軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
リバルエンLAパッチ25.92mg
持続放出性リバスチグミン経皮吸収型製剤
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
- 2.1本剤の成分又はカルバメート系誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはリバスチグミンとして1回25.92mgから開始し、原則として4週後に維持量である1回51.84mgに増量する。
本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付する。原則として開始時は4日間貼付し、1枚を3~4日ごとに1回(週2回)貼り替える。
使用上の注意
-
8.1定期的に認知機能検査を行う等患者の状態を確認し、本剤投与で効果が認められない場合、漫然と使用しないこと。
-
8.2アルツハイマー型認知症は、自動車の運転等の機械操作能力を低下させる可能性がある。また、本剤は主に投与開始時又は増量時にめまい及び傾眠を誘発することがある。このため、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事しないよう患者等に十分説明すること。
-
8.3本剤の貼付により皮膚症状があらわれることがあるため、貼付箇所を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、本剤の減量又は一時休薬、あるいは使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
-
8.4本剤を同一箇所に貼付・除去を繰り返した場合、皮膚角質層の剥離等が生じ、血中濃度が増加するおそれがあるため、貼付箇所を毎回変更すること。
-
8.5本剤の貼り替えの際、貼付している製剤を除去せずに新たな製剤を貼付して過量投与となり、重篤な副作用が発現するおそれがある。貼り替えの際は先に貼付している製剤を除去したことを十分確認するよう患者及び介護者等に指導すること。
-
8.6嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがある。脱水により、重篤な転帰をたどるおそれがあるので、嘔吐あるいは下痢がみられた場合には、観察を十分に行い適切な処置を行うこと。
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8.7アルツハイマー型認知症患者では、体重減少が認められることがある。また、本剤を含むコリンエステラーゼ阻害剤の投与により、体重減少が報告されているので、治療中は体重の変化に注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1洞不全症候群又は伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)等の心疾患のある患者
迷走神経刺激作用により徐脈又は不整脈が起こるおそれがある。
- 9.1.2心筋梗塞、弁膜症、心筋症等の心疾患、電解質異常(低カリウム血症等)等のある患者、QT延長又はその既往歴・家族歴のある患者
徐脈、房室ブロック、QT延長、Torsade de pointes等が起こるおそれがあるため、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと。
- 9.1.3胃潰瘍又は十二指腸潰瘍のある患者、あるいはこれらの既往歴のある患者
胃酸分泌量が増加し、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。
- 9.1.4尿路閉塞のある患者又はこれを起こしやすい患者
排尿筋を収縮させ症状を誘発又は悪化させるおそれがある。
- 9.1.5てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させ痙攣発作を誘発させるおそれがある。
- 9.1.6気管支喘息又は閉塞性肺疾患、あるいはこれらの既往歴のある患者
気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.7錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者
線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を悪化させるおそれがある。
- 9.1.8低体重の患者
消化器系障害(悪心、嘔吐等)を発現しやすくなるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
- 9.3.1重度の肝機能障害患者
治療上やむを得ないと判断される場合にのみ投与すること。血中濃度が上昇するおそれがある。また、重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、ウサギ)において、リバスチグミン又はその代謝物の胎児への移行が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤は、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。本剤のチトクロームP450(CYP)による代謝はわずかである。
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| コリン作動薬 • アセチルコリン カルプロニウム ベタネコールコリンエステラーゼ阻害剤 • アンベノニウム ジスチグミン ピリドスチグミン ネオスチグミン等 |
コリン刺激作用が増強され、コリン系副作用(悪心、嘔吐、徐脈等)を引き起こす可能性がある。 | 本剤と同様にコリン作動性作用を有している。 |
| 抗コリン作用を有する薬剤 • トリヘキシフェニジル ピロヘプチン マザチコール ビペリデン等アトロピン系抗コリン剤 • ブチルスコポラミン アトロピン等 |
本剤と抗コリン作用を有する薬剤のそれぞれの効果が減弱する可能性がある。 | 本剤と抗コリン作用を有する薬剤の作用が相互に拮抗する。 |
| サクシニルコリン系筋弛緩剤 • スキサメトニウム等 |
サクシニルコリン系筋弛緩剤の作用が過剰にあらわれるおそれがある。 | 本剤がコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。 |
| 非ステロイド性消炎鎮痛剤 | 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある。 | コリン系の賦活により胃酸分泌量が増加する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| アレルギー性皮膚炎 | 頻度不明 |
| うつ病 | 頻度不明 |
| けん怠感 | 頻度不明 |
| コリンエステラーゼ減少 | 頻度不明 |
| しゃっくり | 1%未満 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不安 | 頻度不明 |
| 不整脈 | 1%未満 |
| 不眠症 | 1%未満 |
| 体重減少 | 1〜5%未満 |
| 傾眠 | 頻度不明 |
| 嘔吐 | 1〜5%未満 |
| 多汗症 | 頻度不明 |
| 好酸球増加症 | 頻度不明 |
| 尿失禁 | 頻度不明 |
| 尿路感染 | 頻度不明 |
| 幻視 | 1%未満 |
| 心房粗動 | 1%未満 |
| 心房細動 | 頻度不明 |
| 悪夢 | 頻度不明 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 振戦 | 頻度不明 |
| 接触性皮膚炎 | 5%以上 |
| 攻撃性 | 頻度不明 |
| 易怒性 | 1%未満 |
| 期外収縮 | 1〜5%未満 |
| 末梢性浮腫 | 頻度不明 |
| 水疱 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 消化不良 | 頻度不明 |
| 湿疹 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 疲労 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 糖尿病 | 頻度不明 |
| 紅斑 | 頻度不明 |
| 縮瞳 | 頻度不明 |
| 耳鳴 | 1%未満 |
| 肝機能検査異常 | 頻度不明 |
| 胃炎 | 頻度不明 |
| 腹痛 | 1%未満 |
| 膵炎 | 頻度不明 |
| 興奮 | 頻度不明 |
| 落ち着きのなさ | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 1%未満 |
| 蛋白尿 | 頻度不明 |
| 血中アミラーゼ増加 | 頻度不明 |
| 血尿 | 頻度不明 |
| 貧血 | 1%未満 |
| 転倒・転落 | 頻度不明 |
| 適用部位そう痒感 | 5%以上 |
| 適用部位亀裂 | 頻度不明 |
| 適用部位刺激感 | 頻度不明 |
| 適用部位反応 | 頻度不明 |
| 適用部位水疱 | 1〜5%未満 |
| 適用部位浮腫 | 1〜5%未満 |
| 適用部位湿疹 | 1%未満 |
| 適用部位疼痛 | 頻度不明 |
| 適用部位発疹 | 1〜5%未満 |
| 適用部位皮膚剥脱 | 1%未満 |
| 適用部位皮膚炎 | 1〜5%未満 |
| 適用部位紅斑 | 5%以上 |
| 適用部位腫脹 | 1〜5%未満 |
| 適用部位蕁麻疹 | 1%未満 |
| 適用部位過敏反応 | 頻度不明 |
| 錐体外路症状 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
| 頻尿 | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 食欲減退 | 1〜5%未満 |
| 高血圧 | 1%未満 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
リバスチグミンは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経を賦活する。11)
18.2 脳内コリンエステラーゼ阻害作用及びアセチルコリン増加作用
ラットの脳内アセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンレベルを増加させる。12)
18.3 学習記憶改善作用
コリン作動性神経遮断モデル(スコポラミン処置ラット)やアルツハイマー病モデル(アミロイドβ脳内注入マウス及びAPP23マウス)の学習記憶障害を改善する。13),14),15)
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1反復投与
外国人健康成人57例を対象に本剤の51.84mg製剤を週2回(4日間と3日間の交互)又はリバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の18mg製剤を1日1回、上背部に11日間反復経皮投与したときの定常状態におけるPKパラメータは下表のとおりであった。また、リバスチグミン貼付剤に対する本剤の幾何平均値の比[90%信頼区間]は、Cmax,96-264で1.051[0.984,1.124]、Cmin,96-264で1.078[0.978,1.189]、Ctau_264で1.086[1.018,1.158]及びAUC96-264で1.136[1.073,1.203]であり、いずれも同程度であったことから、51.84mg製剤の週2回投与がリバスチグミン貼付剤の18mg製剤の1日1回投与と同程度の曝露量を示すことが確認された(海外データ)。1)
| Cmax,96-264 (ng/mL) |
Cmin,96-264 (ng/mL) |
Ctau_264 (ng/mL) |
AUC96-264 (ng・h/mL) |
|
|---|---|---|---|---|
| 本剤 | 9.92±2.99 | 3.03±1.13 | 4.06±1.31 | 1060±340 |
| リバスチグミン貼付剤 (1日1回貼付) |
9.75±3.92 | 2.87±1.15 | 3.73±1.11 | 937±330 |
平均値±標準偏差
反復投与時の平均血漿中リバスチグミン濃度推移
- 軽度及び中等度アルツハイマー型認知症患者に51.84mg製剤(最初の4週間は25.92mg製剤)を週2回投与したときの8、16及び24週時における血漿中リバスチグミン濃度の範囲は、リバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の18mg製剤(最初の4週間は9mg製剤)を1日1回貼付したときと同程度であった。2)
16.2 吸収
本剤及びリバスチグミン貼付剤(1日1回貼付)の皮膚透過性は類似していることが示された(in vitro)。3)リバスチグミン貼付剤18mgを背部、上腕部、胸部に貼付したとき、リバスチグミンの曝露量には貼付部位間で差が認められなかった(外国人のデータ)。4)
16.3 分布
リバスチグミンの血漿中蛋白結合率は、36~48%であった(in vitro)。5)
16.4 代謝
リバスチグミンは、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。CYPによる代謝はわずかである。6)
16.5 排泄
リバスチグミンの排泄は代謝物の腎排泄が主である。健康成人に[14C]標識リバスチグミンを経口投与したとき、24時間以内に90%以上が尿中へ排泄され、糞中への排泄は1%未満であった(外国人のデータ)。7)
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1肝機能障害患者
リバスチグミン貼付剤で肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施されていない。なお、リバスチグミンの経口剤(国内未承認)を、Child-Pughスコアが5~12の肝硬変患者に単回投与したとき、健康成人と比較してリバスチグミンのAUCが約130%、Cmaxが約60%上昇した(外国人のデータ)。8)
16.7 薬物相互作用
リバスチグミン貼付剤の薬物間相互作用を検討した試験はない。リバスチグミンの経口剤(国内未承認)について、ジゴキシン、ワルファリン、ジアゼパム、フルオキセチンとの薬物動態学的相互作用を検討した結果、リバスチグミンの薬物動態に対する併用薬の影響は認められなかった。リバスチグミンは主にエステラーゼにより代謝され、CYPによる代謝はわずかであることから、CYPを阻害する薬物と併用してもリバスチグミンの薬物動態は影響を受けないと考えられる。また、リバスチグミン貼付剤18mgを貼付したときのリバスチグミンのCmaxはCYPに対するIC50値より十分低いことから、CYPにより代謝される併用薬の薬物動態に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。9)