二次性進行型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制
【警告】
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1.1本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤の安全性及び有効性についての十分な知識と多発性硬化症の治療経験をもつ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、黄斑浮腫等の重篤な眼疾患が発現することがあるので、十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用すること。
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1.2重篤な感染症により死亡に至る例が報告されているので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
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1.3本剤の漸増期間中に心拍数の低下作用がみられるため、循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で本剤の投与を開始すること。
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
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2.1本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.2重篤な感染症のある患者
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2.3本剤の投与開始前6ヵ月以内に心筋梗塞、不安定狭心症、入院を要する非代償性心不全、NYHA分類Ⅲ度又はⅣ度の心不全を発症した患者
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2.4モビッツⅡ型第2度房室ブロック又はそれより重度の房室ブロック、洞不全症候群のある患者(ペースメーカー使用患者を除く)
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2.5著明なQT延長のある患者
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2.6妊婦又は妊娠している可能性のある女性
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2.7生ワクチンを接種しないこと。
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2.8クラスⅠa(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラスⅢ(アミオダロン、ソタロール、ニフェカラント)抗不整脈剤、べプリジル塩酸塩を投与中の患者
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2.9CYP2C9*3/*3を保有している患者
効能・効果
用法・用量
通常、成人にはシポニモドとして1日0.25mgから開始し、2日目に0.25mg、3日目に0.5mg、4日目に0.75mg、5日目に1.25mg、6日目に2mgを1日1回朝に経口投与し、7日目以降は維持用量である2mgを1日1回経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。
使用上の注意
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8.1感染症のリスクが増大するおそれがあるので、本剤投与開始前及び投与中は以下の8.1.1-8.1.4に注意すること。
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8.1.1本剤投与開始前(投与開始前6ヵ月以内又は前治療から切り替える場合には前治療中止後)に血液検査(血球数算定等)を行うとともに、投与中には定期的に血液検査を行うこと。リンパ球数が200/mm3を下回った場合には、再検査を実施し、連続して200/mm3未満であった場合には、本剤の維持用量を半量に減量すること。半量に減量後も、連続して200/mm3未満であった場合には、本剤を休薬し、リンパ球数が回復するまで患者の状態を慎重に観察するとともに、感染症の徴候に注意すること。投与再開及び減量後の再増量については、リンパ球数が600/mm3以上まで回復することを目安とし、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること。
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8.1.2重篤な感染症のある患者では、感染症が回復するまで本剤の投与を開始しないこと。本剤投与中に感染症の症状があらわれた場合には直ちに主治医に連絡するよう指導すること。重篤な感染症が発現した場合には本剤の投与を中断し、適切な処置を行うこと。投与再開については、感染症の回復を確認し、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること。
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8.1.3クリプトコッカス性髄膜炎があらわれることがあるため、患者の状態を十分に観察し、クリプトコッカス性髄膜炎の臨床症状又は徴候に注意すること。クリプトコッカス性髄膜炎の症状及び徴候が認められた場合は、本剤を休薬し、速やかに診断を行うこと。
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8.1.4本剤投与中に水痘又は帯状疱疹に初感染すると重症化するおそれがあるため、本剤投与開始前に水痘又は帯状疱疹の既往や予防接種の有無を確認し、必要に応じてワクチン接種を考慮すること。接種する場合はワクチンの効果が十分に得られるまで本剤投与開始を延期すること。
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8.2無症候性も含め、特に投与初期には黄斑浮腫があらわれることがあるため、投与開始3~4ヵ月後に眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること。また、本剤投与期間中には定期的に眼科学的検査を実施するとともに、患者が視覚障害を訴えた場合にも眼科学的検査を実施すること。黄斑浮腫が確認された場合には、投与を中断し、適切な処置を行うこと。回復後の投与再開については、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること。
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8.3本剤の漸増期間中は、心拍数低下、房室伝導の遅延が生じることがあるため、本剤の投与開始前及び漸増期間中は以下の8.3.1、8.3.2に注意すること。
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8.3.1初回投与日の投与前及び投与後6時間は継続して、バイタルサイン及び心電図を測定すること。本剤投与後6時間以内に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状が認められた場合、第2度以上の房室ブロックや著明なQTc間隔の延長が認められた場合、又は心拍数減少の最低値からの回復が認められていない場合は、さらに継続して心電図を測定すること。なお、4日以上連続して本剤を休薬した場合の投与再開日についても、初回投与日と同様に観察を行い、バイタルサイン及び心電図を測定すること。また初回投与後の経過に応じて、漸増期間(6日間)中は連続的に心電図を測定することを検討すること。
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8.3.2漸増期間中は心拍数が減少するため、患者又はその家族等に対し、失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導すること。また、少なくとも投与開始7日目までは家庭で脈拍数を測定し、脈拍数が50bpm未満を示した場合にも主治医に連絡するよう指導すること。 臨床試験において、漸増時の初回投与日に、投与後1時間以内に脈拍数が減少し、約4時間後に最も低下し、投与6時間後までに回復傾向が認められた。投与後の日内の絶対心拍数(時間平均)は1日目に最も減少し、投与5~6日目にベースラインから最も減少するが、6日目以降に心拍数は増加し始め、投与後10日以内にプラセボと同程度に回復が認められた。
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8.4投与初期には、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の作業をする際には注意させること。
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8.5肝機能検査値異常がみられることがあるので、本剤の投与開始前に肝機能検査(トランスアミナーゼ及びビリルビン等)を行うとともに、本剤投与期間中は定期的に肝機能検査を行うこと。
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8.6本剤投与中止後に、本剤が血中から消失するには最長で10日間かかる場合があり、末梢血リンパ球数減少などの薬力学作用は、最終投与後から最長で3~4週間持続する可能性があるため、投与終了後においても感染症に対する注意を継続すること。
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8.7血圧上昇があらわれることがあるので、定期的に血圧測定等を実施すること。
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8.8本剤投与中に1秒努力呼気量(FEV1)及び肺の一酸化炭素拡散能(DLCO)の減少が認められることがあるので、呼吸器疾患の症状がみられた場合には呼吸機能検査を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1CYP2C9*1/*3又は*2/*3を保有する患者
本剤の血中濃度が上昇する。
- 9.1.2感染症のある患者
重度の活動性感染症のある患者では、感染症が消失するまで本剤の投与開始を延期すること。
- 9.1.3糖尿病、ブドウ膜炎、網膜の疾患がある患者又はこれらの既往歴のある患者
黄斑浮腫が発現するリスクが増大するため、本剤投与開始前に眼科学的検査を実施し、投与中にも定期的な眼科学的検査を実施すること。
- 9.1.4心拍数低下又は房室伝導の遅延によるリスクが高い以下の患者
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心停止、脳血管疾患、コントロール不良の高血圧症又は重度かつ未治療の睡眠時無呼吸の既往歴がある患者
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洞性徐脈(心拍数55bpm未満)のある患者
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第1度又はウェンケバッハ型(モビッツⅠ型)第2度房室ブロックのある患者
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心筋梗塞又は心不全の既往歴がある患者(本剤の投与開始前 6 ヵ月以内に心筋梗塞、入院を要する非代償性心不全、NYHA分類III度又はIV度の心不全を発症した患者を除く)
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再発性の失神又は症候性の徐脈の既往歴がある患者
本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること。本剤の投与を考慮する場合は、投与開始前に、患者の状態に応じた最適なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること。
- 9.1.5QT延長がある患者又は不整脈原性を有することが知られているQT延長作用のある薬剤を投与中の患者
本剤の投与を考慮する場合は、投与開始前に、患者の状態に応じた最適なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること。QT間隔が延長するおそれがある。
- 9.1.6心拍数減少作用のあるカルシウムチャネル拮抗薬(ベラパミル、ジルチアゼム等)又は心拍数が減少する可能性のある他の薬剤を投与中の患者
これらの薬剤を投与中の患者には、本剤の投与を避けることが望ましい。本剤の投与を考慮する場合は、心拍数減少作用のない薬剤への切替え又は投与開始時の患者の状態に応じた適切なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること。
- 9.1.7β遮断薬を投与中の患者
長期にβ遮断薬が投与されており、安静時心拍数が50bpmを超える場合は、本剤の投与を開始してもよい。安静時心拍数が50bpm以下の場合は、β遮断薬を休薬し、ベースラインの心拍数が50bpmを超えた後に本剤の投与を開始してもよい。β遮断薬の投与は、本剤を維持用量まで漸増後に再開してもよい。
- 9.1.8重度の呼吸器疾患を有する患者
症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.9痙攣発作又はその既往歴のある患者
痙攣をおこすおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が悪化するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、動物実験で本剤が発達中の胎児に有害であることが示されていることを説明すること。本剤の投与中及び投与中止後少なくとも10日間は適切な避妊法(妊娠率が1%未満の方法)を行うよう指導すること。また、本剤投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験において、胚・胎児毒性(ラット及びウサギ)及び催奇形性(ラット)が認められている。ラットでは吸収胚数の増加、外表異常(異常回転肢及び口蓋裂)、内臓異常(巨心及び雄生殖器異常)並びに骨格異常(鎖骨形態異常)が、ウサギでは母動物で流産、胎児で吸収胚数並びに骨格及び内臓変異の増加がみられている。これらの変化は、臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約2倍以上の曝露量で認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットに本剤10mg/kgを単回経口投与したとき、本剤及びその代謝物が乳汁中に移行した。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
相互作用
- 本剤の主代謝酵素はCYP2C9(79.3%)であり、CYP3A4(18.5%)も寄与する。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 生ワクチン(乾燥弱毒性麻しんワクチン、乾燥弱毒性風しんワクチン、乾燥BCG等) |
生ワクチンを接種すると発症するおそれがある。本剤の投与中及び投与終了後最低4週間は接種を避けること。 | 本剤は免疫系に抑制的に作用するため、生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわすおそれがある。 |
| クラスⅠa抗不整脈剤 • キニジン • (硫酸キニジン) • プロカインアミド • (アミサリン) • ジソピラミド • (リスモダン) • シベンゾリン • (シベノール) • ピルメノール • (ピメノール)クラスⅢ抗不整脈剤 • アミオダロン • (アンカロン) • ソタロール • (ソタコール) • ニフェカラント • (シンビット)べプリジル塩酸塩 (ベプリコール) |
Torsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある。 | 本剤の投与により心拍数が減少するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| 抗腫瘍薬、免疫抑制剤 • ミトキサントロン等 |
過剰な免疫系の抑制により、感染症などのリスクが増大するおそれがある。これらの薬剤と併用する場合、及びこれらの薬剤の投与中止後数週間以内に本剤を投与する場合は注意すること。 本剤の最終投与後3~4週間以内にこれらの薬剤を投与する場合も同様に注意すること。 |
相加的に免疫系に作用するリスクがある。なお、本剤と抗腫瘍薬又は免疫抑制剤との併用の試験は行われていない。 |
| 多発性硬化症治療剤 • インターフェロンβ • グラチラマー酢酸塩 • フマル酸ジメチル • フィンゴリモド塩酸塩 • ナタリズマブ等 |
過剰な免疫系の抑制により、感染症などのリスクが増大するおそれがある。 インターフェロンβ又はグラチラマー酢酸塩であれば、通常、これらの薬剤の投与中止直後に本剤の投与を開始してもよい。また、他の薬剤から本剤に切り替える場合は、他の薬剤の消失半減期及び作用機序を考慮すること。 本剤の最終投与後3~4週間以内にこれらの薬剤を投与する場合も同様に注意すること。 |
相加的に免疫系に作用するリスクがある。なお、本剤と他の多発性硬化症治療剤との併用の試験は行われていない。 |
| 心拍数を低下させる可能性のある薬剤 • ジゴキシン等心拍数減少作用のあるカルシウムチャネル拮抗薬 • ベラパミル • ジルチアゼム等不整脈原性を有することが知られているQT延長作用のある薬剤 |
心拍数の減少により、徐脈、QT延長、房室ブロックなどの徐脈性不整脈が発現するおそれがある。本剤の投与開始時に、これらの薬剤と併用しないことが望ましい。 | 心拍数に対して潜在的な相加作用がある。 |
| β遮断薬 • アテノロール • プロプラノロール等 |
心拍数の減少により、徐脈、QT延長、房室ブロックなどの徐脈性不整脈が発現するおそれがある。β遮断薬を投与中の患者に、本剤の投与を開始する場合は注意すること。なお、本剤の維持用量を投与されている患者には、β遮断薬の投与を開始してもよい。 | 心拍数減少に相加的な作用がある。 |
| *不活化ワクチン | ワクチン接種の効果が減弱するおそれがある。本剤の投与中及び投与終了後最低4週間は不活化ワクチンの接種を避けること。 | 本剤は免疫系に抑制的に作用するため、ワクチン接種の効果が減弱する可能性がある。4価インフルエンザワクチン接種の1週間前から4週間後まで本剤を休薬した場合、奏効率はプラセボと比較して低下しなかったが、本剤の休薬期間を短くした場合(ワクチン接種の10日前から2週間後まで)及び本剤投与中にワクチン接種した場合、奏効率はプラセボと比較して約15~30%低下した。 |
| 中程度のCYP2C9阻害作用かつ中程度のCYP3A4阻害作用を有する薬剤 • フルコナゾール等中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A4阻害作用を有する薬剤の両方を併用 |
本剤の曝露量が増加し、副作用が発現するおそれがあるため、併用しないことが望ましい。 | 本剤の代謝が阻害され曝露量が増加する。 |
| 中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤 • ブコローム等 |
本剤の曝露量が増加し、副作用が発現するおそれがあるため、併用しないことが望ましい。 | 本剤の代謝が阻害され曝露量が増加する。 |
| 中程度のCYP2C9誘導作用かつ強力なCYP3A4誘導作用を有する薬剤 • カルバマゼピン • リファンピシン等中程度のCYP2C9誘導作用を有する薬剤と強力なCYP3A4誘導作用を有する薬剤の両方を併用 |
本剤の曝露量が低下し、有効性が減弱するおそれがある。これらの薬剤と併用する際には注意すること。 | 本剤の代謝が促進され曝露量が低下する。 |
| 中程度以上のCYP3A4誘導作用を有する薬剤 • エファビレンツ等 |
本剤の曝露量が低下し、有効性が減弱するおそれがある。CYP2C9*1/*3又は*2/*3を保有する患者では、これらの薬剤と併用する際には注意すること。 | 本剤の代謝が促進され曝露量が低下する。 |
副作用
その他の副作用
| 副作用名 | 頻度 |
|---|---|
| ― | 1%未満 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 1〜5%未満 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 5%以上 |
| ― | 1〜5%未満 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 1〜5%未満 |
| ― | 1%未満 |
| ― | 5%以上 |
| メラノサイト性母斑 | 1〜5%未満 |
| リンパ球減少症 | 5%以上 |
| 下痢 | 1〜5%未満 |
| 四肢痛 | 1%未満 |
| 悪心 | 1〜5%未満 |
| 振戦 | 1%未満 |
| 末梢性浮腫 | 1〜5%未満 |
| 浮動性めまい | 1〜5%未満 |
| 無力症 | 1%未満 |
| 痙攣発作 | 1%未満 |
| 肝機能検査値上昇 | 5%以上 |
| 肺機能検査値低下 | 1〜5%未満 |
| 頭痛 | 1〜5%未満 |
| 高血圧 | 5%以上 |
薬物動態・作用機序
作用機序
18.1 作用機序
シポニモドは5種類のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体サブタイプのうちS1P1及びS1P5受容体に選択性を示す。S1P1受容体に結合し内在化を誘導することで、S1P1受容体の機能的アンタゴニストとして作用する20)。S1P5受容体に結合するものの、内在化を誘導せず、S1P5受容体のアゴニストとして作用する21)。
18.2 二次リンパ組織からのリンパ球の移出抑制作用
シポニモドはS1P1受容体に対する機能的アンタゴニスト作用により二次リンパ組織からのリンパ球の移出を抑制し、血中リンパ球数を減少させる。自己反応性リンパ球も同様に二次リンパ組織からの移出が抑制されるため、中枢神経系(CNS)局所への浸潤が抑制される8),20)。
18.3 中枢神経系(CNS)に対する保護作用
シポニモドはCNSへの移行性を有し22)、in vitroの検討においてS1P1受容体を介してアストロサイトの活性化を抑制すること23)、及びin vitro又はアフリカツメガエルのオタマジャクシの検討においてS1P5受容体を介してオリゴデンドロサイトの再ミエリン化を促進することが明らかにされている24),25)。
18.4 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対する作用
多発性硬化症の動物モデルであるマウスの慢性型EAEにおいて、血中リンパ球数に有意な影響を与えない用量を脳室内投与したとき、シポニモドは神経症状スコアを改善し、CNSに対して直接的な神経保護作用を示した26)。
薬物動態
16.1 血中濃度
- 16.1.1単回投与
健康成人(40例)に本剤0.5、2.5、5、10mg注1)を単回経口投与したとき、投与約4時間後(中央値)に最高血漿薬物濃度(Cmax)に到達した。消失半減期(t1/2)は28.5~39.7時間であった。Cmax及び血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC)は用量に比例して増加した1)。
本剤0.5、2.5、5、10mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移(n=8、幾何平均値)
| 薬物動態パラメータ | 0.5mg n=8 |
2.5mg n=8 |
5mg n=8 |
10mg n=8 |
|---|---|---|---|---|
| Tmax(h) | 4(3~6)※ | 4(3~4)※ | 3.5(2~12)※ | 4(3~6)※ |
| Cmax(ng/mL) | 4.55±0.712 4.5 |
21.5±2.73 21.3 |
46.1±9.96 45.2 |
102±18.1 100 |
| AUCinf(ng・h/mL) | 162±47.5 156 |
686±60.5 684 |
1290±262 1270 |
3330±1000 3200 |
| t1/2(h) | 30.2±9.23 29.0 |
28.6±2.20 28.5 |
29.9±7.16 29.1 |
42.2±14.3 39.7 |
平均値±標準偏差、幾何平均値 ※中央値(最小値~最大値)
- 16.1.2反復投与
健康成人(50例)に本剤0.3mg~20mg注1)を1日1回反復経口投与したとき、投与4時間後(中央値)にCmaxに到達した。t1/2は68.8~110時間であった。血漿中トラフ濃度は約6日で定常状態に達し、累積率は約2~3倍であった。Cmax及びAUCは用量に比例して増加した2)。 健康成人(304例)に本剤2mgを6日間の漸増期間を設け1日1回反復経口投与したとき、投与開始10日目には定常状態に到達し、Cmax及びAUCtauはそれぞれ30.4ng/mL及び558ng・h/mLであった3)(外国人データ)。 二次性進行型多発性硬化症患者(1,651例)に6日間の漸増期間を設け本剤2mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態における血漿中トラフ濃度は下表のとおりであった4)。
| 評価時期 | 28日目 投与前 |
12ヵ月目 投与前 |
試験終了時 最終投与24時間後 |
|---|---|---|---|
| n | 1011 | 775 | 488 |
| ng/mL | 23.2 | 23.6 | 20.1 |
幾何平均値
16.2 吸収
- 16.2.1バイオアベイラビリティ
健康成人(16例)に本剤0.25mgを単回経口投与したときのバイオアベイラビリティは約84%であった5)(外国人データ)。
- 16.2.2食事の影響
健康成人(60例)に本剤0.25又は4mg注1)を空腹時又は高脂肪食摂取後30分に単回経口投与したとき、Cmax、AUC及びt1/2に食事の影響は認められなかった6)(外国人データ)。
16.3 分布
- 16.3.1体組織への分布
健康成人(15例)に本剤0.25mgを3時間点滴静脈内投与したときの分布容積は124Lであった5)。
- 16.3.2血漿中分布率
シポニモドの全血におけるin vitro血漿中分布率は68%であった。
- 16.3.3血漿タンパク結合率
シポニモドのex vivo血漿蛋白結合率は99.9%を上回った7)。
- 16.3.4血液-脳関門通過性
動物試験の結果、シポニモドの血液脳関門の通過は速やかであった8)。
16.4 代謝
本剤の主な代謝酵素はチトクロームP450(CYP)2C9(代謝における寄与率:79.3%)であり、その他CYP3A4(代謝における寄与率:18.5%)が関与する9)。
16.5 排泄
本剤は主に代謝、その後の胆汁及び糞中排泄により全身循環から消失した。健康成人(4例)に、14C標識した本剤10mg注1)を単回経口投与したとき、糞中には投与放射能の9.2%が未変化体として排泄され、45.1%が主代謝物M5(水酸化代謝物)として排泄された。また尿中には未変化体は認められず、投与放射能の2.1%が主代謝物M3(M5のグルクロン酸抱合体)として排泄された10)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
- 16.6.1腎機能障害者における薬物動態
高度(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害者(8例)並びに健康成人(8例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、高度の腎機能障害者の総シポニモド(血漿蛋白非結合型+血漿蛋白結合型)及び非結合型シポニモドのCmaxは、健康成人と同程度であったが、AUCは1.24倍(90%信頼区間:0.90,1.72)及び1.33倍(90%信頼区間:1.02,1.75)高かった。健康成人及び高度の腎機能障害者の総シポニモドのt1/2はそれぞれ、25.4及び36.2時間であった11)(外国人データ)。
- 16.6.2肝機能障害者における薬物動態
軽度(Child-Pughスコア5~6)、中等度(Child-Pughスコア7~9)及び高度(Child-Pughスコア10~15)の肝機能障害者(24例)並びに健康成人(14例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、肝機能障害による総シポニモドの薬物動態への影響は認められなかった。非結合型シポニモドのAUCは、軽度の肝機能障害による影響は認められなかったが、中等度及び高度の肝機能障害者では、健康成人よりもAUCがそれぞれ1.15倍(90%信頼区間:1.05,1.27)及び1.50倍(90%信頼区間:0.968,2.33)高かった。Cmaxは軽度、中等度、高度でそれぞれ1.22倍(90%信頼区間:0.953,1.57)、1.17倍(90%信頼区間:1.08,1.27)及び1.11倍(90%信頼区間:0.878,1.40)高かった。t1/2は肝障害者と健康成人で同程度であった12)(外国人データ)。
- 16.6.3CYP2C9遺伝子型
CYP2C9の遺伝子型*1/*1、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人(24例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人のシポニモドのAUCは、*1/*1を保有する健康成人に比べて、それぞれ2.05倍(90%信頼区間:1.71,2.45)及び3.84倍(90%信頼区間:3.22,4.59)高かった(Cmaxはそれぞれ1.21倍[90%信頼区間:1.02,1.44]及び1.16倍[90%信頼区間:0.98,1.37]高かった)。*1/*1、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人におけるシポニモドのt1/2はそれぞれ28、51及び126時間であった13)(外国人データ)。 二次性進行型多発性硬化症患者を対象とした母集団薬物動態解析から、CYP2C9*1/*1及び*1/*2を保有する被験者のCL/Fが3.11L/hと推定されたのに対し、*2/*2、*1/*3、*2/*3を保有する被験者ではそれぞれ2.5、1.9及び1.6L/hと推定された。AUCはそれぞれ1.25、1.61、1.91倍に増加すると予測された14),15)。 また、第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験結果を用いた母集団薬物動態解析から、*3/*3を保有する被験者のCL/Fは0.9L/hと推定され、AUCは3.84倍に増加すると予測された15),16)。
16.7 薬物相互作用
- 16.7.1フルコナゾール
健康成人(14例)に、フルコナゾール200mgを19日間1日1回反復経口投与し(1日目は1日2回投与)、3日目に本剤4mg注1)を併用で単回経口投与したとき、シポニモドのCmaxは同程度であったが、AUCは1.98倍(90%信頼区間:1.87,2.10)に増加し、t1/2は1.51倍(90%信頼区間:1.34,1.71)に延長した13)(外国人データ)。 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、フルコナゾール200mgを19日間1日1回反復経口投与し(1日目は1日2回投与)、3日目に本剤4mgを併用で単回経口投与したとき、本剤の曝露量は最大で約2.7倍に増加すると予測された。
- 16.7.2リファンピシン
健康成人(16例)に、本剤2mgを5日間の漸増期間を設け24日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、13日目からリファンピシン600mgを併用で1日1回12日間反復経口投与したとき、Cmaxが45%(90%信頼区間:42,48)減少し、AUCが57%(90%信頼区間:55,59)減少した17)(外国人データ)。 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、本剤2mgを単独で12日間1日1回反復経口投与したときと、リファンピシン600mgを1日2回併用投与したときで比較すると、本剤の曝露量は最大で76%低下すると予測された。
- 16.7.3経口避妊薬
健康成人女性(24例)に経口避妊薬(エチニルエストラジオール30µg及びレボノルゲストレル150µgの配合剤)を21日間反復投与し、その後本剤4mg注1)を6日間の漸増期間を設け27日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、7日目から経口避妊薬を21日間併用反復投与した。経口避妊薬の薬物動態及び薬力学的作用に臨床的に重要な影響は認められなかった。経口避妊薬の効果は本剤併用下でも保たれた18)(外国人データ)。
- 16.7.4プロプラノロール
健康成人(76例)に、本剤2mgを5日間の漸増期間を設け20日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、11日目からプロプラノロール80mgを併用で1日1回10日間反復経口投与、又はプロプラノロール80mgを20日間1日1回反復経口投与し、11日目から本剤2mgを5日間の漸増期間を設け10日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、本剤とプロプラノロールの併用投与の負の変時作用を評価した。本剤の定常状態時にプロプラノロールを併用投与したときは相加的な心拍数減少は認められなかったのに対し、プロプラノロールの定常状態時に本剤を併用投与したときの心拍数の減少は相加的であった19)(外国人データ)。
- 16.7.5生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(エファビレンツ)
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、本剤2mgを単独で12日間1日1回反復経口投与したときと、エファビレンツ600mgを1日1回併用投与したときで、本剤の曝露量はCYP2C9*1/*3及び*2/*3を保有する患者で、それぞれ51%及び44%低下すると予測された。
注1)本剤の承認用量(維持用量)は2mgである。