副甲状腺機能低下症
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人には、パロペグテリパラチドを、PTH(1-34)として1回18μgを開始用量とし、1日1回、皮下注射する。以後、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、1日1回6~60μgの範囲で適宜用量を増減して皮下投与するが、増量又は減量は3μgずつ行うこと。
使用上の注意
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8.1高カルシウム血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清カルシウム濃度を測定すること。
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8.2本剤の効果を十分に発揮させるため、ビタミンDが欠乏していない状態で本剤を投与することが望ましい。本剤の投与前及び投与期間中にビタミンD欠乏が疑われる場合は、ビタミンDに関する栄養指導や生活指導等の実施を考慮すること。
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8.3起立性低血圧、めまい、立ちくらみ等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険が伴う作業に従事する場合には注意させること。
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8.4本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
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投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
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全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
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添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者
以下のような骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者に対しては、患者のベネフィットとリスクを考慮して本剤の投与の可否を検討すること。
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悪性骨腫瘍及び転移性骨腫瘍のある患者
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骨に対する放射線療法中又は放射線療法後の患者
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原因不明のアルカリホスファターゼ高値を示す患者
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骨ページェット病の患者
9.2 腎機能障害患者
- 9.2.1重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)
特に投与開始時に高カルシウム血症を起こす可能性があることから、投与開始後は血清カルシウム濃度や患者の状態を十分に観察すること。重度の腎機能障害を有する又は透析中の副甲状腺機能低下症患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の乳汁中への移行に関するデータはない。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。
相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| • ジギタリス製剤• ジゴキシン | 高カルシウム血症に伴い不整脈があらわれることがある。 | 血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される。 |
| • ビスホスホネート系製剤• アレンドロン酸ナトリウム水和物 • イバンドロン酸ナトリウム水和物 • リセドロン酸ナトリウム水和物等 • デノスマブ • ロモソズマブ等 |
本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
| • テリパラチド製剤 | 本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
| • アバロパラチド酢酸塩製剤 | 本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
| • ループ系利尿薬• フロセミド • アゾセミド • トラセミド等 • サイアザイド系利尿薬• トリクロルメチアジド • ヒドロクロロチアジド等 • サイアザイド系類似利尿薬• インダパミド等 |
本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
| • 全身性コルチコステロイド薬• プレドニゾロン • デキサメタゾン • ベタメタゾン等 |
本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
| • リチウム製剤• 炭酸リチウム | 本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 | これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| 下痢 | 頻度不明 |
| 体位性めまい | 頻度不明 |
| 内出血 | 頻度不明 |
| 動悸 | 頻度不明 |
| 悪心 | 頻度不明 |
| 注射部位反応(紅斑 | 頻度不明 |
| 浮動性めまい | 頻度不明 |
| 発疹等)(33.8%) | 頻度不明 |
| 頭痛 | 頻度不明 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
パロペグテリパラチドは、PTH(1-34)にリンカーを介してメトキシポリエチレングリコールを結合させたプロドラッグであり、皮下投与後、リンカー部分が加水分解することにより、PTH(1-34)が持続的に遊離する11) 。 PTH(1-34)及び主な代謝物であるPTH(1-33)は、内因性PTH(1-84)と同様にPTH受容体に作用し、骨組織からのカルシウムの動員や腎臓の尿細管からのカルシウム再吸収の促進、小腸における活性型ビタミンD合成亢進を介した間接的なカルシウム輸送の促進により、血中カルシウム濃度を上昇させる。また、腎臓のリン再吸収を抑制すること等により、血中リン濃度を低下させる。
18.2 副甲状腺機能低下症の動物モデルでの薬理作用
副甲状腺機能低下症モデルラットにおいて、パロペグテリパラチドを28日間反復皮下投与した結果、試験期間を通じて血中カルシウム濃度が上昇し、血中リン濃度が低下した。また、骨形成マーカー及び骨吸収マーカーの上昇、海綿骨の骨密度の低下が認められた11) 。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
日本人健康成人男性に本剤50、75、100μgを単回皮下投与したときの血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータは以下のとおりであった3) 。
| 用量 (μg) |
Cmax (pg/mL) |
AUC0-120h (pg・h/mL) |
tmax (h) |
|---|---|---|---|
| 50 (n=7) |
7.19 (10.6) |
340 (17.8) |
8.00 (4.00-16.17) |
| 75 (n=7) |
10.3 (20.6) |
484 (9.3) |
8.00 (1.97-16.05) |
| 100 (n=7) |
14.1 (22.5) |
621 (19.2) |
4.00 (2.00-7.98) |
幾何平均値(幾何CV%)、tmax:中央値(最小値-最大値) 遊離PTH(1-34):本剤から遊離したPTH(1-34)を測定
-
16.1.2反復投与
-
(1)健康成人
外国人健康成人に本剤12~24μgを1日1回 10日間反復皮下投与したときの血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータは以下のとおりであった3),4) 。
| 用量 (μg) |
評価時点 | Cmax (pg/mL) |
AUCtau (pg・h/mL) |
tmax (h) |
t1/2 (h) |
|---|---|---|---|---|---|
| 12 (n=8) |
1日目 | − | − | − | − |
| 10日目 | 3.78 (18.6) |
68.0 (21.4) |
4.00 (4.00-16.02) |
63.7 (27.0) |
|
| 16 (n=8) |
1日目 | 2.45 (19.3) |
46.2 (14.2) |
8.00 (4.00-16.00) |
− |
| 10日目 | 4.46 (20.3) |
87.7 (23.5) |
4.00 (4.00-12.00) |
34.8 (40.7) |
|
| 20 (n=8) |
1日目 | 3.05 (17.7) |
54.7 (17.4) |
4.00 (3.75-16.00) |
− |
| 10日目 | 5.77 (19.0) |
112 (20.5) |
6.07 (4.03-16.05) |
51.3 (9.6) |
|
| 24 (n=8) |
1日目 | 3.81 (15.4) |
66.8 (15.9) |
8.00 (4.00-16.00) |
− |
| 10日目 | 7.43 (22.6) |
150 (19.1) |
7.88 (4.00-12.00) |
46.9 (13.2) |
幾何平均値(幾何CV%)、tmax:中央値(最小値-最大値) 遊離PTH(1-34):本剤から遊離したPTH(1-34)を測定
- (2)副甲状腺機能低下症患者
外国人副甲状腺機能低下症の成人患者12例に本剤12~45μg(平均24.5μg)を1日1回反復皮下投与したときの定常状態における血漿中遊離PTH濃度推移は以下のとおりであり、投与後24時間を通じて正常範囲内注8) を維持した5) 。
図2 反復皮下投与したときの血漿中遊離PTH濃度推移
平均値±標準誤差(各測定ポイントにおける例数n=7〜12) 遊離PTH:遊離PTH(1-34)濃度と遊離PTH(1-33)濃度を合算
注8)遊離PTHの正常範囲(約4〜26pg/mL)は、血漿中の内因性PTH(1-84)濃度の正常範囲(10〜65pg/mL)と、内因性PTH(1-84)に対するPTH(1-34)の分子量の比から算出された。
16.3 分布
健康成人、腎機能障害者及び副甲状腺機能低下症患者281例から得られたデータに基づく母集団薬物動態解析により、体重70kgの外国人健康成人女性に本剤を皮下投与したときの遊離PTHの見かけの分布容積(平均値(CV%))は8.7(18)Lと推定された6) 。
16.4 代謝
パロペグテリパラチドは生理的条件下でリンカー部位が加水分解され、PTH(1-34)及びPTH(1-34)の活性代謝物であるPTH(1-33)を放出する。PTH(1-34)及びPTH(1-33)は同様の活性を有する。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者
腎機能障害の程度が異なる被験者に本剤50μgを単回皮下投与したときの遊離PTH(1-34)、総PTH及びmPEGの薬物動態パラメータを、腎機能が正常(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)な被験者(13例)と比較した結果は以下のとおりであった3) 。重度腎機能障害を有する被験者では、内因性PTH(1-84)濃度が高いことに起因し、遊離PTH(1-34)の曝露量が適切に評価されていない可能性がある7) 。
| 腎機能障害の程度 eGFR (mL/min/1.73m2) |
遊離PTH(1-34) | 総PTH | mPEG | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Cmax 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
AUClast 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
Cmax 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
AUClast 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
Cmax 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
AUClast 幾何平均値の比 [90%信頼区間] |
|
| 軽度 (60≦eGFR<90) (n=9) |
1.13 [0.956-1.33] |
1.43 [1.01-2.03] |
1.19 [0.716-1.97] |
1.29 [0.764-2.16] |
1.31 [0.820-2.09] |
1.59 [0.874-2.88] |
| 中等度 (30≦eGFR<60) (n=8) |
1.17 [0.859-1.60] |
1.34 [0.712-2.50] |
0.741 [0.408-1.35] |
0.834 [0.484-1.44] |
0.942 [0.543-1.64] |
1.18 [0.788-1.78] |
| 重度 (eGFR<30) (n=8) |
2.83 [1.82-4.40] |
13.80 [5.83-32.50] |
0.718 [0.394-1.31] |
0.740 [0.339-1.62] |
1.01 [0.646-1.57] |
1.25 [0.579-2.71] |
遊離PTH(1-34):本剤から遊離したPTH(1-34)を測定 総PTH:本剤中のPTH(1-34)及びPTH(1-33)を測定。ただし、遊離PTH及び内因性PTH(1-84)も併せて測定された。 mPEG:本剤中のmPEG及び本剤から遊離したmPEGを測定
- 16.6.2高齢者
母集団薬物動態解析の結果、年齢(19~76歳)は遊離PTHの曝露量に影響を及ぼさないことが示唆された6) 。