報告がある8)(外国人データ)。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝され腎臓から排泄されるが、肝機能又は腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| イブプロフェン (ブルフェン) |
血友病患者において出血傾向が増強することがある。 | 機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| ペンタミジンイセチオン酸塩、ピリメタミン(国内未発売)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩 | 本剤の毒性作用が増強されることがある。 | 機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。 |
| プロベネシド | 本剤の全身クリアランスが約1/3に減少し、半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。 | 本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。 |
| フルコナゾール、ホスフルコナゾール | 本剤の最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある9)。 | 本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。 |
| リトナビル | 本剤の最高血中濃度が27%減少し、AUCが25%減少するとの報告がある10)。 | 本剤のグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。 |
| リファンピシン | 本剤の全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある11)。 | 機序は不明である。 |
| フェニトイン | 血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある12)。 また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。 |
機序は不明である。 |
| サニルブジン | 細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、本剤とサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。 | 本剤が細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。 |
| リバビリン | In vitroにおいてリバビリンとの併用により本剤の効果が減弱するとの報告があるので、本剤とリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。 | 本剤の細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。 |
| アトバコン | 本剤のAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、本剤の血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。 | 本剤のグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT等の上昇) | 頻度不明 |
| インフルエンザ様疾患 | 頻度不明 |
| うつ状態 | 頻度不明 |
| じん麻疹 | 頻度不明 |
| ストレス反応 | 頻度不明 |
| そう痒感 | 頻度不明 |
| ミオパシー | 頻度不明 |
| リンパ節腫脹 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安感 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 体幹部の脂肪増加 | 頻度不明 |
| 体脂肪の再分布/蓄積(胸部 | 頻度不明 |
| 体臭変化 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感 | 頻度不明 |
| 健忘症 | 頻度不明 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 全身痛 | 頻度不明 |
| 副鼻腔炎 | 頻度不明 |
| 口内潰瘍 | 頻度不明 |
| 口唇浮腫 | 頻度不明 |
| 味覚倒錯 | 頻度不明 |
| 呼吸困難 | 頻度不明 |
| 咳 | 頻度不明 |
| 咽頭炎 | 頻度不明 |
| 嗄声 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 頻度不明 |
| 嘔気(12.10%) | 5%以上 |
| 噯気 | 頻度不明 |
| 嚥下困難 | 頻度不明 |
| 多尿 | 頻度不明 |
| 失神 | 頻度不明 |
| 女性化乳房 | 頻度不明 |
| 弱視 | 頻度不明 |
| 心筋症 | 頻度不明 |
| 悪寒 | 頻度不明 |
| 情緒不安 | 頻度不明 |
| 感冒症状 | 頻度不明 |
| 手足のしびれ感 | 頻度不明 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 排尿障害 | 頻度不明 |
| 攣縮 | 頻度不明 |
| 末梢部 | 頻度不明 |
| 歯肉出血 | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 無尿 | 頻度不明 |
| 爪・皮膚・口腔粘膜の色素沈着 | 頻度不明 |
| 疲労感 | 頻度不明 |
| 痛覚過敏 | 頻度不明 |
| 痤瘡 | 頻度不明 |
| 発汗 | 頻度不明 |
| 発熱 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 直腸出血 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 神経過敏症 | 頻度不明 |
| 空間の広がり感 | 頻度不明 |
| 筋痙攣 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 羞明 | 頻度不明 |
| 肝機能検査値異常(AST | 頻度不明 |
| 胃炎 | 頻度不明 |
| 背痛 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 腎不全 | 頻度不明 |
| 腹痛(6.37%) | 5%以上 |
| 舌浮腫 | 頻度不明 |
| 血清脂質増加 | 頻度不明 |
| 血管拡張 | 頻度不明 |
| 血糖増加) | 頻度不明 |
| 見当識障害 | 頻度不明 |
| 野牛肩 | 頻度不明 |
| 錯乱 | 頻度不明 |
| 錯感覚 | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 難聴 | 頻度不明 |
| 霧視 | 頻度不明 |
| 頭痛(5.73%) | 5%以上 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 顔面の脂肪減少 | 頻度不明 |
| 食欲不振(6.37%) | 5%以上 |
| 高乳酸塩血症 | 頻度不明 |
| 鼓腸 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
| 鼻炎 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ジドブジンはHIV感染細胞内でリン酸化され、活性型の三リン酸化体となる29)。ジドブジン三リン酸化体はデオキシチミジン三リン酸の代わりにウイルスDNA鎖に取り込まれて、DNA鎖伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害する29)。また、HIV逆転写酵素を競合的に阻害する29)。ジドブジン三リン酸化体のHIV逆転写酵素に対する親和性は、正常細胞のDNAポリメラーゼに比べて約100倍高く、選択性の高い抗ウイルス作用を示す(ヒトリンパ球系H9細胞増殖に対するin vitroでのIC50値は267μg/mL(1000μM))29)。
18.2 抗ウイルス作用
ジドブジンのHIVに対するin vitroにおけるIC50値は、CD4リンパ球系細胞を用いた系では0.13μg/mL(0.49μM)以下であった30)。 In vitroでジドブジンとアバカビル、ラミブジン、ジダノシン等の抗HIV薬あるいはインターフェロンαとの相加又は相乗作用が認められた。 マウスにマウスレトロウイルス(Rauscherマウス白血病ウイルス)を接種し、接種4時間目より、ジドブジンを1.0mg/mLの割合で飲用水に混入して投与することにより、平均脾臓重量、脾臓細胞感染率、及び血中ウイルス力価が対照群に比し著しく低下した。また感染後生存日数も延長した31)。
18.3 薬剤耐性
ジドブジンを含むチミジンアナログに対する耐性は、HIV逆転写酵素の41、67、70、210、215及び219番目のアミノ酸の変異によって生じ、これらのうち41番目と215番目の変異あるいは4個以上の変異によってウイルスは表現型として耐性を示す32),33)。なお、これらチミジンアナログの変異を有するウイルスは高度の交差耐性を示さない34)。 また、62、75、77、116及び151番目のアミノ酸の変異、並びに69番目のアミノ酸のスレオニンからセリンへの変異とそれに加えて同じ個所への6塩基対の挿入により、ウイルスはジドブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対し多剤耐性を示す35),36),37)。 なお、in vitroにおいて、ジドブジン耐性臨床分離株にラミブジン耐性変異を導入すると、ジドブジンに対する感受性は回復することが確認されている。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジンとラミブジンを併用することによりジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する38)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復経口投与
HIV感染症患者6例に対し、ジドブジン100mg1日4回注)とラミブジン150mg1日2回を25日間以上連続経口投与した時のジドブジン、ラミブジンの血漿中薬物濃度の推移を図-1に、薬物動態パラメータを表-1に示した。ジドブジンは投与後0.8時間で最高血漿中濃度(Cmax)が平均0.55±0.26μg/mLに達し、半減期は平均1.1時間であった17)。
図-1 血漿中薬物濃度の推移(平均値±標準偏差、6例)
| Cmax (μg/mL) |
Tmax (h) |
t1/2 (h) |
AUC0-6 (μg・h/mL) |
AUC0-12 (μg・h/mL) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| ジドブジン | 0.549±0.261 | 0.8±0.3 | 1.1±0.1 | 0.858±0.266 | ― |
| ラミブジン | 1.547±0.302 | 1.3±0.6 | 2.3±0.6 | 5.089±1.692 | 6.165±2.312 |
平均値±標準偏差、6例
成人HIV感染症患者にジドブジンを反復経口投与後のCmax及びAUCは、2mg/kgを8時間毎~10mg/kgを4時間毎注)の投与量範囲で投与量に比例して増加し、0.5~1.5時間で最高濃度に達し、半減期約1時間(0.78~1.93時間)で消失した(外国人データ)。 HIV陽性患者にジドブジン1回300mgを1日2回反復経口投与時の血漿中濃度は、投与1時間後に最高濃度2.59±0.52μmol/Lを示し、投与後12時間でほぼ消失した。同時に測定した細胞内三リン酸化体(AZTTP)は、投与後2~4時間で最高濃度を示し、投与後12時間では最高濃度のおよそ1/2の濃度であった18)(外国人データ)。
- 16.1.2単回静脈内投与
ジドブジンを静脈内投与注)した場合、投与量1~5mg/kgの範囲で線形の薬物動態を示し、半減期は平均1.1時間(0.48~2.86時間)であった。全身クリアランス(CL)は1900mL/min/70kg、みかけの分布容積(Vd)は1.6L/kgであった19)(外国人データ)。
- 16.1.3薬物動態パラメータ(単回経口投与および反復静脈内投与注))
参考までに、総説にまとめられた薬物動態パラメータを表-2に示す20)。
| CL(L/h/kg) | 1.3±0.3 |
|---|---|
| Vd/F(L/kg) | 3.0±0.6 |
| Vdss(L/kg) | 1.6±0.6 |
| t1/2z(h) | 1.1±0.2 |
| F(%) | 63±13 |
| Ka(h-1) | 6.3±2.7 |
| Cmaxa(μmol/L) | 2.0 |
| Cmina(μmol/L) | 0.2 |
平均値±標準偏差 Vd/F:見かけの分布容積 Vdss:定常状態での分布容積 t1/2z:終末相における消失半減期 F:生物学的利用率 a:100mg単回経口投与時
16.2 吸収
-
16.2.1食事の影響
-
(1)HIV感染症患者8例に対し高脂肪食(脂肪50%、蛋白質28%、炭水化物22%、総カロリー945kcal)摂取直後にジドブジン100mg又は250mg注)を経口投与した場合、空腹時に比べCmaxが50%低下し、最高血中濃度到達時間(Tmax)が約3倍有意に遅延した21)(外国人データ)。
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(2)HIV感染症患者11例に対し蛋白食(蛋白質25g)摂取直後にジドブジン200mgを経口投与した場合、Cmaxが68%に低下し、平均滞留時間(MRT)が1.2倍遅延したが、AUC、Tmax、終末相における半減期及び腎クリアランスに有意な変化は認められなかった22)(外国人データ)。
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16.2.2バイオアベイラビリティ
成人HIV感染症患者にジドブジン250~1250mg注)を4時間毎に経口投与した場合の生物学的利用率は平均65%(52~75%)であった19)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1髄液への移行
ヒトにジドブジンを投与したとき髄液中への移行が認められ、2mg/kg注)経口投与1.8時間後におけるジドブジンの髄液中/血漿中濃度比は0.15であり、2.5及び5.0mg/kg静脈内投与注)2~4時間後の髄液中/血漿中濃度比はそれぞれ0.20及び0.64であった19)(外国人データ)。
- 16.3.2血漿蛋白結合率
In vitroにおけるジドブジンの血漿蛋白結合率は34~38%であった19)。
- 16.3.3結合蛋白
In vitroにおけるジドブジンの結合蛋白はアルブミンと同定された23)。
16.4 代謝
ジドブジンは吸収後、主にUDP-glucuronosyl transferaseによってグルクロン酸抱合をうけ、主代謝物3'-azido-3'-deoxy-5'-O-β-D-glucopyranuronosylthymidine(GZDV)に速やかに代謝される。また、副代謝経路として3'-amino-3'-deoxy-thymidine(AMT)及びそのグルクロン酸抱合体(GAMT)に代謝される経路も存在する20)。 静脈内投与後のGZDVのAUCは未変化体のAUCの約3倍であり、AMTのAUCは未変化体のAUCの1/5であった。
16.5 排泄
HIV感染症患者にジドブジンを経口投与後の未変化体及びGZDVの尿中排泄率はそれぞれ14.3%及び75.2%であった。ジドブジンの腎クリアランスは400mL/min/70kgと算出され、糸球体濾過及び能動的尿細管分泌による排泄機構が示唆される19)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者
腎機能障害を有する成人HIV感染症患者(平均クレアチニンクリアランス(Ccr)18±2mL/min)に、ジドブジン200mgを単回経口投与した時、腎機能が正常な患者での半減期が1.0時間であったのに対し、腎機能障害患者では1.4時間であり、AUCは正常患者の約2倍であった。また、GZDVの半減期は正常患者で0.9時間であったのに対して8.0時間に延長し、AUCは17倍であった19)(外国人データ)。
- 16.6.2小児等
生後6ヵ月~12歳の小児HIV感染症患者に80~160mg/m2を6時間毎に静脈内投与注)した時、ジドブジンは二相性に消失し、終末相の平均半減期及び全身クリアランスは1.5時間及び30.9mL/min/kgであった。これらは該当する成人での成績とほぼ同じであった(1.1時間、27.1mL/min/kg)19)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1In vitro試験
アスピリン、インドメタシン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が本剤のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある24)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500~600mgを2~6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。」である。