Clinical snapshot

ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」

ランソプラゾール

添付文書改訂 2025年07月01日

【禁忌】(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

  2. **2.2リルピビリン塩酸塩を投与中の患者

効能・効果

  • 〈OD錠15mg〉

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制

  • 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、免疫性血小板減少症、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

  • 〈OD錠30mg〉

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群

  • 下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、免疫性血小板減少症、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

用法・用量

  • 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。

  • 〈逆流性食道炎〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。なお、通常8週間までの投与とする。 さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回15mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1日1回30mgを経口投与することができる。

  • 〈非びらん性胃食道逆流症(OD錠15mgのみ)〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。なお、通常4週間までの投与とする。

  • 〈低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制(OD錠15mgのみ)〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。

  • 〈非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制(OD錠15mgのみ)〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。

  • 〈ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助〉

通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。 なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。 プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。

使用上の注意

  • 〈胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍〉
  1. 8.1長期の使用経験は十分でないので、維持療法には用いないことが望ましい。
  • 〈逆流性食道炎〉
  1. 8.2維持療法においては、再発・再燃を繰り返す患者に対し投与することとし、本来維持療法の必要のない患者に投与することのないよう留意すること。また、1日1回30mg又は15mgの投与により寛解状態が長期にわたり継続する症例で、減量又は投与中止により再発するおそれがないと判断される場合は1日1回15mgに減量又は中止すること。なお、維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましい。
  • 〈非びらん性胃食道逆流症〉
  1. 8.3問診により胸やけ、呑酸等の酸逆流症状が繰り返しみられること(1週間あたり2日以上)を確認のうえ投与すること。 なお、本剤の投与が胃癌、食道癌等の悪性腫瘍及び他の消化器疾患による症状を隠蔽することがあるので、内視鏡検査等によりこれらの疾患でないことを確認すること。

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1薬物過敏症の既往歴のある患者

9.3 肝機能障害患者

本剤の代謝、排泄が遅延することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている1)。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている2)。なお、ラットにランソプラゾール(50mg/kg/日)、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている1)。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に高齢者では酸分泌能は低下しており、その他生理機能の低下もある。

相互作用

  • 本剤は主として肝薬物代謝酵素CYP2C19又はCYP3A4で代謝される。 また、本剤の胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
リルピビリン塩酸塩
• エジュラント
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。 本剤の胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下する可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
• テオフィリン テオフィリンの血中濃度が低下することがある。 本剤が肝薬物代謝酵素を誘導し、テオフィリンの代謝を促進することが考えられている。
• タクロリムス水和物 タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。 本剤が肝薬物代謝酵素におけるタクロリムスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
• ジゴキシン
メチルジゴキシン
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 本剤の胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
• イトラコナゾール
• チロシンキナーゼ阻害剤• ゲフィチニブ
• ボスチニブ水和物
• ニロチニブ塩酸塩水和物
• エルロチニブ塩酸塩
• アカラブルチニブ
• セリチニブ
• ダサチニブ水和物
• ダコミチニブ水和物
• ラパチニブトシル酸塩水和物
• カプマチニブ塩酸塩水和物
左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。
ボスチニブ水和物との併用は可能な限り避けること。
本剤の胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
酸化マグネシウム 酸化マグネシウムの緩下作用が減弱するおそれがある。 本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇により酸化マグネシウムの溶解度が低下するためと考えられる。
*ベルモスジルメシル酸塩 ベルモスジルメシル酸塩の血中濃度が低下する可能性がある。 本剤の胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇によりベルモスジルメシル酸塩の吸収が抑制されるおそれがある。
• メトトレキサート メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、一時的に本剤の投与を中止することを考慮すること。 機序は不明である。
• フェニトイン
ジアゼパム
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。 これらの薬剤の代謝、排泄が遅延することが類薬(オメプラゾール)で報告されている。

副作用

その他の副作用

副作用名 頻度
Al-P 1〜5%未満
ALT 1〜5%未満
AST 1〜5%未満
LDH 1〜5%未満
γ-GTPの上昇 1〜5%未満
うつ状態 1%未満
かすみ目 頻度不明
カンジダ症 1%未満
そう痒 1〜5%未満
めまい 1%未満
下痢 1〜5%未満
不眠 1%未満
亜急性皮膚エリテマトーデス 頻度不明
低カリウム血症 頻度不明
低カルシウム血症 頻度不明
低ナトリウム血症 頻度不明
低マグネシウム血症 頻度不明
便秘 1〜5%未満
倦怠感 1%未満
口内炎 1%未満
口渇 1〜5%未満
味覚異常 1%未満
嘔吐 1%未満
四肢のしびれ感 1%未満
多形紅斑 頻度不明
大腸炎(collagenous colitis等注3)を含む) 1〜5%未満
女性化乳房 1%未満
好酸球増多 1〜5%未満
尿酸の上昇 1〜5%未満
悪心 1%未満
振戦 1%未満
浮腫 1%未満
発熱 1〜5%未満
発疹 1〜5%未満
眠気 1〜5%未満
筋肉痛 1%未満
総コレステロール 1〜5%未満
脱力感 頻度不明
脱毛 1%未満
腹痛 1%未満
腹部膨満感 1〜5%未満
舌・口唇のしびれ感 1%未満
舌炎 頻度不明
関節痛 頻度不明
頭痛 1〜5%未満
食欲不振 1%未満

薬物動態・作用機序

作用機序

18.1 作用機序

ランソプラゾールは胃粘膜壁細胞の酸生成部位へ移行した後、酸による転移反応を経て活性体へと構造変換され、この酸転移生成物が酸生成部位に局在してプロトンポンプとしての役割を担っているH+,K+-ATPaseのSH基と結合し、酵素活性を抑制することにより、酸分泌を抑制すると考えられる39),40),41),42)。

18.2 胃酸分泌抑制作用

  1. 18.2.1ペンタガストリン刺激分泌

健康成人への1日1回30mg単回並びに7日間経口投与により著明な胃酸分泌抑制作用が認められ、この作用は投与24時間後も持続する4)。

  1. 18.2.2インスリン刺激分泌

健康成人への1日1回30mg7日間経口投与により著明な胃酸分泌抑制作用が認められる43)。

  1. 18.2.3夜間分泌

健康成人への1日1回30mg7日間経口投与により胃酸分泌の明らかな抑制が認められる44)。

  1. 18.2.424時間分泌

健康成人における24時間胃液採取試験で、1日1回30mg7日間経口投与により1日を通して胃酸分泌の著明な抑制が認められる45)。

  1. 18.2.524時間胃内pHモニタリング

健康成人及び十二指腸潰瘍瘢痕期の患者への1日1回30mg7日間経口投与により、1日を通して著明な胃酸分泌抑制作用が認められる46),47),48)。

  1. 18.2.624時間下部食道内pHモニタリング

逆流性食道炎患者への1日1回30mg7~9日間経口投与により胃食道逆流現象の著明な抑制作用が認められる23)。

18.3 ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助作用

  1. 18.3.1アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンともにランソプラゾールとの併用により、経口投与後の胃組織中濃度の上昇が認められる(ラット)49)。

  2. 18.3.2ヘリコバクター・ピロリ除菌治療におけるランソプラゾールの役割は胃内pHを上昇させることにより、併用されるアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの抗菌活性を高めることにあると考えられる50),51)。

薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1反復投与

健康成人(6例)に1回30mg又は15mg(いずれもカプセル剤)を1日1回7日間朝絶食下に反復経口投与した時の血清中濃度の推移、尿中排泄率から体内蓄積性はないものと考えられる4)。

  1. 16.1.2ランソプラゾール、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用時の薬物動態

健康成人(6例)にランソプラゾールとして1回30mg(カプセル剤)、アモキシシリン水和物として1回1,000mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回400mg(力価)の3剤を同時に経口投与した時注)、ランソプラゾールの未変化体の薬物動態学的パラメータは下表のとおりである5)。

絶食下
Tmax(h) 1.7±0.5
Cmax(ng/mL) 1,104±481
T1/2(h) 1.9±1.9
AUC(ng・h/mL) 5,218±6,284

(平均値±標準偏差、n=6)

なお、3剤併用時の3剤各々の血清中濃度は単独投与時の血清中濃度とほぼ同様の推移を示した。 また、健康成人(7例)に3剤を同様の用量で同時に1日2回7日間反復経口投与した時の薬物動態から、蓄積性はないと考えられる。 注)ヘリコバクター・ピロリ感染に対する承認用法・用量と異なる。

  1. 16.1.3生物学的同等性試験
  • 〈ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」〉

ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」とタケプロンOD錠30を健康成人男子にそれぞれ1錠(ランソプラゾールとして30mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ランソプラゾール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された6)。

Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-8hr
(ng・hr/mL)
水なし(n=24) ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」 946±347 1.7±0.9 1.2±0.4 2345±999
タケプロンOD錠30 1002±266 1.7±1.0 1.2±0.4 2264±866
水あり(n=22) ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」 1108±276 1.7±0.9 1.2±0.3 2721±973
タケプロンOD錠30 1114±291 1.7±0.5 1.2±0.4 2566±910

(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.5 排泄

健康成人(6例)に1回30mg(カプセル剤)を絶食下又は食後に、また、1回15mg(カプセル剤)を絶食下に経口投与した場合、尿中には代謝物として排泄され、ランソプラゾールの未変化体は検出されなかった。投与後24時間までの尿中排泄率は13.1~23.0%であった4)。

16.7 薬物相互作用

ランソプラゾールと水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウムを同時に服用すると、ランソプラゾールの血漿中濃度が低下することが外国で報告されている7)。

16.8 その他

  • 〈ランソプラゾールOD錠15mg「サワイ」〉

ランソプラゾールOD錠15mg「サワイ」は溶出挙動に基づき、ランソプラゾールOD錠30mg「サワイ」と生物学的に同等とみなされた8)。