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ルピアール坐剤25

フェノバルビタールナトリウム坐剤

添付文書改訂 2024年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者

  2. 2.2急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]

  3. *2.3ボリコナゾール、イサブコナゾニウム硫酸塩、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、ドラビリン、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、リルピビリン、ミフェプリストン・ミソプロストール、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビルを投与中の患者

  4. 2.4妊婦又は妊娠している可能性のある女性

効能・効果

  • 小児に対して経口投与が困難な場合の次の目的に用いる。

  • 催眠

  • 不安・緊張状態の鎮静

  • 熱性けいれんおよびてんかんのけいれん発作の改善

用法・用量

フェノバルビタールナトリウムとして通常小児では1日4~7mg/kgを標準として直腸内に挿入する。 なお、症状・目的に応じ適宜増減する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。

  2. 8.2連用により薬物依存を生じることがあるので、てんかんの治療に用いる場合以外は、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

  3. 8.3眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者の行動には十分注意すること。

  • 〈熱性けいれんおよびてんかんのけいれん発作〉
  1. 8.4連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1虚弱者

呼吸抑制を起こすことがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

  1. 9.1.2呼吸機能の低下している患者

呼吸抑制を起こすことがある。

  1. 9.1.3頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者

本剤の作用が強くあらわれることがある。

  1. 9.1.4心障害のある患者

血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。

  1. 9.1.5アルコール中毒のある患者

中枢抑制作用が増強される。

  1. 9.1.6薬物依存の傾向又は既往歴のある患者

精神依存及び身体依存を示すことがある。

  1. 9.1.7重篤な神経症の患者

依存を示すおそれがある。

  1. 9.1.8甲状腺機能低下症の患者

甲状腺機能の異常をきたすおそれがある1) 。

9.2 腎機能障害患者

症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠中に本剤を単独、又は併用投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 9.5.2妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。

  3. 9.5.3分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振せん、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

  4. 9.5.4妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある2) 。

注)本剤は小児用の製剤である。

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。

注)本剤は小児用の製剤である。

9.7 小児等

  1. 9.7.1新生児、低出生体重児

生後5日までの新生児では、直腸よりの吸収が極めて微量のことがある。しかし、吸収されたときは半減期が極めて長い。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。

  2. 9.8.2連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

注)本剤は小児用の製剤である。

相互作用

  • 薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• ボリコナゾール• (ブイフェンド)
• イサブコナゾニウム硫酸塩• (クレセンバ)
• タダラフィル• (肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)
• マシテンタン• (オプスミット)
• チカグレロル• (ブリリンタ)
• ドラビリン• (ピフェルトロ)
• アルテメテル・ルメファントリン• (リアメット配合錠)
• ダルナビル・コビシスタット• (プレジコビックス配合錠)
• リルピビリン• (エジュラント)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• ミフェプリストン・ミソプロストール• (メフィーゴ) ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• ニルマトレルビル・リトナビル• (パキロビッド) ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下し、作用の減弱や耐性出現のおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
• リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン• (オデフシィ配合錠) リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (ビクタルビ配合錠) ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するため、この薬剤の効果が減弱し、この薬剤に対する耐性が発現する可能性がある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (シムツーザ配合錠) ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド• (ゲンボイヤ配合錠) エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ソホスブビル・ベルパタスビル• (エプクルーサ配合錠) ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• ドルテグラビル・リルピビリン• (ジャルカ配合錠) ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
• カボテグラビル• (ボカブリア) カボテグラビルの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 本剤のUGT1A1誘導作用による。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• 中枢神経抑制剤• フェノチアジン誘導体
• バルビツール酸誘導体
• トランキライザー
• トピラマート等
• 抗ヒスタミン剤• ジフェンヒドラミン等
• アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 相加的中枢神経抑制作用による。
• MAO阻害剤 相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 機序不明。
• 三環系抗うつ剤• イミプラミン等
• 四環系抗うつ剤• マプロチリン等
(1)相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
(2)これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがある。注1)
(1)相加的中枢神経抑制作用による。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• メチルフェニデート 本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 メチルフェニデートが肝代謝を抑制すると考えられている。
• バルプロ酸 (1)本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。
(2)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある。注1)
(3)バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(3)機序不明。
• スチリペントール (1)本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある。
(2)スチリペントールの血中濃度が低下することがある。注1)
(1)スチリペントールが肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• クロバザム (1)本剤の血中濃度が上昇することがある。
(2)クロバザムの血中濃度が低下することがある。注1)
(1)機序不明。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• イリノテカン イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• 主に、CYP3Aの基質となる薬剤• アゼルニジピン
• イグラチモド
• イマチニブ
• カルバマゼピン
• シクロスポリン
• ゾニサミド
• タクロリムス
• フェロジピン
• ベラパミル
• モンテルカスト等
• 副腎皮質ホルモン剤• デキサメタゾン等
• 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤• ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
• PDE5阻害剤• タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)
• シルデナフィル
• バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。注1) 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• アミノフィリン水和物
• クロラムフェニコール
• テオフィリン
• パロキセチン
• フレカイニド
• メトロニダゾール
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。注1) 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• ラモトリギン
• デフェラシロクス
• カナグリフロジン
• ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注1) 本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
• ルフィナミド これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注1) 機序不明。
• アピキサバン これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注1) 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
• レジパスビル・ソホスブビル
• グレカプレビル・ピブレンタスビル
• テノホビル アラフェナミド
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。注1) 本剤のP糖蛋白誘導作用による。
• ドルテグラビル
• ドルテグラビル・ラミブジン
• ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
• レナカパビルナトリウム レナカパビルの血漿中濃度が低下する可能性があり、レナカパビルの効果が減弱し、レナカパビルに対する耐性が発現する可能性がある。本剤との併用は推奨されない。 本剤の中程度の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用、P糖蛋白誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
• ドキシサイクリン ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• クマリン系抗凝血剤• ワルファリン クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の量を調整すること。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
• アルベンダゾール アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 機序不明。
• 利尿剤
• チアジド系降圧利尿剤等
起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。 機序は不明であるが、高用量のフェノバルビタールは血圧を低下させることがある。
• アセタゾラミド くる病、骨軟化症があらわれやすい。 本剤によるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
• アセトアミノフェン 本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
• セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
• リオチロニンナトリウム
• レボチロキシンナトリウム水和物
これらの薬剤の血中濃度を低下させることがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤を増量するなど慎重に投与すること。 本剤は甲状腺ホルモンの異化を促進すると考えられている。

注1)本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害 頻度不明
アステリキシス(asterixis) 頻度不明
くる病注3) 頻度不明
せん妄 頻度不明
ふらつき 頻度不明
ヘマトポルフィリン尿注2) 頻度不明
下痢 頻度不明
中毒疹様発疹 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
多動 頻度不明
巨赤芽球性貧血 頻度不明
昏迷 頻度不明
構音障害 頻度不明
歯牙の形成不全注3) 頻度不明
猩紅熱様発疹 1%未満
甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常 頻度不明
発熱 頻度不明
眠気 1%未満
眩暈 頻度不明
知覚異常 頻度不明
精神機能低下 頻度不明
脱力感 1%未満
興奮 頻度不明
蛋白尿等の腎障害 頻度不明
血小板減少 頻度不明
血清葉酸値の低下 頻度不明
運動失調 頻度不明
鈍重 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 1%未満
骨軟化症注3) 頻度不明
麻疹様発疹 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

GABAA受容体のサブユニットに存在するバルビツール酸誘導体結合部位に結合することにより、抑制性伝達物質GABAの受容体親和性を高め、Cl-チャネル開口作用を増強して神経機能抑制作用を促進する10) 。

18.2 鎮静、催眠作用

マウス又はラットを用い、フェノバルビタールナトリウム350mg/kgを直腸投与し、一般症状を観察したところ、10数分以内に運動量の減少、眼瞼下垂、歩行失調および正向反射の消失がみられ、これら中枢抑制症状の発現は経口投与の場合より速やかであった11) 。

18.3 抗けいれん作用

マウス又はラットにフェノバルビタールナトリウムを直腸内前投与することにより、各種の実験的けいれん発現(電気ショック、ペンテトラゾール、ストリキニーネ)に対する抑制効果が認められ、この抗けいれん効果は経口投与の場合よりまさっていた11) 。フェノバルビタールナトリウムは、バルビツール酸誘導体の長時間作用型催眠・抗てんかん薬で、ことに抗けいれん作用はバルビツール酸誘導体中、とくに強力である。

薬物動態

16.4 代謝

フェノバルビタールは肝ミクロゾーム酵素により不活性化される。主な代謝産物はparahydroxyphenyl誘導体であり不活性物質である7) 。

16.5 排泄

フェノバルビタールの10~25%はpHに左右されるが腎臓からの排泄によって体外へ出される7) 。