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リブテンシティ錠200mg

マリバビル錠

添付文書改訂 2025年09月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2ガンシクロビル又はバルガンシクロビルを投与中の患者

  3. 2.3リファンピシン又はセイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を投与中の患者

効能・効果

臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症

用法・用量

通常、成人にはマリバビルとして1回400mgを1日2回経口投与する。

使用上の注意

本剤による治療中及び治療後に薬剤耐性によるウイルス学的失敗が認められる可能性があるため、サイトメガロウイルスDNA量又はサイトメガロウイルス抗原陽性細胞数等をモニタリングすること。治療に反応しない場合は本剤に対する耐性発現の可能性を考慮し、投与継続の可否を検討すること。本剤に対する耐性を示すウイルス由来のプロテインキナーゼ(UL97)変異がガンシクロビル及びバルガンシクロビルに対する交差耐性をもたらす可能性がある。

9.3 肝機能障害患者

重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない。本剤は主に肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害患者では本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットを用いた受胎能及び胚・胎児発生試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満の曝露量で、生存胎児数の減少、早期吸収胚数の増加及び着床後胚死亡の増加が認められている2)。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。マリバビル又はその代謝物のヒトでの乳汁移行性は不明である。ラットを用いた出生前及び出生後の発生毒性試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満と推定される曝露量で、母動物の一般毒性発現に伴う出生児の生存率の低下及び身体的発達遅延を伴う体重増加抑制が認められている2)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。

相互作用

  • 本剤は、主に薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤はCYP3A4、P-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害作用を有する。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ガンシクロビル(デノシン)
バルガンシクロビル(バリキサ)
併用により、これらの薬剤の抗ウイルス作用が阻害されるおそれがある。 本剤は、これらの薬剤の活性化又はリン酸化に必要なウイルス由来のUL97を阻害する。
リファンピシン(リファジン)
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤とリファンピシンを併用投与したとき、本剤の単独投与時と比較して、本剤のAUCは40%、Cmaxは61%に減少した。
これらの薬剤又は食品との併用により、本剤の血漿中濃度が大きく減少し、本剤の有効性が減弱するおそれがある。
これらの薬剤又は食品は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
タクロリムス
シクロスポリン
エベロリムス
シロリムス
本剤とタクロリムスを併用投与したとき、タクロリムスの単独投与時と比較して、タクロリムスのAUCは151%、Cmaxは138%に増加した。
これらの薬剤との併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が増加するおそれがあるため、これらの薬剤の血漿中濃度を頻回に(特に本剤投与開始後及び本剤投与中止後に)モニタリングし、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること。
本剤は、これらの薬剤の代謝及び排泄に必要なCYP3A4及びP-gpを阻害する。
強い又は中程度のCYP3A4誘導剤
• フェニトイン
フェノバルビタール
カルバマゼピン
エファビレンツ
リファブチン等
これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が減少し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、併用は避け、代替薬への変更を考慮すること。併用が避けられない場合は、本剤の増量を考慮すること。 これらの薬剤は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する。
ロスバスタチン 併用により、ロスバスタチンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ロスバスタチン関連事象(特にミオパチー及び横紋筋融解症)の発現を注意深く観察すること。 本剤は、ロスバスタチンの排泄に必要なBCRPを阻害する。
ジゴキシン 本剤とジゴキシンを併用投与したとき、ジゴキシンの単独投与時と比較して、ジゴキシンのAUCは121%、Cmaxは125%に増加した。
併用により、ジゴキシンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ジゴキシンの血漿中濃度をモニタリングし、必要に応じてジゴキシンの用量を減量すること。
本剤は、ジゴキシンの排泄に必要なP-gpを阻害する。
サラゾスルファピリジン 併用により、サラゾスルファピリジンの血漿中濃度が増加するおそれがある。 本剤は、サラゾスルファピリジンの排泄に必要なBCRPを阻害する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
上腹部痛 頻度不明
下痢 頻度不明
体重増加 頻度不明
免疫抑制剤濃度増加 頻度不明
味覚障害 頻度不明
嘔吐 頻度不明
悪心 頻度不明
疲労 頻度不明
頭痛 頻度不明
食欲不振 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

マリバビルはCMVの増殖に必須であるウイルス由来のUL97遺伝子によりコードされるプロテインキナーゼを阻害することでウイルス増殖を阻害する19)。

18.2 抗ウイルス作用

  • マリバビルは細胞傷害性を示さない濃度ではCMVの増殖を選択的に阻害し、EC50は0.03~2.2μMの範囲であった(in vitro)19)。 マリバビルの抗ウイルス活性は、10種類のCMVの臨床分離株に対しても評価されており、DNAハイブリダイゼーション法を用いて測定したEC50(中央値)は0.1μM(範囲:0.03~0.13μM)であった。4つのヒトCMV糖蛋白質B遺伝子型(gB1、gB2、gB3及びgB4)の臨床分離株の間で、EC50に大きな差は認められなかった(in vitro)19)。
  1. 18.2.1併用時の抗ウイルス活性

マリバビルと他の抗ウイルス薬との併用を検討した結果、マリバビルはガンシクロビルとの併用時に拮抗作用が認められた。ホスカルネット、レテルモビル及びcidofovirとの併用では拮抗作用は認められなかった(in vitro)19)。

  1. 18.2.2耐性ウイルス

既存の抗サイトメガロウイルス薬の標的であるUL54変異はガンシクロビル/バルガンシクロビル、ホスカルネット及びcidofovirに対する耐性を付与する可能性があるが、マリバビルはUL54遺伝子にコードされるウイルスポリメラーゼ活性に影響を及ぼさなかった。 UL97変異(L337M、F342Y、V353A、L397R、T409M、H411L/N/Y及びC480F)により、EC50値が約3~200倍超に上昇し、マリバビルに対する耐性を付与した。 UL27変異(R233S、W362R、W153R、L193F、A269T、V353E、L426F、E22stop、W362stop、218delC、301-311del)により、軽度のマリバビルに対する耐性を付与した(EC50値の5倍未満)(in vitro)19)。 海外第Ⅲ相試験においては、マリバビルに対する耐性を付与するUL97遺伝子変異が234例中60例(25.6%)に認められた。そのうち18例では試験期間を通してCMV血症消失が認められず、試験期間中にCMV血症消失が認められた42例中39例ではCMV血症が再発した20)。

  1. 18.2.3交差耐性

マリバビル及びガンシクロビルのEC50は、F342Yによりそれぞれ4.5及び6.0倍増加し、C480Fによりそれぞれ224倍及び2.3倍増加した(in vitro)20)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

健康成人(12例)にマリバビルとして400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。

血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

投与量 Cmax
(μg/mL)
AUClast
(h*μg/mL)
Tmax
(h)
t1/2z
(h)
400mg 17.4
(27.4)
92.3
(35.3)
1.25
[0.500, 4.00]
5.48
(32.91)

Cmax、AUClastは幾何平均値(幾何%CV)、Tmaxは中央値[最小値, 最大値]、t1/2zは平均値(%CV)

  1. 16.1.2反復投与

日本人の造血幹細胞移植又は固形臓器移植患者[サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症]にマリバビルとして400mgを1日2回反復経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータを母集団薬物動態モデルを用いて推定した4)。

投与量 Cmax,ss
(μg/mL)
Ctrough,ss
(μg/mL)
AUCτ,ss
(h*μg/mL)
t1/2
(h)
400mg
BID
29.1
(40.6)
9.89
(97.8)
221
(57.1)
8.72
(55.4)

BID:1日2回投与 日本人患者41例(国内第Ⅲ相試験)に基づく推定値、Cmax,ss、Ctrough,ss、AUCτ,ss、t1/2は幾何平均値(幾何%CV)

16.2 吸収

  1. 16.2.1食事の影響

健康成人(30例)にマリバビル400mgを単回経口投与したとき、高脂肪食後投与の空腹時投与に対するCmax、AUC∞及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.716、0.878及び0.874であった。また、低脂肪/低カロリー食後投与の空腹時投与に対するCmax、AUC∞及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.766、0.847及び0.841であった5)(外国人データ)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

健康成人(12例)にマリバビル400mg単回経口投与したときのノンコンパートメント解析に基づく見かけの分布容積は33.3L(平均値)であった6)。

  1. 16.3.2蛋白結合率

マリバビルのヒト血漿蛋白質への結合率(平均値)は0.05~200μg/mLの濃度範囲で98.0%であった(in vitro)6)。 マリバビルのヒト血漿蛋白結合率はex vivoにおいて、98.4%~98.9%であった6)。

16.4 代謝

  1. 16.4.1薬物代謝

マリバビルは主にCYP3A4を介した肝代謝により消失し、副次的にCYP1A2が寄与する。主要代謝物はイソプロピル部分のN-脱アルキル化により生成され、薬理学的には活性がないと考えられる。ヒトにおけるマリバビルのグルクロン酸抱合には、複数のUGT(UGT1A1、UGT1A3、UGT2B7、及びUGT1A9)が関与すると考えられる。また、マリバビルの消失全体に対するグルクロン酸抱合の寄与は小さいと考えられる(in vitro)6)。

16.5 排泄

健康成人(12例)にマリバビル400mgを単回経口投与したとき、クリアランスは4.39L/hであった3)。 健康成人(6例)に14C標識したマリバビルを単回経口投与したとき、試験期間中に回収された総放射能約75%のうち、尿中は61%、糞便中は14%であった。尿中放射能のうち未変化体の占める割合は1.8%であった7)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎機能障害患者

マリバビル400mgを単回投与したとき、腎機能正常者(12例)、軽度/中等度腎機能障害者(軽度:クレアチニンクリアランス50mL/min以上80mL/min以下/中等度:クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min未満)(10例)及び高度腎機能障害者(高度:クレアチニンクリアランス30mL/min未満)(8例)において、薬物動態パラメータの比較では、軽度/中等度腎機能障害者の腎機能正常群に対するAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.084、及び0.959であった。また、高度腎機能障害者の腎機能正常群に対するAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.961及び0.930であった8)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝機能障害患者

マリバビル200mgを単回投与したとき、中等度肝機能障害者〔Child-Pugh分類B(スコア7~9)〕(10例)の正常肝機能者(10例)に対する総血漿中濃度に基づくマリバビルのAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.261及び1.346であった8)(外国人データ)。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1In vitro試験

  2. (1)トランスポーター

マリバビルはP-gp及びBCRPの基質であり、P-gp(IC50=33.8μM)、BCRP(IC50=7.05μM)及びMATE1(IC50=20.4μM)に対して阻害作用を示した9)。

  1. (2)CYP及びUGT阻害作用

マリバビルは、CYP1A2(IC50=40μM)、CYP2C9(IC50=18μM)、CYP2C19(IC50=35μM)及びUGT1A1(IC50=32.3μM)の阻害作用を示し、CYP3A4に対して時間依存的阻害作用を示した。代謝物VP44469はCYP3A4に対して阻害作用を示した(IC50=30μM)9)。

  1. (3)CYP誘導作用

マリバビルはCYP1A2及びCYP3A4に対して誘導作用を示した9)。

  1. 16.7.2臨床薬物相互作用試験

臨床薬物相互作用試験により、併用薬投与時のマリバビルの薬物動態に及ぼす影響及びマリバビル投与による併用薬の薬物動態に及ぼす影響を示した(外国人データ)。

併用薬 併用薬
投与方法
マリバビル
投与方法注1)
例数 マリバビルの薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均値の比
(併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUC Cmax
抗真菌薬(CYP3A4/5/P-gp阻害剤)10)
ケトコナゾール 400mg SD 400mg SD 19 1.533
(1.444, 1.628)
1.097
(1.013, 1.188)
抗酸菌症薬(CYP誘導剤)11)
リファンピシン 600mg QD 400mg BID 14 0.398
(0.361, 0.440)
0.612
(0.523, 0.717)
制酸剤12)
水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム 20mL SD 100mg SD 15 0.891
(0.828, 0.958)
0.837
(0.747, 0.939)

SD:単回投与、QD:1日1回投与、BID:1日2回投与 AUC:ケトコナゾール、水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウムはAUC∞、リファンピシンはAUClast 注1)マリバビルの用法及び用量は、1回400mgを1日2回経口投与である。

併用薬 併用薬
投与方法
例数 併用薬の薬物動態パラメータの
最小二乗幾何平均値の比
(マリバビル併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUC Cmax
抗真菌薬(CYP2C19基質)13)
ボリコナゾール 200mg BID 19 ボリコナゾール
0.93
(0.83, 1.05)
ボリコナゾール-
N-オキシド
1.04
(0.99, 1.10)
ボリコナゾール
1.00
(0.87, 1.15)
ボリコナゾール-N-オキシド
1.01
(0.93, 1.08)
感冒薬(CYP2D6基質)14)
デキストロメトルファン注2,3) 30mg SD 18 デキストロルファン
0.97
(0.95, 1.00)
デキストロメトルファン
0.88
(0.70, 1.12)
デキストロルファン
0.94
(0.88, 1.01)
デキストロメトルファン
0.94
(0.78, 1.14)
ジギタリス配糖体製剤(P-gp基質)14)
ジゴキシン注3) 0.5mg SD 18 1.21
(1.10, 1.32)
1.25
(1.13, 1.38)
免疫抑制薬(CYP3A4/P-gp基質)15)
タクロリムス 安定用量 20 1.51
(1.39, 1.65)
1.38
(1.20, 1.57)

SD:単回投与、BID:1日2回投与 AUC:ボリコナゾール、ボリコナゾール-N-オキシド、デキストロルファン及びデキストロメトルファンはAUClast、ジゴキシンはAUC∞、タクロリムスはAUCτ。 注2)CYP2D6活性に対する評価は、代謝物デキストロルファンの薬物動態パラメータに基づいて行った。 注3)ジゴキシン及びデキストロメトルファンは同時投与した。

併用薬 併用薬
投与方法
例数 薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均値の比(マリバビル併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
CYP2C9基質16)
ワルファリン注4) 10mg SD 16 S-ワルファリン
AUC∞比1.01 (0.95, 1.07)
Cmax比1.04 (0.96, 1.12)
CYP3A4基質16)
ミダゾラム注4) 0.075mg/kg SD 16 ミダゾラム
AUC∞比0.89 (0.79, 1.00)
Cmax比0.82 (0.70, 0.96)
1-ヒドロキシミダゾラム
AUC∞比1.06 (0.91, 1.21)
Cmax比0.98 (0.71, 1.26)
CYP1A2基質16)
カフェイン注4) 2mg/kg SD 15 尿中カフェイン代謝物注5)
(投与後12時間までの尿中濃度の比)
0.86 (0.80, 0.92)

SD:単回投与 注4)ミダゾラムはマリバビル投与後1時間までに投与した。カフェイン及びワルファリンはオメプラゾール40mg及びデキストロメトルファン30mgとともにミダゾラム投与後3時間までに同時投与した。 注5)カフェイン代謝物の尿中濃度比の算出式:(1-メチルキサンチン+1-メチル尿酸+5-アセチルアミノ-6-ホルミルアミノ-3-メチルウラシル)/1,7-ジメチル尿酸