Clinical snapshot

ルテスデポー注

ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル・エストラジオール安息香酸エステル

添付文書改訂 2022年02月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]

  2. 2.2血栓性静脈炎、肺塞栓症又はその既往歴のある患者[血栓形成傾向が増強するおそれがある。]

  3. 2.3重篤な肝障害・肝疾患のある患者

  4. 2.4*妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  5. 2.5妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[妊娠ヘルペスが再発するおそれがある。]

効能・効果

  • 機能性子宮出血

用法・用量

通常、1回1mLを筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。

使用上の注意

定期的に婦人科的検査(乳房を含めて)等を実施すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1子宮筋腫のある患者

子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。

  1. 9.1.2乳癌の既往歴のある患者

乳癌が再発するおそれがある。

  1. 9.1.3乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者

症状が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.4心疾患又はその既往歴のある患者

ナトリウムや体液の貯留により症状が増悪するおそれがある。

  1. 9.1.5てんかん患者

体液貯留を起こし、てんかんが増悪するおそれがある。

  1. 9.1.6糖尿病患者

十分管理を行いながら投与すること。糖尿病が増悪することがある。

  1. 9.1.7骨成長が終了していない可能性がある患者

骨端の早期閉鎖をきたすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1腎疾患又はその既往歴のある患者

ナトリウムや体液の貯留により症状が増悪するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1重篤な肝障害・肝疾患のある患者

投与しないこと。症状が増悪することがある。

9.4 生殖能を有する者

*本剤の投与に際しては問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断などにより、妊娠していないことを十分に確認すること。

9.5 妊婦

  1. 9.5.1*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。

  2. 9.5.2*黄体・卵胞ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体ホルモン剤又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている1)。

  3. 9.5.3*卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後、腟上皮及び子宮内膜の癌性変性を示唆する結果が報告されている2),3)。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後、腟上皮の癌性変性を認めたとの報告がある4)。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• リファンピシン リファンピシンの長期投与により、黄体・卵胞ホルモン剤(経口剤)の作用が減弱するとの報告がある。 リファンピシンが薬物代謝酵素を誘導するためと考えられる。
• 血糖降下剤• グリベンクラミド
• グリクラジド
• アセトヘキサミド 等
血糖降下作用が減弱することがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意すること。 卵胞ホルモン(主に結合型エストロゲン、合成エストロゲン)は耐糖能を変化させ血糖を上昇させる作用が認められている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
AST・ALTの上昇等 頻度不明
ざ瘡 頻度不明
ナトリウムや体液の貯留による浮腫 頻度不明
下痢等 頻度不明
乳房痛 頻度不明
乳房緊満感等 頻度不明
体重増加等 頻度不明
倦怠感等 頻度不明
悪心・嘔吐 頻度不明
熱感 頻度不明
疼痛 頻度不明
発疹等 頻度不明
発赤 頻度不明
眠気 頻度不明
硬結等 頻度不明
腰痛 頻度不明
色素沈着等 頻度不明
血圧上昇等 頻度不明
頭痛 頻度不明
黄疸 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

エストロゲンを添加することによりプロゲステロンの作用が増強され、下垂体性性腺刺激ホルモン抑制作用を有する6)。

18.2 エストロゲンとプロゲステロンの協調作用

エストロゲンとプロゲステロンの相互作用は末梢の性器のみならず、視床下部-下垂体系においても認められ、種々の要因により協調的あるいは拮抗的に作用する。 プロゲステロンの生物学的作用はエストロゲンの存在のもとに発現する場合が多く、ヒトの子宮内膜について検討した報告ではエストラジオール安息香酸エステルとプロゲステロンの比が1:10~1:20の時に最も相乗作用が強かったと報告されている7)。

18.3 子宮内膜に対する作用

一般にエストロゲンは嚢胞様増殖のようなエストロゲン過剰性のものに奏効すると言われているが、エストロゲン単独療法のみでは止血後にestrogen withdrawal bleedingが発来し、機能性出血を上回ることすらある。一方、プロゲステロンも子宮出血に対して古くから使用され、不完全な分泌期内膜の症例に有効と言われている。 従って、種々要因による機能性子宮出血に対しては、それぞれ単独で用いるよりも両者を併用するほうが合理的であり、また、それによりestrogen withdrawal bleedingも防ぐことができる8)。