アルコール依存症患者における断酒維持の補助
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2重度の腎機能障害のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。
使用上の注意
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8.1本剤は、アルコール依存症の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、投与すること。
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8.2本剤との因果関係は明らかではないが、自殺念慮、自殺企図等が報告されているので、本剤を投与する際には患者の状態を十分に観察するとともに、関連する症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
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8.3患者及びその家族等に自殺念慮、自殺企図等の行動の変化があらわれることのリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎機能障害のある患者
投与しないこと。排泄遅延により、高い血中濃度が持続するおそれがある。
- 9.2.2中等度の腎機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
- 9.2.3軽度の腎機能障害のある患者
排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度の肝機能障害のある患者
重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量を考慮するとともに、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血中濃度が上昇するおそれがある。
相互作用
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| γ-GTP増加 | 1%未満 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| リビドー減退・亢進 | 頻度不明 |
| 下痢(14.1%) | 5%以上 |
| 不安 | 1%未満 |
| 不感症 | 頻度不明 |
| 乾癬 | 1%未満 |
| 便秘 | 1%未満 |
| 傾眠 | 1〜5%未満 |
| 勃起不全 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 1%未満 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 悪心 | 1%未満 |
| 斑状丘疹状皮疹 | 頻度不明 |
| 末梢性浮腫 | 1%未満 |
| 浮腫 | 1%未満 |
| 湿疹 | 1%未満 |
| 精神運動亢進 | 1%未満 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 腹部膨満 | 1〜5%未満 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 過敏性腸症候群 | 1%未満 |
| 頭痛 | 1%未満 |
| 鼓腸 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
ラット大脳皮質初代培養神経細胞へのエタノールの持続曝露は、グルタミン酸刺激により誘発される細胞外への乳酸脱水素酵素の漏出を更に増大させ、アカンプロサートカルシウムはこの反応を抑制した12)。エタノール蒸気を吸入させたラットの依存モデルで、アカンプロサートカルシウムはエタノールからの離脱による側坐核及び海馬灌流液中のグルタミン酸量の増加を抑制した13),14)。 エタノール依存では中枢神経系の主要な興奮性神経であるグルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じると考えられている。アカンプロサートカルシウムの作用機序は明確でないものの、エタノール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神経伝達の均衡を回復し、エタノールの自発摂取抑制や報酬効果抑制につながると推察されている15),16),17)。
18.2 エタノールの精神依存モデルに対する作用
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18.2.1エタノール自発摂取モデルのラットにアカンプロサートカルシウムを腹腔内及び経口反復投与したところ、いずれもエタノールの自発摂取を抑制した18)。
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18.2.2条件付け場所嗜好性試験法を用いてマウスにエタノールへの条件付けを行った。アカンプロサートカルシウムの単回経口投与は、このモデルマウスのエタノールに対する報酬効果を抑制した19)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人男性(各10例)に本剤333~1998mgを絶食下注1)で単回経口投与した場合、血漿中未変化体濃度は4.4~6.8時間で最高に達し、14.9~20.4時間の半減期で消失した。血漿中濃度は用量増加とともに上昇し、AUC0-∞は用量にほぼ比例して増加した1)。
健康成人男性に本剤を経口投与した後の血漿中未変化体濃度推移(各点は10例の平均値)
| Dose (mg) |
例数 | Cmax (ng/mL) |
tmax (hr) |
t1/2,β (hr) |
AUC0-∞ (ng・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 333 | 10 | 123±45 | 4.40±0.70 | 16.9±5.9 | 1650±620 |
| 666 | 10 | 293±174 | 5.30±1.83 | 14.9±8.8 | 3760±1410 |
| 1332 | 10 | 290±120 | 6.80±3.43 | 20.4±15.1 | 8400±3890 |
| 1998 | 10 | 443±207 | 5.20±2.74 | 19.8±15.4 | 10700±5600 |
平均値±標準偏差
- 16.1.2反復投与
本剤を健康成人男性10例に食後反復経口投与(666mgを1日3回)した場合、反復投与2日目からほぼ一定の血漿中濃度を示し、速やかに定常状態に達すると推察された2)。
16.2 吸収
- 16.2.1食事の影響
本剤666mgを健康成人男性9例に絶食下又は食後投与で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。絶食下では食後投与と比較して、Cmaxで約3倍、AUC0-∞で約2倍上昇した1)。
16.3 分布
アカンプロサートカルシウムを健康成人男性に静脈内投与注1)した後の分布容積は72~109L(ほぼ1L/kg)であると推定される3),4)(外国人データ)。また、ヒト血漿蛋白に対する未変化体(0.1~10μg/mL)の結合率は限外ろ過法で1%以下であった5)。
16.4 代謝
アカンプロサートカルシウムは、生体内で代謝を受けず未変化体として排泄される6)。ヒト肝ミクロソームを用いたin vitroのチトクロームP-450(CYP)阻害試験で、アカンプロサートカルシウムはCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用を示さず、初代培養ヒト肝細胞において、CYP1A2及び3A4の酵素誘導をしなかった7)。
16.5 排泄
アカンプロサートカルシウムの主要排泄経路は腎排泄である。日本の健康成人男性(各10例)に本剤(333~1998mg)を絶食下注1)で単回経口投与した場合、投与後96時間までの尿中に投与量の約4.99~7.49%が未変化体として排泄された1)。外国の健康成人男性12例にアカンプロサートカルシウム333mgを静脈内投与した場合、投与後72時間までに投与量の96~113%が尿中に未変化体として排泄された3)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害患者
本剤666mgを中等度(クレアチニンクリアランス30~60mL/min)及び重度(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)の腎機能障害患者と健康成人(各6例)に絶食下注1)で単回経口投与し、薬物動態パラメータを比較した。中等度及び重度の腎機能障害患者のCmaxは健康成人のそれぞれ約2及び4倍であり、消失半減期は約1.8及び2.6倍に延長した8)(外国人データ)。
- 16.6.2肝機能障害患者
軽度から中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類:A群、B群)と健康成人(各6例)に本剤を絶食下注1)で反復経口投与(666mgを1日3回)し、薬物動態パラメータを比較した。肝機能障害患者と健康成人の薬物動態に差は認められなかった9)(外国人データ)。
- 16.6.3高齢者
本剤666mgを健康高齢男性(67~80歳)10例に食後単回経口投与した。健康非高齢男性(22~29歳)10例の薬物動態パラメータと比較した場合、健康高齢者の血漿中濃度は高く推移し、Cmax及びAUC0-∞はそれぞれ約2及び2.3倍に増加した10)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして666mgを1日3回食後に経口投与する。」である。