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リバーロキサバン錠10mg「サワイ」

リバーロキサバン

添付文書改訂 2025年12月01日

【警告】

  • 〈効能共通〉
  1. 1.1本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
  1. **1.2成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与時においては、特に出血の危険性が高まる可能性を考慮するとともに、患者の出血リスクに十分配慮し、特に、腎障害、高齢又は低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがあること、また、抗血小板剤を併用する患者では出血傾向が増大するおそれがあることから、これらの患者については治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ本剤を投与すること。

  2. **1.3脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。硬膜外カテーテル留置中、若しくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
  1. 2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

  2. 2.2出血している患者(頭蓋内出血、消化管出血等の臨床的に重大な出血)[出血を助長するおそれがある。]

  3. 2.3凝固障害を伴う肝疾患の患者

  4. 2.4中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者

  5. 2.5妊婦又は妊娠している可能性のある女性

  6. 2.6*リトナビルを含有する製剤、ダルナビル、ホスアンプレナビルを投与中の患者

  7. 2.7コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者

  8. 2.8イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾールの経口又は注射剤を投与中の患者

  9. 2.9エンシトレルビルを投与中の患者

  10. 2.10*ロナファルニブを投与中の患者

  11. 2.11急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある。]

  • 〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
  1. 2.12腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者
  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
  1. **2.13重度の腎障害(成人ではクレアチニンクリアランス30mL/min未満、小児ではeGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者

効能・効果

  • 成人

  • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

  • **静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制

  • 小児

  • **静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制

用法・用量

  • 〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉

通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。

  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉

  • 成人

  • **通常、成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。

  • 小児

  • **通常、体重30kg以上の小児にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。

使用上の注意

  • 〈効能共通〉
  1. 8.1プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)は本剤の抗凝固作用について標準化された指標でなく、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等の凝固能検査は、本剤の抗凝固作用をモニタリングする指標として推奨されない。

  2. 8.2出血等の副作用が生じることがあるので、必要に応じて血算(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

  3. 8.3患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合には、医師に連絡するよう指導すること。

  4. 8.4抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。

  5. 8.5本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価すること。本剤の投与は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。

  6. **8.6本剤と他の抗凝固剤との切り替えにおいては、以下の点に留意すること。

  • ワルファリンから本剤に切り替える必要がある場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始すること。

  • 注射剤の抗凝固剤(ヘパリン等)から本剤に切り替える場合、次回の静脈内又は皮下投与が予定された時間の0~2時間前又は持続静注中止後より、本剤の投与を開始すること。

  • 本剤からワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INR等、血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは、ワルファリンと本剤を併用すること。(小児の静脈血栓塞栓症を対象とした国際共同第Ⅲ相試験では、ワルファリンを2日間併用した後にPT-INRを測定し、2.0以上であることを確認できた場合に本剤を中止した。)なお、本剤の投与終了後24時間経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない。

  • 本剤から注射剤の抗凝固剤に切り替える場合、本剤の投与を中止し、次回の本剤投与が予定された時間に抗凝固剤の静脈内投与又は皮下投与を開始すること。

  1. 8.7間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、血痰、呼吸困難、発熱等の症状があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡するよう患者に指導すること。

  2. 8.8服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し、翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること。服用を忘れた場合でも、一度に2回分を服用せず、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者に指導すること。

  3. 8.9本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。

  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
  1. **8.10本剤の投与期間については、症例ごとの静脈血栓塞栓症(成人では、深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の再発リスク並びに出血リスクを考慮して決定し、漫然と継続投与しないこと。

  2. **8.11特に成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。

  3. **8.12成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は、ワルファリンから本剤への切り替えを控えること。初期3週間治療後は、ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作用が不十分となる可能性を考慮した上で切り替えの適否を慎重に判断すること。

  4. **8.13成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の本剤15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は、直ちに服用し、同日の1日用量が30mgとなるよう、患者に指導すること。この場合、一度に2回分を服用させてもよい。翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者に指導すること。

  5. **8.14小児に本剤を使用する場合、小児の抗凝固薬療法に精通した医師あるいはその指導のもとで治療を行うこと。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1出血リスクが高い患者

以下のような患者では、出血の危険性が増大する。

  • 止血障害のある患者(血小板減少症等)

  • 凝固障害のある患者

  • 先天性又は後天性の出血性疾患のある患者

  • コントロールできない重症の高血圧症の患者

  • 血管性網膜症の患者

  • 活動性悪性腫瘍の患者

  • 活動性の潰瘍性消化管障害の患者

  • 消化管潰瘍発症後日の浅い患者

  • 頭蓋内出血発症後日の浅い患者

  • 脊髄内又は脳内に血管異常のある患者

  • 脳脊髄や眼の手術後日の浅い患者

  • 気管支拡張症又は肺出血の既往のある患者

  1. 9.1.2低体重の患者

出血の危険性が増大することがある。

  1. 9.1.3潰瘍性消化管障害のおそれのある患者

潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. **9.2.1腎不全の患者投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15mL/min未満の患者は除外されている。

  2. 9.2.2重度の腎障害患者

  • 〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉

  • 本剤投与の適否を慎重に検討すること。本剤の血中濃度が上昇することが示唆されている。国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。

  • **〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。また、小児等を対象とした臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。

  1. **9.2.3中等度の腎障害のある患者本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児ではeGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1凝固障害を伴う肝疾患の患者

投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。

  1. 9.3.2中等度以上の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B又はCに相当)

投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎盤通過性(ラット)1)、子宮内出血、母動物に毒性があらわれる用量で総奇形発生率の増加(ウサギ)2)、死産の増加等の胚・胎児毒性、出生児の生存率低下及び一般状態の悪化(ラット)3)が報告されている。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている4)。ヒトの母乳中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

  • 〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
  1. 9.7.1小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
  1. **9.7.2生後6ヵ月未満の下記に該当する乳児へは本剤投与による治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。生後6ヵ月未満の下記に該当する乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
  • 在胎週数37週未満

  • 体重2.6kg未満

  • 経口栄養の期間が10日未満

9.8 高齢者

**一般に腎機能などの生理機能が低下している。なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった。

相互作用

  • 本剤は主としてチトクロームP450 3A4及び2J2(CYP3A4及びCYP2J2)により代謝される。また、本剤はP-糖タンパク及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質である。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
*リトナビルを含有する製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)
ダルナビル(プリジスタ)
ホスアンプレナビル(レクシヴァ)
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。
コビシスタットを含有する製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ) 本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。
以下の経口又は注射剤
• イトラコナゾール(イトリゾール)
• ポサコナゾール(ノクサフィル)
• ボリコナゾール(ブイフェンド)
• ミコナゾール(フロリード)
• ケトコナゾール(国内未発売)
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。
エンシトレルビル(ゾコーバ) 本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。
*ロナファルニブ(ゾキンヴィ) 本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝固剤
• ヘパリン製剤、低分子量ヘパリン製剤(エノキサパリンナトリウム等)、フォンダパリヌクスナトリウム、ワルファリンカリウム等
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
• 抗血小板剤• アスピリン、クロピドグレル硫酸塩、チクロピジン塩酸塩等
• 非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤• ナプロキセン、ジクロフェナクナトリウム等
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
• 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
• ウロキナーゼ、t-PA製剤(アルテプラーゼ等)
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、体重30kg以上の小児の静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制、並びに成人の静脈血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、体重30kg以上の小児の静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制、並びに成人の静脈血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リファンピシン 本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。 リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P上昇 1%未満
ALT上昇 1%未満
AST上昇 1%未満
BUN上昇 1%未満
INR増加 1%未満
LDH上昇 頻度不明
γ-GTP上昇 1%未満
アミラーゼ上昇 1%未満
アレルギー反応 1%未満
アレルギー性皮膚炎 1%未満
じん麻疹(全身性そう痒症等) 1%未満
そう痒 1%未満
ヘモグロビン減少 1%未満
リパーゼ上昇 1%未満
上腹部痛 1%未満
下痢 1%未満
不眠 1%未満
低血圧 1%未満
便潜血 1%未満
便秘 1%未満
倦怠感 1%未満
処置後出血 1%未満
創傷出血 1%未満
創部分泌 1%未満
口内乾燥 1%未満
口腔内出血 1%未満
吐血 1%未満
呼吸困難 1%未満
喀血 頻度不明
嘔吐 1%未満
四肢痛 1%未満
失神 1%未満
尿中血陽性 1%未満
尿路出血 1%未満
性器出血 1%未満
悪心 1%未満
挫傷 頻度不明
擦過傷 1%未満
斑状出血 頻度不明
月経過多 頻度不明
末梢性浮腫 1%未満
歯肉出血 頻度不明
浮動性めまい 1%未満
消化不良 1%未満
無力症 1%未満
疲労 1%未満
痔核 1%未満
発熱 1%未満
発疹 1%未満
皮下出血 1%未満
皮下血腫 1%未満
皮膚裂傷 1%未満
直接ビリルビン上昇 1%未満
硬膜下血腫 1%未満
筋肉内出血 1%未満
結膜出血 頻度不明
耳出血 1%未満
肛門出血 1%未満
胃炎 1%未満
胃食道逆流性疾患 1%未満
脱毛 1%未満
腎クレアチニン・クリアランス減少 1%未満
腎機能障害 1%未満
腹痛 1%未満
血中クレアチニン上昇 1%未満
血中ビリルビン上昇 1%未満
血便 1%未満
血小板増加症(血小板数増加等) 1%未満
血尿 頻度不明
血管偽動脈瘤形成 頻度不明
血管浮腫 1%未満
血腫 頻度不明
貧血 頻度不明
鉄欠乏性貧血 1%未満
関節痛 1%未満
限局性浮腫 1%未満
頭痛 1%未満
頻脈 1%未満
食欲減退 1%未満
鼻出血 頻度不明

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

リバーロキサバンは、選択的かつ直接的第Ⅹa因子阻害剤であり、経口投与で効果を示す。内因系及び外因系血液凝固カスケード中の第Ⅹa因子をリバーロキサバンが阻害することで、トロンビン産生及び血栓形成が抑制される。リバーロキサバンはトロンビンを阻害せず、また血小板に対する直接作用を有さない39)。

18.2 抗血栓効果

リバーロキサバンは、マウス、ラット又はウサギの静脈及び動脈血栓症モデルにおいて、用量依存的に血栓形成を抑制した。また、ウサギ静脈血栓症モデルにおいて、血栓形成後の血栓の増大を抑制した39),40),41)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1単回投与

日本人若年健康成人男子32例にリバーロキサバン5、10、20又は40mg注1)を空腹時に単回経口投与した際、血漿中未変化体濃度は投与後0.5~4時間に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。リバーロキサバンの1回用量の範囲において、投与量に応じた曝露量の増加が認められた8)。

投与量 AUC
(μg・h/L)
Cmax
(μg/L)
tmax※
(h)
t1/2
(h)
5mg 815.5(13.2) 141.3(14.5) 1.4(0.5~2.5) 5.7(19.8)
10mg 1564(24.5) 226.9(18.7) 1.4(0.5~4.0) 7.1(35.3)
20mg 2777(26.9) 341.7(29.6) 3.3(0.5~4.0) 8.9(50.9)
40mg 3051(21.3) 329.4(26.1) 1.4(0.5~2.0) 12.6(40.0)

※:中央値(範囲)  幾何平均値(幾何CV(%))、n=8

  1. 16.1.2反復投与**

日本人高齢男女36例に、リバーロキサバン10、15又は20mg注1)を1日1回7日間食後に反復経口投与した際、初回投与時と比較し薬物動態特性に大きな変動はなく、蓄積性も認められなかった9)。

投与量 測定日 AUC(0-24)
(μg・h/L)
Cmax
(μg/L)
tmax※
(h)
t1/2
(h)
10mg 1日目 1443(21.0) 232.6(18.7) 3.0(1.0~4.0) 5.7(18.2)
7日目 1533(14.9) 246.9(10.6) 3.0(1.5~4.0) 7.7(41.2)
15mg 1日目 2080(26.7) 347.6(23.0) 4.0(1.0~4.0) 6.3(35.1)
7日目 2243(21.1) 330.6(20.8) 3.5(0.5~4.0) 8.7(26.9)
20mg 1日目 2419(24.6) 391.2(21.2) 2.5(2.0~4.0) 6.1(20.8)
7日目 2839(20.9) 398.5(24.8) 3.0(1.5~4.0) 7.7(23.6)

※:中央値(範囲)  幾何平均値(幾何CV(%))、n=12

症候性深部静脈血栓症(DVT)患者及び肺塞栓症(PE)患者を対象とした国内第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は、以下のとおりであった10)。

用法・用量 AUC(0-24),ss※
(μg・h/L)
Cmax,ss※
(μg/L)
15mg 1日1回 2980(1680-5530) 277(209-399)
15mg 1日2回 5960(3350-11060) 363(239-581)

幾何平均値(5%-95%点) ※:合計72例の血漿中濃度データに基づく推定値

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈リバーロキサバン錠10mg「サワイ」〉

リバーロキサバン錠10mg「サワイ」とイグザレルト錠10mgを健康成人男性にそれぞれ1錠(リバーロキサバンとして10mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中リバーロキサバン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、かつ対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であることから、両剤の生物学的同等性が確認された11)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-36hr
(ng・hr/mL)
リバーロキサバン錠10mg「サワイ」 224.3±65.0 2.6±1.0 7.7±2.5 1612±408
イグザレルト錠10mg 216.2±52.6 2.2±1.1 8.2±2.5 1646±404

(Mean±S.D., n=37)

  • 〈リバーロキサバン錠15mg「サワイ」〉

リバーロキサバン錠15mg「サワイ」とイグザレルト錠15mgを健康成人男性にそれぞれ1錠(リバーロキサバンとして15mg)空腹時及び食後単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中リバーロキサバン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、対数値の平均値の差の90%信頼区間がlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、かつ対数値の平均値の差がlog(0.90)~log(1.11)の範囲内であることから、両剤の生物学的同等性が確認された11)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-36hr
(ng・hr/mL)
空腹時
(n=40)
リバーロキサバン錠15mg「サワイ」 271.5±77.0 2.4±1.1 10.2±3.6 2156±490
イグザレルト錠15mg 287.1±66.5 2.7±1.5 10.0±4.0 2311±443
食後
(n=38)
リバーロキサバン錠15mg「サワイ」 321.3±54.6 3.3±2.0 6.0±1.1 2548±464
イグザレルト錠15mg 338.2±65.8 3.9±1.9 6.5±2.2 2632±422

(Mean±S.D.)

  • 血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.2 吸収

  1. 16.2.1バイオアベイラビリティ

リバーロキサバン5mg及び20mg注1)を空腹時に経口投与した際、絶対的バイオアベイラビリティはそれぞれ112%及び66%であった12)(外国人データ)。

  1. 16.2.2食事の影響

  2. (1)リバーロキサバン20mg注1)を食後に投与した際、AUCは空腹時投与した際と比較し39%増加した13)(外国人データ)。

  3. (2)日本人若年健康成人男子11例に、リバーロキサバン15mgを空腹時及び食後に単回経口投与した際、食後投与時にはtmaxの遅延が認められたが、AUC、Cmaxに影響は認められなかった14)。

16.3 分布

  1. 16.3.1分布容積

リバーロキサバンを静脈内投与した際、分布容積(Vss)は約50Lであった15)(外国人データ)。

  1. 16.3.2タンパク結合率

In vitro試験において、リバーロキサバンは血漿タンパクと高い結合能を示し、ヒト血漿タンパク結合率は約92~95%であった。主にアルブミンに結合する16)。

16.4 代謝

リバーロキサバンは主にCYP3A4及びCYP2J2による代謝経路により代謝され、主要な代謝物はモルホリノン環の酸化分解体及びアミド結合の加水分解体である。In vitro試験において、リバーロキサバンが輸送タンパクであるP-糖タンパク(P-gp)及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質であることが示されている17)。

16.5 排泄

リバーロキサバンを静脈内投与した際、全身クリアランスは約10L/hであり、投与量の42%が未変化体のまま腎排泄された15)。健康成人男子4例に[14C]リバーロキサバン10mgを単回経口投与した際、投与量の約2/3は不活性代謝物として尿中及び糞中に排泄され、残りの約1/3が未変化体のまま腎排泄された18),19)(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1腎障害患者

軽度(クレアチニンクリアランス(CLcr):50~79mL/min)、中等度(CLcr:30~49mL/min)及び重度(CLcr:15~29mL/min)の腎障害のある患者各8例にリバーロキサバン10mgを空腹時単回経口投与した場合、健康被験者と比較しAUCはそれぞれ1.4、1.5及び1.6倍に上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は1.5、1.9及び2.0倍に増加し、プロトロンビン時間(PT(秒))も1.3、2.2及び2.4倍延長した。CLcrが15mL/min未満の患者における検討は実施していない20)(外国人データ)。

  1. 16.6.2肝障害患者

軽度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類A 8例)では、リバーロキサバン10mgを投与した際の薬物動態は健康被験者と比較してほぼ同様であり(AUCは1.2倍上昇)、薬力学的効果に差は認められなかった。中等度の肝障害のある肝硬変患者(Child-Pugh分類B 8例)では健康被験者と比較してAUCが2.3倍上昇した。なお、非結合型のAUCは2.6倍上昇した。第Ⅹa因子活性阻害率は2.6倍増加し、PT(秒)も2.1倍延長した21)。Child-Pugh分類Cの患者における検討は実施していない(外国人データ)。

  1. 16.6.3小児**
  • 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉

小児の急性静脈血栓塞栓症(VTE)患者(18歳未満)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験の血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析による薬物動態パラメータ(推定値)は、以下のとおりであった。国際共同第Ⅲ相試験では、非日本人成人にリバーロキサバン20mg注1)(日本人成人にリバーロキサバン15mg)を1日1回投与時の曝露量に相当するよう体重で調整した用法・用量でリバーロキサバンを投与した22),23)。

用法 年齢 n AUC(0-24),ss
(μg・h/L)
Cmax,ss
(μg/L)
Ctrough,ss
(μg/L)
1日
1回
12~
<18※1
173 2120
(26.4)
238
(20.0)
20.7
(45.9)
6~
<12※1
29 1960
(31.8)
247
(23.1)
15.4
(56.4)
1日
2回
12~
<18※2
1 1770 123 30.5
6~
<12※1
38 1960
(32.0)
148
(25.5)
27.5
(51.4)
2~
<6※2
39 2370
(42.2)
185
(31.8)
30.6
(72.3)
0.5~
<2※2
4 1640
(49.4)
156
(39.8)
12.6
(82.8)
1日
3回
2~
<6※2
5 2480
(30.9)
162
(25.4)
41.2
(46.6)
0.5~
<2※2
18 1890
(34.4)
132
(27.2)
26.2
(57.0)
生後~
<0.5※2
13 1590
(29.6)
119
(24.1)
18.5
(50.4)

幾何平均値(幾何CV(%)) ※1:錠剤又はドライシロップとして投与 ※2:ドライシロップとして投与

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1リトナビル

健康成人男子12例にリトナビル600mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.5倍、Cmaxは1.6倍上昇し抗凝固作用が増強された24)(外国人データ)。

  1. 16.7.2ケトコナゾール・フルコナゾール

健康成人男子20例にケトコナゾール400mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは2.6倍、Cmaxは1.7倍上昇し抗凝固作用が増強された24)(外国人データ)。 健康成人男子13例にフルコナゾール400mgとリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.4倍、Cmaxは1.3倍上昇した24)(外国人データ)。

  1. 16.7.3クラリスロマイシン・エリスロマイシン

健康成人男子15例にクラリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUCは1.5倍、Cmaxは1.4倍上昇した24)(外国人データ)。 健康成人男子15例にエリスロマイシン500mgとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンのAUC及びCmaxともに1.3倍上昇した24)(外国人データ)。

  1. 16.7.4リファンピシン

健康成人男子18例にリファンピシン(開始用量150mgより600mgまで漸増)とリバーロキサバン20mg注1)を併用投与した際、リバーロキサバンのAUCが約50%低下し、それに伴い抗凝固作用も減弱した24)(外国人データ)。

  1. 16.7.5エノキサパリン

健康成人男子10例にエノキサパリン4000IUとリバーロキサバン10mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響はなかった。抗第Ⅹa因子活性は相加的に増加したが、PT及びaPTTには影響は認められなかった24),25)(外国人データ)。

  1. 16.7.6アスピリン

健康成人男子13例にアスピリン500mgを投与した翌日にアスピリン100mgとリバーロキサバン15mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態及び抗凝固作用に影響は認められなかった24)(外国人データ)。

  1. 16.7.7クロピドグレル

健康成人男子11例にクロピドグレル300mgを投与した翌日にクロピドグレル75mgとリバーロキサバン15mgを併用投与した際、リバーロキサバンの薬物動態に影響は認められなかった。別の試験において一部の被験者に出血時間の延長が認められたとの報告がある24)(外国人データ)。

  1. 16.7.8ナプロキセン

健康成人男子11例にナプロキセン500mg1日1回反復投与時にリバーロキサバン15mgを併用投与した際、出血時間の延長は認められなかったが、一部の被験者において抗凝固作用の増強が認められた24)(外国人データ)。

  1. 16.7.9ワルファリン

日本人健康成人男子12例(VKORC1遺伝子1639位のAアレルがホモ接合体を有している被験者)にワルファリンを反復投与し、PT-INRが2.0~3.0に到達した後に、リバーロキサバン15mgを1日1回反復投与に切り替えた際、aPTT、第Ⅹa因子活性阻害及び内在性トロンビン産生能(ETP)への影響は相加的であったが、PT及びPT-INRのピーク値はリバーロキサバン単独投与時と比較しそれぞれ2.3倍及び2.9倍になった。リバーロキサバン投与開始後3日目には、ワルファリンの影響は消失した。なお、薬物動態に相互作用は認められなかった24),26)。

  1. 16.7.10その他の薬剤

ミダゾラム、ジゴキシン及びアトルバスタチンとリバーロキサバンの併用による薬物相互作用試験を実施したが、薬物動態学的相互作用は認められず、制酸剤(水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム配合剤)、ラニチジン及びオメプラゾールは、リバーロキサバンの薬物動態に影響を及ぼさなかった24)(外国人データ)。

注1)本剤の成人における承認用法・用量は、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」では15mg1日1回投与である。なお、腎機能の程度に応じて減量する場合は、10mg1日1回投与である。「静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制」では、発症後の初期3週間は15mg1日2回投与、その後は15mg1日1回投与である。