- 〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
- 〈適応症〉
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎
2.1本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2妊婦又は妊娠している可能性のある女性
2.3小児等
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎
通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。
8.1本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。
痙攣を起こすおそれがある。
QT延長を起こすおそれがある。
症状を悪化させるおそれがある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。
血漿中濃度上昇のおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群の胎児に発育遅延及び骨格異常(肋骨の短小)が認められている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている。
9.8.1腱障害があらわれやすいとの報告がある。
9.8.2患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~88歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤• 制酸剤 • ミネラル入りビタミン剤等 |
本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤と同時に服用させないこと。 | これらの金属イオンを含む薬剤と難溶性のキレートを形成し、本剤の吸収が阻害されると考えられている。 |
| • フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤• フルルビプロフェン等 | 痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 | 中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。 |
| • リファンピシン • フェニトイン • カルバマゼピン |
本剤の作用が減弱する可能性がある。 | CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
| • テオフィリン • アミノフィリン水和物 |
テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。 | 機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する。 |
| • クラスⅠA抗不整脈薬• キニジン、プロカインアミド等 • クラスⅢ抗不整脈薬• アミオダロン、ソタロール等 |
QT延長を起こすおそれがある。 | 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
| • 副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)• プレドニゾロン ヒドロコルチゾン等 |
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。 | 機序不明。 |
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ALT上昇 | 頻度不明 |
| AST上昇 | 頻度不明 |
| γ-GTP上昇 | 頻度不明 |
| そう痒症 | 頻度不明 |
| めまい | 頻度不明 |
| 下痢 | 頻度不明 |
| 好酸球数増加 | 頻度不明 |
| 尿中蛋白陽性 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 発疹 | 頻度不明 |
| 白血球数減少 | 頻度不明 |
| 血中インスリン増加 | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
本剤は細菌のDNAジャイレース及びトポイソメレースⅣを阻害し、殺菌的に作用する3)。
好気性又は嫌気性のグラム陽性菌及びグラム陰性菌、非定型病原体に対して抗菌スペクトルを示し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌(BLNAR及びBLPARを含む)、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した3)。
健康成人24例にラスクフロキサシン75mgを空腹時単回経口投与したときの、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった。
図1 単回経口投与後の血漿中ラスクフロキサシン濃度推移
| 投与量 | Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 75mg | 0.592±0.162 | 2.48±1.09 | 13.9±1.35 | 10.2±2.02 |
(24例 平均値±標準偏差)
16.1.2反復投与
(1)健康成人
健康成人6例にラスクフロキサシン75mgを1日1回7日間空腹時反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
| 投与量 | 投与日 | Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCt (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 75mg | 1日目 | 0.609± 0.125 |
1.67± 1.21 |
11.3± 0.993 |
6.63± 0.560 |
| 7日目 | 0.998± 0.174 |
1.50± 0.548 |
16.2± 1.02 |
13.0± 1.73 |
(6例 平均値±標準偏差)
母集団薬物動態モデルから予測した、感染症患者にラスクフロキサシン75mgを1日1回反復投与したときの投与終了時の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。
| 疾患名 | 例数 | Ctrough (μg/mL) |
Cmax (μg/mL) |
AUC0-24 (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|
| 呼吸器感染症 | 250 | 0.303± 0.113 |
1.056± 0.303 |
15.12± 4.58 |
| 耳鼻咽喉科 領域感染症 |
209 | 0.295± 0.108 |
0.859± 0.239 |
13.11± 3.87 |
(平均値±標準偏差)
ラスクフロキサシン1~10μg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は71.2%~74.0%であった。
健康成人30例(各時間6例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~24時間での対血漿中濃度比は、肺胞上皮被覆液で平均15.0~22.4、肺胞マクロファージで平均18.5~56.4であった2)。 呼吸器感染症患者36例にラスクフロキサシン75mgを経口投与後1~3時間での対血漿中濃度比は喀痰で0.613±0.289(平均値±標準偏差)であった。 耳鼻咽喉組織摘出術施行患者(各組織5例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~2時間での対血漿中濃度比(平均値±標準偏差)は、副鼻腔粘膜2.12±1.11、中耳粘膜2.04±1.83、口蓋扁桃組織2.76±0.784であった。
In vitroにおいてラスクフロキサシンはCYP3A4により脱シクロプロピル体に代謝された。 健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体が検出され、その他に脱シクロプロピル体が検出された。
健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、投与後144時間までの未変化体の排泄率は、尿中に8.38%、糞中に16.0%であった。未変化体と脱シクロプロピル体の排泄率の合計は、尿中に39.9%、糞中に24.9%であった。
腎機能障害者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表4のとおりであった。
| 腎機能障害の程度 (Ccr:mL/min) |
例 数 |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 正常 (90≦Ccr) |
6 | 0.868± 0.209 |
1.17± 0.408 |
16.8± 2.54 |
14.7± 2.65 |
| 軽度 (60≦Ccr<90) |
6 | 0.918± 0.178 |
1.17± 0.408 |
16.0± 2.26 |
16.8± 2.22 |
| 中等度 (30≦Ccr<60) |
4 | 0.615± 0.117 |
2.25± 1.26 |
17.2± 1.84 |
12.3± 2.03 |
| 高度 (15≦Ccr<30) |
6 | 0.615± 0.0681 |
1.00± 0 |
17.9± 2.64 |
11.8± 1.61 |
(平均値±標準偏差)
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。
| 肝機能障害の程度 (Child-Pugh分類スコア) |
例 数 |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
|---|---|---|---|---|---|
| 軽度 (5~6) |
11 | 0.862± 0.190 |
1.31± 0.522 |
15.5± 3.43 |
14.4± 5.23 |
| 中等度 (7~9) |
2 | 0.734, 1.32 |
0.967, 1.03 |
19.6, 23.4 |
12.4, 25.3 |
(軽度:平均値±標準偏差、中等度:個別値)
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mg※を単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
表6 高齢者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
| 例 数 |
Cmax (μg/mL) |
Tmax (hr) |
t1/2 (hr) |
AUCinf (μg・hr/mL) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| 高齢者 | 6 | 2.16± 0.438 |
1.75± 0.758 |
16.6± 2.67 |
33.8± 5.11 |
| 非高齢者 | 6 | 1.50± 0.247 |
2.50± 1.05 |
15.6± 2.39 |
30.2± 4.23 |
(平均値±標準偏差)
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。 また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。
16.7.2臨床試験成績
(1)制酸剤との併用
健康成人9例に乾燥水酸化アルミニウムゲル(1075.2mg)・水酸化マグネシウム(960mg)の配合剤とラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ0.513倍及び0.681倍に減少した。
健康成人9例にファモチジン20mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
健康成人12例にフェロジピン2.5mgとラスクフロキサシン200mg※を併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mg※を併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
※承認された用量は75mgである。