-
CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
-
免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患
-
多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎
-
既存治療で効果不十分なループス腎炎
-
***下記のネフローゼ症候群
-
頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群 ・難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)
-
**持続性及び慢性免疫性血小板減少症
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後天性血栓性血小板減少性紫斑病
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**自己免疫性溶血性貧血
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インジウム(111In) イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y) イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与
リツキシマブBS点滴静注500mg「ファイザー」
リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]
【警告】
-
1.1本剤の投与は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、適応疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
-
1.2本剤の投与開始後30分~2時間よりあらわれるinfusion reactionのうちアナフィラキシー、肺障害、心障害等の重篤な副作用(低酸素血症、肺浸潤、急性呼吸促迫症候群、心筋梗塞、心室細動、心原性ショック等)により、死亡に至った例が報告されている。これらの死亡例の多くは初回投与後24時間以内にみられている。また、本剤を再投与した時の初回投与後にも、これらの副作用があらわれるおそれがある。本剤投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観察を行うとともに、投与後も患者の状態を十分観察すること。特に以下の患者については発現頻度が高く、かつ重篤化しやすいので注意すること。
-
血液中に大量の腫瘍細胞がある(25,000/µL以上)など腫瘍量の多い患者
-
脾腫を伴う患者
-
心機能、肺機能障害を有する患者
-
1.3腫瘍量の急激な減少に伴い、腎不全、高カリウム血症、低カルシウム血症、高尿酸血症、高リン血症等の腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれ、本症候群に起因した急性腎障害による死亡例及び透析が必要となった患者が報告されている。血液中に大量の腫瘍細胞がある患者において、初回投与後12~24時間以内に高頻度に認められることから、急激に腫瘍量が減少した患者では、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察すること。また、本剤を再投与した時の初回投与後にも、これらの副作用があらわれるおそれがある。
-
1.4B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中又は治療終了後に、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全による死亡例が報告されている。
-
1.5皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)等の皮膚粘膜症状があらわれ、死亡に至った例が報告されている。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又はマウスタンパク質由来製品に対する重篤な過敏症又はアナフィラキシーの既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
- 〈B細胞性非ホジキンリンパ腫〉
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用する抗悪性腫瘍剤の投与間隔に合わせて、1サイクルあたり1回投与する。 維持療法に用いる場合は、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を点滴静注する。投与間隔は8週間を目安とし、最大投与回数は12回とする。
- 〈免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患〉
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で点滴静注する。最大投与回数は8回とする。
- 〈多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、後天性血栓性血小板減少性紫斑病〉
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
- 〈既存治療で効果不十分なループス腎炎、持続性及び慢性免疫性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血〉*
通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。
-
*〈ネフローゼ症候群〉
-
**頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群 通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で2回点滴静注する。ただし、1回あたりの最大投与量は500mgまでとする。
-
**難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合) 通常、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注する。ただし、1回あたりの最大投与量は500mgまでとする。
-
〈イブリツモマブ チウキセタンの前投与〉
通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)[リツキシマブ後続2]として250mg/m2を1回、点滴静注する。
- 〈効能共通〉
本剤は用時生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液にて1~4mg/mLに希釈調製し使用する。
使用上の注意
- 〈効能共通〉
-
8.1infusion reactionがあらわれることがあるので、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)のモニタリングや自他覚症状の観察など、患者の状態を十分に観察すること。
-
8.2腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
-
8.3本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による劇症肝炎又は肝炎があらわれることがある。本剤投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。
-
8.4肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
-
8.5血球減少があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
-
8.6本剤の治療中より末梢血リンパ球の減少があらわれ、治療終了後も持続すること、また免疫グロブリンが減少した例が報告されていることなど、免疫抑制作用により細菌やウイルスによる感染症が生じる又は悪化する可能性がある。本剤によりニューモシスチス肺炎発現のおそれがあるので、適切な予防措置を考慮すること。
-
8.7消化管穿孔・閉塞があらわれることがあるので、初期症状としての腹痛、腹部膨満感、下血、吐血、貧血等の観察を十分に行うこと。
- 〈持続性及び慢性免疫性血小板減少症〉
- 8.8本剤により血小板数の過剰増加があらわれたとの報告があるため、血小板数を定期的に測定し、異常が認められた場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 〈免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患〉
- 8.9本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:リツキシマブ(遺伝子組換え)(免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患(成人))」等1),2))を熟読すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 〈効能共通〉
- 9.1.1心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者
投与中又は投与直後に心電図、心エコー等によるモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。投与中又は投与後に不整脈、狭心症等を悪化又は再発させるおそれがある。
- 9.1.2肺浸潤、肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者
投与中又は投与直後に気管支痙攣や低酸素血症を伴う急性の呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある。
- 9.1.3肝炎ウイルスの感染又は既往を有する患者
本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)で、本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による劇症肝炎又は肝炎があらわれることがある。なお、HBs抗体陽性患者に本剤を投与した後、HBs抗体が陰性の急性B型肝炎を発症した例が報告されている。
- 9.1.4感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者
免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。
- 9.1.5重篤な骨髄機能低下のある患者あるいは腫瘍細胞の骨髄浸潤がある患者
好中球減少及び血小板減少を増悪させ重篤化させるおそれがある。
-
9.1.6薬物過敏症の既往歴のある患者
-
9.1.7アレルギー素因のある患者
- 〈B細胞性非ホジキンリンパ腫、免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患、イブリツモマブ チウキセタンの前投与〉
- 9.1.8咽頭扁桃、口蓋扁桃部位に病巣のある患者
病巣腫脹による呼吸困難が発現した場合は、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。本剤投与後、炎症反応に起因する病巣の一過性の腫脹がみられ、病巣腫脹により呼吸困難をきたしたという報告がある。
9.4 生殖能を有する者
*妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後12ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られており、妊娠中に本剤を投与した患者の出生児において、末梢血リンパ球の減少が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤は母乳中に移行することが報告されている3)。
9.7 小児等
- 〈B細胞性非ホジキンリンパ腫、多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、後天性血栓性血小板減少性紫斑病、イブリツモマブ チウキセタンの前投与〉
- 9.7.1*小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 〈免疫抑制状態下のB細胞性リンパ増殖性疾患、既存治療で効果不十分なループス腎炎、ネフローゼ症候群、持続性及び慢性免疫性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血〉
- *9.7.2低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 生ワクチン又は弱毒生ワクチン | 接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。 | Bリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。 |
| 不活化ワクチン | ワクチンの効果を減弱させるおそれがある。 | Bリンパ球傷害作用によりワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。 |
| 免疫抑制作用を有する薬剤 免疫抑制剤 副腎皮質ホルモン剤等 |
発熱などの感染症(細菌及びウイルス等)に基づく症状が発現した場合は、適切な処置を行う。 | 過度の免疫抑制作用による感染症誘発の危険性がある。 |
| 降圧剤 | 一過性の血圧下降があらわれることがある。 | 血圧下降を増強させるおそれがある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| Al-P上昇 | 頻度不明 |
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| BUN上昇 | 頻度不明 |
| CRP上昇(13.7%) | 頻度不明 |
| Dダイマー]増加 | 頻度不明 |
| LDH上昇 | 頻度不明 |
| アルブミン減少 | 頻度不明 |
| インフルエンザ様症候群 | 頻度不明 |
| クレアチニン上昇 | 頻度不明 |
| しびれ感 | 頻度不明 |
| しぶり腹 | 頻度不明 |
| しゃっくり | 頻度不明 |
| そう痒(14.0%) | 頻度不明 |
| フィブリン分解産物[FDP | 頻度不明 |
| ほてり | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 不眠症 | 頻度不明 |
| 体重増加 | 頻度不明 |
| 便秘 | 頻度不明 |
| 倦怠感(15.2%) | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 口内乾燥 | 頻度不明 |
| 口内炎 | 頻度不明 |
| 口腔咽頭不快感(12.8%) | 頻度不明 |
| 呼吸障害 | 頻度不明 |
| 咳 | 頻度不明 |
| 咽喉頭炎(25.5%) | 頻度不明 |
| 喘鳴 | 頻度不明 |
| 多汗 | 頻度不明 |
| 好酸球増多 | 頻度不明 |
| 尿酸値上昇 | 頻度不明 |
| 帯状疱疹 | 頻度不明 |
| 徐脈 | 頻度不明 |
| 悪寒(12.6%) | 頻度不明 |
| 悪心・嘔吐(15.6%) | 頻度不明 |
| 投与部位反応(疼痛 | 頻度不明 |
| 末梢性虚血 | 頻度不明 |
| 浮腫 | 頻度不明 |
| 潮紅 | 頻度不明 |
| 無力症 | 頻度不明 |
| 異常感覚 | 頻度不明 |
| 疼痛(24.7%) | 頻度不明 |
| 発熱(29.8%) | 頻度不明 |
| 発疹(13.6%) | 頻度不明 |
| 皮脂欠乏性湿疹 | 頻度不明 |
| 眩暈 | 頻度不明 |
| 筋攣縮 | 頻度不明 |
| 筋肉痛 | 頻度不明 |
| 結膜炎 | 頻度不明 |
| 総ビリルビン上昇 | 頻度不明 |
| 総蛋白減少 | 頻度不明 |
| 胸痛 | 頻度不明 |
| 腫脹等) | 頻度不明 |
| 腹痛 | 頻度不明 |
| 蕁麻疹 | 頻度不明 |
| 虚脱感(14.6%) | 頻度不明 |
| 血圧上昇(12.3%) | 頻度不明 |
| 血小板増加 | 頻度不明 |
| 血清病 | 頻度不明 |
| 血管拡張 | 頻度不明 |
| 貧血(17.3%) | 頻度不明 |
| 関節痛 | 頻度不明 |
| 電解質異常 | 頻度不明 |
| 頭痛(13.2%) | 頻度不明 |
| 頻脈 | 頻度不明 |
| 食欲不振 | 頻度不明 |
| 鼻出血 | 頻度不明 |
| 鼻炎(15.8%) | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
リツキシマブは未熟リンパ球及び成熟リンパ球、並びに腫瘍化したBリンパ球の表面に発現している膜貫通型抗原CD20に特異的に結合し、免疫エフェクター機能を発揮してB細胞枯渇を引き起こすB細胞溶解を誘発する35),36)。細胞溶解の作用機序は、C1qへの結合を介した補体依存性細胞傷害(CDC)、顆粒球、マクロファージ及びナチュラルキラー(NK)細胞の表面に発現している1種類以上のFcγ受容体を介した抗体依存性細胞傷害(ADCC)である36)。また、リツキシマブはBリンパ球のCD20に結合することでアポトーシスを誘導する37)。
18.2 in vitro試験
- 〈本剤〉
- 18.2.1CD20結合活性
Bリンパ腫細胞株であるRamos細胞の細胞表面に発現するCD20に対して、先行バイオ医薬品注1)と類似した結合活性を示した38)。
- 18.2.2補体依存性細胞傷害作用
Ramos細胞に対してヒト補体によるCDCを誘導し、そのCDC活性は先行バイオ医薬品注1)と類似していた38)。
- 18.2.3抗体依存性細胞傷害作用
Ramos細胞に対するNK細胞のADCCを誘導し、そのADCC活性は先行バイオ医薬品注1)と比べ本剤では高い傾向が認められた38)。
- 18.2.4アポトーシス誘導能
カスパーゼシグナル伝達経路を介してアポトーシスを誘導し、Ramos細胞に対するアポトーシス誘導能は先行バイオ医薬品注1)と類似していた38)。
18.3 補体依存性細胞傷害作用(complement-dependent cytotoxicity、CDC)
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
リツキシマブはヒト補体の存在下、2.2µg/mLの濃度でSB細胞(ヒト由来CD20陽性細胞)の50%を溶解したが、HSB細胞(ヒト由来CD20陰性細胞)は溶解せず、CD20抗原を有する細胞に対して補体依存性細胞傷害作用を有することが確認された。また、ヒト補体存在下、造血幹細胞(CD34陽性細胞)のコロニー形成能に影響しなかった39)。
18.4 抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
リツキシマブはヒトエフェクター細胞の存在下、3.9µg/mLの濃度でSB細胞の50%を溶解したが、HSB細胞は溶解せず、CD20抗原を有する細胞に対して抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用を有することが確認された39)。
18.5 in vitro CD20抗原特異的結合作用
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
IDEC-2B8(リツキシマブと同一のCD20抗原認識部位(可変部領域)を有するマウス型CD20モノクローナル抗体)は、既存の抗CD20抗体であるB1のヒトCD20抗原に対する結合を濃度依存的に阻害し、そのIC50(50%阻害濃度)値はB1、Leu16(抗ヒトCD20抗体)の1/2~1/3と、ヒトCD20抗原に対して強い抗原特異的結合能を示した。この強い抗原特異的結合能は、リツキシマブ(マウス-ヒトキメラ型抗体)でも維持されていた40)。
18.6 in vitro Bリンパ球特異的結合作用
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
リツキシマブは、ヒト末梢血Bリンパ球やヒト低悪性度Bリンパ腫細胞と特異的に結合し、他の免疫系細胞とは反応しなかった41)。
18.7 in vivo Bリンパ球傷害作用
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
カニクイザルに週1回4週間及び4日間連日静注投与した結果、末梢血液、骨髄及びリンパ節中のBリンパ球は著明に減少した。なお、Tリンパ球には変化を認めなかった39)。
18.8 ヒト正常組織との交叉反応性
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
成人ヒト正常組織の凍結切片との交叉反応性を調べた結果、リツキシマブが反応性を示したのは、リンパ節、骨髄、末梢血細胞、扁桃、脾臓のみで、これ以外の非リンパ系組織とは反応しなかった42)。 注1)先行バイオ医薬品:リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤又はMabTheraⓇ(EUで承認されたリツキシマブ(遺伝子組換え)製剤)を指す。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 〈本剤〉
- 16.1.1海外第Ⅰ/Ⅱ相試験
1剤以上の抗腫瘍壊死因子製剤による治療で効果不十分であり、メトトレキサートによる基礎治療を受けている活動性関節リウマチ注1)患者を対象として、本剤又は先行バイオ医薬品注2)を1000mgの用量で第1日及び第15日に点滴静脈内投与したときの薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移を以下に示す8)(外国人データ)。
| パラメータ(単位) | パラメータの要約統計量注4) | |
|---|---|---|
| 本剤 (N=68) |
先行バイオ医薬品注2) (N=67) |
|
| Cmax(µg/mL) | 453±153 | 422±111 |
| AUClast(µg・hr/mL) | 198000±79600 | 188000±64300 |
| AUC2wk(µg・hr/mL) | 52100±18000 | 49600±14200 |
| AUCinf(µg・hr/mL) | 213000±90400 | 200000±74600 |
| CL(mL/hr/kg) | 11.2±4.91 | 11.4±4.55 |
| Vss(mL/kg) | 5490±1740 | 5590±1320 |
| t½(hr) | 434±142 | 424±125 |
AUC2wk:0時間から投与後2週間(第15日の投与前)までのAUC 注1)本剤は本邦において、関節リウマチに関する効能・効果は承認されていない。 注2)先行バイオ医薬品:MabThera®(EUで承認されたリツキシマブ(遺伝子組換え)製剤)を指す。 注3)本剤の承認最大用量(1回量)は375mg/m2である。 注4)パラメータは平均値±標準偏差で示した。
図16-1 活動性関節リウマチ注1)患者に本剤又は先行バイオ医薬品注2)を1000mg注3)の用量で第1日及び第15日に点滴静脈内投与したときの血清中濃度推移(中央値)注5)▲:本剤(N=68),●:先行バイオ医薬品注2)(N=67)
注5)定量下限(0.100µg/mL)未満は0µg/mLとして統計量を算出した。
先行バイオ医薬品注2)に対する本剤のCmax、AUC2wk、AUClast及びAUCinfの幾何平均値の比の90%信頼区間は、事前に規定した許容範囲内(80%~125%)に含まれたことから、両剤の薬物動態における同等性が確認された。
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
- 16.1.2B細胞性非ホジキンリンパ腫
国内のCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に、CHOPレジメン(シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン)との併用による寛解導入療法後にリツキシマブ(遺伝子組換え)製剤維持療法、及び寛解導入療法の第2サイクル以降に90分間投与を実施した時の薬物動態パラメーターは以下のとおりであった9),10)。
| 投与量 (mg/m2) |
Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hrs) |
平均滞留 時間(hrs) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 375 ×20回 |
367.0 ±78.9 |
344 ±349 |
496 ±504 |
3370000 ±714000 |
Mean±SD(n=12)
| 投与量 (mg/m2) |
Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hrs) |
平均滞留 時間(hrs) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 375 ×6回 |
294.0 ±41.4 |
270 ±46.1 |
389 ±66.6 |
548000 ±93900 |
| 375 ×8回 |
329.0 ±46.4 |
282 ±64.1 |
407 ±92.5 |
753000 ±119000 |
Mean±SD(6回:n=13、8回:n=8)
-
16.1.3ネフローゼ症候群*
-
(1)国内の臨床試験において、18歳未満で特発性ネフローゼ症候群を発症したネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)の患者に、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤375mg/m2(最大量500mg/回)を1週間間隔で2回投与した時の薬物動態パラメーターは以下のとおりであった11),12)。
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hrs) |
平均滞留 時間(hrs) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 375mg/m2 (500mg/回) ×2週 |
375 ±45.0 |
154 ±64.1 |
223 ±92.5 |
216000 ±49300 |
Mean±SD(n=17)
- (2)国内の臨床試験において、18歳未満で特発性ネフローゼ症候群を発症した3歳以上の難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)の患者に、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤375mg/m2(最大量500mg/回)を1週間間隔で4回投与した時の薬物動態パラメーターは以下のとおりであった13),14),15)。
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hrs) |
平均滞留 時間(hrs) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 375mg/m2 (500mg/回) ×4週 |
421 ±84.7 |
234 ±86.7 |
337 ±125 |
366000 ±110000 |
Mean±SD(n=22)
図16-2 週1回4回反復投与時の血清中濃度(n=23)
- (3)国内の臨床試験において、18歳未満で特発性ネフローゼ症候群を発症した難治性のネフローゼ症候群(ステロイド抵抗性を示す場合)の患者に、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤375mg/m2(最大量500mg/回)を1週間間隔で4回投与した時の薬物動態パラメーターは以下のとおりであった16),17),18)。
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
T1/2 (hrs) |
平均滞留 時間(hrs) |
AUC (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 375mg/m2 (500mg/回) ×4週 |
300 ±58.3 |
78.8 ±58.5 |
114 ±84.3 |
171000 ±85100 |
Mean±SD(n=6)
16.3 分布
- 〈リツキサンⓇ点滴静注〉
-
16.3.1B細胞性非ホジキンリンパ腫
-
(1)腫瘍への移行
海外のCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤100、250、500mg/m2注6)を単回点滴静注後、2週目に腫瘍組織を採取し、リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤と結合した腫瘍細胞数を測定して全腫瘍細胞数に対する割合を算出した。その結果、腫瘍組織への移行は採取した7例中6例に認め、結合した割合は30~100%であった。なお、半減期の極めて短かった1例(T1/2:21.2hrs)については、腫瘍組織中への移行を認めなかった19)(外国人データ)。 注6)リツキシマブ(遺伝子組換え)製剤の承認用量は375mg/m2である。